「チョコ作るわよー!」
『おおーっ!』
というわけで、善は急げ。さっそくキッチンにへと向かった三人は、息を合わせて拳を高く上げていた。
ネプチューン本人はいないが、心強い事にレシピは貰えた。あとは各自の頑張り次第、しまっていこう。
「あの、ネプチューン様は本当によろしかったのでしょうか?」
「いいのよ。あの子自身が作らないって言ったのだから、あの子の美学に泥を、いえチョコを塗るわけにはいかないわ。わかった!?」
「はっ!」
反射的にシリアスは、敬礼で応答する。
思えば、フォーミダブルとはこんなに愉快な人だっただろうかとシリアスは考えたが、今はチョコを作る方が最優先なのを思い出し、雑念を振り払った。
「そう言えば、二人は何を作るの?」
「私は、折角なので育てているバラを装飾しようかと思って、それに合うお菓子をお願いしました。彼女のセレクトは......どうやらチョコカップケーキです。フォーミダブルちゃんは?」
「簡単だけど、意外性のあるやつって言ったわ。えっと、チョコレートのフィロシート包みだって。なんかオシャレね。シリアスは?」
「シリアスは、本当に料理が出来ないダメなメイドなので、極力工程が少なく、ちゃんと味わえるものを......チョコレートフォンデュですね」
「「(それって)」」
要するに、チョコを溶かすだけなのでは?
......。
まあ、ネプチューンのことだから、きっと美味しくなる何かがあるのだろう。それだけの作業量なら、ドジなシリアスでも何とかはなりそうだ。
「話してても進まないし、やろっか」
「ですね」
「がんばります!」
*
バレンタインの起源をご存知だろうか?
通説によればサディア発祥説が濃厚で、聖人ウァレンティヌスの命日とされている。
かつての時代から二月十四日は祝日であったようで、愛が育まれる事が非常に多かったらしい。
今で言う、ジューンブライドにも近いのかもしれない。
ともあれ、それをよく思わなかった当時の皇帝は、兵士達の婚姻を禁止したのだが、ウァレンティヌスはそんな中でもこっそりと結婚を執り行っていたのだ。
これには、皇帝もご立腹。ウァレンティヌスに反省の色を示すよう要求したのだが、しかし、ウァレンティヌスはむしろ愛の素晴らしさを説いて強く反発した。
結果、彼は最後まで抵抗を続け、祭りでの生贄と称して処刑されてしまった。それこそ、二月十四日にだ。
そうして、彼を忘れないようにとこの日は恋人たちの日となり、様々な場所へ伝え渡って─重桜では紆余曲折して─今に至るわけだ。
一体何処までが本当なのか、もしかすると全て作り話なのか、真実は知りえないが、それでも恋人の日という認識は今でも何処でも変わってはいない。
皆それぞれ、愛なり感謝を込めて奮闘しているのだ。
それは勿論、ドジなメイドさんだって、
「よし。チョコを刻んで、生クリームを沸騰させるは問題なく出来ましたね」
それぞれの持ち場に別れて作業にとりかかること早数十分、シリアスは満足気に息を吐いていた。
ドジではあるが、シリアスだってメイドさんだ。しかし、メイドさんだがドジなので、ネプチューンは、そんな彼女のために湯煎さえしないレシピを書き上げていた。
下手に湯煎と書くと、チョコをお湯に放り込んでもおかしくないので......
