古い獣の似姿となる、古木のお守り
奇跡、魔法の両方を使用できる
神の象徴は、古い獣の似姿にすぎなかった
遥かなる地下空洞。果てしなく続く地平線と、白い砂浜。朽ちた建物。突き刺さったいびつな形状の武器が、まるで墓標のように並んでいる。
そこには、楔を思わせる、長い形態をした“それ”が静かに鎮座していた。
生物なのだろうか。全身を植物に覆われている姿からは、そのように見えることだろう。
その生物の体内には、二人の人物がいた。
神々しいまでの光を放つソウルを前に、一人の女と、一人の騎士がいた。
「これで全て終わりました」
黒衣の女が、どこかほっとしたような口調でそう言った。女は、蝋で潰された瞳を騎士のほうに向けていた。
騎士は、その声に振り返った。
「デーモンを殺す方、あなたは、このまま上に戻ってください」
騎士は何も言わずに言葉を聴いていた。
「もう、楔があなたを繋ぎとめることはありません」
女は、古いデーモンの一人であった。いやあるいは、もっとも古い人であったのかもしれない。
騎士を楔の神殿へと招きいれ、そして、
「私は、獣を再びのまどろみに導きます」
女は言うと、ポールを取り落とし、ゆっくりとソウルの輝きに手を伸ばした。
そして、騎士はなんのためらいもなく、女を後ろから斬りつけた。
悲鳴を上げて倒れこむ女を文字通り踏み越えて、ソウルの輝きへと手を伸ばす。
数多くのデーモンを屠り、亡者を殺し、ソウルを鍛え上げてきた、新しいデーモンの誕生だ。
かくて古い獣は、新しい、強いデーモンを得た。
やがて世界は霧の中に溶け去るだろう。
………ソウルを求めよ!
世界は、無色の霧に包まれた。あらゆるものは溶け、霧となって消えていく。
最後に残ったのは、唯一、古い獣だけであった。獣は自らを世界そのものとした。もはや獣は世界であり、ソウルの支配者であった。
世界は、霧と、獣だけになった。
やがて獣の体は分かたれ、世界は、霧と、岩と、獣の体を包んでいた樹木ばかりになった。
あるとき、世界の外側から、何者かがやってきた。彼らは竜になり、そして大樹になった。
彼らは、初め、竜ではなかった。大樹でもなかった。彼らは、差異もなく、差別もない、永遠にも続くこの世界で、ついには竜に、そして大樹になった。
彼らはこの世界唯一の住民となった。
だが、いつかはじめての火が“絵描かれ”、火と共に差異がもたらされた。
火は、古い獣を焼き尽くした。獣の体は酷く燃えやすい木々に守られていたせいだ。
獣の蓄えていたソウルもまた、火になった。
熱と冷たさと、生と死と、そして光と闇と………………。
『黒い魂の血』
奴隷騎士ゲールの、虚ろに生じた暗い魂の血
アリアンデルの「お嬢様」が絵画世界を描くための顔料となる
ゲールが小人の王たちに見えたとき
彼らの血は、とうの昔に枯れ果てていた
そして彼は、暗い魂を喰らった