しかしスクールアイドルの輝きが…(((
【歩夢 視点】
【土曜日の朝】
「おはようございます♪」
いつもの時間、私は幼馴染の峻くんの家に来ていた。
特に用事はなかったんだけど……。
「あら?歩夢ちゃん…今日は土曜日よ?」
「はいっ、峻くんに用があって…峻くんは?」
「まだ寝てるけど…大丈夫かしら?」
「分かりました、起こしてきますね♪」
パタパタと峻くんの部屋に向かう私であった。
「…あらあら、青春かしらねぇ…」
────────────────────
「おーい、峻くん…??」
部屋から顔を覗かせる。
すやすやと寝息を立てている峻くんが居た。
「ふふっ、寝てる…♪」
こっそりと寝顔を見てみる。
(…こうして見てると…ホントに逞しくなった顔つきになったなぁ……ほっぺは柔らかいままだけど…♪)
ツンツンと頬を突っついてみる。
もちろん、本人は起きる様子はない。
(……峻くん…の顔…もっと近くで見ても…いい、かなぁ…?///)
吸い込まれるように顔を近付ける。
…もう、少しで……唇がくっつきそうになる……///
その時だった。
「うぅーーーん……タスマニアデビル~…!!…みたいな…デビルガンダム…ぅ…zzz」
「ひ、ひやぁっ…!///」
いきなりの寝言にびっくりして尻もちをついてしまった。
…で、デビル……?
(何の夢を見てるんだろう…)
じーーーっと見つめてみる。
ま、まだ峻くんは寝てる………の、かな…っ?
(…起こしちゃ…ダメかなぁ…)
ホントに用はなかったんだけど…。
ただ…峻くんの顔が見たかったって言うか…。
って、私何言ってるんだろ…!
「(そ、そろそろ起こそうかな…!)…峻くん~…?」
ユサユサと身体を揺らしていると…。
「うぅーん…νガンダムは…伊達じゃ…なぁい……」
「わ、わわっ…!///」
腕を引っ張られて…そのまま、私もベットに…。
結果、峻くんに抱きしめられるような形になった。
「(う、ううぅ…顔が近いし…色々…当たる…///)…峻くん…っ…起きて~…!」
「…へへへ~…ぁ…」
「ど、どこ触って…っ///」
「爆熱…ゴッドフィンガー…~…ぁ」
「こ、こ~らぁ~…!!///」
ジタバタ動くと流石に峻くんもまぶたを少し開いた。
「…んぁ…………あ…?
…歩…………夢…?」
「……は、離して…くれる…?///」
「う、うえええええ!?
ご、ごめん!!!??」
急いで私を離す峻くん。
…でも、少し寂しい様な気がしたのは…気のせいかな…?
「えっ…あ、お、俺一体…?」
「もう…起こしに来たのに…急に引っ張ってきたんだよ?」
「…うわ、マジか…ごめん、歩夢…」
「…べ、べつに大丈夫だったけど…///」
「…それで、なんの要件だったんだ?」
「おでかけしよ!」
「…おでかけ?」
「うんっ!…あ、もしかして…急すぎたかな…?」
「ううん、せっかくの休みだしな
一緒におでかけしようか、着替えるから待ってて?」
「うんっ、待ってるね♪」
────────────────────
「ふふっ、峻くん相変わらず朝弱いのは変わらないね♪」
「えっ?……あぁ、こればっかりはね…(そっか、今はあくまでも宮之原 峻のつもりでいかなきゃダメなのか…危うく忘れるところだった)」
「峻くんはどこか行きたい場所ある?」
「んー、これと言ってないし…どこかブラブラ散策する?」
「そうだね、そうしよっか♪」
しばらくして、俺と歩夢は街を散策し、買い物と食べ歩きを楽しんだ。
「あ、峻くんっ何か飲む?」
「そうだな、少し歩き回ったから休憩しようか」
「うんっ、じゃあ飲み物買ってくるね♪」
そう言うと歩夢は飲み物を買いに行った。
「…アイツは絶対に良妻になるな…」
ふふっ、と1人微笑むと前から1人の女の子が走ってきた。
(うっわ、すごい派手な格好…アイドルか?)
赤を基調とした服を着た女の子がどんどんとこっちに向かって…。
(えっ、俺の方に向かってきてる?)
しかし、その目の前で……。
「いたっ…!!」
───────コケた。
そして、その女の子の後ろからは多数の男が追いかけていた。
「(何かただ事じゃないな)…君、立てる?」
「えっ……あっ、すいません…っ…助けてください…っ!」
「うん、言わなくてもただ事じゃないのは分かるよ…とりあえず……こっち!」
物陰に女の子を隠し自分の体で壁を作る。
…格好的には抱きしめるような格好にはなってしまったが。
「…あれ、何?」
「…追っかけと言うか…なんというか…」
「追っかけ?…って事は君は…?」
「あっ、いけない…ライブの時間に遅れちゃう…っ!」
「(ライブ…やっぱりアイドルなのかな、年はおなじくらいに見えるけど)…この裏の道から行けば多分さっきの男たちには会わないで抜けられるよ」
「あ、ありがとうございますっ!
なんのお礼もできなくてすいません…っ…!」
ぺこりとお辞儀をして立ち去ろうとする女の子を呼び止める。
「待って!」
「えっ…?」
「…じっとしてて」
財布から絆創膏を出す。
こういう時があるかもと俺はいつも持ち歩いてる。
「…膝、擦りむいてる」
「こ、これくらい大丈夫ですっ!」
「こら、女の子がそんな事言わないの…あんまりひどくは無いけど…放っておくのはいけないよ」
「…あ、ありがとうございます…っ」
「ん、ライブ…?…頑張ってね」
「は、はいっ!!」
そう言うと女の子は立ち去った。
「…あ、いけね、名前聞いてなかった」
「あ、峻くんやっと見つけた~…もー、どこに行ってたの?」
「いや、男どもに追われていた」
「えっ!?……え?」
飲み物を持ちながら首を傾げる歩夢だった。
────────────────────
「ふぅ…どうにかライブ会場には間に合いました…」
怪我をした場所を見る。
ライブの時はテーピングで隠さないと…。
(あの人…スクールアイドル同好会を復活させるって言ってた…宮之原さん、ですよね…まさかこんな所で会うなんて…)
【女の子がそんな事言わないの】
(うぅ、やっぱりあの笑顔と言い方は…反則です…)
1人、顔を赤くして先程の出来事を思い出す女の子だった。
潜 影 蛇 手
(特に意味はない)
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