「えっと、次は」
加熱した生クリームに、刻んだチョコを加えて溶かしながら混ぜる。
「これを混ぜるのですね」
書かれてある通り、刻んだチョコを生クリームにへと投入し、溶かし混ぜ始める。
真っ白な生クリームが徐々に茶色く染まっていくのを、黙々と眺めながら、シリアスはたった一人の男性の事を考えていた。
(あの方は、こんな私のモノでも喜んでくださるでしょうか)
誇らしきご主人様。
前々から、話だけはシリアスも聞いていた。トリカゴを結成し、陛下さえもお認めになった唯一の異性だと。
実際に会ってみて、シリアスは不思議な人だなと率直な感想を得ていた。
各国との繋がりを持つという大きな権力を手に入れながらも、傲慢な態度を奮っているわけでもない。多国籍なこの組織で、誰にでも分け隔てなく接していた。
それは、一端のメイドであるシリアスも例外ではない。
彼は毎日、朝には必ずお見舞いに来てくれていた。会話の内容も、平凡と変わらないものだ。困ったことはないかとか、今日は冷えるらしいから気をつけてとか。
彼の業務は、非常に多岐に渡っているらしい。書類の作成をはじめに、目を利用したセイレーン出没情報の共有、鏡面海域破壊による作戦立案、新武器の臨床試験などなどなど。
忙しい中、わざわざ自分に時間を割いてくれていることに、シリアスは申し訳なさと感謝を感じていた。
それともう一つ、シリアスは密かに彼を評価している理由があった。
(あの人は、シリアスの目を見て話してくださいます)
自慢したいわけでもないが、シリアスはプロポーションが抜群だ。なので、人と話をしているとよく一部の部分に視線を感じる機会が多い。
何処を見ようと勝手ではあるが、シリアスはそういう視線に敏感だった。気にはもうしていないが、見られている事が気持ちいいかと問われれば、そんな事は無い。
だが、彼は違う。彼は、いつもシリアスの目だけをみていた。
もしかすると、感じ取れていないだけではないかと思って彼の視線を常に確認してみたのだが、本当に彼は目しか見ていない。
それこそ、指揮官が全く女性になびかない片鱗であり、トリカゴの面々からすれば大きな障害なのだが、シリアスにとっての信頼のパラメーターを大きく伸ばす手助けにはなっていたのだった。
ともかく、助けてもらったお礼のためにも頑張らないと!
「このくらいですかね」
すっかり、生クリームもチョコフォンデュとなり、レシピの続きの文に目を走らせる。
溶かし混ぜた後、ブランデーを適量入れましょう。
「............適量?」
いきなり出てきたアバウトな概念に、頭の上で疑問符が浮かびあがった。
適量とはすなわち、丁度いい量というわけであって、言いかえるなら、お好みというわけでもあって。
「適量、適量......」
言葉を反芻しながら、自分にとっての適量を模索し始めるシリアス。
「コップ一杯、いえ二杯くらいですかね?」
自分なら疲れた時は紅茶を二杯くらい飲むし、つまり適量とはその程度だろう。
「ですよね?」
と、半音上がりではあるものの、一応結論が出たので、シリアスはチョコを溶かし混ぜた後、コップ二杯分のブランデーを、チョコにへと──
トプトプトプ
*
「よしよし、ちゃんと綺麗に焼きあがってるわね!」
オーブンから出てきた黄金色にも似た三角形のパイ達をフォーミダブルは、嬉々とした表情で迎え入れていた。
さすがはネプチューン、オーブンの温度から時間まで細かく書いてくれたおかげで、小洒落たお菓子でもそれなりに上手く出来上がった。
これなら、ネプチューンや指揮官にも喜んで貰えること間違いなし。
あの子には、本当に感謝しないと。
「あら。中々いい出来ですこと」
「うわあ!? って、ネプチューン!?」
なんて考えていたら、当の本人が隣にいた。
「失礼ですわね。そろそろ完成する頃だろうと思って、来ただけですのに。ついでに、お客様も一人来ましたけど」
「お客様?」と繋ぐ前に、ネプチューンの横からフォーミダブルと同じくツインテールを揺らした少女がひょっこり顔を出した。
「ネプチューン、試食まだ? エルドリッジ、腹へった」
「え、エルドリッジさん。ご機嫌よう」
「うん、ご機嫌まっすぐ」
既に手遅れな気もするが、フォーミダブルは外向けスイッチをオンにして挨拶をした。
エルドリッジ自身、素で話されても大して気にもとめないだろうが、フォーミダブルとしては、まだエルドリッジさんは友達とは言えないので、仕方ない。
なお、指揮官は特別。
「エルドリッジさんは、どうして此方へ?」
「いい匂いしてたから。バレンタイン?」
「そうでしてよ。重桜のバレンタインをご存知でして?」
「知ってる。去年、何も貰えなかった。お互いに、お互いのバレンタイン知らなくて......」
悲しい感情を思い出してしまったのか、へなへなとエルドリッジのアホ毛が下を向いて萎れていく。
(そっか、去年指揮官はユニオンにいたんだ。あれ?)
