せつ菜と峻くんが幾度となくぶつかる本音と本音のお話になっています。
かすみ「あの~…」
?
かすみ「かすみんへのいじりは…今日はなしですか…?」
……既に欲しがってる?
かすみ「そ、そんなことありません!!」
女子生徒1【ねぇねぇ、この前の公開討論見た?】
女子生徒2【見た見た、1年生なのに生徒会長にあそこまで堂々と言えるなんて…流石、三船家のお嬢様って感じだよね】
女子生徒1【なんか…今の生徒会長が小さく見えちゃうね】
女子生徒2【名前なんだっけ?…なが多い…】
女子生徒1【中川菜々だよ!生徒会長の名前も覚えてないの~?】
「………………………………………」
女子生徒1【…やばっ、会長補佐だ…っ!】
女子生徒2【い、行こ…!!】
「…………ちっ」
明らかに俺の虫の居所が悪い。
その場を去る生徒を目で追っていた。
「あんな奴に付いて行ったって答えなんか分かるわけないのに」
俺はあのやり方には真っ向から反対だ。
例えそれが会長への反発だとしても…最後の一人になっても反対を貫き通すだろう。
「……お前はどうなんだよ…せつ菜…」
いつもは校内を見回る隣に居ない人の名前を呼ぶ。
…せつ菜も、部活には顔を出していない。これでもう1週間だ。
バツが悪いのか…泊まるのも俺の部屋ではなく、歩夢の部屋に泊まっている。
…っても、俺も馬鹿じゃないし、歩夢も察してくれての対応だろう。
(…確かに…今はそっとしておいてもらった方が…いい、よな…)
この苛立ったままの感情だとどうなるか自分でも分からない。
生徒会長の所に殴り込みに……いや、ダメだ。
せつ菜の悲しむ姿なんか見たくない。
「………………せつ菜……………」
────────────────
【屋上】
せつ菜「………………………」
【そのような姿では説得力に欠けます】
せつ菜「…やっぱり、三船さんは凄いです…私は…完全に…あの討論会で…負けたなって…思いました…」
1人、誰もいない屋上でそう呟いた。
聞きたくなくても聞いてしまう…討論会の優劣。
実際…目の前にいた私が…そう感じずにはいられなかった。
せつ菜「…生徒会長には…三船さんの方が…適任、なんでしょうか…
…でも、そうしたら…同好会は……」
一瞬、顔が強ばった。
────────そんなのは、嫌だ…と。
せつ菜「私は……中途半端……なのでしょうか……峻さん…」
いつも隣に居てくれた彼の名前を呼ぶ。
……返事なんかするはずもないのに。
確かに…スクールアイドル同好会に戻ってから…生徒会メインでは無くなった……けど、決して手を抜いていたつもりは…なかった。
それは、会長補佐だった彼も…よく知っている。
だからこそ…今回の公開討論は…彼にも堪えたのだろう…。
せつ菜「こんな時は……………」
彼が紹介してくれた伝手に連絡を入れてみる。
せつ菜【絵里さん、ダイヤさん…突然連絡を入れて申し訳ございません
…実は…以前お話した公開討論が…上手くいかず…正直苦しいところ、なんです…
私…何も言い返せなくて……真剣さが全然足りてませんでした
ですが、できる限りの事はします!】
ダイヤ【何かありましたら、すぐに連絡してくださいね
出来ることはなんでもお手伝い致します】
絵里【ダイヤの言う通りよ?…貴方は1人じゃないのよ
困った時は、遠慮なく言ってちょうだい?】
せつ菜【はいっ、ありがとうございます!】
せつ菜(…やっぱり、峻さんの人脈は…頼りになります…
…お二人共…スクールアイドルと生徒会を両立してるんだ…私も頑張らなくちゃ…!)
