NEXT Rainbow!!   作:A×K(アツシくん)

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???「アンタのグソクムシをギャラクシーしてあげるわよ♡」
「ちょっと何言ってるか分からない」

???「ギャラクシッ…」
「そんなことよりかのんちゃんは?」

かのん「えっ…あたし呼ばれたの…こわっ」
「何たる無慈悲!」

千砂都「あれはね、照れ隠しだよ」
かのん「ちーちゃん!!!///」



第173話

それは、峻とミアが対峙してしばらくの事だった。

 

 

果林「…今日、ミアが新曲持ってくる日…よね?」

愛「でも…作曲ルームにもいないし…最近、授業にも出てないみたい」

 

栞子(…やはり、あの言い方は…ミアには悪影響ですよ、峻さん…)

愛「メッセしても全然返信こないし…こうなったら、寮に行くしかない…よね?」

 

ランジュ「無問題ラ。ミアが音沙汰無いのは今に始まった話じゃないわ

心配しすぎよ」

栞子「ですが、確認も含めて…」

 

ランジュ「あら、曲作りしてるなら邪魔したくないってランジュなりの配慮なんだけど…

ランジュは次のライブの打ち合わせに行くわ。

自主練習、しといてね。拜拜。」

 

愛「ランジュのミアへの信頼は凄い…けど、どうする…?」

栞子「ああは言ってますが…私は気になります」

果林「私もよ、確認するべきよ」

愛「なら決まり!ミアのところに行かなきゃ!」

果林「その前に、何か買ってから行きましょ?…食事も取ってなかったら…」

 

 

 

 

────────────────────────

 

【ミアの部屋前】

 

愛「着いた着いた~っ!ミア、入るよー!」

果林「あ、ちょっと、愛!」

 

愛「…カギかかってない…ミア~~?」

栞子「…いませんね」

 

果林「ちょっとぉ、ここにもいないって…大丈夫なの?!」

愛「と、とにかく探さなきゃ!」

栞子「そうですね、手分けして探しましょ

…果林さんは、部屋で待機しててください、ミアが戻ってくるのかもしれないので」

 

果林「えっ?!……あ、あぁ、そう、、、ね…あ、あはは…」

愛「とはいえ…愛さん、心当たりなんか…あぁー、もう!」

栞子「ひとまず、私たちは冷静になりましょう」

果林「…同好会のメンバーには…頼めないわね」

愛「…いや、峻なら…っ!!」

栞子「あっ、愛さん!!」

果林「お、追いかけましょ!」

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

【音楽室】

 

 

ミア「…見つけた」

「珍しい来客だね…って、俺も無断で入ってるんだけどな」

 

ミア「………………………」

「悪いな、少し演奏が終わるまで待っててくれ…と、言っても聞きたくないなら出てていいけど」

 

ミア「…いい、座る」

「そ、じゃあ少し待っててよ」

 

一度止めてた手を再び動かす峻。

穴が空くくらいその姿を見るミア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ふぅ、こんなもんかな」

ミア「…今のは、Original?」

 

「えっ?…あぁ、うん…そうだよ」

ミア「…タイトル、あるの」

 

 

「…''Hopes and Dreams''…珍しいね、タイトルまで聞くなんて」

ミア「…アンタの言ってた事が…少し分かった気がする」

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

【中庭】

 

愛「居た!みんなー!」

かすみ「げっ、スパイ!!!」

 

栞子「すいません、急を要する要件が…!峻さんは…!」

 

歩夢「峻くん?…それなら音楽室だけど…」

栞子「音楽室…なら、もしかして…っ!」

 

その時、栞子にしずくが耳打ちをした。

しずく「…それが…ミアさんから私の方に連絡が来て…峻先輩が今どこにいるか聞かれて…音楽室と答えたんです」

栞子「…ミアが、峻さんの居場所を…?」

 

せつ菜「一体、何が起きたんですか?」

愛「それが………」

 

 

 

 

……………………………

 

 

彼方「それって、ちーーーっと…まずくないかい?」

愛「愛さん達は音楽室に向かうね!ごめんね!!」

璃奈「待って、私も行く!」

しずく「璃奈さん、待ってください!」

かすみ「ああっ、2人とも~っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果林「…………エマ」

エマ「今は多くは言わない…けど、私は果林ちゃんの選んだ道を今でも悔やんでるよ」

 

果林「私は…もっとレベルアップを───」

エマ「ねぇ、果林ちゃん…それって……''楽しい''?」

 

果林「…えっ?」

エマ「言わないだけだけど…彼方ちゃんも同じ事…考えるんだよ」

そう言うと、エマも音楽室へと向かった。

 

 

果林「楽しいって…………そんなの…………」

果林「……………………っ」

その先の言葉は出なかった。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

ミア「………………………」

「どうした、今にも死にそうな目をして」

 

