NEXT Rainbow!!   作:A×K

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日間ランキング37位!
これからも爆進していきますよ!
せつ菜「うおおおおおお!!かすみさん!!!!!!」
かすみ「またですか!?!!しず子ー!助けてー!」
しずく「せつかすはあり…せつかすはあり…」
梨子「分かる」

かすみ「な、なんで梨子先輩がっ!!??」


第58話

「…公開討論?」

せつ菜「まぁ、簡単に言ってしまえば、全校生徒の前でやる政見放送みたいなものです」

 

「なるほどね…そこでマニフェストを言って…生徒の反応で投票にも影響が出るってことか」

せつ菜「…ホントは…すごく、緊張もしてますし…峻さんには…見せたく、ないんです…」

「…せつ菜…」

 

せつ菜「…いえ、大丈夫です!私は私らしく…頑張ります!!」

「うん、その意気だよ、せつ菜」

 

頭を優しく撫でると、せつ菜はとびきりの笑顔を見せてくれた。

────────この時までは、良かったんだ…。

 

 

 

 

 

 

 

話し合いの結果、校内放送で公開討論は流れていくのだと言う。

歩夢を筆頭に、みんなで見ようという話になり、お昼に部室で見ることとなった。

 

 

 

(せつ菜…………………)

愛「しゅんしゅん、顔っ♪怖くなってるよ~?」

「えっ、あっ…ごめん、そんなつもりは…」

果林「心配なのも分かるけど、部長なら部長らしくドーンと構えてなさい?」

「…う、うん…………………」

 

 

 

 

 

 

【放送室】

栞子「今日は、お話し合いの場を設けていただき光栄です

…ですが、私の意思は変わりありませんのでそこは履き違えないでください」

せつ菜「…はい、よろしくお願いします。三船さん(…大丈夫、しっかりしないと!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

【部室】

 

 

司会の進行のもと、公開討論が始まった。

最初は三船栞子のようだ。

 

栞子「皆さん、こんにちは…この度新しく生徒会長に立候補しました、1年の三船栞子です

さて、当然の再選挙で驚いてる方も多いと思いますが…私はこの学園をもっと良くしていきたい理由で再選挙を申し出ました。」

 

「…やっぱり、こいつ苦手だな…俺は」

昔のダイヤを見ているようだ。

 

栞子「語弊がありましたが、今の段階で良くない、という訳ではありません

しかし、もっと…良くなると私は知っています

皆さんの成功と確かな経験を積める学園になる、と」

 

エマ「1年生なのに堂々としてるね~…」

栞子「高校生活は3年間です…その3年間で秘めている可能性を最大限に発揮できるよう、生徒会長としてサポートしていきたい所存です

この先、将来への糧となることをお約束します

自分の特性を…是非、一緒に伸ばしていきましょう」

 

 

 

スラスラと流れるような三船栞子の放送に少し圧倒される部室内。

「…いや、せつ菜なら大丈夫だよ」

歩夢「そう、だよね…っ!」

 

そして、そんな空気感の中…せつ菜の番となった。

 

せつ菜「……………………………………」

しかし、せつ菜の口から言葉が出ない。

司会も心配して様子を伺う。

 

「………………………」

せつ菜「…いえ、大丈夫です。

皆さん、こんにちは現生徒会長の中川菜々です

私は生徒会長の続投を望みます

 

昨年、皆さんからの信任でなった生徒会長。

生徒会のメンバーと一緒により良い学園にしていきたいと思っています」

 

最初は躓いたかと思ったが、その後は自然体で話し続けるせつ菜。

 

 

 

 

せつ菜「私が目指す、虹ヶ咲学園は大好きを打ち込める学園にしていきたいです。

高校生活3年間…だけど、たった3年間…それをかけがえのないものにしていきたいと思っています

皆さんが思ってる…大好きなことを…全力で追いかけて欲しいです

生徒会はそのサポートを…いえ、生徒会長はそのサポートを出来るように精一杯務めようと思っています!」

 

 

 

「…うん、良かった…いつもの生徒会長だな」

果林「流石、と言ったところね」

 

 

そして、今度は討論に移った。

すなわち、現生徒会長せつ菜(菜々)と三船栞子による直接対決となる。

 

栞子「まず、このように再選挙という形でバタバタさせてしまった上、このような席まで設けてもらったことにお礼を申し上げたいと思います

もちろん、今の生徒会も安定して運営してる点は及第点と言えるでしょう」

せつ菜「及第点…ですか…」

 

その言葉にせつ菜の顔が曇る。

栞子「それを踏まえた上で申し上げたいと思います

貴女の…中川会長の目指す、大好きを打ち込める学園

これは本当に生徒の成長をサポートするという本当の意味にはなりかねません

 

ひとつ例えてみましょう

才能はない、けど好きな部活だから続けたいという人が居たらどうするのですか?

スポーツ進学で進学できる訳でもないのに」

 

 

……イラッ…。

気配を感じとったのか、歩夢が手を重ねる。

 

せつ菜「思い切り、好きな部活をしてもらいます!

大好きで頑張れた事はきっと自信に繋がると思います!」

栞子「その自信、とはどんなものですか?

どこで役に立つというのですか

辛い時にその自信は解決への糸口とはなりませんよ」

 

せつ菜「…効率で物事を決めるのは…寂しいと思います…」

栞子「寂しい?そんな問題では無いのです

将来のためにも、この3年間で個々の特性を示すのが大事だと言っているんです」

 

せつ菜「そんなっ…!!それは、味気のないつまらない学校生活になってしまいます!!

大好きな力は時に大きな力になります!!」

栞子「…お言葉を返しますが、今貴女は…大好きなことをちゃんとやれていますか?」

せつ菜「……えっ……………」

 

栞子「生徒会も、その大好きなことも…中途半端になってませんか?…そんな貴女が一体何を語ろうと」

せつ菜「そ、それは……っ…」

 

 

栞子「生徒会長とは、生徒の先頭に立つ存在ですよ?

そのような姿では説得力に欠けます

…さて、今の私の言葉に…なにか反論はありますか?」

せつ菜「…………っ………………」

栞子「どう返されても…あなたの言葉に力はありませんが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………っ………!!!!!」

果林「待ちなさい、峻!!!」

 

強い怒りに駆られた俺は部室を飛び出そうとした。

しかし、それを果林が制した。

 

果林「…気持ちは、分かるわ…でも、こればっかりは…私たちでは、どうしようも…」

「…っ…………くそっ……………くそっ!!!!!!!」

 

 

 

扉が壊れるんじゃないかと言うくらいの勢いで開けてバタンと閉めて部室を後にした。

 

 

歩夢「……峻くん…………………」

果林「多分…放送室には行かないわ、峻もそこまで馬鹿じゃないし怒りに身を任せて行動するようなタイプでもないわ…今は、そっと…1人にしておきましょう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「…………………………………」」」

他のメンバーも…どうすることも出来ずに、ただ校内放送の音だけが部室に流れるだけだった。




次回:友情CHASE


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  • 栞子

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