NEXT Rainbow!!   作:A×K

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風雲急を告げる投票争い…っ!!
中を割ってきたのは…聖良さん…っ!?!?


第83話

「…部活動紹介のミーティングに歩夢とせつ菜が出る?」

それは突然の提案だった。

 

歩夢「うんっ…峻くん、絵里さんから言われた仕事もあるし…それに頼りっきりじゃ駄目かなって」

せつ菜「元生徒会長ですし、これくらいは造作もないです!」

 

「…ありがたい、けど…大丈夫なのか?」

せつ菜「はいっ!♪(…というのは…半分本音で…半分建前…多分、滞りなくなんていかないし…峻さんの機嫌が悪くなるのは目に見えてる…)」

歩夢「仕事しつつ、かすみちゃん達の子守りよろしくね♪」

 

かすみ「えっ、かすみん達のってどういう意味ですかー!?」

しずく「…かすみさん、そういう所かと…」

 

 

 

 

─────────────────────

 

【次の日】

 

 

栞子「それでは部活動紹介についての第5回ミーティングを始めます」

各部の代表が揃ったミーティング。

…ここで、歩夢があることに気がつく。

 

歩夢「…せ…な、菜々ちゃん…スクールアイドル同好会の代表って立場で出て大丈夫だったの?…バレちゃうんじゃ…」

小声で呟くとせつ菜(菜々)は笑い

 

せつ菜「大丈夫ですよ…それが証拠に」

 

【…中川会長…なんであの同好会の代表に…?】

【生徒会長補佐が部長でしょ?…その人の代わりらしいよ】

【あぁ…納得…そういう繋がりあったもんな】

 

せつ菜「…ね?♪」

歩夢「あはは、いらない心配だったね」

 

 

栞子「…こほん、スクールアイドル同好会の部長が欠席で代理として中川さんが来た事に関しては異論はありません…続けましょう」

せつ菜「はい、ありがとうございます」

 

栞子「(…来て、くれなかったんだ…)…こほん、では手元の資料に目を通してください

…こちらは、前回のミーティングの際でた指摘事項を修正した改訂版です」

 

いざ、ミーティングが始まった…と思いきや…。

 

【あの、すいません】

栞子「…バスケットボール部の部長さん、なんでしょうか?」

【また資料を読まなくてはいけないんですか?】

栞子「はい、前回の修正に加えて新たな改善点も盛り込んでありますので」

【いや…改善点って…本決定はいつになるんですか、これ

生徒会長さんはミーティングが大事かも知れませんけどこっちだって部活があるんですよ?】

 

明らかに不服そうな顔をするバスケットボール部の部長に対して栞子は軽く頭を下げた。

 

栞子「貴重なお時間を貰ってることは重々承知です

その点に関しては申し訳ありません

…ですが、新入生のためにも少しでも実りの多い説明会にしたいのです」

【そちらの要件や思惑が優先されててこっちの希望が通ってないようにも見えるんですが】

 

 

見かねた歩夢が資料で口元を隠し、せつ菜に問いかける。

歩夢「なんか…ギスギスしてるって言うか…険悪な雰囲気、だね…」

せつ菜「…この手のミーティングは1、2回ほどで終わるはずなので…皆さん気が滅入っているのかと…」

 

なるほど、と歩夢は納得した。

ただでさえ、部活…物によっては大会を控えてる部活もあるだろう。

そんな中ご足労頂いた上、話が進まないのではミーティングそのものが億劫になってしまう。

 

せつ菜「…とにかく、私たちは…資料に目を通しましょう

峻さんにもお伝えしなければならないので…」

歩夢「うん、見てる………んだけど…この資料…情報量が…多い、よね」

せつ菜「えぇ…ですが、ただ多くて煩雑な訳ではなく…非常に見やすくまとまってます」

 

歩夢「…これ…三船さん1人でやったのかな?

…だとしたら、ものすごい労力だと思うけど…」

せつ菜「…だからこそ、完璧にしておきたいのかもしれません

…やはり、三船さんには生徒会長としての素質があります

…あの一件以来、生徒会長という肩書きを楽観視してみるとますますそう思えてきます」

 

歩夢「私は…三船さんの時よりせつ菜ちゃんの方が好きだったよ」

せつ菜「ふふっ、ありがとうございます♪」

 

 

栞子「ひとまず、整理しましょう

今回、初めてミーティングに来る部活動の方たちもいますので

…あくまで、これは私が重要視する点を述べさせていただきます」

 

栞子「…この部活動紹介では生徒たちの将来に向けてはっきりとした道筋を見つけてもらいたいのが大前提です

…そのためには、何が自分に向いているのか?自分はどんな適正があるのか?そういった事を見つけやすい環境作りが大切だと思っています」

 

 

歩夢「…部活動紹介って…こんな感じ…だったっけ?