そこでフォーミダブルは、一つの疑問に行き着いた。
ユニオンのバレンタインも、確かロイヤルと同じ。なら、指揮官は外のバレンタインを知っているのでは?
どうやら、ネプチューンも同じ考えに至ったようで、
「その時、指揮官様に、こちら流のバレンタインをお教えしませんでしたの?」
「教えてない。凄く忙しそうにしてたから、言っちゃったら変に気にしちゃうでしょ」
「お優しいですわね、エルドリッジさん。では、重桜のバレンタインについてはどなたから?」
「三笠。ユニオンにいるけど、重桜のKAN-SEN」
「へえ、そんな方が」
「こっちで言う、セントーさんね」
「セントー! 懐かしい。元気かな」
セントー級航空母艦1番艦セントー。
誰に対しても人当たりがよく、とにかく勉強熱心でもある彼女は、ロイヤルから留学生としてユニオンにあるアズールレーン本部に派遣されているKAN-SENだ。
どうやらエルドリッジは、彼女とも交流があったようだった。
「ちなみにエルドリッジさん。セントー先輩になんて呼ばれていました?」
「エルドリッジ、先輩」
「ふふっ。向こうでも変わらないのですわね」
ちなみに、ネプチューンはセントーからしても数少ない後輩ではあるのだが、そんな彼女でもセントーは先輩と呼んでいる。
ネプチューン本人も面白がって、セントー先輩と呼んでいるのだが、個人的な話はこのへんで。
どこか楽しい雰囲気により、エルドリッジのしなしなと弱ったアホ毛が、元に戻ったところでオーロラが話に入ってきた。
「それにしても、エルドリッジちゃんは、チョコを作らないのですか?」
「触るとビリビリでチョコ溶けちゃうから、無理。でも、指揮官にメッセージカード書いたよ」
(あー、ジュール熱......)
静電気で髪がボサボサな時とかはよく見かけるけれど、そんな弊害もあるとは。
「指揮官さんなら、絶対メッセージカードでも喜んでくれますよ」
「それに、シリアスさんに教えたようなフォンデュなら溶けてても問題ありませんわよ?」
「大丈夫。別にバレンタインじゃなくても、指揮官にいつも好きって伝えてるから」
「「「(......つ、強い)」」」
その二文字を言うのが、一番難しいのに。
多分、指揮官本人には深い意味で伝わってはいないのだろうけど。
「で、試食いい? みんなの出来たよ?」
「いーえ、まだですわ。皆さんには、レシピに書いてない最後の工程を終えていただけませんと!」
『最後の工程?』
一同、口を揃えて訊ねる。
ネプチューンは、鼻高々に告げた。
「ええ! 愛情を込めるという大事な大事な工程ですわ!」
「愛情、ですか」
ふと、シリアスは先日のニューカッスルの言葉を思い出していた。
料理には、愛情が一番大切だと。
「とは言っても、込めましたよ? 指揮官さんを考えながら、その、色々と」
「私も」
「あら。では、愛情を手っ取り早く込められる魔法の言葉は別にいらないのですわね?」
実のところ、気にはなっているオーロラとフォーミダブルではあるが、付き合いが長いからわかる。ここは、彼女に乗せられてしまったら駄目だと。
なんせ、時折ネプチューンは無邪気に人をからかう性格なのをフォーミダブルとオーロラは知っている。
その時は決まって、煽ってくるという事も。
「魔法の言葉があるのですか!!?」
(あちゃー......)
しかし、そんな経験則をシリアスが知っているはずもなく、ネプチューンは不敵な笑みを浮かび上がらせた。
「ええ、ありますわよ。お手本をお見せしましょうか?」
「お願いします!」
「おっほん! では」
咳払いで静寂を作ると、ネプチューンは手でハートを組み立ててロックオン。
そして、
「美味しくなあれ♡ 萌え萌え、きゅん♡」
「「「......」」」
「おーっ!」
シリアスだけが、甲高く拍手をあげていた。
「ネプチューン。それ、よく恥ずかしからずに出来ますわね」
「当たり前ですわ。東煌五千年の歴史にも刻まれている、れっきとした手法でしてよ」
「いや、刻まれてないですよ!?」
「文句を言わない! シリアスさんを見習いなさいな!」
「萌え萌え......いや、手の角度はもう少し下げた方が?」
(めっちゃやる気だ)
(よく恥ずかしげもなく......)
