アズールレーン─トリカゴ基地の日々─   作:大和亀蔵

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「ル・トリオンファンは追い付きたい」

「指揮官、こちらの書類の山。サインが必要なもの以外は確認しました」

 

「ありがとうトリオンファン。結構な量あったのに凄いな。仕事が早くて助かるよ」

 

「うふふ、ファンタスク級のスピードは足の速さだけではありませんでしてよ?」

 

「肝に銘じておくよ。ありがとうな」

 

指揮官からの賞賛に、騎士姫の如く気品を感じさせる笑顔で答えた彼女の名は、ル・トリオンファン。

 

アイリスを代表し、対セイレーン特殊遊撃部隊基地トリカゴに所属するKAN-SENの一人だ。

 

花に例えるのなら白百合、いや、彼女の出身国であるアイリスにちなんで、アヤメと例えた方がいいだろうか。

 

儚げながらも、しっかりとして芯の強さを持った、まさに純潔とも言えるべき少女。

 

しかし、誰もが見惚れるばかりの笑顔を向けられているのに関わらず、指揮官の目線は、机上に映し出される電子地図にへと注がれていた。

 

地図の中では白い経緯度線が走り、陸を表す緑、海を表す青の上には、一つの赤い点がゆっくりと陸に向かって移動している。

 

トリオンファンとしては、そんな地図よりも自分にへと顔を向けて欲しいが、彼の仕事は、これを見守ることなのだ。文句を言うことはしない。

 

指揮官の知らないところで、気品さがため息でかき消されようかとしたその時、彼は大きく目を見開いてトリオンファンに指示を飛ばした。

 

「......っ! いた! トリオンファン、通信繋いでくれ!」

 

「かしこまりましたわ!」

 

何かを見つけたらしい指揮官は、とうとうトリオンファンと行われていた会話のキャッチボールさえも取り止め、通信越しにいる顔の見えない誰かにへと相手を変えた。

 

「こちらトリカゴ。船団護衛班旗艦ガスコーニュ、応答してくれ」

 

『......こちらガスコーニュ。通信状態良好。主、指示を』

 

「よし。手短に伝えるぞ。護衛ルートからは外れるが、そこから東へ八海里ほど離れた位置に、突発的なセイレーン鏡面海域反応を確認した注意してくれ」

 

『指示を受任。艦隊の一人を偵察にあたらせることを思案』

 

「それで頼む。くれぐれも護衛船に被害がないよう、穏便にな。他の子達にも伝えておいてくれ。通信は以上だ」

 

『北風、カブール、ル・マラン、ノースカロライナへの指示の伝達任務を了解。オーバー』

 

「............ふう。何事もなければいいけど」

 

通信を切るが、未だ緊張は解けない状況に指揮官はあった。

 

任務内容としては船の護衛。ただしVIPの......。

 

任務の完了まで、地図から目線を外すことは出来ない。

 

「相変わらず、指揮官は凄いですわね。私には何か異常があるようには見えませんけど」

 

トリオンファンからして見れば、地図にセイレーンの出没情報などは一切載っていない。

 

先程述べた通り、白線に、緑に、そして青の上を動く赤い点。

 

しかし、指揮官にはハッキリとセイレーンの存在を示す黒い点が青を染めているのが見えていた。

 

それこそが彼の能力であり、彼がここトリカゴを任されるに至った理由でもある。

 

「見えてもいいことないよ。今日みたいに、船団護衛の間、ずっと見張っていてくれなんて依頼が来るかもしれないし。そのせいで、トリオンファンに書類仕事を押し付ける羽目になるし」

 

「ふふっ、お気になさらず」

 

見られることのない柔らかな笑みでトリオンファンは、受け流す。

 

その返事を聞いた指揮官は、呑気なことにも、

 

(トリオンファンって、そんなに書類仕事好きだったのか)

 

なんて思案するのだが、もちろん、彼女のお気になさらずは、こっちの

 

「(指揮官と一緒にいられるのだから)お気になさらず」

 

