NEXT Rainbow!!   作:A×K

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今日の夜…R版も更新するぞ…(フラグ)


第36話

【3回戦は 歌唱力対決よ!!首を長ーーくして待ってるから放課後、ちゃんと来なさいよー!!】

 

「…だってさ?」

「なんか、にこ先輩…物語中盤のボスみたいなこと言いますね」

「あっ、かすみさん分かります!モン〇ンで言うところのイャンガ〇ルガ、ポケ〇ンで言うところの4個目のバッジ辺りですね!!」

 

いや、その例えはすごく分かりずらいと思うぞ、せつ菜。

 

「ふっふっふ…やっぱり特訓の成果、出そうですね!」

「怖がってたくせに」

「あ、あれは峻先輩が卑怯なんですもん!!べーーだ!!」

 

そう言うとかすみはそっぽを向いてしまった。

まあ、時間が経てば放っておかないでください~ってすがってくるのが関の山だが。

 

「…とりあえず、放課後…そのお店に行こうか」

「「はーーいっ」」

 

 

歌唱力か…となると…せつ菜のカードを切るべき、か…?

いや、歩夢の歌もなかなかだからな…。

 

(そもそも、μ'sからは誰が出るのだろう…?

歌となると…やっぱり真姫ちゃんあたりかな…)

 

「へーい、峻~!♪何悩んでんの~っ?♪」

「あ、愛っ!くっつきすぎ!」

 

「お、照れてるのか~?可愛いなぁ~このこの~♪」

「だあああ、離れろーー!」

 

「…………………」

「…歩夢?」

 

「…な、なんでもないもん…っ…ぷいっ!」

「…???」

 

(峻くんの…バカ……私だって…峻くんの事…独り占めしたいのに……はぁ、私ってワガママなのかな……)

「…ねぇねぇ、峻…後で歩夢と2人で話、してみてよ?」

「えっ……あ、あぁ…その方がいいよな」

 

(そろそろ…歩夢も素直になりなよ…でも、私もその気持ちは負けない、よ…)

 

 

 

 

─────────────────

 

 

【放課後】

 

「来たわね~!」

 

「…相変わらずテンション高いね…にこさん」

「は~い、峻♪」

「今日もよろしくね~♪」

 

にこにこ笑う絵里さんとことりちゃん。

…うん、後ろの視線が痛いよ、すっごく。

 

「…それで、歌唱力対決…ってとことで…」

「ええ、そうよ!2曲歌ってもらって合計の点数で勝敗を決するわ!」

「ああ、なるほど…それでμ'sからは誰が───」

 

 

「そこの隅っこで影を潜めてる海未よ」

そう言って指を指すにこさん。

振り向くと確かに一番端の椅子で縮こまる海未さん。

 

「うぅ…なぜ私なのですか…」

「海未ちゃんなら大丈夫だよ!穂乃果が応援するよ!!」

 

「ほ、穂乃果っ!そういうことではなく…!!」

「大丈夫よ、歌ってしまったらもう海未の世界になるんだし」

「ま、真姫まで…!…もぅ、わかりました…」

 

諦めたようにマイクを握る海未ちゃん。

 

「…で、虹ヶ咲学園からは?」

「…はいっ!」

 

「えええっ、しずくっ??」

まさかの人が手を挙げた。

 

「特訓の成果…は、あるかどうか分かりませんが…

演劇で鍛えた歌唱力を…全力でぶつけます!!」

 

「なるほどね、確かにしずくの歌唱力はなかなかだからいい勝負になると思うわ」

「しず子、頑張って~♪」

 

「じゃあ、まずは1曲目よ!」

 

先攻は…海未ちゃん。

正直、あの様子じゃ緊張して上手く歌えない気がするけど…。

 

 

「いぇーーいっ♪」

「「………えっ???」」

 

虹ヶ咲学園メンバー…絶句。

明らかにスイッチが入ったように別人になる海未ちゃん。

 

「あはは、海未ちゃん…完全に自分の世界入っちゃったね」

「これは……あれが出るかしら?」

 

「…あれって…?」

 

「貴方の心に…ラブアローシュートッ♪」

「…え、えっと…あれ本当に…海未ちゃん?」

 