愛情を込められたのならば、誰でも一人前。
ならば、やるしかないだろう。
「エルドリッジもやる。楽しそう」
「ええ、是非! それで、フォーミダブルとオーロラはどうしますの」
「やるわよ! なんかやる流れだし!」
「一人だとあれですけど、皆でやるなら、まあ」
「決まりですわね。では皆さん、それぞれ用意したものにハートでロックオンしてー。せーの」
『美味しくなあれ。萌え萌えきゅん♡』
(......くっ)
(......うぅ)
(これで、大丈夫ですかね?)
「ふふっ♪」
羞恥に染まる二人を見て、満足そうに笑うネプチューンなのだった。
*
「オーロラのやつ、美味しい」
「よかった!」
「うん、合格点ですわね。私のレシピですから、合格点が出ない方がおかしいですけど」
「お菓子だけに?」
「うるさいですわよ、フォーミダブル」
「ふふっ、ごめん」
愛情も込め終わると、ネプチューンとエルドリッジの審査会ついでにお茶会が始まっていた。
フォーミダブルのについては、問題なく合格。そして現在、オーロラのお菓子も満場一致で合格が出た。
残すのは、
「さて。あとは、シリアスさんのですわね」
「はい! お願いします!」
「......」
シリアスの視線を感じつつ、マシュマロをチョコに潜らせすくい上げる。
しかし、そこから先の行動に、ネプチューンは素直にうつれなかった。
自分のレシピ通りに作ってくれたのだから、大丈夫に決まっているはず、けれど作ったのはあのシリアス。
もしかしたら......でも、食べない事には分からない。
「食べないの?」
二律背反にも似た思いを抱えていると、不思議そうにエルドリッジに訊ねられた。
「た、食べますわよ! その、エルドリッジさんに先に判断いただこうかと」
「......? じゃあ、あーむ」
「「「「......」」」」
もぐもぐと咀嚼するエルドリッジを、みんなで見守る。
「う」
「「「「う?」」」」
これは、もしや美味い?
「う、うにゅう............?」
期待していた言葉とはうって変わり、エルドリッジは急に顔を真っ赤にすると、そのまま目を回して机に突っ伏してしまった。
アホ毛も、ぐるぐると何重もの円を形作っている。
「エルドリッジちゃん!!??」
「大丈夫!!??」
突然の事態に、作法など一度忘れてエルドリッジの傍に駆け寄るフォーミダブルとオーロラ。
ネプチューンは、間違いなく原因であるシリアスのチョコを舌先に触れさせた。
「っ! シリアスさんこれ、どんだけブランデーいれましたの!?」
「て、適量のつもりだったのですが」
「明らかに入れすぎですわよ!」
シリアス残念ながら、不合格。
なんて、呑気なことを言っている場合ではない。
「エルドリッジちゃん、普段お酒飲まないから。急に慣れないアルコールを取ったせいで、ですかね?」
「分析もいいけど! とりあえず、どうしたらいいの!?」
「まず意識の確認ですわ! エルドリッジさん! エルドリッジさん!?」
急性アルコール中毒の恐れもあるので、ほっぺをひっぱり、意識の有無を確認する。
幸いにも、すぐに返事があった。
「んー? 痛い」
「はあ、よかった。大丈夫ですこと?」
「うーん、ネプチューン?」
「そう、ネプチューンですわ。ここまで意識がハッキリしているなら、急性中毒の心配はないですわね。ほら、お水を飲んで」
まだ焦点の合わない瞳を向けるエルドリッジへ、ネプチューンが水の入ったコップを差し出した、その時。
「んちゅー」
「ん? んんんんん!!!!???」
「「「え?」」」
ガシャンと、ネプチューンの手からコップが床に落ちて割れる音が響く。
だが、傍から見ていた三人は微動だに動かなかった。いや、動けなかった。
目の前で行われる濃密な唾液の交換を、瞳孔を開かせて見届ける。
「んちゅ......ちゅぱ............ちゅうううううううう......」
「んんっ!? し、しひゃもっ?? っ!?」
「んー......ちゅる......んっ!」
