私は?優木せつ菜?そうか……
そして、紙に書いてあった22日…当日となった。
せつ菜が隠していた物が何だったのか、答えはすぐに分かった。
「……ソロライブ……S?」
そこにはポスターが貼れられていた。
せつ菜の写真と……大きくSと書かれたポスター。
「……サプライズライブって、事か?」
かすみ「かすみんも今、初めて知りました~」
ひょこっと出てきてポスターを覗くかすみ。
歩夢(……栞子ちゃん)
栞子(あの事は何も知らされてません、もう少しの我慢です、歩夢さん)
果林「いいんじゃない?ソロライブなんていつもやってる事なんだし」
ランジュ「ラーンージューもー!」
エマ「よしよし……」
ランジュ「えへへ~♪」
ミア「……なんか気になる…」
「なんか言ったか?ミア」
ミア「何にも、ライブ……行くんでしょ?」
「あぁ、もちろん」
しずく「14時から……今日は授業、お昼まででしたよね?」
彼方「放課後にソロライブなんて青春だぜ~♪」
璃奈「それで、せつ菜さんは……?」
愛「あー、何か準備があるから席外すって言ってたよ?
ライブ楽しみにしててくださいねって」
「……ライブ前に様子見て置いた方がいいかな?」
歩夢「あ、だ、大丈夫だよ!」
「……えっ、なんで…???」
歩夢「え、えっとー……それは……」
栞子「峻さんには生徒会の仕事の手伝いをして欲しいので」
「あ、そういう事ね……歩夢、そういう時に使う言葉は大丈夫じゃないよ?」
歩夢「あ、あはは……ごめんね…(うぅ……峻くんに隠し事は出来ないよぉ……)」
栞子「では、行きましょうか」
「じゃあ、みんなまた後でね」
かすみ「はーいっ」
しずく「……あれっ、ライブまであと15分しかないんだけど……」
歩夢「……峻くん…栞子ちゃん……」
────────────────────────
【生徒会室】
「……あれ、手伝う内容は?」
栞子「それは嘘です」
「……え?」
栞子「……峻さん」
カチャッと鍵を閉める音と共に……栞子はこちらを向いた。
栞子「……もし、貴方が…全てのことを話す覚悟が出来たら…どうしますか?」
「…………え?」
栞子「例えば、そう……今まで自分の秘密にしていた事を話す……そんな時です」
「……それって…」
……俺の事、か?
……いや、まさかな……そんな訳……。
栞子「私だったら……とても勇気がいることだと、思います」
「……俺も、そう思う…不安になるし勇気がいると……思う」
栞子「……でも、その不安を背負って…''彼女''は打ち明けることを決めました」
「……彼女……?…………おい、それってまさか……」
栞子「それでも打ち明けると決めたのは……何故だと思いますか?」
「……何故って……そんなの…」
栞子「彼女が同好会にその事を打ち明けた時も私と真っ向からぶつかった時も……そばに居たのは、貴方じゃないですか」
「……っ……」
栞子「彼女は胸を張って、打ち明けたいんです……だから私は生徒会長……いえ、1人の仲間として彼女のライブを承認しました」
「……………せつ菜……っ!!」
鍵を開けて、ライブ会場に向かおうとした、が……俺の足は止まった。
その前に……栞子にもお礼を言わないとな。
「……隠すのは反則だっつーの」
栞子「すいません、貴方の事だから……止めると思いまして」
「かもなっ……でも、ありがとうな…栞子
……だけど、勇気と優木をかけるのは、少し寒いぞ?」
そう言って俺は走り出した。
栞子「……愛さんから教えてもらった駄洒落でしたが……なかなか難しいものですね……」
右月「会長?」
左月「優木せつ菜さんのライブ始まっちゃいますよ?」
栞子「……えぇ、行きましょう♪」
────────────────────────
【ライブ会場】
かすみ「もーっ、峻先輩まだですか~っ?」
果林「すぐ来るわよ、それにライブ始まるから静かにしてましょ?」
歩夢「…………」
彼方「歩夢ちゃ~ん?」
歩夢「えっ?……あ、ど、どうしました…?」
彼方「お眠?それとも悩み事?」
歩夢「い、いえっ!大丈夫です!(…峻くん、ショック受けなきゃいいけど……)」
ニジガクメンバーが談笑する中……会場の照明が暗転した。
他の生徒達からも歓声が上がる。
そんな中……出てきたのは……。
しずく「……せつ菜……さん?」
エマ「……でも、あれって……」
そう、ステージに立っているのは、せつ菜の姿では無く菜々の姿だった。
その状況にニジガクメンバーも勘づく。
果林「……まさか、せつ菜……」
彼方「多分……そうだと思う……」
菜々「……皆さん、お集まりいただき、ありがとうございます」
事態を知らない生徒たちは口々に【元生徒会長だよね?】や【ライブ中止?】と漏らしていた。
そんな、ざわつきをシャウトするように……せつ菜のCHASEのイントロが流れた。
その始まりと同時に……菜々が眼鏡と結わっていた髪を解いた。
せつ菜「これが……決別です……っ!!!!」
一瞬の出来事に、生徒達は言葉を失った。
せつ菜「……今まで、黙っていたことがあります
それは……私は優木せつ菜として活動してました……
でも、本当の姿は……元生徒会長…そして虹ヶ咲学園の生徒……中川菜々……」
かすみ(い、いいんですかっ、この状況っ!?)
