ミア「こんな時間…はぁ…ありえない時間の使い方した…」
パソコンをそっと閉じるミア。
ミア「…徹夜で同好会の動画を見続けるなんて…
それに…アイツの目が…あんなにも輝いてるなんて…」
その目から…僕は逃げた…?
学生が作った曲にしてはまあまあだけど…所詮素人。
技術もなんもあったもんじゃない…それなのに…どうして…。
スっと立ち上がって窓から空を見るミア。
ミア「僕は誰だ…?
僕はミアだ…ミア・テイラーだ!テイラー家の一員でプロの作曲家だ
世界のトップアーティストに曲を提供し続けたんだ!」
…それなのに…っ!
なんで、なんでアイツも…世界で有名な音楽家と肩を並べてる…!?
あんな奴の演奏なんて…何にも響かないのに…!
ミア「…でも…しずくは、あの曲を選んだ…アイツが作った曲を…」
クオリティの差は歴然…。
誰が聞いたって、僕の方が洗練されている…。
ミア「…なのに…なのに、どうしてだよ…!
I just don't get it!!」
苛立ちのままに、携帯をベットに投げるミア。
ミア「………………………」
ひとつ、大きくため息をつくミア。
ミア「分かりきってる事で悩むのはバカがすることだ…
僕の価値は僕が作る…それだけだ」
──────────────────────
【屋上】
「ゲリラライブの回数を、もっと増やそうかと思ってるんだ」
せつ菜「賛成…ですが、監視委員の目をすり抜けられるでしょうか…?」
彼方「それに、ライブが出来る場所も…結構限られちゃうよね~…」
エマ「でも、見に来てくれる人も増えてるし…出来ることなら、やりたいよね…」
「あぁ、監視委員なら…大丈夫だよ」
せつ菜「えぇ?」
「ま、それは俺の仕事ってことで…な?」
せつ菜「あっ…は、はぁ…」
(それだけ形勢も動いてきてるって事だよな…
と言うか、栞子が部の行動をこちらにリークしてる辺りで部の方もバランスが崩れてきてるってことだろうな)
「…さて、んじゃライブする場所を押さえる…か
少し待ってろ?」
電話片手に俺はその場を離れた。
しずく「…敏腕プロデューサーになってきましたね、峻先輩」
彼方「へい、ガール…プロデューサー発言は色々引っかかるぜ…スクールアイドル的に…」
かすみ「仕事のできる先輩、かっこいいです〜ぅ♡」
歩夢「か、かすみちゃん!見ちゃダメ~!」
かすみ「うぇえぁああ!?何するんですか、歩夢先輩~っ!」
「…あ、ちょうどこっちに連絡するつもりだった?OKOK
こちらとしては喉から手が出るくらい欲しかったお誘……なんか騒がしいな…」
───────────────────────
そして、週末…俺達は都内某所の広場にいた。
千歌「今日は来てくれてありがとう~っ♪」
「そりゃ、天下のAqoursさんの東京ライブだからな、来ない手はないさ」
善子「そんなにヨハネの声が聞きたいなんて…仕方の無いリトルデーモンね…♪」
「そうだな~…俺的には善子のプンプンした声が聞きたかったんだけど~」
善子「いひゃい、いひゃい~!!!あと、ヨファネ~っ!」
花丸「善子ちゃん、頬を引っ張られてジタバタしてるの何だかアホっぽいずら」
善子「ひどっ!?」
ルビィ「喜んでもらえて、嬉しいなぁ♪」
梨子「ルビィちゃん、たくさん練習したもんね♪」
果南「ところで、そっちは大丈夫なの?最近またゴタゴタがあったって」
ダイヤ「…あの、果南さん…腕に抱きつきながら聞くのは…いえ、もうツッコミませんが…」
歩夢「い、良い方向に行ってるので大丈夫です~っ!!」
彼方「もう片方の腕にしがみついて対抗するでないよ、歩夢氏」
千歌「まっ、今日はたくさんライブしていきなよ!」
「ホントに飛び込み参加していいのか?」
かすみ「Aqoursの人達が言ってるから大丈夫ですよ~!
かすみん、いってきまーす!」
鞠莉「ちょいちょい、峻?」
「…なんすか?」
鞠莉「部に居るのって…あのテイラー家のミア・テイラー?」
梨子「あ、それ…私も聞きたかった
あのミア・テイラーが日本のスクールアイドルに楽曲を提供するなんて…」
せつ菜「ミアさんのこと…ご存知なのですか?」
鞠莉「むしろ知らない方が驚きよ?
若き一流作曲家とか天才楽曲インフルエンサーって呼ばれてるくらいだし」
「…その口ぶりだと、鞠莉さん…ファンやな」
鞠莉「あら、バレた?♪
マリーはその彼女のお姉さんのファンなのよっ♪
CMソングとかもやってるし」
せつ菜「へぇ~…まさに音楽一家って感じですね…」
しずく「…あの、言い損ねましたが…ミアさんのお母さんは…ミュージカル俳優です…それも、有名な…」
梨子「あっ、そうそうブロードウェイにも出ていたりするよ♪」
鞠莉「オマケにパパも100年に一度のテノール歌手!音楽に関しては非の打ち所がないわね~♪」
「……………………」
鞠莉「あ、ここにも負けない才能の持ち主が居たわね♪
ねっ、情熱の若きピアニストさん♪」
「えっ?…は?…俺の事?…梨子じゃなくて?」
鞠莉「あら、知らない?…早めに教えてあげれば良かったかしら…?
ほら、これ」
スっと携帯の画面を見せてきた鞠莉…そこには一枚の写真が。
「…これは?」
鞠莉「貴方、短期留学してたのよね?
多分、その時のことだと思うんだけど…」
「…あっ、この人!」
鞠莉「…ミアのパピーに負けないくらい有名な音楽家の人よ?
まさか一緒のステージに立つなんてね♪」
そこには、こう書かれていた。
【Ricordo il suono di un giovane pianista giapponese e ora mi manca.
(ふと、思い出す日本から来た若きピアニストの音が今はどこか懐かしく感じる)
Amo la musica quanto lui, e non dimentico di provare per nessuno.
(彼ほど音楽を愛し、誰かのために努力する姿を私は忘れないだろう)】
「…味なことしてくれるな」
鞠莉「やーねー、峻ったら、人気者~♪」
「…た、たまたまですよ…」
梨子「たまたまでここまで自体が大きくなるとは思えないけど…」
果南「しゅん''~…海外に行っちゃ嫌だよ''~…」
「な、なんで泣いてるんですか!」
歩夢「そうだよ''~っ!!!」
「…あ、歩夢まで…!!」
せつ菜(…もしかして…ミアさんもこれを見て…峻さんに対して焦りを隠し切れていない…?……いや、まさか…そんな)
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