アズールレーン─トリカゴ基地の日々─   作:大和亀蔵

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設定の方は後書きに


本編
プロローグ&設定


ある国では巫狐と共に荒れていた国を治め。

 

ある国では孤独だった女王にいたく気に入られ。

 

ある国では世界の為に死ぬはずだった指導者を救い出し。

 

ある国では人間不信だった少女を連れ出した。

 

またある国では──。

 

そんな沢山の『ある国』を積み重ねた男によって、世界のどこかにその基地は存在していた。

 

対セイレーン特殊遊撃部隊基地

 

通称『トリカゴ』

 

分断したアズールレーンを小規模でもいいから再結成し、セイレーン打倒を画策した男によって指揮を取られている。

 

であるからして、この基地には各国からの代表のKAN-SENが集い、共に命を預けている。

 

互いに銃口を向け合う戦争は終わり、敵はセイレーン、その価値観に違いはない。

 

ただ、彼女たちにはもう一つの任務があった?

 

それは──

 

『電話はしていたけど、映像通信越しで、こうして顔を合わせるのは久しぶりねウォースパイト! 元気にしていたかしら?』

 

「ええ、幸いにも息災です。陛下も御身にお変わりはありませんか?」

 

『毎日茶会を開けるくらいには元気よ。他の子達もどう? ちゃんと下僕の役にたってる?』

 

「問題ないかと思います。皆、ロイヤルの誇りを胸に、公務に取り組んでいるかと」

 

『それはよかったわ。と、ところでウォースパイト?』

 

「......なんでしょう?」

 

『ちゃ、ちゃんとアイツは全部終わったらロイヤルに来てくれそう? いや、別に来て欲しいわけじゃないけどね!』

 

「......正直、まだわかりません。ただ」

 

『ただ?』

 

「指揮官の隣を譲りはしないわ。絶対に」

 

『(め、目が本気だわ......)』

 

 

 

 

「ご機嫌麗しゅう御座いますわぁ。長門様」

 

『うむ。そちもな。遠く地を離れての任、ご苦労であるぞ大鳳。北風にもそう伝えておくれ』

 

「うふふ、ありがとうございます。でも、指揮官様が毎日私を頼ってくださりますから。苦労なんてものは、韋駄天となって駆けていきます」

 

『む、そ、そうか。ところで、あ奴は元気か? 余のことを何か言っておったりなどは、しておらんかったか?』

 

「ええ。今日も私に笑顔を見せて挨拶をしてくれました。長門様については、私にはありませんが、他の陣営の方に言っていたようですわ。長門がいなかったら今はないと」

 

『ほう! そうかっ! 余が最初に奴を見込んだからな、当然だ! えへへ』

 

「......まあ、私にはいつも頼りにしていると仰って下さいましたけど♡」

 

『......大鳳、言っておくが、お主が今そこにいるのは余のおかげだからな?』

 

「ええ。わかっていますわ。指揮官様が、私を選んで下さいましたもの。その許可を出してくださったこと。本当に感謝しております。毎日、指揮官様の声、匂い、体温、呼吸、脈動を感じられるんですもの♡ いい主に恵まれました」

 

『ぬう......ともかくだ! 他の国の者達に奴を取られるでないぞ! 互いに命を預ける関係にあるとは思うが、そこだけは譲るな』

 

「大丈夫ですわ。私、指揮官様のことで他人に罪悪感を感じるタチじゃありませんの、うふふふふふ♡」

 

『(そこだけは本当に頼もしい。大鳳に譲る気はさらさらないが、まず余の下に帰ってこなければ話は始まらぬ。少し癪だが、今は大鳳達に託そう......狐は嫉妬深いんだからね)』

 

 

 

 

『報告ご苦労シュペー。仲良くやれているようね』

 

「指揮官がいるから。でも、敵だった人と肩を並べるなんて、今でも変な夢を見てる気分」

 

『その敵も昔は味方だったわ。彼はそれを忘れていないだけ』

 

「......」

 

『なに?』

 

「いや、その。指揮官の話をする時のビスマルクさん。嬉しそうだなって」

 

『こ、コホン......それで? 他に報告は?』

 

「......噂を聞いたんですけど」

 

『噂?』

 

「指揮官が鉄血の協力をこじつける条件に、目を渡すことを約束したって」

 

『......誰から聞いたの?』

 

「本人からです」

 

『......そう。それなりに仲良くなれているのね。よかったわ。ちなみにだけど、本当よ』

 

「意外と、ヤンデレさん?」

 

『なっ!? ち、違うから! 目についてはあの人が提示してきたのよ!? それに、鉄血としてもあの人の目は研究材料として欲しいという判断があって!』

 

「もし、その目が研究だからって細切れになったら?」

 

『家族でもお仕置きがいると思うのよ......』

 

「えっと、私もその時は協力します」

 

『ありがとう。シュペー、鉄血はあなたしか出せなかったけれど、くれぐれも家族をお願いね』

 

「はい」

 

 

 

 

「むう......」

 

「機嫌悪そうね、エルドリッジ」

 

「......ノースカロライナ」

 

「どうしたの? って言っても指揮官絡みなんでしょうけど」

 

「当たり」

 

「やっぱり。で、何があったの?」

 

「朝、お布団に......すごい、びっくりされた。ユニオンの時、ずっと一緒......」

 

「ああ......じゃあ、指揮官をユニオンに連れて来たら、また一緒の布団で寝られるんじゃないかしら?」

 

「......! おおっー! ノースカロライナ、天才。ノーベル賞」

 

「安いノーベル賞ね......」

 

 

──もう一つの任務、それは、彼を国にへと連れて帰ること!

 

夜明けの時はちか、い?

 

 




トリカゴ

対セイレーン特殊遊撃部隊基地の通称名。
艦隊護衛、セイレーンデータ収集など様々な最前線任務を担っている。
参加を示す各国の出す戦力は各五名までの制約があり、結果として選りすぐりのKAN-SEN達が在籍している。

在籍するKAN-SENは以下の通り

・ロイヤル

ウォースパイト
ニューカッスル
ネプチューン
オーロラ
フォーミダブル

・重桜

北風
大鳳

・ユニオン

エルドリッジ
ノースカロライナ

・鉄血

アドミラル・グラーフ・シュペー

・アイリス

ル・トリオンファン

・ヴィシア

ル・マラン
ガスコーニュ

・サディア

コンテ・ディ・カブール

以上14名。


指揮官

地図を見るだけでセイレーンや鏡面海域の居場所、出現場所がわかる目を持つ、チート能力者。

重桜出身ではあるがケモノ憑きはしておらず、尻尾もなければ獣耳もない。KAN-SEN全員から想いをよせられているが、アホみたいな唐変木ぷりを発揮している。
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