果林(かすみちゃん、しっ)
歩夢(まだなの、峻くん……)
せつ菜「ですが…もう、秘密にするのはおしまいです!
今まで皆さんに言えなかった事……心よりお詫び申し上げます……!」
深々と頭を下げるせつ菜。
きっと、幻滅される…批判もされると思っていた……が。
「せつ菜!!!!!」
後ろから声とともに開かれたドアから光が差し込んだ。
「はぁ、はぁ…………」
まともに顔を上げられない彼は、肩で息をしていた。
せつ菜「……私が、こうしようと決めたのは…スクールアイドル同好会を復活させ…生徒会長として、そして……スクールアイドルを続ける為に力を貸してくれ続けた……峻さんへの想いです」
そう言うと、せつ菜はステージを降り……そのまま峻の方へ歩いていった。
せつ菜「馬鹿だと罵ってくれても、構いません
嫌いになっても、構いません…………ですが、これだけは伝えさせてください」
峻の目の前に立ち……片膝をつくせつ菜。
せつ菜「……大好きです、峻さん
スクールアイドルとしての大好きではなく……1人の中川菜々として……貴方に好きという感情をぶつけさせてください」
「……せつ……菜……」
せつ菜「……私は、貴方に……ずっと、心を惹かれっぱなしでした
だから…こうしようと……いつからか、決意してました
貴方と隣に……胸を張って居れるようにするために……
そんな事をする私は……嫌、ですか……?」
「…………馬鹿野郎……一言くらい相談しろよ……」
せつ菜「……ごめんなさい、貴方に頼りっぱなしになるのは……ダメかと思って……」
「……お前が俺に夢中な事くらい、知ってるっつの……
だったら……もうその言葉……取り消せないからな?
俺の物になれ……せつ菜」
せつ菜「……はいっ!///」
そう言って抱きしめてくるせつ菜。
かすみ(な、なんて壮大な企画……っ)
しずく(……あの、つかぬ事をお伺いしますが、ライブ名のSって……どんな意味だったんですか?)
歩夢(多分、せつ菜ちゃんのSと峻くんのS……後は、最後のS……)
ランジュ(最後の?)
ミア(優木せつ菜としての……最後のって意味じゃない?
これからは、中川菜々として優木せつ菜としてのリスタート……って、事じゃない?)
歩夢(……後は、幸せ……の、S……かな?)
一部始終を見ていた生徒達からは拍手も湧き上がり
それを見たせつ菜はクスッと笑った。
せつ菜「……さてっ!それならば話は早いですよ!
ライブの再開です!!」
「って、なんで俺の手を引くの!」
せつ菜「峻もライブに出るからです!!」
「はぁっ!?……それに、峻って!」
せつ菜「いっきますよー!!!!」
栞子「……上手くいったみたいですね」
右月「もぉ、会長……秘密なんて酷いですよーっ」
左月「結果的にライブは間に合いましたが……」
栞子「ふふっ、内緒事も……悪くはありませんね♪」
次回:ライブ後の反響
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