せつ菜ちゃんをずっ推しします
「…~♪」
月「お、ご機嫌だね?」
「月さん、どうしたんですか?」
イヤホンを外し…月さんの顔を見る。
ちなみに今は留学先の学校にいる。
月「心寂しくしてないかって様子を見に来たのさ♪」
「わざわざありがとうございます…でも」
【Buongiorno Shun(おはよう、峻)】
「Buongiorno(おはよう)…とまぁ、なんとか慣れてはいるよ」
一学年上の月さんが様子を見に来るのは無理もないだろう。
留学初日なんて…
【Miyanohara, che studiava dal Giappone. Tutti vanno d'accordo.(日本から留学してきた宮之原だ、みんな仲良くな)】
…シーーーーン…
まぁ、日本人だからな…イタリア語も分からないと思われても無理はないだろう…が。
「Piacere. Sono Miyanohara. Sono qui per studiare musica per le persone che amo.(はじめまして、宮之原です。大好きな人たちのために大好きな音楽を勉強しに来ました。)」
話し出した瞬間、先生を含めて驚嘆の声を上げるクラスメイトたち
そこからは仲良くなるまでに、そう時間はかからなかった。
月「…ところで、そのイヤホン…ピンク色だね
男の子がピンク色って、珍しいね?」
「…あぁ、これは…歩……っと、大事な人のイヤホンなんだ
預かっててって言われたし…何より、俺が持っていたかったからね…」
月「…ほほーう、彼女…ですかい?♪」
「ち、違うよ!」
月「あっはは、慌てて否定するあたり怪しいぞ~?♪」
「う、うるさいなぁ、もう!」
…彼女…か。
…いやいや、勉強に集中しないと…。
【Hai sentito? Un musicista famoso darà una lezione speciale.(そう言えば、聞いた?有名な音楽家の人が特別授業してくれるって)】
【È l'ora della prossima classe, no?(あー、この後の授業だよね?そろそろ行かないとね)】
「…って訳で…俺も移動教室だから」
月「おっと、大事な要件を忘れていた」
「…?」
月「Volete pranzare con me, signori?(お昼一緒にいかがかな、紳士?)」
「… Ehi, ehm.(…へいへい)」
こういう時にイタリア語で言われてもな…まぁいいか。
────────────────
【音楽室】
中に入り…特別講師の登場を待っていた。
俺は相変わらずイヤホンをしてノートを取っていたが。
(…ここは…せつ菜らしく…こう、と…
歩夢は…花がいいな…花…うーん…ローダン…)
アイデアを思い浮かべてる時だった、イヤホン越しでも分かるくらいの拍手の音がした。
登壇に目をやると…。
「……あっ!!!!」
そこには…ランチの時にピアノを弾き、それを聞いてた音楽家の人だった。
【… Cos'è quello?(…おや?)】
勢いよく立ち上がったものだから…当然、相手にはバレバレだった。
そして…その音楽家の…今は先生か…は、近づいてきた。
【Salve da pranzo.(やあ、ランチ以来だね)】
「… Esatto(…どうも)」
握手をすると周りのクラスメイトたちがざわついた。
まぁ、そうだろう…有名な音楽家と日本人の留学生…掛け合う訳が無い。
【Hai studiato qui, vero? Non è vero?(ここに留学してたんだね?)】
俺はその質問に頷いた。
【Allora ti accompagnerò. Canti.(ふむ、では私が伴奏しよう。君が歌ってみてくれ)】
「… Cosa?(…えっ?)」
伴奏?…俺が歌う?
俺の疑問を他所に…音楽家の先生はピアノの方に向かってしまった。
【Sì, puoi cantare lì.(あぁ、そこで歌ってくれ)】
(…ったく、是非は無いのかよ…)
頭を掻きながら…俺は歌い出した…。
その瞬間、世界が変わった気がした。
…いや、正確に言えば…その場の空気を俺が支配したような感覚だった。
【………(Hymn. Divertente.)(賛美歌か、面白い)】
…歌い終わると…音楽室は静寂に包まれた。
しかし、音楽家の先生は違った。
何度も何度も…拍手を繰り返した。
【Bene. Mi piaci sempre di più.(素晴らしい、君の事ますます気に入ったよ)】
その後、音楽家の先生からとんでもないアイデアが要求された。
【Vorresti andare a un concerto la prossima settimana?
(良ければ、来週のコンサートに出ないか?)】
「………………………………………は?」
そのアイデアに俺は気の抜けた日本語しか出なかった。
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【おまけ 侑×峻】
侑「あぁ、間違えた…っ」
「ここの弾き方は…こう」
音楽室で俺は侑の横でピアノを弾いていた。
侑「…さっすがだな~…尊敬しちゃうよ」
「…というか…どうして、急にピアノを…?」
侑「…弾きたいんだ、私が伝えたいことを…音楽にして…それに…大好きな…スクールアイドルをはじめた…あの子の為に」
「…それって…」
ガラガラっ。
歩夢「あっ、峻くんに侑ちゃん…ここに居たんだ?♪」
侑「…ここから先は…まだ、秘密ね?♪」
「…だな、これは俺も真剣に教えないとな」
侑「よろしくねっ、せーんせっ♪」
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