NEXT Rainbow!!   作:A×K(アツシくん)

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A・ZU・NAランド 行き方 ディズニーの地下 【検索】


第192話

「……なぜ、こうまでして同好会を狙う?」

ランジュ「同好会を狙ってるんじゃないわ……アンタを狙ってるの」

 

「……何故だ?」

ランジュ「なぜ?……言わなくても分かるでしょ

貴方は同好会のとってイレギュラー…いなくても良い存在なの

それを証明するためのバトルよ」

 

「……えらく自信たっぷりだが…俺が勝ったらどうする?」

ランジュ「無いわね、100%…いいや、120%ね。

ランジュが1番よ、アンタなんか足元にも及ばないわ」

 

その一言に俺の中で表現しづらい激情が走った。

(……こいつは……俺が倒す!)

 

「なら、はっきりさせようぜ…俺対お前……真剣勝負だ」

ランジュ「やっと目が本気になったわね……そうでなくちゃ

────────さぁ、ランジュを楽しませなさい!」

 

 

マイクを握ったランジュは声高らかにライブを始めた。

俺はステージから降りずに、じっとライブを眺めていた。

 

 

〜間奏中〜

 

ランジュ「どう?ランジュのステージは……見惚れちゃったかしら?」

「馬鹿言え、ため息しか出ねぇよ」

 

ランジュ「あら、感嘆の意味を込めたため息……かしら?」

「……いいか、よく聞け?1回しか言わないぞ

……お前、楽しいのか?」

 

ランジュ「……は?楽しい?……何が?」

「……はぁ、わかっちゃいないな……お前

完璧なライブ…それのどこがいいんだ?」

 

ランジュ「そこに対して疑問を持つことからして愚問ね

ハイパフォーマンスで観客の心を鷲掴みにする…ランジュはもっともっと高みを目指していくんだから!」

「そこにお前のハートは入ってんのかよ!!!」

 

ランジュ「……っ!」

キーンっと講堂にハウリングが響いた。

 

「いくら完璧なライブをしてたってな、お前の気持ちが歌や歌詞に込められないと観客にはなんも伝わらないんだよ!お前のハートは!何を、信念にライブをする?!」

ランジュ「なっ……ラ、ランジュはランジュよ!

誰にも負けない圧倒的なライブをするだけ!!」

 

「違う!!!!」

ランジュ「……っ!?」

 

「いいか……想いを乗せて歌うってな……こういうことだよ!」

 

マイクを握り、天に向かって指を突き立てた。

 

 

 

「─────俺の歌を聞けぇえぇ!!!!!!!」

会場をシャウトする声量にランジュもファンも息を飲んだ。

 

せつ菜「峻さん……っ!」

ミア「……すごい……っ……」

 

 

 

 

ランジュ(何よ……あの真っ直ぐな目……全然歌も振りもランジュの方が全然上なのに……っ!!

なのに……っ……なのに、この身震いは……なんなのよっ……!!)

「…大体なぁ…そんなスクールアイドル部で遊んでるヒマがあるんなら、同好会に来て俺の歌を聴けってぇの!本当に心に来るライブでなきゃな、本物のサウンドは伝わんねえんだよ!」

 

指をクイッと曲げてランジュを煽る。

ランジュは悔しそうに俯いた。

 

ランジュ(…なんで…勝てないっ……ランジュの方が……圧倒的なのに……っ…勝てる気が……全くしないっ!)

「俺の歌で、お前のハートを動かしてやる!!

────────いくぜ、突撃ラブハートっ!!!!」

 

ランジュ(…………なんで、こんな……男に…ランジュが負けたなんて思わなきゃいけないのよ……こんなの、間違ってる……っ)

……しかし、悔しい気持ちとは裏腹に…ランジュのマイクを握る力は……徐々に無くなってきた。

 

そして、力なくランジュは膝から崩れ落ちた。

栞子「ランジュ……!」

「はぁ……はぁ…」

 

ランジュ「…………」

「……あ''ーっ……喉やったかも…」

歩夢「峻くんっ、大丈夫!?」

 

「……悪いな、歩夢…」

ランジュ「……煮るなり……焼くなり……好きにしなさいよ

滑稽でしょ、アンタをバカにしてたランジュが……こんな姿で…」

 

「……………………」

その言葉に俺は背を向けた。

 

ランジュ「情けをかけるつもり!?……そんな同情いらないわ!」

「分かっちゃいねぇなぁ、お前も」

ランジュ「……なに、よ…」

「お前も心からスクールアイドルを楽しむ場所があるはずだ

……どこかは…自分で探すんだな」

 

栞子「……ランジュ」

ランジュ「……………………」

 

ランジュ「……………………待って!!」

「……………………なんだ?」

 

ランジュ「……同好会のみんなも聞いてるのでしょ?

