お楽しみにしていてください!
「おはよ、歩夢」
「おはよう、峻くん!」
いつも通り、俺と歩夢は朝の挨拶を交わす。
…いつもと違う、といえば…。
「おっはよーございまーす♪」
「おはようございます、峻先輩♪」
学校に向かうに連れて…俺の横に一緒に歩くメンバーが増えていく。
みんな思い思いの話に花を咲かせる。
…周りの目が痛いんだけどなぁ…。
「おーーっす!…って、峻…モテ期?」
「茶化すなよ…」
「いや、両手に花どころか…両手足に花って感じだよ?」
「…身体中に花って感じだよ」
「あははっ、鼻が高くなるんじゃない~?♪」
「ならないよー!!」
いつも通りの雰囲気で学校へと向かう…が。
「…………………っ……………???」
ふと、後ろが気になり振り返る。
しかし、当然人なんか居ない。
「峻くん、どうしたの?」
「いや………なんか見られているって言うか…」
「峻先輩、ファンでも居るんじゃないんですか~?♪」
「あはは、いないいない」
「峻さんのファン…っ!?
ま、負けませんよ……!!」
「しずくちゃん、せつ菜ちゃんみたいになってきたね…」
「ほら、みんな行こ?俺の気の所為だから大丈夫だよ!」
?「………………………………」
しかし、俺の感じる違和感は拭えなかった。
────────────────────
にこ「さあ、勝負の時間よ!」
「テンション高いんだよなぁー…もう、見慣れたよ」
ことり「にこちゃんもこの対決楽しみにしてるんだよ♪」
「そういう所は素直じゃないよな…」
にこ「そこ!聞こえてるわよ!…なんかこんなやり取り、初めてじゃないような感じね…!
こほん!次の勝負は…!」
「なぁ、にこ…そろそろ残りの勝負内容について教えてくれないか?」
にこ「何よ、勘ぐるつもり?」
希「ええんちゃう?減るものでもないし♪」
にこ「希まで…いいわ、教えてあげるわ…今回のテーマが衣装対決。
その後がカリスマ力とアイドル力対決よ」
…後、ニジガクメンバーで残ってるのが…歩夢とかすみと璃奈ちゃん、か。
「…璃奈ちゃん、お願いしてもいいかな…?」
璃奈「うん、いいよ……でも、相手は絶対に…」
ことり「ことりだよ♪勝ち負けとかこだわらないで楽しもうよ~♪」
璃奈「よ、よろしくお願いします…っ」
にこ「勝負の服を用意するから、5人代表を選ぶのよ!まぁ、コスプレ対決って名前でも間違いじゃないかしらね?
審査員の判断で勝ち負けを付けるわ!
μ'sからは希と真姫、ニジガクからは…誰か2人と…アンタも入りなさい」
「え、俺!?…でも…」
にこ「今回は特別よ、審査員は別に対決に入らないんだし」
「…わかった、しっかり判断するよ」
────────────────────
にこ「じゃあ、コスプレ対決始めるわよ~♪
μ'sからの一番手…先発は…穂乃果!」
(璃奈ちゃん、手伝おうかって言ったけど…今回は自分の力で頑張るって言ってたし…大丈夫かなぁ…)
穂乃果「こーらー!キミー!余所見してると、逮捕しちゃうぞ♪」
考え事をしていたらミニスカポリス姿をした穂乃果が目の前に居た。
「えっ、あ、ご、ごめん!」
穂乃果「言い訳は聞きませーん、逮捕しちゃうぞー!♪」
ウキウキしながら手錠を手に取る穂乃果。
「どちらかと言えば、手錠をさせて身動きが取れなくなったところをこう……」
しずく「峻さん、一体何を……?」
歩夢「分からないけど、変なことを考えているのは…確かだと思うよ…」
穂乃果「いやーん、峻くんダメだよ~///」
と言いつつも、満更でもないような顔をする穂乃果だった。
にこ「論点がズレてるわ!次!虹ヶ咲学園からは…果林!」
「ウチのプロポーション番長だから大丈夫だ…………ろ?」
しかし、出てきた果林さんはいつも通りの格好。
その手に持っていたのは…。
果林「じゃーん♪」
璃奈ちゃんボード…いや、この場合…果林さんボードなのか?
