俺が……せつ菜ちゃん推しだあああ!(トランザム)
「……やっぱりわかんないな」
歩夢「えっ?…何が、かな…峻くん?」
買い物途中、俺がぽつりと呟いた言葉に歩夢が首を傾げる。
「いや、普通なら俺がガツンと言ったりテストの約束も待ったんだから…スクールアイドル同好会の廃部なんて諦めるんだけどなぁ…」
歩夢「うん…そこまでして無くしたい理由とか、あるのかな…」
「…まぁ、どういう手立てで来ても押し返すのみだけど………さぁ、歩夢…」
歩夢「…?」
「腕にがっしり抱きつくのは少し…」
歩夢「だ、ダメだったかな…っ!?」
「いや、腕が…挟まれてるというか…」
歩夢「わ、私だって少しは成長したもん!///
…確認、してみる?///」
「ん、んんん!!…ほら、水着コーナー着いたよ?」
歩夢「むーー…///」
そう、俺と歩夢は約束通り水着を買いに来た。
…まぁ、一応俺のも…ということで…。
歩夢「峻くんって、どういう好き?」
「どういうのって…」
と、答えに困っているとまた歩夢が頬を膨らました。
歩夢「…果林ちゃんやエマちゃんには言ったのに…///」
「あ、あれは2人が強引に…!!」
歩夢「じゃあ、私の水着も選んでよ!///」
「え、えええっ…!!??」
─────────────────────
【試着後…】
歩夢「…どう、かな…?///」
何着か候補を選び、試着を繰り返す歩夢。
「…良い、けど…布面積が…」
歩夢「んー…じゃあ、最後はこれ、かなぁ…」
そう言うと、カーテンを閉める歩夢。
「…とほほ、役得なのか苦労が絶えないのか…」
…まぁ、でも…悪くは無い、よな。
歩夢「峻くん…?」
「ん、ああ、悪い悪い…歩────」
歩夢が着ていた水着を見て言葉を失った。
めちゃくちゃ可愛かった。
歩夢「おーい、峻くん…?」
「えっ、あ、ああああっ、そ、そのっ!!」
歩夢「…ふふっ、これに決めた♪」
「………うん」
見透かしたように上機嫌で着替えて買い物を済ました歩夢だった。
────────────────────
【さらに1週間後】
愛「おぉーーーー!海だーー!」
かすみ「わーい!行きますよ~!!」
エマ「ふ、2人とも待って~…!」
せつ菜「照りつける太陽!そして目に余るくらいの皆さんの水着姿!これぞ海ですね!!」
彼方「峻くん、よくこんな場所知ってたね~」
「まぁ、ね」
果林「峻~、オイル塗って~」
歩夢「あっ、わ、私も!///」
「…えっと……はい」
しずく「峻さんっ、それが終わったら皆さんでビーチバレーしましょうっ♪」
「うん、少し待っててね」
……ってな感じで…みんなの相手をしつつ…何故か…何故か果林と歩夢の背中にオイルを塗ることに…。
2人とも既に上の水着を取り…落ちないように手で押さえていた。
(…もちろん、普通の行為…なんだけど…)
なぜこんなに興奮してしまうんだ…!?
いや、歩夢が恥ずかしそうにこっちを見てきたりするから…!!??
果林「ふふっ、照れちゃって…峻は可愛いわね♪」
「なっ…う、うっさい!」
果林「ひゃんっ…!///」
一思いに果林の背中にオイルを塗る。
柔らかい肌の感触が手に広がる。
果林「横、のっ…ラインもやってね…?///」
「……………………………」
聞いてはいるが…あえて受け答えはしない。
(意識しちゃうからだよおおおお!)
果林「んっ…塗るの、うまいわね…峻…///」
「あ、ありがとうございます…」
息付く間もなく…歩夢の方も背中にオイルを塗る。
歩夢「…峻くん…手つき…変な気がする、よ…?///」
「き、気のせい!だから!!」
…もう、まともに前なんか見れないよ…。
────────────────────
かすみ「しず子~、行くよ~!」
しずく「どこからでもどうぞ!!」
2人のオイル塗りも終わり…俺はしずく達とビーチバレーで遊んでいた。
チーム分けはエマ・愛・かすみ。
そして、俺としずく。
…まぁ、男がいるから当然のハンデっちゃハンデだよな。
かすみ「そぉーーれ!」
勢いよくサーブをしたかすみが放ったボールは俺の元に。
「ほっ、と」
しずく「流石です、峻先輩!」
続いてトスをしようとしたしずく…だったが。
しずく「…あ、あれっ…!?…ひゃん!」
何故頭にポツンとボールが当たってヘディングのような形になりボールは砂浜に落ちた。
かすみ「しず子~、それじゃサッカーだよー♪」
しずく「か、かすみさん!今のはミスです、ミス!
