NEXT Rainbow!!   作:A×K

28 / 241
よっし、この投稿の後に
ニジガクR版作るか!(超名案)


第28話

「あ''ゆ''む……おはよ…ぅ」

「…しゅ、峻くん…?」

 

カラオケに行った次の日…見事なまでに声が枯れた。

…張り切りすぎたわ。

 

「い''まのお''れ…大蛇丸み''たいだろ…?」

「…む、無理に喋らない方が…いいよ?」

「……………………」

 

その気遣いに俺はただただ頷いた。

 

 

──────────────────

 

「へぇ~それじゃあ、りな子は峻先輩とカラオケに行ったんだ~」

「うん、すごく上手かった」

「う、羨ましいな~…♪(しゅ、峻先輩ってそんなに歌が上手いんだ……い、一緒にミュージカルとかしてみたいなぁ…そ、そしたら峻先輩がロミオで…私が…ジュ、ジュリエット…!?///)」

 

「…しず子~?…顔赤くしてどうしたんだろ」

「なんか…怖い…」

 

「へっ!?…あ、いや、なんでもありませんよ!!///」

 

「「…怪しい」」

 

 

─────────────────

 

 

昼休み、俺は菜々に呼び出された。

久々になる生徒会長補佐の仕事らしい。

 

「すいません、お昼休みにお呼びしてしまって」

「菜々の''…お願い''ならな…」

 

「…だ、大丈夫ですか…?

歩夢さんからカラオケに行ったとお聞きしましたが…」

「…あぁ、大丈夫…」

 

「…今度…私とも…一緒に行ってください…ね?///」

「…ざみじいのか…?」

 

菜々に抱きつく。

顔を赤くするが抵抗はしなかった。

 

「あっ……ぅんっ…///

…あははっ、その声じゃ…ムードも台無し…ですね…///」

「…うっさい…」

「…それは今度…また、たくさん…ですよ?///」

 

「っ……」

かすみのように悪戯っぽく笑う菜々。

 

「私はどこにも逃げませんから…♡///」

「…う、うん…っ」

「…さて!お手伝いして欲しいことがありました…」

 

咳払いをし、本題に話が戻った。

 

「…実は、体育倉庫を点検して欲しいんです」

「点検?」

 

「すいません、そういうことは本来生徒会がするのですが…」

 

チラッと菜々が机の上に目をやると、そこには大量の書類の山が…。

 

「…ご覧の通り、副会長も書記も…作業に追われてまして…

今は職員室に提出に行ってるので不在ですが…」

 

「おやずい…御用…だよ…」

「ありがとうございます!

それで…こちらがリストになります!」

 

渡されたのは何個かチェック項目がある紙だった。

 

「記入したら私に提出してくださいね!」

 

 

 

 

───────────────

 

…と言われて体育館に来たはいいものの…。

 

 

「あれ~峻くん?」

「エマさん?」

 

体育館にはエマが居た。

 

「あ、この後体育の授業なの~♪

それで苦手だから少し練習しておこうかなって♪

…峻くんはどうしてここに?」

 

「生徒会のお''仕事の手伝い…ゴホゴホ…」

「わっ、凄い!生徒会のお仕事も手伝ってるの?」

 

…まぁ、菜々の為だしな…。

 

「俺には気にせず…練習始めなよ…?」

「はーい♪」

 

そして俺は体育倉庫の点検。

エマが倉庫に入ってボールを取ろうとした。

 

(…ん、ここの鍵…取り付け甘そうだな…)

「ええーっと…ボールボール…」

 

(何回か開閉して大丈夫そうなら要注意に…)

 

「あった!」

 

ガチャ。

 

「…ガチャ…?」

「…?」

 

明らかに閉ざされたような音がした。

冷や汗が出そうな状態で何度かドアを開けようとする…が。

 

「…あ、開かない…!!」

「え?…どうしたの、峻くん?」

 

「……開かなくなっ''ちゃった…」

「ええっ!?…ん、んー!!…ほんとだ…」

 

まるでホラーゲームの初回のようにドアが完全に開かない。

 

「…ど、どうしよう…!!」

「まぁ、待ってれば助けが来るよ~♪」

 

そう言うとエマはその辺に置いてあったマットの上に座った。

 

「そ、そうだ…携帯…!」

が、圏外の文字。

 

「なっ……」

「ほら、峻くんも座りなよ~♪」

 

のほほんと手招きするエマに諦め半分で座る。

 

「授業始まったら誰かしら開けるから大丈夫だよ~♪」

「…ははっ、それもそうか…」

 

突っ込む元気もないのでとりあえず目を瞑る。

「…峻くん…風邪…?

ほら、こっちおいでよ♪」

 

そう言うとエマが身を寄せた。

「えっ''、お、俺は風邪じゃ…!!」

 

どうやらこの枯れ声を風邪と勘違いしたようだ。

…ちょうどエマの胸が…枕のような格好になった。

 

「ふふっ、ホント峻くんって弟って感じだよ~♪」

「…あ、あ''りがとう…」

「…んー…こうしてると落ち着くな~…♪」

「あ、あの…エマ…さん''…?」

 

ぎゅーっと抱きしめる度にエマの胸に埋もれる。

ついにはエマが頭まで撫で始めた。

 

「…このまま食べちゃおうかな~♪」

「……えっ?」

 

顔を見ようとした時だった…。

 

 

ガチャ。

 

「「…あっ…!!」」

 

鍵が開くような音がした。

その音を聞くや否や、すぐに身を引き離す俺とエマ。

開けたのは体育の先生だった。

 