私が思ってるのより…イメージがかけ離れている気が…」

せつ菜「い、いえ…少なくとも私の知る限りではそんなことは…」

 

もっと、楽しく…新入生の前で試しに何か披露したりするものだと思っていた…。

しかし、提案されていたのはあまりにも堅苦しすぎて…見てる方もやる方も辛い様な内容だった。

 

我慢の限界に達したのか、ある部活が猛反論した。

【悪いんだけど…部のことは部に任せてくれない?

正直、部活動紹介はあくまで部活をしてる人達が新入生に部活動を紹介するって言うのが目的でしょ?

そこに生徒会が口を挟んで、あれこれやれって言うのはおかしいと思うんだけど】

 

【私達も賛成かな

確かに分かりやすくて受けは良いけど…面白みもないし

何をしてる部活でどんな雰囲気でどんな練習をしてるかなんて言葉だけじゃ伝わらないし

ここは、自主性を重んじて任せて欲しいだけど】

 

 

その時、思いもよらぬ言葉が出てきた。

 

栞子「それは出来ません」

 

 

 

せつ菜「…………………………………えっ?」

 

 

 

前会長のせつ菜…いや、菜々からしてみたら信じられない発言なのだろう。

あまりの出来事に言葉が出なかった。

自分なら和気あいあいと…部活動の部長が提案する意見に頷いて了承して良い形の部活動紹介をしようと話が進むはずなのに…と。

 

栞子「そんな紹介ではでこぼこして綻びが生じます

全ての部活がフォーマットで行わなければ平等ではありません」

 

火に油を注ぐ様に栞子が言葉を続ける。

栞子「加えて述べるなら…興味のある子に入部して貰いたいとおっしゃってましたが…それも遠慮していただきたいのですが」

せつ菜「あ、あのっ…!!!…それは、どういうこと…ですか…っ?」

 

栞子「入部希望者には試験を受けてもらいます

試験に合格した方のみ部への入部を認めます」

歩夢「えっ、えええっ!?…合格しなかったら入部出来ないってこと…!?」

 

【…バカバカしい…もう付き合ってらんない】

【いくら生徒会長の指示だからってそれは度を超えてる…こっちはこっちで好き勝手やらせてもらうから】

 

 

 

 

もう話す気もなくなったのか、部長達はこぞって生徒会室を後にする。

栞子「…はぁ。なぜ1番成功するルートが示されるというのに賛成してくれないのでしょうか」

 

せつ菜「…………………………………」

歩夢「…………………………………」

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

【部室】

 

 

 

「おっ、おかえり~……って…どうした?なんか死んだ魚のような目をしてるぞ?」

 

1年生3人と寝ている犬を起こさないように骨を取るゲームをしてる中、歩夢とせつ菜が帰ってきた。

 

がぉぉぉぉっ!

かすみ「ひゃーっ!!!???」

しずく「かっ、かすみさんの声に驚きましたよ…っ!!!」

璃奈「璃奈ちゃんボード…チーーーン…」

 

 

せつ菜「…実は………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……入部するのに適性試験を、か…」

歩夢「…うん、それで…みんな感情的になって…話は結局…」

 

「…確かに、それは反対だな

誰だってその部活…まぁ、スポーツでも音楽でも絵でも良いや

少なからず…みんな憧れや夢や目標があるはずだからな

それを適性がないからやるなって言われたら…」

 

せつ菜「…はい、峻さんのおっしゃる通りです…」

「…ただ、この資料といい…その発言と言い…なんか裏はありそうな気がするな…ただ自分がこうしたい、虹ヶ咲学園をこういう学園にしたいってだけの話じゃないような気がするな…」

 

歩夢「…そう、なの…?」

「…ん、少し俺も単独で裏を取ってみるよ

…あぁ、このことは…同好会のみんなには内緒にしておいてくれ

…特に、1年の3人…かすみには、な」

 

チラッとかすみ達に目をやる。

せつ菜「…はい、分かりました…」

歩夢「ミーティングに行ったのは私たちなのに…任せちゃってごめんね」

 

「ううん、気にしないでくれ…俺もその場にいたら…ちょっと、危なかったかもしれないしな」

 

 

こうして、俺は1人…生徒会長とミーティングの件と部活動紹介の件について話に行くこととなった。




次回:峻と栞子。


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