今年も今年とて、自分らしく行きます
せつ菜ちゃんしか勝たん
留学編です!
【昼休み】
月「えぇっ!?コンサートに?!」
「…はぁ、勢いで返事したけど…どうすれば…」
月さんに話をした後、俺は思いっきり頭を抱えた。
コンサートに出るのもそうだが…あの音楽家の顔よ…。
「…めっちゃ期待される気が…」
月「いいじゃん!またとない経験だよっ?!
コンサート見に行くからさ!♪」
「そんなっ!急な物なのに…!」
しかし、遠慮した俺を他所に月さんは見に行くと言って聞かなかった。
「…はぁ…とりあえず、出るよ…ドタキャンしたら後が怖いし…」
月「そうそう!…あ~っ、夜のコンサートが楽しみだな~♪」
「…やれやれ…」
こっちは楽しんでる余裕なんか無さそうだけどな…。
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あっという間に夜が来てしまった。
月さんの案内の元…大きなコンサートホールに着いた。
「… Ho un invito da parte di questa persona
(この人から招待状を預かったのですが)」
【Prego, entrate.(どうぞ中へ)】
招待状を確認した警備員が中へと誘導した。
もちろん、中は関係者入口…周りの人との服の違いなどに少し戸惑った。
「…いやいや、スーツなんか用意してる訳ないっつの…」
【Sei venuto come promesso.(約束通り来てくれたね)】
「Grazie per avermi invitato(ご招待ありがとうございます)
Certo, te lo prometto.(もちろんお約束なので)」
【C'è un costume qui. Seguitemi.(こっちに衣装を用意してある、ついてきてくれ)】
(衣装まで用意してくれてるとは…本気だな、この人は)
衣装に着替えてる時だった…更衣室の外から声がした。
【La tua esibizione è una grande gentilezza.
(君の演奏は言うなれば優しさの塊だ)
Qual è la radice di questa gentilezza?
(その優しさの根源は一体なんだい?)】
「……根源、か…」
スーツに袖を通し、更衣室のカーテンを思い切り開いた。
「È una ricompensata al sostegno dei miei colleghi che ci seguiranno.
(夢を一緒に追いかけてくれる仲間の支えへの恩返しです)」
【… Capisco, è divertente.(なるほど、面白い)】
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【コンサート会場】
一足先に月は客席にいた。
有名な音楽家のコンサートともあって、客も大勢居た。
月「…あっ、そうだ!」
近くに居たスタッフに月は声をかけた。
月「Puoi registrare questo concerto, vero?
(このコンサートって録画出来るんだよね?)」
【Sì, posso farlo con la volontà dell'ospite.
(はい、主催者の意向で出来るようになってますよ)】
月「Capisco, grazie!
(そっか、ありがとう!)」
そう言って月はポケットから携帯を取りだした。
月(私だけ独り占めって、勿体ないよねっ
曜ちゃんと…あっ、動画サイトとかにあげようかな?!)
本人の知らないところで密かに計画が実行されようとしていた。
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【コンサート本番】
ピアノの前に立った俺を見て…観客は少しざわついていた。
(…そりゃ、そうか…知らない演奏者、それに日本人…しかも高校生…ったく、アウェイったらありゃしないな…そんな状況で30分も時間与えるなんて…)
と、内心は思っていたが…実際のところは…ワクワクしていた。
(…でも、おかげで…この先の道がなんだが見えて来た気がするよ)
着席し、向かい合ったピアノを見て…俺は少し微笑んだ。
「…っ…!」
勢いよく弾き始めたピアノの演奏に周りの観客の顔つきが変わった。
【Sei entrato nel tuo mondo
(早速自分の世界に取り込んだか)】
【Sensei, non credo che stia suonando e non credo che lo stia suonando.
(先生、あの子は一体…それに、あの演奏…とても素人がやってるようには思えないのですが…】
【La gente chiamerebbe il suo talento, genio.
(人は彼のような才能をこう呼ぶだろう…天才、と】
【Geniale?(天才、ですか…?)】
【Sì, non mi interessa diventare musicista.
(あぁ、音楽家になる気がないのが非常に勿体ないくらいだ)】
(…この音、この感じ…!!
求めてた…音楽だ!)
スクールアイドルフェスティバルの時に感じた…10人に奏でさせたい音…。
その足がかりをようやく手にした気がした。
弾き終わる頃には、惜しみのない拍手を観客たちがしていた。
月「…すごい、すごいよ…っ!
こんなの、他の人に見てもらわないなんて…勿体ない!」
そう言った月は少し震える手で録画した演奏動画をネットに投稿するのであった…。
本来のコンサートは動画の撮影などは禁止ですが小説の設定上
OKにしました、ご了承ください。
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