…今回はしずくちゃんが大活躍?
しずく「うぅーーーーん……」
台本片手にしずくが唸っている。
「どうした、そんな声出して」
しずく「あっ、峻先輩っ!♪」
俺の顔を見るなり、しずくはいつも通りの笑顔で台本をみせてきた。
しずく「…実は…次の役柄が難しくて悩んでいたんです」
「どんな役なんだ?」
しずく「主人公に片思いしてる…けど、主人公は別の女の子にベッタリしてて…その2人を応援したいけど、自分の想いも伝えたい女の子…そんな役柄です」
せつ菜「これは…っ…あなたと合体したい系アニメですね!?うおおおーー!太陽の子が黙ってませんよ!!」
璃奈「あなたと…合体…?」
果林「その発言はあらぬ誤解を生むわよ…せつ菜…」
「…うぅーん…手伝い…けど…」
しずく「…けど?」
「芝居とはいえ…しずくが誰かに告白する…のか」
かすみ「先輩って独占欲強いですよね」
彼方「まあ…今に始まった話じゃ…ないよね~…?」
しずく「あぁ、大丈夫ですっ
私は峻先輩しか見てないので♪」
歩夢「し、ししし、しずくちゃんっ!?!?!?///」
ものすごい勢いで机を叩き立ち上がる歩夢。
その顔は真っ赤だった。
果林「あらあら、これは大胆な宣戦布告をされたわね♪」
愛「かり~ん…絶対楽しんでるでしょ、この状況」
果林「何でも賑やかな方が楽しいじゃない♪」
エマ「賑やか…なのかな?」
しずく「先輩、少しでいいのでお手伝いしてもらってもいいですか?」
「あぁ、いいよ」
しずく「ありがとうございますっ!……では」
「あ、待って…俺からのわがまま…じゃないけどやってみたいシチュエーションあるんだけど…いいかな?」
しずく「もちろんですっ!♪
これもお芝居の練習になりますからねっ」
「…今しずくの役柄が三角関係の一角、だろ?
…んで、しずくが振られけどもう1人の仲がいい男の子から迫られるってシチュエーションなんだけど…」
せつ菜「まるっきり、ア〇タとミ〇ノとゼ〇カじゃないですか!!!」
「…そ、そうなの???」
しずく「…で、では……コホン」
役者のスイッチが入ったしずくは悲しそうな顔をし始めた。
「…どうしたの、しずく…話って」
しずく「…あっ、先輩……えへへ、私…振られちゃいました」
「…そっか」
しずく「…でも、いいんです…あの二人は…お似合いですから…私は…潔く…手を引くことに、します…」
「……うん、そうか…」
しずく「こ、こんなこと先輩に言うなんて変、ですよね…っ!
すいません、私…これで失礼しま……」
「…俺じゃ、ダメかな」
しずく「…えっ…///」
手首を掴まれたしずくは顔を赤くした。
演技とはいえ流石にやりすぎただろうか?
愛「これってさ~…しずくちゃんも役得じゃない?」
頬杖を突きながら愛がのほほんと呟いた。
せつ菜「うおおおおぉ!アニメと同じ展開です!!」
歩夢「な、なるほど…こういうもの…男の子は好きなんだね…っ///」
シャッターを押すせつ菜とメモを取る歩夢だった。
しずく「…な、何言ってるんですか…っ
先輩には、私なんかじゃなくて…もっと…」
「…その答えを出すのは今じゃなくていいよ…ただ、今は…しずくの悲しい気持ちを癒したい」
しずく「…っ…………///」
「……ダメ、か?」
しずく「…峻…先輩…っ…///」
璃奈「はわわ~…///」
エマ「演技ってこと忘れちゃうね~…」
彼方「というか…何もここでやらなくても~…」
しずく「…あっ……せ、先輩っ…!
も、もう大丈夫ですから…っ!!」
「…もう少し、こうさせて…」
しずく「い、いえっ…!!
