NEXT Rainbow!!   作:A×K

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かすみ「大変大変ー!しお子がー!!」
「あぁ、知ってるよ、ニジガクに入るだろ?」

果林「随分と余裕ね?」
「まぁ、独自の解釈をTwitterでツイートしてるからね
あ、よかったら見てください
こういう考えの人もいるんだなーくらいに思ってもらえれば嬉しいです」









「…あ、特徴を捉えられてないのでせつ菜のご両親は喋りません、悪しからず」


第76話

【ライブ当日】

 

歩夢「…わぁ…」

舞台裏から客席を覗く歩夢。

 

しずく「結構集まりましたね…」

「みんな知らないだけで結構スクールアイドル同好会は注目されてるんだよ

よく話しているの耳にするし」

果林「だとしても…この数は…」

「あとは俺がやった宣伝もちーっと、な?」

 

かすみ(あ、あのっ…峻先輩っ…!)

グイグイと袖口を引っ張るかすみ。

「どした?」

栞子「………………………………」

 

かすみ(な、なんでしお子が……っ!?)

「ああ、俺が呼んだからだ」

かすみ「え、えええええっ…!!??」

栞子「先程から、聞こえてます

…なぜ、私が…」

 

「まぁ、見とけって…別に考えを変えさせるとかそんなつもりで誘ったわけじゃねぇよ

…ただ、見えれば何か変わる…かもなって

昔そういう人を見たからな…」

 

栞子「…昔?」

「んいや、こっちの話だ…さぁ、みんな!

順番…だが…」

かすみ「はいはーーい!かすみんオープニングアクトやりたいでーす!♪」

しずく「そういうと思ってました…」

璃奈「張り切りすぎて転んだりしないでね…」

 

かすみ「そ、そんなことしないもん!」

果林「かすみちゃんなら…」

エマ「ありえそうだね~…」

 

かすみ「そ、そんなぁ…!」

「あはは、かすみいじりはいつも通りってことで…トリはせつ菜にしようと思っている」

せつ菜「わ、私ですか…っ!?」

そう、これも直前に順番を言いたかった理由。

…せつ菜の事だから辞退するんだろうなぁって思ってたし。

 

「異論はないね…せつ菜?」

せつ菜「…はい、そのためのライブ…でも、ありますもんね…」

「ご両親は?」

せつ菜「…それが…返信が来なくて…」

歩夢「まぁ、念の為ライブ映像を撮っているし大丈夫だよっ♪」

愛「そうそうっ、楽~にライブしよーよ♪」

せつ菜「…皆さん…はいっ、ありがとうございます!」

 

彼方「そろそろ始まるよ~♪」

「よしっ、じゃあみんな…行ってらっしゃい!」

 

「「「はいっ!」」」

舞台に向かい客席の皆に挨拶に出た9人。

 

 

「…さて、と…俺は裏方の続きをしますかね…」

ビデオカメラを栞子に差し出す。

 

栞子「…何故私が撮影係を…」

「ここまで来たら乗りかかった船だ

1番近くで彼女達の眩しいライブを見てやってくれ」

栞子「…………………………」

 

何も言わずにビデオカメラを受け取る栞子。

 

「ありがとな、栞子」

そう言って俺は講堂を後にした。

 

 

 

 

 

 

栞子(…分からない…あの人の事…まるで、常識に囚われない…あの生き方…考え方が…)

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

【学園前】

 

 

「…あれか」

こちらに向かってくる…明らかに大人の男女。

 

 

「初めまして

…わざわざ足を運んでいただきありがとうございます」

【────────】

 

「…と、そんな怪訝な顔をしないでください

…彼女は彼女なりの考えがあるんです…それを今日見せたいんです」

【────────、────────】

 

 

「…申し遅れました、僕は…虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部長…宮之原 峻と言います」

 

自己紹介も済み、講堂を案内する。

少し離れた位置から後を追うせつ菜のご両親。

 

「…学園での彼女の姿を見るのは初めて、ですか?」

父親の方が頷いた。

 

「…なるほど、そうでしたか」

講堂の扉を開けると…。

 

 

せつ菜「みんなー!今日はライブを見に来てくれて…ありがとう!

みんなの大好きって気持ちと…私のスクールアイドルが大好きって気持ちを…届けたい!!