ミア「新曲が出来ないミア・テイラーは…死んでるも同然さ」

「そんなこと言うなや、何かあったのか?」

 

ミア「…僕には…それに見合った価値が必要なんだ…」

「…隣、失礼するよ」

俺はミアの隣に座った。

 

ミア「…なんで座るんだよ」

「俺が座りたいから…ダメか?」

 

ミア「…なんだよ…変な同情なら辞めてくれ」

「俺には分からないよ、音楽一家の考えとか…お前の考えてることとか悩んでることはさ」

 

ミア「…」

「だからこの際、教えてくれよ?…部と同好会の関係じゃなくて

俺とミアって関係でさ」

 

ミア「…嫌だね」

「…そうか」

 

ミア「……ここからは、あくまで僕の独り言

何か口出ししたら…その先はもう話さない…」

椅子の上で体育座りをし…静かにミアは話し始めた。

 

ミア「…急に曲が作れなくなった

どう頑張っても…僕の理想の音楽にはならない」

「………………」

 

ミア「今までは全てが呼吸するように上手くいってた」

「……」

ミア「…データを集めて、匂いを探して

自分の理論に基づいて組み立てる

そうすればいくらでもバズりそうな曲を生み出せた」

 

ミア「…それが…ダメになった…

しずくが同好会に戻って………そして、アンタの曲や演奏を聞いてから…全てがおかしくなった」

「………………」

 

ミア「全然大したこと無いのに…荒削りで…チープで……

僕が作った曲の方が何倍も完成度が高い…」

ミア「なのに…心に響いた…何度も何度も…

曲が作れないなんて、僕にはそんなことがあっちゃならないのに…」

 

「……気持ちだよ、何でも」

ミア「黙っててって、言ったでしょ!」

「いや、もう黙ってられなかった」

ミア「またそうやって、簡単に励ますんでしょ!

アンタには分からないよ!音楽に愛されてると言われてるテイラー家への世間の期待や重みが!」

 

ミア「僕だって…音楽なんか枷でしかない…大っ嫌いだ!」

「嫌いなのに…作るのか?」

ミア「…僕は天才だからね」

「…いや、それはおかしいな

音楽は好きなのに…楽しいと思えてないだけだと思う」

 

ミア「…そんな悠長な気持ちで音楽に関わってたら…僕はまた置いていかれる…」

「…なんでだ?」

ミア「…あぁ、そうか…言ってなかったっけ…僕は昔曲を作るだけじゃなくて…歌ってたんだ

歌うのが大好きで…毎日歌ってて…」

「…そうだったのか…」

ミア「…家族はみんな褒めてくれた…

いつか…みんなでステージに立てたら良いね…そんなことまで言っていた」

「………」

 

ミア「その時はすぐに来たよ

テイラー家のリサイタル…そこで僕は歌うことになった

本当に楽しみだったよ、あのステージに立つまでは…」

「……までは?」

 

ミア「…ワクワクした気持ちは…一瞬で消え去ったよ、本当に脆いくらいに

何千もの目が僕を見ている

テイラー家の新しいディーヴァを待ち望んでる…

ただ音楽を楽しむことしか出来なかった自分が…そんな期待に応えられると思う?」

「…それって…」

 

ミア「…あぁ、歌えなかったよ

足が震えて…荒い呼吸しか出来なくて…ステージから逃げるように降りたよ

僕はテイラー家に泥を塗った」

「それで今の道に…」

ミア「あくまで、汚名を返上するためにやってる…それだけだ」

 

「…そうか、お前の心の内の言葉はよく分かったよ」

ミア「…笑いたきゃ笑えばいいさ、滑稽だって」

「…頑張った奴を笑い飛ばしたりなんかしないさ」

ミア「……目の前で倒れてたのに、か?」

「…それだけ頑張ってるって事だろ?ならなおさらだろ」

ミア「…アンタ…バカだよね…お人好しだし」

「…はは、言い返せねぇ」

ミア「………」

 

スっと立ち上がるミア。

「…?」

ミア「……こんなこと…僕がするなんて僕自身がありえないって思ってる…けど…」

 

頭を下げてきたミア。

 

ミア「お願いだ…力を貸して…!!」

「…………」

ミア「都合のいい事なくらいなのは分かってる!…だけど…!」

「分かったよ」

ミア「…えっ…!?」

「ただし、俺が作るのは…ミア、お前のための曲だ、部のための曲じゃねぇ」

ミア「………なんで、僕に曲を作るのさ…」

「いいだろ、俺の勝手さ………とにかく、これで貸し1つな?」

 

 

 

 

 

ミア「(……僕には…こんなカリスマ性…無いな…

いいな…同好会のみんなは…僕も…アイツと…いや…峻と手を組めたら…もっと成長出来たのかな…)………………ありがとう」

 

その声は少し、涙ぐんでるようにも聞こえた。




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