次は、サブキャラ達です。
10年ぶりに帝劇を見て回り、すみれに挨拶も済ませた俺は、アジトに戻り再びさくら達に似た霊力をどうするか考えていた。
洋「やっぱあの女を直接問い詰めなきゃ進展はなさそうだな」
帝劇の前で、魔幻空間を作ったあのさくらに似た女。見た目や声等は同じだったが、だからといってあいつ本人とは限らない。
洋「ま、あいつ本人だったら…俺が引導を渡してやる」
それが、俺を好いてくれたあいつにできる事だ。
洋「舞台…か」
俺は久々に舞台を見る。中に入ると、隊長の神山と先程紹介された司馬が話していた。
誠十郎「…で、具体的にはどうするつもりなんだ?」
司馬「俺が開発した高精度霊子投影機、こいつを仕込む。その名も【うつりちゃん】だ!」
誠十郎「う、うつりちゃん…」
洋「また物凄いネーミングセンスだな。紅蘭の奴を思い出したぜ」
俺は2人に声をかける。
誠十郎「高倉さん!」
洋「よう神山。そして…確か司馬だったか?」
司馬「は、はい!」
洋「そんなに緊張するな。これからは、同じ敵と戦う味方なんだ」
司馬「は、はい…」
そんなに緊張するもんかね。
誠十郎「高倉さん。先程言われた紅蘭さんってもしかして…」
洋「ああ。前帝国華撃団・花組の隊員であり、司馬と同じ技術者でもあった。よく自分の作った機械には名前を付けてたな。ネーミングセンスは司馬と同じだがな」
誠十郎「そうだったんですか」
洋「ああ。だが、よく紅蘭は機械に愛情を持ってた奴だったからな。特に自分が作った物は、我が子の様に大切に思っていた」
司馬「その気持ち凄く分かります」
洋「だろうな。あいつが作った物は、8割が爆発したが、それでもあいつは機械を愛していた。本当に…」
俺は昔の事を思い出しながら、客席の方を見た。あの時は…本当に輝いていた…
「「……」」
洋「…すまん。少し昔を思い出してな」
誠十郎「いえ…」
洋「司馬、神山…あいつ等の為に、すみれの為に最高の舞台にしてやってくれ」
誠十郎「もちろんです!」
司馬「任せて下さい!」
洋「ああ。期待してるぞ」
そして俺は舞台から出ていく。
洋「さて、取り敢えず一通りは回ったか?」
それにしても、多少なりとも変わった所はあるが、殆どアイツ等がいた頃と同じで安心した。すみれの奴が頑張ってる証拠だ。
洋「…会ったアイツの事を話しておくか」
俺はあの時会った、さくらの声にそっくりだった奴の事を報告する為に、支配人室に向かった。
洋「すみれ、入るぞ」
俺はノックもせずに部屋に入る。
すみれ「洋さん、女性の部屋に入るのにノックもせずに失礼ですわよ?」
洋「今更だろ?お前やさくらも、昔俺の部屋にノックもせずに入って来たじゃねぇか」
すみれ「殿方と女性を一緒にしないで下さいな」
「はいはい」
このやり取りも久し振りだな。
すみれ「全く…それで、一体何用かしら?」
洋「実はな…」
俺は亜空間で見た事を事細かくすみれに説明した。
すみれ「そう…ですか」
やっぱすみれの奴もショックを受けてるな。違うと分かってるとはいえ、
すみれ「洋さんの言う通り、それはさくらさんではないと私も思いますわ」
洋「当たり前だ。アイツがそんな事するとは思えないからな。だが、過去にさくらの親父さんの事もある」
すみれ「……」
洋「万が一、アイツが敵に回ったなら……俺が容赦なく殺る」
すみれ「!!」
これは俺へのケジメだ。あの時、俺にもっと力や知識があれば、アイツ等が向こうに行かなくて済み、敵になる必要もなかったんだからな。
すみれ「洋さん…」
洋「ま、1番いいのはアイツ本人じゃないって事を願うがな」
すみれ「そうですわね」
さて、そろそろ戻って機械の改良をするか。
洋「そろそろ戻る」
すみれ「…分かりました。ですが、必ず毎日顔を出して下さいな」
洋「分かってるよ」
すみれ「後それと…」
すみれは俺に機械を渡す。
洋「なんだこれ?」
すみれ「それはスマートロンという物ですわ。こうやって…」
すみれは同じ物を操作し始める。すると俺のスマートロンに着信が入る。
すみれ「こうやって文字を送る事ができますの」
洋「へ〜。あのキネマトロンが、随分と小さくなったんだな」
すみれ「オッホホホホホ!我が神埼重工にかかれば、これぐらい容易いですわ」
相変わらず…だな。
洋「これで連絡のやり取りをすればいいんだな?」
すみれ「そうですわ。後、花組や他の方達とも連絡は取れますので」
洋「分かった」
すみれ「皆さんの名前がありますので、そこに合わせてボタンを押せば、その人と連絡ができますわ」
洋「後で色々と試してみる。じゃあな」
すみれ「ええ。それでは」
そして俺は自分のアジトに戻った。すみれから話を聞いたのか、神山や天宮から連絡があった。後天宮、お前は少し漢字の勉強をしてから送ってくれ。なんだよ…『夜露死苦お願いします』って…
サブキャラヒロイン候補です。
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