演技とかではなくホントに…っ…恥ずかしくておかしくなっちゃいますから…っ!!///」
…いけない、完全に演技を忘れてしずくに抱きついていた。
「…悪い、少し調子に乗った」
しずく「…い、いえ…私も…その…嬉しかったというか…幸せというか…///」
かすみ「しず子ばっかりずる~い!!
峻先輩っ、かすみんにもなにかして下さいよ~っ!!」
「…何かって…何を??」
かすみ「…むっ、直ぐに思い浮かばないなんて…っ
何でですかー!……あっ、ここの差ですかっ!?」
しずく「ひゃああああっ!!///」
むきーっと怒りながら、かすみがしずくの胸を鷲掴んだ。
「…お、落ち着け…な?」
頭を撫でるとかすみがしずくから離れた。
しずく「…び、びっくりした…///」
かすみ「えへへ~…もっと撫でてくれていいんですよ~…♪」
果林「こうして見ると、峻ってみんなのお兄さんみたいな感じよね~」
歩夢「確かにっ!…同い年でも大人っぽく見えるから…そう見えるね♪」
その瞬間、しずくとかすみが同じことを思い浮かんだようで…
かすみ&しずく「お、お兄ちゃん!!!///」
「………なんかデジャブだなぁ…」
────────────────
【内浦 黒澤家】
ルビィ「はっ……は……ぴぎぃっ!!」
ダイヤ「あら、ルビィ…風邪ですか?」
ルビィ「うぅ…なのかなぁ……誰かが噂していたり…」
ダイヤ「全く…お腹出して寝てるからですよ?」
ルビィ「そんなことしてないよ!?!?」
───────────────────
「…とりあえず、その呼び方はやめてくれ、な?
…ホントにあらぬ誤解を生みそうだから…」
かすみ「えぇ~…なんでですかぁ」
「…いや、学校内じゃ色々やばいでしょ…」
しずく「(と、ということは…2人きりの時とか…いいの、かな…っ!?///)…そ、そうですよね~♪」
彼方「しずくちゃん~…なにか企んでる顔だね~…?♪」
しずく「そ、そんなことっ…!
って、なんで彼方先輩は私の膝を枕に…っ!?」
彼方「んー…しずくちゃんの膝枕は…96点かなぁ…♪」
しずく「あ、ありがとうございますっ……じゃなくて!」
「……えっと、歩夢…?
なんで頭をこっちに差し出してるの?」
歩夢「…むーー……」
「…あ、はい」
何も言わずに頭を撫でる。
歩夢「……えへへ……///」
「…女の子って頭撫でられるの好きなのかなぁ…」
その質問にせつ菜が頷いた。
せつ菜「峻さんの撫で方が上手いですよ♪
…とはいえ、これだけいるメンバーを虜にしてしまうなんて…峻さんはハーレム系アニメの主人公ですねっ♪」
「…喜んでいいのかなぁ…それ…」
─────────────────────
【放課後】
「…よしっ」
1人、部室の鍵を返しに行く途中…。
栞子「…あっ…」
「お、今帰りか?」
栞子「いえ、最後に校内の見回りをしてお終いです」
「偉いな生徒会長は」
さっきまでのノリが消えなかったのか俺は栞子の頭を撫でた。
栞子「…えっ………?///」
「あ、わ、悪い…嫌だったよな…」
栞子「…い、いえ…その……っ///」
「じゃ、じゃあ俺はこれで!」
栞子「…あっ……待っ……!!」
しかし、その言葉を聞く前に…俺はその場をあとにした。
(やっべ~…完全に変な目で見られたよなぁ…)
栞子「……もっと…してくれても良かったのに…///」
1人、撫でられた部分を触る栞子。
夕陽のせいか、顔は赤く気まずそうな顔をしていた。
ちなみに、何故かこの日の夜…歩夢が俺の部屋まで来てもっと頭を撫でてと催促された。
たまにはこんなほのぼの系日常編もいいよねっ!
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