「………………………………はぁ」
久しぶりに食事が喉を通らなかった。
それだけ振られた事がショックだった。
「……なんでだろ……」
実際、断れる理由なんてないと思ってた。
……と、考えても仕方ないのでそのまま横になる事にした。
(……栞子……)
────────────────────────
【三船家】
栞子「ただいま帰りました」
薫子「おかえり~っ、こんな時間に帰ってくるってことは、あの子と放課後デートってことかな~っ?♪」
栞子「……いや、あの…………」
薫子「いやぁ、栞子が遂に恋人を作るなんて、姉さんとしては感心感心っ♪」
栞子「……あの、姉さん」
薫子「おっ、早速相談?
いいよいいよ~っ、人生の先輩である姉さんになんでも話してご覧っ♪」
栞子「……盛り上がってるところ……失礼ですが……
その件は……お断りしました」
薫子「うんうんっ…………………………………………は???」
栞子「……ですから、NOと答えました」
薫子「……はっ?いや、ちょっ……なんの冗談?嘘でしょ?」
栞子「……冗談では……ありません」
薫子「な、なんでさ……あんなにも嬉しそうに話してたじゃん!
それに、私が冗談半分で茶化しても否定しなかったじゃんか!」
栞子「……その……峻さんには、もっと良い人がいるはずです
元々、いがみ合っていた仲です……私には、その隣にずっと一緒にいるという資格は……」
──────パシンっ。
栞子「……………………………………えっ……………………」
薫子「……見損なったよ!栞子!」
栞子「……姉……さん……?」
薫子「前の生徒会長から栞子になって……あの子が補佐役を降りなかった理由は栞子の事をサポートしたいって思いでずっと手伝ってきたんじゃないの!?
さっきだって、私と話して栞子の事を考えて脇目も降らずにアンタの元に駆け出した!それだけあの子は本気だったって事だよ!?」
栞子「………………………………」
薫子「それに……アンタが今こうやって笑えてなんでも話せるようになったのは、紛れもなくあの子のおかげじゃないの!?
あの子だって、栞子に隣にいて欲しいって思って心の内の想いを喋ったのに、自分は逃げて、恥ずかしくないのっ!?」
栞子「……………………っ……」
薫子「……ぁ……ご、ごめんっ!そんなつもりじゃ……!」
栞子「……っ……峻……さんっ……」
薫子「……栞子……」
口元を押えて、ポロポロと大粒の涙を流す栞子。
栞子「……私だって……あんなこと言いたく……ありませんでした……っ!
でも……自信がなくて……っ!」
薫子「……その言葉、本人にちゃんと伝えた?」
栞子「言えるわけ……ないじゃないですかっ……!
そんな事を言ってしまったら……彼の優しさに甘えてしまいます……!」
薫子「……あの子はむしろ、それを望んでるんじゃないかな
支え合うものでしょ、好きな人の為なら」
栞子「……まだ……間に合いますか……?」
薫子「……よしっ!来な!」
栞子「……えっ、ね、姉さん……っ!?」
家を出ると、薫子はある物を栞子に投げた。
栞子「……えっ、ま、まさか……っ」
薫子「乗りな!道案内は任せたよ!」
ヘルメットを付けて後ろを指さす薫子。
その顔は真剣そのものだった。
栞子「………………っ!」
同じくヘルメットを付けて後ろに跨り薫子の腰に手を回す栞子。
【その道中】
薫子「……アタシさ、栞子になんもしてあげれなかったからさ
……アンタの幸せくらいは……手伝わせてよ」
栞子「……姉さん……」
薫子「あんな子、またとないと思うよ
……正直、凄くお似合いだと思う……だから、2人にはずっと幸せでいて欲しい」
栞子「……………………………………」
返事をすることなく……また、大粒の涙を流す栞子だった。
────────────────────────
【その後……】
薫子「……ここか?」
栞子「はい、そして……ここが……」
彼の家に来るのは……いつぶりだろうか……。
そうだ、歩夢さんと喧嘩して学校に来なかった時以来だ……。
栞子「……思えば、あの時から私は彼のことを気にかけていたのかもしれませんね」
薫子「……?
インターホン押しちゃうぞ?」
栞子「ま、待ってください!いきなりは失礼なのでは……!」
「……………………はい?」
薫子「おっ、出てきた!」
「……薫子さん…………それに……」
栞子「………………」
「……どうしたんですか、こんな夜遅くに」
薫子「宅配便!」
「……は?」
そう言うと薫子は栞子を峻の家に押し込んだ。
栞子「……ね、姉さんっ!?」
薫子「では、配達完了したので帰りまーす!♪」
そう言うと数分後にバイクの走り出す音がした。
栞子「……姉さん……」
「……中、入りなよ……立ってても仕方ないし」
栞子「……あ、はい……」
栞子「……あの、お家の方は……」
「夜勤、俺一人だよ」
栞子「……そう、ですか」
「……それで、どうしたの、急に家に来て」
栞子「……その……」
「……………………………………」
栞子「……っ!」
「…………はっ?……栞─────」
思いのままに、峻を押し倒す栞子。
「……驚いたな、完全に不意をつかれた」
栞子「……ごめん、なさい……」
「……夕方の事か?……もう忘れたさ、気にするな」
栞子「そうではなく……っ!!」
顔を見上げた栞子は、目を見開いた。
峻の目から……涙が流れていた。
「……諦めさせろよ……なんでこんなタイミング悪く来るんだよ……」
栞子「……峻さん……」
「……栞子……」
栞子「……私……峻さんに……最低な嘘をついていました……」
「……えっ……」
栞子「……私だって……峻さんの隣に居たいですよ!
……でも……自分に自信がなくて……っ……」
「……栞子……」
栞子「峻さんには、もっと良い人がいるはずだって……自分の気持ちに嘘をついて……峻さんの想いを断って……っ……」
「…………馬鹿野郎……」
栞子「……ごめん、なさい……」
「自信が無いから、隣にいて欲しくないとか……思うわけないだろ
俺は栞子にいて欲しい……自信とか誰が相応しいとか……関係ない
俺は栞子が良い」
栞子「峻さんっ……!」
「……もう1回……告白、してもいいか?……好きだ、栞子」
栞子「……………………………………はいっ!!!///」
「……んで、どうしようか……こんな時間だが……」
栞子「………………あっ…………」
次回:まだ慣れないけど
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