…すいません、峻先輩」
「あはは、しずくらしいミスの仕方だね、可愛かったよ」
しずく「…つ、次は頑張ります!///」
そのまま、かすみチームのサーブ。
愛「愛さん~…サーーーブ!」
今度はしずくの方にボールが行った。
「しずくっ!」
しずく「今の私は…バレーボール選手…!
完全になりきった私に、愛さんのサーブは効かない…!」
…あ、なんかすごく嫌な予感がする。
バスっ。
しずく「んにゃっ……!!」
案の定、しずくの顔面にボールがヒット。
そのまま砂浜に倒れるしずく。
「し、しずくー!!」
愛「ご、ごめんごめん!大丈夫~!?」
さすがにビーチボールだからそこまで痛くはないと思うが…。
しずく「えーん!峻先輩~!しずく、痛かったです~っ!///」
と、言いつつ抱きつくしずく。
「し、しずく?」
しずく「…てへっ♪///」
かすみ「あーーーー!今かすみんの真似したー!」
エマ「ま、まあまあ…」
「あ、あぁ…かすみの真似だったのね、通りで…」
しずく「でも、抱きつくのは…私がしたかったからしたんですよ♪」
「…っ………」
しずく「ふふっ、峻先輩も嬉しいみたいですね♪」
「…ノーコメントで……」
と言っても目線を合わせないで唇を噛んでるあたり、自白してるようなもんだけどね…。
愛「おーい、いつまで抱きしめ合ってるの~」
愛さんが目が横棒みたいになってる。
あれかな、アン〇ーテールの主人公かな。
「わ、悪い悪い!再開するよー!」
と、ボールを持ったが…すぐ横でしずくがボソリと…。
しずく「また後で、してあげますね…♪」
「……え?」
この後、このコメントが影響したのがボロ負けした。
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「おーい、2人とも~そろそろ休憩するよ~」
璃奈「あ、峻さん」
「…そう言えば、よく水場で璃奈ちゃんボードを使えるよね…」
璃奈「うん、撥水紙」
「撥水…紙…?」
璃奈「水に濡れない紙…今日のために作ってきた」
「気合いの入れどころが違うよ!?」
彼方「すやぁ…」
「って、彼方も海に来て相変わらずか…」
ボートでぷかぷか浮いてると思ってたけど…。
璃奈「彼方さんが流されたいように監視してた」
「ありがとうね、璃奈ちゃん…もっと遊びたかったろ?」
璃奈「ううん、こうして空を見ながら海の景色を眺めるの、好き」
「そっか、じゃあとりあえず彼方を連れて…戻ろうか」
ボートを押しながら砂浜に着くまで璃奈ちゃんと話す俺だった。
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「お疲れ、せつ菜…疲れてないか?」
飲み物を差し出すとせつ菜はそれを笑顔で受け取った。
せつ菜「ありがとうございますっ!♪
えへへ…少しはしゃいじゃいました…♪」
「こういう時のせつ菜は子供っぽいのに…同好会作る前の会長と来たら…」
せつ菜「そ、その話はしないでくださいよ~…っ!」
「うそうそ…っ…まぁ、せつ菜も変わったよな」
せつ菜「変わるきっかけをくれたのは峻さんですよ
…こんなにも…私以上に真っ直ぐな気持ちで向き合ってくれて…」
「…ん、俺は当然のことをしたまでだよ」
せつ菜「その当然のことが優しすぎるんですよっ!
…もうっ、アニメだったらチートキャラですよ、チート…!」
「…そ、そうなの?」
せつ菜「はいっ、ですから…これからも…もっと…」
頬に口付けをするせつ菜。
せつ菜「…私が知らないこと…たくさん、教えてください…ね?///」
照れくさそうに彼女は立ち上がり…他のメンバーの輪に入っていった。
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