聴いて下さい、Chase!」

 

「…ちょうどいいタイミングだな、せつ菜

あれが…せつ菜…中川菜々さんですよ」

【…………………………】

 

言葉を失うご両親。

しかし、すぐに出たのはくだらないと言ったような卑下する声。

 

「本当でしょうか?」

【……─────?】

 

「見てください、彼女の顔…

少なくとも…中川菜々の時は俺はあんな弾けるような笑顔見た事ありません」

【…………………………】

「それだけ、彼女はスクールアイドルが大好きなんです

…学業を優先したいお気持ちも十分分かります

しかし、彼女の…今の原動力になってるスクールアイドルを…取らないでやってください

スクールアイドルを続けさせてくれるなら…俺はどんなことでも協力します」

 

深々と頭を下げる。

ライブが熱狂してる中、ここだけは違う空気感だった。

 

少しせつ菜のライブを見たご両親は…その場を後にしようとしていた。

【……───────】

「…えっ?…ただ、俺は…夢や憧れ…輝きを追いかけるあの子たちの手助けがしたいだけです…自分の利なんか考え事も…でも、俺も好きなんだと思います、スクールアイドルが…菜々の事が」

 

 

 

最後に聞いた言葉は…あんなとびきりの笑顔で嬉しそうにライブする菜々の姿を初めて見た…だった。

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

【ライブ終わり】

 

 

「みんな、お疲れ様~!」

かすみ「あー!先輩~!どこいってたんですか~!」

「ほれ、冷たいの」

かすみ「ひゃぁ!!!」

 

ほっぺに飲み物を当てるとかすみが猫みたいに毛を逆立てた。

「みんなの分もあるよ~」

果林「ありがとう、ちょうど欲しかったのよ」

彼方「峻くん、みんなのライブ見てくれてたかな~?」

 

「もちろん、最後尾で腕組み彼氏風に」

エマ「……????」

「と、まぁそれは冗談として…」

 

歩夢「…やっぱり、来なかったねご両親…」

せつ菜「…はい」

 

「…そう、かな?」

せつ菜「…えっ?」

「ご両親に連絡してみ」

せつ菜「で、ですが…」

「いーからいーから、中辛~……大辛?」

愛「上手っ…い???」

「あはは、ダジャレはもう少し磨かないとなぁ」

 

 

少し困った顔で電話するせつ菜。

心配そうにその様子を伺うほかのメンバー達。

 

「…約束通り、撮ってくれたみたいだな」

栞子「…あなたは人使いが荒いです」

「悪い悪い…んで、感想は?」

栞子「…私の知ってる…中川さん、ではありませんでした…」

「…それは、褒め言葉?」

栞子「……………………………」

何も言わずにビデオカメラを返して、その場をあとにする栞子だった。

 

 

 

「…効果あり…かな」

せつ菜「お父さん…お母さん…っ…」

「こっちも終わったかな」

 

電話切ったせつ菜の手が震えている。

「なんだって?」

せつ菜「あんな…笑顔の菜々を初めて、見た…って…

私たちは…菜々から笑顔を奪ってたのかもしれませんね…って…

これからは…勉学に支障がない程度にスクールアイドルを…大好きなことをしてくださいって…!!」

 

「…そっか……ああああああああ、緊張した~…」

分け目も振らずその場に大の字になる俺。

 

歩夢「しゅ、峻くん!?」

彼方「ここはお昼寝ポイントには少し硬いと思うよ~…?」

「めちゃくちゃ気を使ったんだも~ん…」

 

しずく「…それって…」

せつ菜「峻さん…まさか…」

「せつ菜のご両親を案内して…思いの丈を全部ぶつけた

…あ、飲み物はそのついでって訳じゃないからね?」

 

せつ菜「……そこまでしてもらって…」

「そこまですることに意義があるんだよ、今日はライブは

…と、まぁ終わりよければすべてよし…っと!!」

 

ハンドスプリングで立ち上がる。

…MIRACLE WAVEを思い出すなぁ…。

 

「…さ、打ち上げでも行こうかー!」

愛「そういうと思って、愛さん場所押えて置きました~!」

かすみ「わーい!打ち上げ打ち上げ~!♪」

 

 

せつ菜(…お父さんとから言われた…最後の一言って…///)

【良い彼氏さんに出逢えたな】

せつ菜(…ど、どういうこと…??///)




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