「うんっ、むしろあれが本当の海未ちゃんだよ♪」

微笑みながら答えることりちゃん。

…えぇ、まじかぁ…。

 

 

 

 

「…ふぅ、緊張しました…♪」

「いやいやいや…かなりハイレベルだったよ…」

 

「しず子、負けてられないよ!」

「はいっ、頑張ります!!」

 

 

後攻のしずくのハードルが上がったが…彼女なりに一生懸命歌う。

その歌声に静かに耳を傾ける。

 

「素敵な歌声ね」

「はいっ、歌詞に気持ちがしっかり伝わって聞く人にも歌ってる人の感情が伝わります…♪」

 

絵里さんや海未ちゃんが賞賛の声を上げる。

…確かに、しずくの歌唱力…上がった気がする。

…でも、俺の方を見て歌うのは恥ずかしいからやめてくれ…。

 

 

 

 

「1曲目が終わって、海未 92点 しずく89点よ」

「うぅ、やはり海未さんの歌唱力には敵いません…」

「いえ、しずくの歌唱力もなかなかですよ♪」

 

「2人が2曲目を選んでる間……………ん、ほらっ」

 

ずいっと俺の方にマイクを差し出すにこさん。

 

 

「…え?」

「アンタ、歌いなさいよ」

「え、でもそれは勝負に関係ないのでは…」

「いーから!スクールアイドルの社交辞令よ!」

 

「なんだそりゃ……」

「にこちゃんはね、この前聞いた峻くんの歌がまた聞きたいんだって!♪」

「穂乃果ぁ!余計なこと言わないの!!」

 

「…じゃあ、1曲だけ…」

 

曲が流れると一気に視線がこちらに向く。

…歌いにくい。

 

(………また歩夢は携帯こっちに向けてるし…)

 

少し緊張しつつも…虹ヶ咲学園メンバーとμ'sの前で歌い切った俺。

 

ぱちぱちと何人かが拍手をしてくれた。

「峻の歌ってるところ…初めて見たけど…なかなか上手じゃない!」

「さすが、スクールアイドル同好会の部長です!」

 

「果林さんもせつ菜も買い被りすぎだよ」

 

「ううん、やっぱり安心する歌声だよ!ね、ことりちゃん!」

「うんっ♪何だかずっと聞いていたいな~…♪」

 

「…満足かな、にこさん」

「ま、ままままっ、まぁ及第点ね!!」

 

「にこったら嘘つくの下手ね♪」

「絵里ぃ~!!」

 

「今度、私が演奏するから…歌って欲しいわね」

「あ、俺もピアノなら出来るよ」

「ホントに?…じゃあ、連弾しながら…歌って欲しいわ」

 

「うん、今度しようね」

 

 

「…こ、こほん!勝負の本質を忘れちゃいけないわ!

2人とも2曲目スタートよ!」

 

咳払いをして仕切るにこさんを見て苦笑いをうかべる絵里さんと穂乃果ちゃんだった。

 

 

 

 

 

「結果は…海未ちゃん 186点 しずく 184点で海未ちゃんの勝ちか」

「うぅ…悔しいですが…すごくいい経験ができました!」

「しずくの歌声…私は好きですよ♪」

 

ガッチリと握手をする2人。

「これで、μ'sの勝ち越しね」

「まだまだ勝負はこれからだよ」

 

 

「…………………………やっぱり…峻くんって…モテるんだなぁ…」

「あれ、歩夢さん…どうしましたか?」

 

「あっ……ううん、なんでもない!」

「…………?」

 

 

 

─────────────────

 

 

【その帰り道】

 

「歩夢~…なんでそんな先歩くんだよ…」

「知らないっ」

 

「(明らかに…怒ってるよなぁ…)…カラオケの時なんかあったのか?」

「…なんもないもんっ」

 

そう言うと少し急ぎ足で階段を駆け上がる歩夢。

そして、ドアの前で少しこちらを見て…。

 

「………………………バカ…」

とだけ言った家の中に入ってしまった。

 

「バカって……はぁ、一体なんの事だよ…」

 

 

──────────────────

 

 

【歩夢 視点】

 

「………はぁ」

帰ってきて一目散にベットにダイブする。

 

枕に顔をうずめて…ため息をつく。

 

