のんびり山を降りていく。
思い出すのはさっきの事。誰ともなしに呟く。
「…なんだよ。鬼って」
確かに怪しい
さっさと気分を切り替える事にした。
昨日、寝る時から魔術を使っていた。無防備はさすがに危ないので、寝る時は魔術を発動させたのである。不可視や物音がしなくなる魔術等、様々な魔術を。
その魔術を切った。特に要らないと判断したためである。
コレで普通の人からも見える様になった。その瞬間。
「あなたは
…しまった。最後の最後で警戒を忘れた。まさかこんな山奥に人がいるとは。
…考えもしなかった。俺の落ち度だ。
まるで蝶の様な羽織りを纏ったお姉さんが降りてくる。
若干戸惑っている様子だった。
花柱に任命されてからの最初の任務。鬼は森に逃げたという事で追いかけて来たのだけれど。
…どこにも見つからない。
…マズいわね。
ちょっと焦っていた時に、いきなり妹くらいの男の子が木立の中に現れた。そこだけぽっかりと。まるで元からいたかのように。
…血鬼術で身を隠していたのかしら?
…でもあそこは日向よね?
それに鬼の気配ではない。どちらかというと人間に近い気配だわ。
…完璧に人間というワケでもないけど。
有効的に接したら反応あるかしら?
「あなたは
その男の子はびっくりした様子だった。
突然掛けられた言葉に、
「そっちから名乗れ」
俺は自分でも恐ろしいほど冷たい声で答えた。魔術師にとっては名を名乗るという事の意味を知っているのか?という意味の問いだったのだが、お姉さんにとってはどうでもいい事だったらしい。
「あらあら。では私から名前を名乗らせてもらうわね。鬼殺隊、花柱、胡蝶カナエといいます。そちらの名前は?」
どうやら知らないらしい。お姉さんになら名乗ってもいいか。お姉さんの名前だけ知っておいて、こちらも名乗らないのは不義理だしな。
「八鍵水明だ」
「あら。珍しい名前なのね!」
そういう事なら聞き飽きてる。
「それで…」
そのお姉さんの気配が変わった。肌がピリピリするような。鋭い気配だ。
「どうしてこんな所にいるの?」
単刀直入に聞いて来たな。だが。こんな時、答えは一つだ。
「俺にもわからん」
欧米のヤレヤレみたいなポーズをとる。
「鬼は何処にいるか知ってる?」
そのお姉さんが聞いて来た。
「知らんよ。鬼なんて。なんでそんな事聴くんだ?」
ウソだ。今もこうしている間にバレない様に魔術を使って探している。
ようやく一つ見つけたのを魔術を使って追っている。
鬼は太陽に弱い。
特殊な武器にも頸を斬られたら死ぬ。
どっちも向こうの世界の
悪魔に似た特性なら向こうの悪魔に効く魔術を使うか…?
そんな事を考えたりしてると。
「ヤバい!!」
魔術でわかった!!人が襲おうとしている!!
考え事に熱中しすぎた!!
俺は慌てて魔術を掛ける。重力と質量が軽くなる魔術を。
俺は襲われている方に向かって全力でダッシュした。
柱の事はすっかり頭から飛んでいた。
大正コソコソ噂話的な事をしましょう。ただし、私のちょっとした知識はかなりエグめ。覚悟はいいですかね?
切腹には作法があります。最初のうちは本当に腹を切っていました。切り方も、まずは胡座をかき、腹に漢数字の一を描く様にする事。二番目には漢数字の十を描く様にする事。最後に頚を斬る事。という斬る順番があるんですね。
それでも死ねない人の為に介錯人が頚を落とすというものでした。
しかし、時が進むと、特に江戸時代の時は、切腹は主に頚を斬っていました。
どういう事かというと、最初は短刀を胡座の状態で拾って腹を斬ってもいたのですが、それが後に扇子になります。扇子を拾う時に前かがみになります。そこであまり苦しむのが見てられないから、介錯人が頚を落とすんですね。つまり、本当の切腹でも頚を斬らない切腹とは作法に反しています。
辛いのですが、鳴柱さんは作法に則っていないという事ですね。
…もしくは原作のワニ先生が知らないだけなのかもしれませんね。