なのだが、それを彼に気付かせる事は、猫にワンと鳴かせるほど難しいものなのだった。

 

「それにしても、ガスコーニュさん。少し嬉しそうでしたね」

 

「え、そう?」

 

「ええ。いつもと少し、声のトーンが違いましたわ」

 

「そうだったかなあ?」

 

「指揮官。女性の微かな変化に気が付くことは、より良い紳士において必要条件ですわよ」

 

「努力するよ......ちなみにトリオンファン、髪切った?」

 

「いいえ、全く。ふふっ、まだまだ精進が必要ですわね。ゆっくりと、急いでくださいませ」

 

「難しいこと言うなあ」

 

(......ガスコーニュさんに、進展はなさそうですわね)

 

ましてや、乙女達の水面下の争いが基地で行われていることなど、知るはずもないのである。

 

「指揮官、訓練終わった」

 

トリオンファンが、ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、ノックもなしに執務室の扉が勢いよく開かれた。

 

「え、エルドリッジさん!? まだ執務中ですよ?」

 

「知ってる」

 

実の所、基地の中では緊急の場合以外、所用で執務室を訪れないこと──すなわち、秘書艦一人占め特権という暗黙の了解がある。

 

あるのだが、そんなこと知るかとお構い無しに来室したのは、ユニオン代表のKAN-SENが一人、エルドリッジだった。

 

「んー、エルドリッジか? ごめんな。今は目が離せないんだ」

 

「大丈夫、邪魔しない」

 

「な、なにを? ......っ!?」

 

トリオンファンの前に、衝撃の光景が広がった。

 

エルドリッジは、慣れた歩みで指揮官の座るレザーチェアにまで近寄ったかと思えば、なんとそのまま彼の膝の上に座ったではないか!?

 

「おわっ、びっくりした」

 

「いつもの」

 

「はいはい」

 

しかも、指揮官もそれを受け入れている様子だ。

 

「(う、羨ましい!)」

 

現在最も、指揮官を巡るレースで優位なのはエルドリッジ。

 

それを証明する光景が、ありありとトリオンファンの目の前で繰り広げられる。

 

もちろん指揮官はそんなこと、以下略。

 

「指揮官、疲れた」

 

「みんな疲れてるよ。でも、お疲れ様」

 

「うん。指揮官、セイレーン探してる?」

 

「そうだよ。ワケありの船団護衛で、俺も見張るように頼まれちゃったからな。委託にあたっている子達の苦労がすごい分かるよ」

 

「おー、頑張って。エルドリッジ、ここで応援。ふわあ」

 

「え、エルドリッジさん!」

 

そのまま指揮官の膝の上で夢の世界にへと旅立ちかけたエルドリッジを、トリオンファンは何とか引き止めた。

 

「なに?」

 

エルドリッジの目線を伝ってビリっと、スパークが空気を割く。

 

「指揮官の膝の上でおやすみなんて羨まし......じゃなくて! 訓練が終わったのなら、キチンと施設の使用報告書等を提出するべきではなくて?」

 

「む」

 

「トリオンファンの言う通りだ。面倒かもしれないけど報告書はちゃんと出してくれ、エルドリッジ」

 

「......わかった」

 

やや不満そうに、エルドリッジは立ち上がるとビリビリとスパークを纏わせながらトリオンファンと相見える。

 

「何か?」

 

「......言ってくれて、ありがとう」

 

「いえ、どういたしまして」

 

「むう」

 

「負けませんっ」

 

指揮官は地図を見ていたので知るわけがないが、明らかに目線と目線で両者は火花を飛び散らせ、やがて、エルドリッジは執務室を出ていった。

 

音だけでエルドリッジの退室を確認した指揮官は、トリオンファンにへと言葉を投げる。

 

「悪いなトリオンファン。あの子に、注意させるようなカタチになっちゃって」

 

「いえ、大丈夫です。あの......指揮官。エルドリッジさんはいつもあんな感じですの?」

 

「あんな感じって?」

 

「執務中に、膝の上に座りに来たりとか」

 

ファンタスク級の特徴といえば?