中に閉じ込められてた二人を見て首を傾げ…

中にいた俺とエマは苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 

 

──────────────────

 

 

「…す、すいません…あの扉は…外から鍵をかけるタイプでして…」

「まぁ…授業には間に合ったし…大丈夫だよ…」

 

「鍵は直ぐに新しいものに変えますから…!」

点検の手伝いをお願いした菜々が何度も廊下で頭を下げる。

…一応学校ではこういう関係なんだよなー…。

まぁ、せつ菜って知ってる人がいないから無理もないけど…。

 

「あ、じゃあ…私着替えてきますね!」

「部室で待ってるね''…」

 

もうみんな集まってるだろうな~…と部室のドアを開けると…。

 

 

「…え?」

「………え?」

 

暑いのか胸元を仰ぐ…果林さんが居た。

思いっきり下着の色とか見えた…黒でした…。

視線に気がついたのか一気に顔を赤くする果林さん。

いつもの余裕な感じはどこにも無い。

 

「な、なななっ…峻…っ!?///」

「ご、ごめん…!わざとじゃ…!」

 

しかし、こちらが劣勢と見るといつもの果林に戻る。

 

「…いけない子、ね…?」

「あ、いや…すいません…ほんとにわざとじゃ…」

「…ふふっ、どうしましょうかしらね…?♪」

 

「…んっ……」

「…見た、でしょ?」

 

嘘をついてもすぐにボロが出ると悟った俺は静かに頷く。

 

 

「あら、認めるのね…♪」

「…嘘ついても…仕方、ありませんし…」

「…みんなにバラしちゃおうかしら…♪」

「…っ………………」

 

「なんてねっ…そうねぇ…マッサージで手を打つわ♪」

「…ほっ……………」

「ふふっ、ごめんなさい♪

峻、可愛いから意地悪したくなっちゃって…♪」

「悪趣味ですよ…果林さん…」

 

「あら、いけないかしら?」

「…いえ、別に…」

 

椅子に座った果林さんは自分の肩をポンポンと叩いた。

…マッサージなんて自信ないんだけどな…。

 

「んっ…い、がいと…上手いじゃない…♪」

「…そう、か?」

 

「…ぁ…そこ…っ…気持ち…いいわ…っ…♪」

「…だいぶ凝ってる?」

「そりゃ、ね…分かる…でしょ?///」

「…ええ、何となく…」

 

「…あっ…峻…もっ、とぉ…♪」

「これは1回2回じゃほぐれない様な凝りだな…しっかりほぐしますよ…っ」

 

「んっ…んんんっ…!///」

色っぽい声が出ることに今更気がつく。

……なるべく視線を下にさげないよう注意しつつ…マッサージを続ける。

 

 

───────────────

 

(ど、どどど…どうしましょう…!?)

 

部室の前で慌てる菜々…いや、せつ菜。

 

(か、果林さんと…峻さんがっ…いけないことを…っ?!)

聞き耳を立てると、確かにそれらしい声が聞こえた。

 

(な、中に入った方がいいのかな…っ?

いや、でも…邪魔をするわけには…ああぁ、でも他の人が来たらどうしよう…っ?)

 

獣となった峻さんがなりふり構わず私や他のメンバーを…っ…!?

 

「あ、せつ菜ちゃ~ん♪」

「あ、あああああ、歩夢さん!?!?」

 

「…?…どうしたの、ドアにくっついて…」

「い、いえ、な、なにも!何も無いですよ!!??」

 

「…?

部室、入るよ…?」

「…あ、だ、だめ…っ!!!」

 

しかし、時すでに遅し。

 

「お疲れ様で~す♪…あれっ、峻くんと…果林さん?」

(お、終わった…!)

 

「あら、歩夢…お疲れ様♪」

「お疲れ様、歩夢」

 

「いいなぁ、果林さんマッサージしてもらって」

「あはは、おかげで手が痺れたよ…」

 

「歩夢もこの後やってもらいなさい♪」

「はいっ!♪」

 

「えっ、ま、マッサージ…!?」

「…なんでそんな覗くように見てるの…せつ菜…」

「い、いえ…!!なにも…!!///(ううう、峻さんのせい…峻さんのせいなんだから…ぁ!!///)」

 

 

──────────────────

 

 

「うう、練習疲れよりも…手が痺れた…」

「あ、あはは…峻くんありがとうね…マッサージ…」

 

「まさか、かすみや彼方さんまでせがむとは…」

「それだけ峻くんのマッサージが上手かったって事だよ♪」

 

「…なのかねぇ……」

「…あれっ?…ねぇ、峻くん…あれって…」

 

「…ん?」

 

校門の前に立つ…1人の女の子。

 

「あっ、こんにちは~♪」

「…えっと…確か…(なんで…ことりさんがここに?)」

 

「あの時自己紹介出来てなかったよねっ…μ'sの南ことりです♪」

「あ、これはご丁寧に…宮之…」

「峻くんだよねっ♪」

 

「…えっ、あ、はい」

「良かった~♪

ちょっと用事があって近くに来たらから…せっかくなら見ていこうかな~って♪」

「そうだったんですね…ほかの方たちは?」

 

「絵里ちゃん達は明後日行くって!♪」

「あ、分かりました…ほかの部員に伝えておきますね」

「うんっ♪」

 

 

 

「─────峻…くん…?」




評価・感想・お気に入り登録よろしくお願いします!

好きなキャラアンケート③

  • せつ菜
  • しずく
  • かすみ
  • 果林

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。