人の目を気にすることなくキスを続け、しばらくすると満足したのかエルドリッジはネプチューンを解放した。
「.......し、しきかんしゃま......ぐはっ」
「ネプチューーーーーーン!!??」
「しっかりしてください! ネプチューンちゃん!」
「......」
返事がない、ただのしかばねのようだ。
「え、な、なんで!? どういうこと!?」
「シリアスの私見だと、酔っ払っているからとしか」
そして、キスをしてしまったとしか。
酔い方は多種多様、人それぞれだ。性格が荒くなる人、泣きわめく人、寝てしまう人。それと、エルドリッジのようにキスをする人だって、そりゃあいるだろう。
当のエルドリッジは、ボーッと天井を見上げていたかと思いきや。
「......やっぱり、指揮官とのキスがいい?」
「「ダメダメダメダメ!!!!」」
「ダメか」
唐突な爆弾宣言。
もちろんお嬢様達は、断固拒否である。
「シリアス! エルドリッジを取り押さえなさい! 実力行使でもいいから! とにかく外に出しちゃダメ!」
「は、はい! 申し訳ございませんエルドリッジ様!」
まだ出会ってそれ程時間は経っていないのだが、フォーミダブルからの命令には逆らえない。
詫びをいれてから、シリアスはメイド秘技の一つ、当て身によってエルドリッジの意識を落としにかかる。
「危ない」
(っ!?)
しかし、シリアスの手刀はエルドリッジの幻影を切る結果となった。
(まだっ!)
それでもめげず、シリアスはエルドリッジの実体を捉えにかかる。
「ここ」
もう一度シリアスが虚空をかすめた際の重心移動の隙をつき、エルドリッジはシリアスと距離を詰めた。
それこそ、唇と唇が触れ合うくらいに。
「んっ!? んんっ!?」
「んちゅー............ふぅ」
「............うぅ、ばたっ」
「シリアーーーーーーース!!??」
シリアス陥落。
一度あることは二度ある。
「もしかしてレインボープラン!? 艤装なしでも出来るのあれ!?」
エルドリッジ最大の脅威、レインボープラン。
無意識の内に磁場を狂わせることによって自身の幻影を作り出し、相手の知覚をかく乱する。
かく乱された側からすれば、エルドリッジや周囲が瞬間移動したかのように感じられる、幻想でありながらも最強の盾。
味方ならこれ程まで心強いものはないが、敵となれば話は別。
「だったらこっちも! エルドリッジちゃん! 止まって!」
「! じっとしてなさい!」
「......っ!?」
艤装を展開し、オーロラとフォーミダブルも暁の光と威圧? によって、エルドリッジの動きを止めにかかる。
レインボープランは確かに強力だ。だが、対策方法はある。
そのひとつが、動きを止めてしまうこと。
瞬間移動したかのように見えるなら、そもそもエルドリッジ本人を動かなくさせてしまえばいい。
これが最悪のケースを想定してロイヤル陣営が生み出した、対エルドリッジの戦術。
「動けない......」
「さあ、エルドリッジちゃん。お水を飲みましょう?」
「抵抗しても無駄よ!」
「うう」
コップに水をくみ、友とメイドの屍をこえてじわりじわりと詰め寄る二人。
だが、この時、二人は安心して完全に忘れきってしまっていた。
エルドリッジ最大の特徴を......。
「びり」
「「びり?」」
「ビリビリいぃぃぃぃぃぃ!!」
「「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!!??」」
エルドリッジの体から漏れでたスパークが二人を襲う!
光が止み終ると、プスプスとコミカルに口から煙を吐き出す屍が二つ出来上がった。
「......みんな寝ちゃった。指揮官、どこ?」
そしてエルドリッジは体にスパークを纏わせたまま虚な瞳で、ターゲットをどこかに居る大好きな人にへと変えたのだった。
題名にシリアスさん入れといて、シリアスさん退場しちゃったけど、どうしようかなこれ
酔ったエルドリッジはキス魔になりそうな幻想が見えたんです(
ちなみに、性格が荒くなる人(オイゲン) 泣きわめく人(加賀) 寝てしまう人(ラフィー) です。