そう思った私は…部室へと歩を進めるのであった。
────────────────
璃奈「生徒会のポスター、別パターンも作ってみた…どうかな?」
しずく「とってもいいと思います!♪
早く掲示板に貼りに行きましょう!」
歩夢「大好きが打ち込める学園…凄く、良い言葉だよね」
かすみ「かすみんは名刺を作りました!これで売り込みバンバンできますよー!♪」
エマ「細かいプロフィールまで書いてある~!♪
え、ええっ!こんな所まで?」
かすみ「パンチは重要ですから!」
果林「そうね、これくらいはしないと…三船さんには抵抗できないわね」
愛「えーっと、じゃあ今日やることは…ポスターの張替えと…」
彼方「名刺を配ることだね~♪よーし、頑張ろ~っ♪」
歩夢「じゃあ、どこからやるか決めよっか?」
せつ菜「すいません!遅くなってしまいました!」
「「「せ、せつ菜(ちゃん)!!」」」
部室に現れたせつ菜の姿を見て皆が驚いた。
愛「今ね~、皆でポスターの新バージョンや名刺作ってから配りに行こうって話をしてたんだよ!」
せつ菜「み、皆さん…ありがとうございます…!」
かすみ「あれっ、そういえば…今度のAqoursとμ'sの皆さんと話し合うのはいつでしたっけ…峻先……あっ……」
この名前に皆がシン…と静まり返る
せつ菜「…やっぱり、峻さん……来て、ないんですね…」
愛「きょ、今日は来てないだけだよ!!」
果林「そんなこと言ってもすぐに気が付かれちゃうわよ…ええ、来てないわ…1週間ほど」
せつ菜「…私のせい、ですよね…」
しずく「そ、そんなことありません!!!…きっと峻先輩は峻先輩なりに考えがあるんですよ…!」
せつ菜「…皆さん…本当にありがとうございます…ですが…私決めました……私、スクールアイドル同好会を…退部します
生徒会長選挙は…私1人で戦います」
「「「え、えええー!!!???」」」
果林「か、考え直しなさい!せつ菜!」
せつ菜「いいえ、もう決めたんです…私が作りたいのは…大好きが打ち込める学園。
そして、大好きなスクールアイドル活動をしてる皆さんが…大好きなんです」
歩夢「せつ菜ちゃん…っ…」
せつ菜「だから…皆さんには…この学園でスクールアイドル活動を安心してやってほしいんです
その為の場所を…私は守りたいんです」
エマ「そん、な……」
せつ菜「…本当に…ありがとうございました」
そう言うと、せつ菜は部室を出てしまった。
かすみ「…果林先輩…」
果林「…今すぐ峻を呼んで!!」
その言葉だけ、部室に響くのであった。
────────────────
【生徒会室】
栞子「失礼します…今後の生徒会選挙の行動予定を提出しに……誰もいない?」
生徒会室に入った三船栞子…だか、生徒会室はもぬけの殻だった。
栞子「これは…中川さんの公約?…こんな所に置いてあるなんて…」
捲ってみると、そこには。
栞子「学園限定のソーシャルアプリによる大好きを実現する場所作りをする……アプリ共有での投書…なるほど、口だけでは無いようですね」
しかし、すぐに公約を机に戻す。
栞子「…しかし、それだけでは…根底的に間違ってます」
そう言うと彼女は生徒会室を後にした。
────────────────
歩夢「はぁ…はぁ…!!…見つけたよ!峻くん…っ!!」
中庭の噴水の前…で、腰かけている彼を発見した。
「…どうした、歩夢…そんな息切らして」
歩夢「たい、へんなの…っ!!…せつ菜ちゃんが…っ…せつ菜ちゃんが!!」
「…せつ菜が、どうしたんだ?」
その様子にただ事では無いと分かった峻だが、顔色は変えない。
歩夢「実は────────」
「……………………えっ…?」
──────────────────────
【夜 学園入口】
「……やっと来やがった…」
せつ菜「あれっ…峻さん…っ…どうしてここに…?」
「…待ち伏せしてた、つったら…引くか?」
せつ菜「い、いえっ…そんな、ことは…っ!」
「どういう事だよ、スクールアイドル同好会を辞めるって」
せつ菜「それは………」
「ちゃんと話そうぜ…そんな去り方、みんな心配するし…あんまりだと思うぜ」
淡々と話す峻。
…しかし、どこか言葉には今までと違う怒りが込められていて…。
せつ菜「…分かります…あの後…部室を出たあと…たくさん、電話が来ましたから…」
「Aqoursやμ'sのメンバーからも、だろ?」
せつ菜「…はい」
「俺はせつ菜にはスクールアイドルを辞めて欲しくない…
生徒会の選挙とせつ菜がスクールアイドル同好会を辞めるのは別問題だ
…それが、本当に正しい事だと思っているのか?」
せつ菜「それが……それが問題なんです!!