………………峻も、聞いて……お願い」

「……名前、初めて言ったな……どういう風の吹き回しだ?」

 

ランジュ「……ごめん…なさい」

「……え?」

 

意外だった、ランジュが床に這いつくばったまま……頭を少し下げてきた。

「………………………………」

ランジュ「……怒ってるわよね……あんなに酷い仕打ちしたんだもの…」

 

ランジュ「……許してくれなんて……とても言えないわ…

あなたが羨ましくて…妬んで…嫌がらせばっかりして………

本当のライブの良さを知って……手のひらを返すように……謝って……ランジュ……最低よ…」

栞子「……ランジュ」

果林「…………」

愛「……峻」

ミア「……Babyちゃん……」

 

「…顔、上げろよ」

俺は自分の膝に片手を当てて、ランジュに手を差し伸べた。

 

ランジュ「……えっ?」

「何となく分かってたよ、部には無くて同好会にあった物がお前には羨ましいんだろうなって

…………はぁ、もうさ…辞めようぜ?不毛な戦いなんかさ

スクールアイドルはライブを楽しんで仲間と一緒に輝いてくのが大事だからさ……な?」

 

かすみ「もーっ!峻先輩、お人好しすぎですよ!!詐欺にあいますよ!!」

しずく「か、かすみさんっ!どうどう!」

 

ランジュ「……なんで、そんなこと言えるのよ……ランジュは……アナタに……」

「……んー…まぁ、同じような態度をした人を過去に知ってるから……な?」

 

栞子「あ、あれは……っ!」

ランジュ「……栞子も?」

栞子「……はい、恥ずかしながら……

ですが…峻さんと出逢って……自分の未熟さや見えないところが見えて……私は後悔なんかしてません……むしろ、感謝しかありませんよ……ランジュ」

 

ランジュ「…………」

「さ、俺が出した手を……お前はどうする、ランジュ?」

 

ランジュ「……また、裏切ったり……するかもしれないわよ……?」

「そんな事ないよ」

 

ランジュ「酷いことしたりするかもしれないわよ……?」

「無いよ、だって今のランジュの目は輝いてるから……さ?」

 

 

ランジュ「……っ…………うっ……ぁ……っ!」

袖で目元を押さえながら、ランジュは俺の手を握った。

自然と観客からも拍手が起こった。

 

「……さてっ、これで一件落着だな!」

彼方「一時はどうなるかと思ったよ〜〜……」

エマ「お疲れ様、峻くんっ」

 

果林「本当に色々面倒事や迷惑かけて……ごめんなさい」

愛「愛さんも……」

「もう謝るなよ、これで良かったんだよ

みんなの気持ちも知れたし、結束も深まった……俺はその手伝いをしただけさ……それに、それが部長の仕事でもあるからな!」

 

栞子「峻さん……」

しずく「やっぱり峻さんは頼もしいです!」

かすみ「あーっ!かすみんが言おうとしたセリフー!」

璃奈「あ、あわわ……」

 

せつ菜「新・同好会のRe:スタートですね!!」

歩夢「ふふっ、なんだか賑やかになりそう♪」

 

 

 

 

 

 

ランジュ(……………………)

ミア「………………………………ランジュ?」

ランジュ(私は……)

 

 

 

────────────────────────

 

 

同好会の部室に戻ってからランジュが口を開いた。

 

ランジュ「……ねぇ」

「ん、どした?」

 

ランジュ「……ランジュは…やっぱり……スクールアイドル同好会には、入れないわ」

「「ええっー?!」」

 

「……どうしてだ?」

ランジュ「……やっぱりランジュがいるべき場所は……ここじゃないわ」

栞子「じゃあ……どうするんですかっ?!」

 

ランジュ「……香港に帰るわ」

ミア「What?!どうしてさ、ランジュ!」

 

ランジュ「ミアはこのまま日本にいなさい……貴方にはやるべき事が見つかったはずよ」

ミア「……ランジュ」

 

「ダメだ」

歩夢「……峻くん」

 

「それに、ランジュ……お前のやるべき事は見つかったぞ……たった今さっきな」

ランジュ「……えっ?」

「俺にお前をプロデュースさせろ!…………あ、言い方が違うか……お前をもっともっと輝くスクールアイドルにさせるって想いがさ!」

ランジュ「……峻……」

「逃げんなよ、俺が身震いするくらいとんでもないスクールアイドルになってくれよ」

 

ランジュ「…………………………」

「お前はもう仲間だ、お前の場所はここにある!」

ランジュ「…………………………栞子、ミア…」

栞子「そうですよ、ここからがスタートなんですから」

ミア「1人だけ逃げるのはノンノン、ご法度だよ?」

 

ランジュ「……果林……愛……」

果林「そうね、ランジュが居ないのは寂しいわ」

愛「仲間を想う気持ちは愛さん達も負けてないよ〜!♪」

 

ランジュ「……同好会のみんなも……ごめんなさい……っ」

かすみ「……許してあげます……かすみんは

だから、せっかく分かり合えたんだから、居なくなるなんて言わないでくださいよ!」

しずく「私も、ランジュさんに成長した姿を見せるまでは離れて欲しくないです!」

璃奈「私も……!」

 

ランジュ「……何一つ……ランジュは勝ててなかったのね……驕りね……恥ずかしいわ」

「焦って周りが見えてなかったんだろ?…過ぎたことはいいよ

これから先の事を見ていけば」

ランジュ「……本当に怒ってないの?」

「…………ん、まぁ…少しだけ、な?……でも、これでそれもチャラ」

 

 

そう言って俺はランジュと半ば強引に握手をした。

「ようこそ、同好会へ」

ランジュ「…………ええ!」

 

 

 

 

こうして、波乱に満ちたライブバトルイベントが終了して

同好会に新たなメンバーが加わったのだった。

 

 

 

 

ランジュ「あ、そうだ!同好会の部室を装飾しましょ!♪」

かすみ「ぎゃー!なんでもう用意してるんですかー!」

 

ミア「……ホントに大丈夫?」

「……上手いこと慣らしていく」




次回:峻とランジュの通ずる点

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