 

恐らくこの問には、多くの人が速さと答えるだろう。

 

その認識はトリカゴでも変わることはなく、トリオンファンは自慢の速力から、緊急のセイレーン対策や哨戒任務に当たることが多い、今日のように秘書艦任務にあたることはかなり稀だ。

 

故に、基地の防衛任務を任されているエルドリッジとの面識はあまりなく、まさかあんなに大胆な行動にでるとは思いもしなかったのだった。

 

「まあ。俺がユニオンにいた頃からあんな感じかな。あの時は部屋も相部屋だったし」

 

「え、ええっ!?」

 

「この前なんて、寝ぼけていたかどうか知らないけど、布団に潜り込んで来ていて。別に、いいんだけどさ。寝起きにあれは、すごいびっくりした」

 

「そそそそそそ、そこまで!?」

 

男女の仲について恋のABCのAまでしか知らないトリオンファンにとっては、その事実は羞恥の念を抱かせるのに十分だった。

 

「いやあ、あの頃が懐かしいなあ......」

 

(あわわわわわ......!)

 

哀愁を漂わせる指揮官とは裏腹に、トリオンファンの内心は焦燥で染まりきっていた。

 

今は秘書艦として一時的に独占できてはいるものの、それまでの圧倒的な時間というアドバンテージを痛感させられたのだ。

 

最速の駆逐艦である自分が、ここまで差をつけられていたなんて!

 

(ここは騎士姫として! 攻めに出ないと!)

 

アーモンドは殻を破らなければ、食べられない。

 

それと同じ。

 

決意が固まったトリオンファンの行動は、早かった。

 

「あ、あの。指揮官」

 

「どうした?」

 

「わ、私も書類仕事でとっても、とぉ〜っても疲れましたの。部下に労いを与えるのは、上司の義務ではなくて?」

 

「えーと、お疲れ様? トリオンファンは偉いな」

 

「えへへ♪ ......って違いますわ! 私も、先程のエルドリッジさんのように、お、お膝の上に......あれは、邪魔ではないのでしょう?」

 

「ああそっち? トリオンファンがやりたいなら、いいかど、いいのか?」

 

「えっ......で、ではっ! し、失礼しますわ」

 

「お、おう。こんな膝の上で良ければ。トリオンファンも、結構子供っぽいところあるんだな」

 

「時には甘えるのも、レディの嗜みですわ!」

 

「ふふっ、そうだな」

 

子供っぽいなんて印象が持たれてしまったが、これはむしろ好機と捉え、座っている指揮官の膝の上に、トリオンファンは腰を下ろした。

 

(ふ、ふわあ......)

 

「座り心地はどうだ? ちゃんと労えてるか、お姫様?」

 

「わ、悪くはないですわ!」

 

虚勢をはるものの、数え切れない程の幸福感が胸いっぱいに彼女を満たし尽くしていく。

 

(す、すごいですわこれ! 指揮官の匂い、息、鼓動、体温が直に感じられて......今にも心臓が弾けてしまいそう)

 

「なんというか」

 

「ふえっ!?」

 

普段よりも近い距離で聞く指揮官の声に、トリオンファンの肩が大きく揺れる。

 

しかし、そんなことは指揮官にとっては些細なことだったようで、気にせず続けた。

 

「細いな、トリオンファン。それに、香水? つけてる?」

 

「え、ええ。香水は優雅の基本でしてよ。い、嫌ですか?」

 

「そんなことない。いい匂いだなって思うよ......ふう」

 

「はにゃ!?」

 

トリオンファンが一番求めていた言葉に加えて一番求めていた行動、指揮官は空いていた右手で彼女の艷めくブロンドの髪を優しく撫で始めた。

 

流石に鈍感な彼でも、トリオンファンの黄色い声に気が付いたようで、慌ててその手を止めた。

 

「ご、ごめん。エルドリッジにはいつもやってるから、癖で。女の子が、いきなり髪触られたら嫌だよな。気をつけるよ」

 

「い、い、い、いえ! そのまま! そのままつづけて! ちょ、ちょっとびっくりしただけです!」

 

「お、おう」

 

ちょっと所ではない驚き具合だった気がするなんて、そんなことには、ちゃんと気をかける指揮官だったが、否定されていないのならと、改めてナデナデを再開した。

 

女性の髪を触るという行為は、かなりの信頼がなければ成り立たない行動なのだが、そんな事指揮官には、またまた以下略。

 

(ああ、このまま時が止まってしまえばいいのに......エルドリッジさんは、いつもこんなに甘えているのでしょうか。ここまでやってもらえたのなら、私も少しは追いつけましたわよね?)