(私…やっぱり悪い子だな…峻くん困らせて…)

あんなこと言いたいわけじゃない…。

 

ただ単に…峻くんを独り占めしたい、だけなのに…。

 

(やっぱり…好きなんて伝えたのが…迷惑、だったのかな…)

そう思うとじわっと…目に涙が浮かびそうになった。

 

「………峻くん」

小さく…好きな彼の名前を呼ぶ。

 

すると…………………………。

 

 

 

ガラガラガラ………。

 

「不用心だなあ…窓開けっ放しじゃん」

「…えっ!?!?」

 

 

──────────────────

 

 

【峻 視点】

 

 

「…やっぱり歩夢から訳を聞かないとスッキリしないな…」

 

けど、家の鍵は閉めてたし…。

「…ベランダか…」

部屋が隣同士だし…ベランダからベランダへ…移り込めば…。

 

「…って、ここ5階だし…」

誤って落ちたとか言ったらシャレにならないし…そもそも鍵がかかってるだろうし…。

 

 

「…えぇい!悩んでても仕方ない!」

 

ベランダから身を乗り出し歩夢のいる部屋に…侵入。

傍から見たら空き巣犯とかに見られるのかなぁ…。

 

カーテンがかかってるベランダのガラスドアに手をかける…すると…。

 

 

ガラガラガラ……

 

「不用心だなあ…窓開けっ放しじゃん」

「えっ…!?!?」

 

鍵がかかってなかった。

その注意は後からするとして。

 

「何暗い顔してんの…歩夢」

「ぁ、な、なんで……っ???」

 

「心配だから様子を見に来た」

「ベランダからこっちに来たの…?!

ここ5階だよ…!?」

 

「だから?」

「…ぁ……べ、別に峻くんには関係ないもん…っ」

 

「…まだそれを言うか」

 

頭を掻きながら歩夢に詰め寄る。

「歩夢…」

「…あっ…峻くん…っ」

「ちゃんと目を見て…思ってること…言って?」

 

見つめながら…静かに歩夢を押し倒す。

すると…少し籠ったような声で話し始める歩夢。

 

「だっ、て…言えない…よ…っ!

峻くんの事を…独り占めしたい、なんて…っ!!」

涙を流しながら喋る歩夢。

…なるほど、そういう事か。

 

「…あーーー…ごめん、気がつかなくて」

「峻くん…がっ…謝ること、無い…よっ…

私の…ワガママ…なんだし……峻くんに、迷惑かけちゃうし…!」

 

しゃべり続ける歩夢の口を……俺は自分の口を合わせて…塞いだ。

「──────っ……!!!//////」

「…あっ…もしかして…歩夢の初めて…貰っちゃった?」

 

「…あ、っ…峻…くんっ…?///」

「ごめんな、でも俺…歩夢の初めて…欲しかったんだ…迷惑だった?」

「そ、そんなこと…っ!!///」

 

「…そっか、よかった」

優しく頭を撫でるといつもの歩夢に戻っていった。

 

「あー…その、ごめんな…俺も歩夢との時間…作ってあげないとな…」

「そ、そんなっ…!私は……」

「そうやって遠慮しないの、それじゃあ歩夢が俺に好きって言ってくれたのが嘘みたいなるじゃんか」

 

「……嘘じゃない、けど…峻くんにとっては…迷惑なんじゃ…」

「んなわけあるかっ」

 

弱くデコピンをする。

「ひゃうっ…!///」

「歩夢が俺のことを好きって思い続けてくれるなら俺もその気持ちをずっと受け止めていたい」

 

「…峻くん…」

「だからそんな寂しいこと言うなよ…俺は歩夢にそばにいて欲しい」

 

「…いい、の…?///」

「居なかったら怒る」

 

「…もぅ、ずるいよ…峻くん…そんなこと言ったら…もっとそばにいたくなるよ…///」

「ん、居てよ…歩夢」

 

「……うんっ…♡///」

 

今度は嬉し涙を流す歩夢。

その日、俺はずっと歩夢のそばにいて…歩夢のわがままを聞いていた。

 

甘えたい、ぎゅーしたい…色々リクエストする歩夢が何だか無邪気な子供のように感じた。




ぽむぅううう…かわいいよぉ…

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