しずくちゃん…こい…こい…っ!(乗り換えが早い)
「はぁ、はぁ…っ!せつ菜…どこだ…っ!?」
せつ菜の後を追って走ってきたが、姿を見失った。
確認のため、練習してた場所に顔を出してみる。
「せつ菜…っ…は…いない、か…」
「あれ、峻先輩?」
「せつ菜なら部室に行ったはずよ?」
「…そう、か…うん、ごめん…なんでもない」
そう言うと俺は2人の顔も見ずに足早にその場を去った。
「…峻先輩、なんだか怖い顔してましたね」
「ふふっ、青春かしらね~♪」
…部室にも、居ない
練習してた場所にも居ない………となると、残りは…。
「……ここ、しかないよな…」
行き着いた場所は…生徒会室。
普通なら鍵がかかってるはず……だけど。
「…開いた」
生徒会長だから、鍵を持ってても不思議じゃないと思ったのだ。
「…見つけたよ、せつ菜」
「っ………峻…さん…」
顔を背けるせつ菜。
窓からの月明かりが入るだけで、せつ菜の姿は完全に見えない。
「…なんで、追いかけてきたんですか…」
「…せつ菜の顔を見たら…居ても立ってもいられなくて」
「…馬鹿、ですよね…私…」
「…せつ菜…………」
少し、せつ菜の声が震えている事に気がついた。
……泣いて、いるのだろう。
「…貴方となら…大好きって気持ちを…共有できるって思ってて…会長補佐って言う名目で…峻さんがそばに居てくれるって思ってました…っ…」
「…せつ菜……」
「と、当然…ですよね…っ…峻さんに…彼女が居ても…不思議じゃ…」
「…せつ菜…っ!」
気がつくと俺はせつ菜の前に立っていた。
これ以上泣く姿を見たくなかったからだ。
「…えっと、まず…これだけは言わせて
しずくちゃんと…その…口付けはした…けど
付き合ってはいない」
「…えっ?」
「…その、こんな事言うもの…男が廃るって言うか…言い訳にしか聞こえないけど…
俺は正直、優劣なんか付けられない
みんなのことは好きだ…」
「…峻さん…」
「…せつ菜のことだって…初めて見た時から…気になっていた、し…」
「…私…だって……ずっと…峻さんのこと…目で追いかけて…て…
でも、でもっ…!…スクールアイドルだから…好きになってるって気持ちに嘘ついて…っ…!
好きになっちゃダメって…分かってても…気持ちが抑えられなくて…っ!」
「…せつ菜…っ!!」
震えた声で喋るせつ菜を抱きしめる。
もう、聞いてるのも辛かった。
「……せつ菜…好きだ」
「…っ………!」
「…こんな俺が…せつ菜を好きになっちゃ…ダメ、か?」
「…そんな、事…ない…です…っ!」
「本当に?」
「…私は…峻さんのそばに居て…峻さんと大好きを分かちあって…峻さんの笑顔が見れれば…それで幸せなんです…っ!」
「…そっか、ありがとうな…せつ菜」
「…好きって…証拠……もらえ、ますか…?///」
「でも…スクールアイドルにキスするのは…」
「…なら、こうしましょう…♪」
せつ菜が引き出しの中から取り出したのは…眼鏡。
「予備の眼鏡です…っ
今…峻さんの目の前にいるのは…優木せつ菜ではなく…中川…菜々です…///」
「…良いんだな?」
「……私だって…この気持ちは…本気、です…っ///」
窓際まで近寄り抱きしめ合う俺と…菜々。
静かに唇を交した時…涙が零れた。
「…やっと…言えました…///」
「いつからそう思ってたの?」
「…分かりません、もしかしたら…部活動を認めて欲しいとここに話に来た時から…気になってたのかもしれません…///」
「…そっか、落ち着いた?」
「はいっ……峻さんの…中…落ち着きます…///」
そう言うと愛おしそうに何度も抱きしめ合う俺と菜々だった。
──────────────────
【次の日の朝礼】
「皆さん、おはようございますっ
生徒会長の中川菜々ですっ!」
「峻くん、なんか生徒会長、笑顔が増えたと思わない?」
「さぁ…そうかな?なんかいいことでもあったんだろ?」
「んー…なんか怪しいなぁ~…」
「な、なんだよジロジロ見て…」
ちらっとせつ菜の方を見るとこちらの視線に気がついたのかニコッと笑った。
…あの子と昨日…キスしたんだよなぁ…。
夜も寝る前にメッセージ来てたし。
【峻さんのそういう所…すごく頼りにしてますっ
…だから、好きになっちゃったのかもしれません…】
(…まさに、王道……いや、せつ菜はそういうタイプだと思ってたけど…)
【時間が経ち、放課後】
「お疲れ様~…あれ、せつ菜としずくは?」
「何やら練習について話に行きましたよ~?
…って!峻先輩っ!
今しず子のこと呼び捨てにしましたー?!」
「…後輩なんだから…呼び捨てにしても不思議じゃないだろ?」
「そ、そうですけど~!」
「あら、かすみちゃん…もしかして羨ましいのかしら?」
「か、果林先輩っ!からかわないでください~!」
「ほらほら、衣装お披露目するよ~?」
「わー出来たんだ~♪」
「本当に9人分作るなんて彼方ちゃん感心~…♪」
「って、歩夢は昨日の夜見せたから分かってるけどね?」
「うんっ!サイズ感ピッタリで驚いちゃった」
「しっかり、計らせてもらったからな」
「峻先輩~!もったいぶってないで早く見せてください~!」
「あはは、じゃあ行くよ──────────」
─────────────────
「せつ菜先輩…ごめんなさい!」
「し、しずくさん!謝らないでくださいっ!」
「…大変、恥ずかしい場面をお見せしてしまい…なんと言っていいか…」
「…しずくさんも…同じ気持ち、なんですね?」
「…えっ?」
「私もあの後…峻さんに…思ってる気持ちを全部ぶつけました
…貴方のことが好き、と……」
「…あっ………」
「…嫉妬しましたか?」
「…いえ、同じ気持ちの方が居てくれて…嬉しいです♪
もちろん、峻先輩が…誰が1番なのか…分かりませんが…
…いいえ、あの方なら…きっと1番とか2番とか…決めないでみんなの気持ちを受け取ってくれるって…私は思います」
「…同じ、気持ちですねっ」
「…はいっ♪」
「…ふふっ」
「…えへへっ…♪」
何か通じ合ったかのように…笑い合う2人だった。
取り合いなんかさせない!ハーレムだから!
しずせつはいいぞ、いいぞ!
峻くんがこういう場面で少し情けないような感じですが、そこに母性を擽られる方もいるようです。
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