 

満たされた幸福感を噛み締めつつ、しばらく撫で撫でをされていると、電子地図に目を光らせたまま指揮官は口を開いた。

 

「トリオンファンはさ」

 

「は、はい? なんでしょう?」

 

「トリオンファンは、ここの面子と仲良くやれているかと思って。さっきの口ぶりからして、エルドリッジとは、あんまり面識ない様子だったし」

 

「そうですわね......ロイヤルの方々とは、茶会に参加させていただいたりと、仲良くさせてもらっています。あと、お姉様はもちろんのこと、ガスコーニュさんともよく話すんですよ」

 

「へえ、ガスコーニュと。意外だな」

 

「取り留めのない、事務的な会話が多いですけどね。それと、シュペーさんは私の知らない食べ物をよく食べていてそれを頂いたりしますの。指揮官はカップラーメンは、食べたことありまして?」

 

「もちろんあるよ。けど、食べすぎると太るから気をつけてな。最速の名がなくぞ」

 

「ふふっ、大丈夫ですわ。あとは、剣の稽古でよく手合わせをするのが、カブールさん、北風さん、ノースカロライナさんでしょうか。面と向かって話す機会は少ないですけど、一緒にいて楽しいです」

 

「へえ。ノースカロライナあいつ、剣も出来たんだ......」

 

「ご存知ありませんでしたの?」

 

「もっぱら素手か艤装で闘ってる所しか見たことないな。十分、個性あると思うけどなあ......」

 

「個性?」

 

「すまん、こっちの話だ。大鳳はどうだ?」

 

「大鳳さんは......ごめんなさい。少し苦手ですわ。なにを考えているのかわかるのですけど、よくわからなくて」

 

「大鳳はまあ、自分に素直に生きてるから......で、肝心のエルドリッジとは?」

 

「エルドリッジさんとは、生活サイクルが合わないせいか、あまり話したことがなくて。ほら、私はよく夜間や緊急の要するものを担っていますけど、エルドリッジさんは基地防衛が多いですし、夜は基本寝ていらっしゃいますし」

 

「なるほど。そりゃ、あまり知らないわけだ。そうだなあ......エルドリッジはとりあえず餌付けしたら懐くぞ」

 

「そうですの?」

 

「ああ、試しに今度会ったらお菓子でもあげてみてくれ、多分懐く」

 

「そんな猫みたいな......でも、やってみますわ」

 

「ぜひやってみてくれ。試しに金平糖とかいいと思う」

 

「......コン、ペー、トー? とは、なんですの?」

 

猫に小判、いや、猫に金平糖を与えた時のように、トリオンファンは不思議そうに首を傾げた。

 

「知らないか? 重桜のお菓子なんだけど...........そうだな」

 

トリオンファンにとっては謎のお菓子、コンペートーの招待を明かすと、指揮官は少し考え込んだ。

 

なるべく、トリカゴの全員には仲良くして欲しい。トリオンファンは大鳳とあまり仲良くないのなら、これは、きっかけになるかもしれない。

 

「......指揮官?」

 

「あー、大鳳に聞いてみたらきっと用意してくれるよ。嫌がっても、俺が欲しがってたって言えば大丈夫だ。無理にとは言わないけど、大鳳とも話してみてくれ」

 

「......わかりましたわ。貴方が言うのなら」

 

「ありがとう。トリオンファンは優しいな」

 

(むしろ、優しいのは貴方のほうですのに......)