皆さんが…惜しみなく私に協力してくれてるのは分かってます!!
……だから、だからこそ…私は同好会を辞めなければと思ったんです」
「…どういう事だ?」
せつ菜「Aqoursとμ'sの皆さんが…スクールアイドルフェスティバルに参加しようって…言ってくれたじゃないですか…
そんな大事なイベントが控えてるなか…余計なことに首を突っ込ませたくないんです…」
「…虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はメンバーが9人いてこその…スクールアイドル同好会だ」
せつ菜「ですが…っ!!…かすみさんが言ってました
確かに、フェスティバルに向けて…計画が滞ってる、と
…Aqoursやμ'sの皆さんと…話し合いをする場も決めていなかったりと…それは、峻さんが…私の手伝いをしているからです…」
「……………………………」
せつ菜「だから、生徒会のことも…両親への説得も…私1人で何とかします…から……ありがとう…ございました…」
そう言って横切ろうとしたせつ菜を言葉が止めた。
「言いたいことは……それだけか…」
せつ菜「…………………えっ………」
「…正直、うんざりだ…そんな言葉をつらつらと並べられるのは」
せつ菜「峻…さん……………」
「お前…本当にそれでいいのか」
せつ菜「…ですが…これ以上迷惑をかける訳には───っ」
「……ふざけんなよ!!!」
せつ菜「…………っ…!!!」
突然出した大声にビクッと体を反応させるせつ菜。
「お前…っ…逃げんのかよ…!!!
お前にとっての大好きは…っ!…スクールアイドルって言うのはそんなもんなのかよ!!!」
せつ菜「それは…っ…!!…っ……私のやり方も…認めてくださいよ…!!
貴方まで私を否定するんですか…っ!!!
私は…守りたいんです…っ!スクールアイドル同好会を…」
ポロポロと涙を流し始めるせつ菜。
「俺は…俺はスクールアイドル活動をしてるお前を見たいんだよ…っ!!!
それなのに…っ…簡単に辞めるなんて言うんじゃねえょ!!
お前にとってのスクールアイドルへの大好きはそんなもんじゃねぇだろ!!…お前だけが…犠牲になる必要なんか…ねぇだろ…」
せつ菜「…三船さんに勝つには…それくらいの犠牲が付き物…なんですよ…っ…
スクールアイドル同好会を守るのも…簡単な事じゃ…ないんですよ…っ!」
「…俺は嫌だ。
スクールアイドル同好会をお前と一緒にやりたい
…それに、生徒会選挙活動も…お前に協力したい」
せつ菜「……お節介…なんですよ…っ!
そんなこと…したって…っ…」
「……忘れたのかよ…俺は…お前の…中川菜々の…会長補佐、だぞ…」
せつ菜「…………っ…………………!!!!」
「…言っただろ…怖かったら…俺の横に居ればいいって…
頼りたかったら…俺が力になるって…」
せつ菜「そん、な……………」
「…だから、一緒に…乗り切ろうよ……お前は1人じゃない」
せつ菜「…峻…さんっ……ぁ………あああああっ…!!」
しがみつくように胸で泣き始めるせつ菜。
…きっと、1人で色々抱えていたんだろう。
「……大丈夫だ…不安なのは…せつ菜だけじゃない
俺も…不安だった…先の見えない道で…どうすることも出来なかった…多分、ここ一週間くらい…怖い顔してたと思う」
せつ菜「峻……さん…っ…」
「…さぁ、帰ろうよ
何だか、せつ菜が俺の部屋に居ないと…不思議と…寂しいから、さ…」
せつ菜「…は、いっ……!!」
俺はその日…ずっと、せつ菜を抱きしめ続けていた。
もう、1人じゃない…そんな気持ちを抱いて。
スクスタでは1人で何とかすると告げてその場をせつ菜が去りますが。
このお話では、峻の本気の言葉をぶつけた結果により…2人で道を探ることとなりました。
次回もお楽しみに
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