困惑する両チームのメンバーを他所に、にこが口を開く。
にこ「こらぁ、天王寺璃奈…!」
璃奈「なに?」
にこ「コスプレ対決って言ったでしょ?!
これじゃあコスプレになんかなってないわよ!」
璃奈「果林さんは何を着せても果林さん自身が目立つから、敢えて斬新なことをしてみた…っ!」
果林「不思議な安心感があるわね~、これ♪」
いや。果林さんもノリノリなんかい。
璃奈「峻さんの分も作ってきたよ」
と言って渡されたボードに書かれていた顔は…。
「何じゃい、この…愛を捨てて十字陵を作らせてそうな人の顔は…」
璃奈「付けてみて?」
「んん…こうか?」
着けた瞬間、歩夢とせつ菜とかすみ
μ'sの穂乃果とにこが吹いた。
…後でわしわしの刑だな。
にこ「勝者…南ことり!」
ことり「ふふっ、楽しかったよ♪」
璃奈「やっぱりことりさんは凄いなぁ…」
「俺的には絵里さんの格好が…こう、手をかけてびゃって下げたくなるような…な?」
歩夢「………………………………」
無言で歩夢から背中を叩かれた。
男が居るのにあんな格好は反則だと思うの、僕。
ことり「もし良かったら一緒に衣装作ってライブとかしてみたいな♪」
穂乃果「あ、それ賛成!」
海未「また勝手なことを…」
「いいじゃん、Aqoursも誘ってさ…三組のスクールアイドルがやるライブとかめちゃくちゃワクワクしない?」
絵里「Aqoursは、もうスクールアイドルフェスティバルで一緒にライブすることになってるけど…いいわね、それ♪」
希「…って、話が進んどるよ?」
にこ「悔しいけど、あの男を中心に出来事が回ってるような気がするわ…」
希「ふふっ、彼は特別、なんかもね?♪」
にこ「……ほんっと、不思議な奴」
μ'sとニジガクのメンバーと話彼を見て、どこかそんな気持ちになる2人だった。
─────────────────
【─────別次元???】
「…今回、彼の場合は…直撃雷と言って、かなり珍しい事案になります」
果南「…助かるんですか?」
「…致死率は70%以上、と言われています。
正直、この状態なのが奇跡と言っても過言ではありません」
ダイヤ「そんなっ…!!」
「この先、どうなるかは分かりませんが……最悪の事態は…覚悟しておいて下さい」
果南「…わかり、ました…」
鞠莉「…あの子には、言わないでおきましょ…多分、本当に立ち直れなくなるわ…」
ダイヤ「…分かりましたわ…」
果南「…悠………………」
彼女は目を瞑ったままの彼の頬に優しく手を添えた。
千歌「……悠くん」
もう名前を呼んでも…返事してくれないのかな…。
そんなの…嫌だよ…。
毎日そんな考えが頭をよぎる。
勉強も手につかないまま、ただただ日にちだけが過ぎていく。
梨子「…あっ…曜ちゃん、悠くんの様子は…」
病室のドアの前で立っていた曜が静かに首を横に振る。
その横で椅子に座っていた花丸・善子・ルビィも顔を俯かせた。
…なぜ、彼なのだろうか。
なぜ、彼に直撃したのだろうか。
帰る時間がもう少し早かったり遅かったりすればこんなことには…。
重い空気だけが辺りを包む。
千歌「……信じ、てるよ…私は…悠くんの事を…ずっと…絶対に…」
誰にも聞こえない声で…そう呟いた千歌。
…その時、彼の指がピクっと反応した事には…気が付かず…。
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