薫子「栞子っ、貴女には積極性が無い!!」
和室の扉を思い切り開けて開口一番予想だにしない言葉を発する薫子。
栞子「…どうしたんですか、そんな藪から棒に」
最初は驚いてた栞子だったが、すぐにいつもの顔つきに戻った。
薫子「そりゃあね?お姉ちゃんとしても
栞子に彼氏が出来て、お出かけしたり一緒に勉強したりして
とっても微笑ましいな~って思ってるよ?」
頷きながら腕を組み、1人で語り始める薫子。
薫子「でも!それじゃあ、いつかマンネリ化しちゃうよ!」
話し終えた薫子を見て、栞子は溜め息をついた。
栞子「それはありえません
私は、峻さんと一緒に居ると嬉しいですし
私がまだ見てない世界を峻さんは見せてくれます…そぐわないことなど…」
薫子「甘いねっ…!!」
栞子「え、えぇっ…!?」
薫子「今までの彼を見てご覧なさいよ、よーく分かるでしょ?」
栞子「そ、それは…」
薫子「少ししたら、彼から…」
峻【歩夢~っ!せつ菜~っ!】
歩夢【も~っ、ダメだよ~っ♪】
せつ菜【峻さんってば、いけませんよ~っ♪///】
薫子「…って!!」
栞子「あ、ありえません!そんな事は…っ!///」
と言う栞子だったが、流石に少し焦っていた。
薫子「大丈夫、お姉ちゃんに任せなさい!」
栞子「…な、なんだが嫌な予感がするのですが…」
薫子「いいの?飽きられても」
栞子「い、嫌です!///」
薫子「じゃあじゃあ……ゴニョニョ~~…」
栞子「え、えぇっ…!?///
む、無理です!出来ません!!//////」
薫子「もっと積極性にならないと!」
栞子「…うぅ~…っ!!///」
────────────────────────
【次の日の朝】
「……………zzz」
栞子「……きて……さい……///」
「栞……子~……?…ま…だ…眠…zzz」
栞子「…しゅ、峻さん…起きて…下さい…っ!///」
「…ん、んんっ……わかっ…たよ~…っ」
眉を顰めながら、目をゆっくりと開ける峻…。
しかし、眠気まなこだった目は眼前の景色により一気に覚める事となった。
「…って、な、何その格好!?」
栞子「あ、あぅっ…み、見ないで下さい…っ!!//////」
恥ずかしいのか、顔を背けて栞子は自分の体を抱きしめていた。
「…め、メイド…服???」
起きてすぐの頭は、中々目の前の状況を理解出来ずにいた。
もしかして、まだ夢なんじゃないかと思うくらいだった。
栞子「(うぅっ、だから恥ずかしいから無理だと姉さんに言ったのに…///)…あ、あの…ご主人様…///」
「ご、ご主人様ぁ!?」
栞子「お、起きて下さいましたか…?///」
「お、起きたけど…どうしちゃったんだよ、栞子」
心配そうに顔を覗く峻を見て、栞子は言葉を塞いでしまった。
…しばらくして、諦めたかのようにか細い声を出した。
栞子「…私は…ご主人様に幸せになって欲しくて…///」
「…幸せに?」
栞子「その…私も、もっと積極性にならなければと…指摘がありまして…///」
「…ああ、なるほど…」
恐らく、薫子さんからの入れ知恵だろう。
「…いや、栞子な?
そんな事をしなくても、俺は十分幸せだよ?」
栞子「…これからも、ですか…?///」
「心配?」
栞子「…///」
隠すこと無く、栞子は頷いた。
「あはは、気が付かないうちに心配させちゃってたんだね、ごめんな
…でも、大丈夫だよ…俺は絶対に栞子の横にいるよ…何があってもね」
栞子「…峻さん…///」
薫子「よく言ったねぇ!!」
栞子「ね、姉さんっ!?///」
聞き耳を立ててたのか、満面の笑みで扉を開ける薫子。
薫子「これで2人の仲もさらに深くなったね、うんうんっ♪」
栞子「なっ……あ、アナタという人は…っ!!//////」
薫子「あ、いけない、学校行かなくちゃー!!♪」
栞子「姉さんっ!///」
嵐の如く、薫子は家を飛び出てしまった。
「…何だったんだ…?」
栞子「…し、知りません…っ…///」
恥ずかしそうに、顔を手で覆う栞子だった。
【虹ヶ咲学園】
かすみ「あっ、おはようございます、先輩っ!♪」
「おはよ、かすみ」
かすみ「…~っと、あと、しお子も!♪」
栞子「はい、おはようございます」
しずく「もう、かすみさんったら…知ってて付け加えるように挨拶したでしょ?」
かすみ「ど~かな~?♪」
栞子「ふふっ、私は気にしてませんよ」
「栞子は大人だな~」
栞子「も、もうっ!皆さんの前で頭を撫でないでください、ご主人様…っ!///」
璃奈「…ご主人…」
ランジュ「様ぁ~…っ!?!??!///」
栞子「あっ、これは、そのっ…!!///」
せつ菜「まさか、峻さんがもう既にそこまでしているとは…///」
彼方「ミアちゃん、その手に握ってる携帯を一旦離そうか」
ミア「POLICE…Come here POLICE…!!///」
「違くはないだろ、俺がご主人様は」
かすみ「なんで先輩も平然と答えてるんですかぁ!?///」
愛「見せつけるね~…でも、みんなの前だよ、大丈夫なん?しおってぃー」
栞子「…えっ?……あ、あぁっ!!///」
照れてる姿を一般生徒にも見られた栞子は早歩きで校内に行ってしまった。
ランジュ「ランジュの大切な栞子に何を…っ!!///」
「いや、知らんし…」
ランジュ「そうでもなきゃ、あんなにメロメロな目をするわけないでしょ!あの栞子よっ!?」
「あのとか言うなや!あのとか!」
歩夢「この後の全体朝礼…大丈夫かなぁ?」
彼方「既にどうなるのか、見当が着いちまうぜ…」
────────────────────────
【その後】
栞子「皆さん、おはようございます
さて、まずは朝礼でお伝えしたい事が────────」
愛「おっ、普通じゃない?」
歩夢「良かった~…もう、あんまり栞子ちゃんを困らせなきゃダメだよ?」
「…俺か、俺がいけないのか…」
ランジュ「そうよ、栞子が0.2割…峻が12.8割悪いわっ」
「オーバーキルじゃねぇーか」
愛「…ちなみに、なんでしおってぃーが0.2割なん?」
ランジュ「平然を装ってるけど、目はしっかりと峻を追ってるからよ」
歩夢「えぇっ!…全然分からなかった~…」
ランジュ「ランジュの目は誤魔化せないわよ」
「…羨ましいとか思ってる?」
ランジュ「な、なんですってぇー!?///」
「ちょ、朝礼中だから~っ!!」
栞子「もう…そこのお2人、静かにしてください
(峻さんと目が合った…それだけで、こんなにも嬉しくなるものなのですね…///)」
ランジュ「はい、峻13.8割ね」
「なんでだよ~っ!!」
分岐ルート
TRUE Fin
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