 

わざわざ、自分のためにそんな提案をしてくれて。

 

どこまでも優しくて、どこまでも他人の事を考えてくれていて、こんな自分でも気をつかってくれて。

 

(その優しさの行き先を私だけに、というのはワガママでしょうか?)

 

彼を想う気持ちがある。出会った時期の違いこそあれど、恋に早いも遅いも関係ない、最後に笑うものが、最もよく笑うなんて、アイリスの言葉にもある。

 

そう思案していると、委託任務にあたっていたガスコーニュからの通信が入った。

 

彼と密着しているからか、会話の内容がトリオンファンの耳にも届く。

 

『主、こちらガスコーニュ。たった今、護衛任務を完了。これより、基地に帰投する。長時間の監視を担っていた主に感謝と慰労の念を。よって、主に休息を提案』

 

「ありがとう。確認した。みんなお疲れ様。給金は、はずませておくよ。無事に帰ってきてくれ。オーバー......ふーっ、終わったかあ」

 

電子地図の電源を落とし、指揮官は大きく息を吐くと椅子の背もたれに体重を預けた。

 

「お疲れ様ですわ、指揮官。帰投する皆さんを見守らなくてもよろしくて?」

 

「大丈夫だ。ガスコーニュがああ言った時は、見張りはいらないって意味だからな。甘えさせてもらうよ」

 

「そうでしたの......(い、意外とガスコーニュさんとも?............はっ!)」

 

思いもよらない伏兵の出現に汗を流すが、トリオンファンは、今置かれているチャンスに気がついてしまった。

 

二人きり、更には膝の上という密着姿勢、それに今なら任務も終わったから指揮官が目を合わせてくれる!

 

エルドリッジとの差を更に埋めるためにも、この状況を活かさない手はない。

 

決意が固まった彼女の行動が早いのは、先程伝えた通り。

 

「トリオンファン。悪いんだが、俺のサインがいる書類を持ってきてくれないか?」

 

「い、嫌ですわ」

 

「トリオンファン?」

 

まさか断られるとは思わなかったのか、指揮官は驚いた様子でトリオンファンの顔を見る。

 

今日初めて、海よりも碧い彼女の瞳と目線の糸が繋がった。

 

「ふふっ、やっと目を合わせてくれました」

 

「えっと、イタズラか? 珍しいな」

 

「たまには良いでしょう。それに、イタズラなんかじゃありませんわ」

 

「......?」

 

「指揮官には、私の気持ちを知ってもらいたくて」

 

「......っ?」

 

トリオンファンは椅子に膝をつく姿勢になり、指揮官の肩に手を添え、自らの額を彼の額とピタリとくっつけた。

 

当然、指揮官は視界の情報全てが彼女しかなくなり、自然と息と息が絡まり合う。

 

「私、指揮官にこの剣と盾を捧げる覚悟はとっくにできていますの。だから、指揮官にはぜひ受け取って欲しいのですわ。セイレーンとの戦いが終わったら、貴方には是非アイリスに......」

 

「トリオンファン......」

 

「......指揮官」

 

やがて、決められた運命の如くお互いの唇と唇が触れ合──

 

「指揮官、報告書かけた」

 

「「あっ」」

 

──わなかった。

 

「......指揮官、トリオンファン............むううううううううううっ!!!!」

 

説明しよう!!

 

エルドリッジはとても不機嫌になったりすると、頬をぷっくらと膨らませ、スパークを漂わせて突進してくるのだ!

 

さながらピ○チュウのボル○ッカーのように!

 

「待ってエルドリッジ! まだ俺書類仕事残って、ぎゃああああああああ!!!!????」

 

「きゃあああああああ!!??」

 

執務室から一人の男と女の絶叫が響き渡ったのは、言うまでもない。

 

ついでに、基地は数十分ではあるが停電したのであった。

 




色んな意味で行動が早い(速い)騎士姫さんのお話でした。

とりあえず、トリカゴでの人間関係が分かってくれたら嬉しいです。

指揮官の目についてですが、本作のみの勝手な設定ですので頭の片隅に入れてもらえれば幸いです。
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