彼方のボーダーライン   作:丸米

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1部終了。次から原作時系列開始です。

文字数があまりにも少ないんでおまけもつけました。でも少ない。許して。


始まりの色彩を見よ/BBF風紹介

どうすればよかったんだろう、と加山は思う。

家族を連れて行かれて。

取り戻したくて。

でも、人を撃つことが出来なくて。

撃てないなりに方法を見つけて、取り戻す手段を求めて。でも無理で。

その果てに、協力者と共に近界への密航を行った。

 

二宮に取り調べを受けた後、焼肉を奢られた(他の隊員は不在。二宮とサシでの焼肉。空気は廃工場の中のように最悪でした)加山は、考え事をしながら帰路を辿る。

 

息子の為に命を賭けて他人を犠牲にした父と何が違うのか。

加山には解らない。

 

「ただいま」

 

加山は、冷え切った家の中を歩く。

 

「ああ-----おかえり」

 

リビングテーブルで晩酌をしていた叔父は、おずおずとした口調でそう加山に言った。

 

「ご飯は、食べてきたのかい?」

「はい」

「そうかい」

 

叔父はそれっきりこちらを見ることなく、ちびちびと芋焼酎を飲み始めた。

 

「-------」

こちらを見ると、顔を逸らす従弟。

そして、それとなく自室に引き籠り顔を見ないようにしている叔母。

 

申し訳ねぇなぁ。

 

こんな奴を受け入れてくれて、本当に感謝している。

 

だからこそ。

「高校は無理だわなぁ」

 

中学を卒業したら、自立しなければならない。

自身の目標を達成するためにも、自身の生活を維持する事は何よりも重要な要素だ。

 

――本当は。

あの侵攻の時に犯罪を犯した警官の息子なんて、ボーダーが取るはずもなかった。

ボーダーは民間組織。

市民からのイメージが悪化すれば、それだけで存続の危機となる。犯罪者の息子だなんて、本来ならば最も避けるべき人材であろう。

だが、加山自身の思いが届いたのか。はては優れたトリオン能力を持つ人材を逃したくなかったのか。入隊は出来たが。

 

その時、根付メディア対策室長から呼びだされ、ちょっとした”お願い”を受けた。

 

それは――何処かのタイミングで、自身の過去をメディア向けに使用する許可が欲しい、ということであった。

 

名前は無論出さない。詳しい状況なども出さない。ただ――父親が犯した罪を償うためにボーダーに入った息子、というお話を何処かのタイミングで利用したいとの事であった。

 

成程。

うまい策だ。

こうすれば、脛に傷を持ってる人間を匿っている、という悪い印象から――父の罪を受け入れ、必死に頑張っている子を暖かく支えるボーダーという図式が出来る。

加山としてもこれでボーダーに入れる。ボーダーとしてもメディア向けにいい印象を与えられる物語のストックが出来る。ウィンウィンの関係の出来上がり。加山は迷わず許可を出した。

こうまでしてまで入ったのがボーダーという組織だ。

中途半端にするわけにはいかない。

まずは自分の生活を維持せねば。

そう覚悟を決めた。決めていた。

 

だから。

自分は自分が出来ることを。

必死にやっていこうと――そう思った。

 

 

そして。

夏が過ぎ、秋が廻り――そして、季節は冬に。

 

そこで加山は、一人の少年と出会う。

 

「――あっぶねー!」

 

その少年は赤信号の最中、迫りくるトラックにも目をくれず、歩いていて――加山は必死にその襟を掴んで、道路脇に引っ張り込んだ。

眼をパチクリさせる白髪の少年。焦るメガネ姿の男。そして、加山雄吾。

 

物語は、この場面より始まる事となる。

 

 

 

 

 

 

 

BBF風紹介(隊結成時は別に作ります)/裏表紙的紹介

 

――俺の副作用が言ってる。それは胃の中に入れていいものじゃねぇって。

 

【加山雄吾】

 

 

所属:ボーダー本部

 

(PROFILE)

ポジション:ガンナー

 

年齢:15歳

 

誕生日:4月11日

 

身長:158cm

 

血液型:A型

 

星座:はやぶさ座

 

職業:中学生

 

好きなもの:音楽全般 二宮匡貴の雪だるま作成風景を見る事 加古炒飯(当たり) 後輩 

 

(RELATION)

 

木虎藍-----うるさい・めんどい・鼻につく同期

加古望-----阿弥陀クジな先輩

二宮匡貴-----やべぇ先輩

東春秋-----化物

荒船哲次-----気の合う先輩

迅悠一------痴漢者な先輩

別役太一-----先輩扱いをしないと決めた先輩

巴虎太郎・黒江双葉-----可愛い後輩

 

(TRIGGERSET)

メイン:アステロイド(拳銃) メテオラ エスクード ダミービーコン

サブ:スコーピオン ハウンド シールド バッグワーム

 

(PARAMETR)

トリオン:10

 

攻撃:7

 

防御・援護:10

 

機動:5

 

技術:7

 

射程:4

 

指揮:5

 

特殊戦術:8

 

TOTAL 56

 

(SIDE EFFECT)

共感覚:音に色を感じる能力。足音のような通常であれば見抜けないような僅かな音の差異も、聞き分けることが出来る。

 

 

【隠蔽・攪乱のスペシャリスト!!】

ダミービーコン・エスクード・メテオラを巧みに配置し、敵配置・地形を自在に変え隠蔽・攪乱を行う。真正面からの戦いは一歩劣るものの、エスクードを使用しての銃手・射手・攻撃手トリガーを自在に切り替えた連携能力は随一!

 

【ビルもマンションも何でもござれ!メテオラとエスクードを利用した”爆破解体”!!】

彼の代名詞と言える特殊技能。それはメテオラとエスクードを用いた高層建築物の爆破解体である。建築学を鬼怒田から学び建物の構造を理解した彼は、細かい鉄骨を事前に壊し、エスクードで建物の比重バランスを狂わせ、メテオラで地盤の支えを崩すことで自在にビルを倒壊させる術を得た。その様はまさにテロリスト。

 

【抱える野望は近界の滅亡!?その為に手段は択ばない!】

近界を滅ぼすという野望を抱く彼は、ボーダー組織の強化に手段は択ばない。その為に必要なことであれば、上層部であろうとも躊躇いなく交渉に向かう行動力がある。

 

 

 

ビルの解体。工事屋さんの中学生 加山雄吾。

 

かの大俳優と同じ苗字・血液型・誕生日で生まれたにもかかわらず何一つ似る事なく生まれた悲劇の中学生。地味な自分を変えんと最近ビルを解体する術を覚えた。

内気な自分を変えようと性格を変えた所、一人でもぶつぶつ喋っている変人と化した。これは副作用の色分けの訓練でもあるのだが、誰も理解してはくれない。頑張れ中学生。


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