天空(そら)の彼方に響く旋律 -穢れた七世界の中で生き抜く戦士達-   作:室谷 竜司

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Episode21. ストーカーではなかったけど、襲撃されました。 これは正当防衛です。

「あれ? レンくんどうかしたの? って、その子は?」

「あ、転んじゃったの? 大丈夫?」

 彼方と小雪が、俺の様子に気付いてこちらに近づいてくる。すると二人とも、俺の足元でしりもちをついている少女の存在に気づいたらしく、心配そうな視線を向ける。

「え、あ、その……、す、すみません……。」

 その少女は、少しおどおどしながら謝罪の言葉を口にして、すぐに立ち上がる。なんだか、見た目通り気弱そうな子だな。

 というか、これ絶対俺の勘違いだよな……。うわぁ、マジで恥ずかしいことをした……。穴があったら入りたいものだ……。

「こっちこそごめん。 急に振り向いたりして。」

「い、いえ……、ずっとこそこそ隠れていた私が悪いんです……。 すぐにお声かけできればよかったんですけど……、皆さんが楽しそうにお話をしているところに首を突っ込むことを躊躇っちゃって……。 で、でも、その……神奈和せんぱいとお話し……してみたくて……。」

「あれ、俺の名前知ってるんだ。」

「レンくんって、割と有名人だよ?」

 小雪が補足してくる。確かに、同級生の間ではそれなりに名が知れ渡っているのは知っていたが、まさか後輩たちの間でも有名だとは知らなかった……。俺って、そこまで有名になるようなことしたっけ?そんな覚えなんてないんだが……。

 というか、悪い噂だったりしないだろうな?

「そ、その……、能力を扱うのがとてもお上手な方、と伺ってます……。 わ、私、あんまり能力の扱いに自信がないので……、是非一度神奈和せんぱいにアドバイスをいただけたらなって思ってて……。 で、でも、なかなか話しかける勇気もなくて……。」

 どうやら、悪い噂ではないみたいだ。

「へえ、すごいね、レンくん!」

「やっぱり、沖月の優等生っていうあだ名がつけられるだけのことはあるね。」

「それ、あんまり気に入っていないんだが……。」

 誰がつけたあだ名化は知らないが、正直恥ずかしい。それに、確かに俺は成績上位の学生かもしれないが、俺以外にも優秀な学生はいる。特に学力面では、愛葉たちのクラスの方に主席がいた気がする。名前までは憶えていないが。

 てか、地味に他学年にまでそのあだ名が浸透していたことに驚きが隠せない。

「あ、そうなの? でも、まぁそうだよね。 ごめんね。」

「いいって。 でも、そっか。 だから俺たちのことを追いかけてきていたのか。 なんだ、よかった。 実は、少し警戒しちゃってたんだよ。」

「ごめんなさい……。」

「あ、いやいや、謝らなくていいんだ。 むしろ、早とちりしたのは俺だし。」

 この子は、沖月の中等部の学生なのかな?だとすれば、高等部在籍である俺に話しかけるのは、どうしても勇気がいることだろう。そこは仕方ないところだと思う。いやホント、疑ったりしてごめんなさい。

「所属と名前だけ聞いてもいい?」

「あ、はい。 えっと、高等部1年の星永(ほしなが) (ひびき)です。 そ、その、よろしくお願いします。」

 ん?今、高等部って言ったか?マジか……。にしては大分小柄なような……、と思ったが、よく見ると彼方や小雪と大した差はない。

「星永さんね。 改めて、高等部2年の神奈和レンです。 よろしく。」

「えっと、同じく高等部2年の小瀬戸小雪って言います。 よろしくね。」

 一応、俺たちも自己紹介はしておく。俺のことは知っていたみたいだけど、まぁ念のためってやつだよ。

「よ、よろしくお願いします。 えっと、そちらの方は……?」

「あ、ワタシ? 今度転入する黒咲彼方です。 学年は二人と同じだよ。」

「あれ? 人見知り激しいとか言っていた割には、結構普通に自己紹介したね。」

「ま、まぁね。 とにかく、よろしくね。」

「は、はい。 それでその……、こ、今度お時間があるときで構いませんので……、わ、私に能力の扱い方をご教授いただけないでしょうか。」

 真剣な瞳で俺を見つめてくる目の前の少女、星永さん。

 ま、まいったなぁ。こんなに期待されてしまっても、その期待に答えられるような指導が俺にできるだろうか?

 でも、星永さんの期待を裏切りたくないという気持ちもある。

「ちなみに、どうして能力の扱いを上達させたいのか、聞いてもいいか?」

「わ、私、能力をほとんど使えないんです。 高等部からこの学校に来たんですけど、周りの人よりもずっと遅れてて、そのせいで役立たずって思われちゃったみたいで……。 実習の時間とかも、みんなあんまり私に練習の機会をくれなかったりするんです……。」

 つまり、いじめられている、ということか。自分が練習する機会がない。だから上達しない。そして、上達しないから、さらに爪弾きにされてしまう。そして、練習の機会がまた奪われる。ただの無限ループじゃないか、そんなの。

「もちろん、私に声をかけてくれる子たちもいるんです。 でも、多数派には太刀打ちできなくて……。 これじゃあ、気を使ってくれるみんなにも申し訳なくて……。」

「普通そういうの、中等部時代までなんだけどなぁ。」

「うーん、まだ中等部の時の感覚が抜けきっていないって感じだね。 子供感覚がまだ残っているのかぁ。」

「むしろ、高等部ともなると、クラス……というか、学生同士の結束力って結構高くなるんだけどね。」

 やっていることとしては、小学生の弱い者いじめと同じである。高等部にもなって、まだ未熟なままとは、流石に頭を抱えたくなる。

「それに私、学校の近くにアパート借りて生活してるので、どうしても自己鍛錬ができないんです。 だから、そろそろ寮生活も視野に入れたいんですけど……。」

「どの寮を希望すればいいかもわからないもんな。 オッケー、そういうことなら喜んで協力させてもらうよ。」

 こんなことを気化されてしまっては、動くしかないだろう。まだ子供感覚の抜けきっていない後輩たちに、少しお灸をすえてやろうじゃないか。

「い、いいんですか? 貴重なお時間をいただいてしまっても……。」

「大丈夫。 そんなに時間には困っていないから。 どこまでできるかはわからないけど、できる限りのことはしてみるよ。」

「あ、ありがとうございます! よろしくお願いします!」

「うん。 俺たち、西棟7番寮に住んでるから、いつでも来てくれ。 あ、何なら今からくる?」

「い、いいんですか? で、でもいきなりは流石にご迷惑なのでは……?」

「そんなことないって。 それに、ちょうど午後から練習やろうって話になってたからさ。 あれだったら、こっちおいでよ。」

 いいタイミングだ。せっかくだから、今日から星永さんを指導するのもいいだろう。早いに越したことはない。

「皆さんご一緒に特訓をされてるんですか?」

「実はね、わたしたち対抗戦のチームメイトなの。 今日から特訓しようってことになっててね。 だから、星永さんも一緒にどうかなって思ってね。」

 小雪が補足した。なんか、小雪がさっきから補足ばかりしているような?

「そ、そうだったんですね。 私がいても大丈夫なんですか?」

「平気だよ。 それにね、ワタシも能力使ったことないから、全然使えないんだよね。 だから、一緒に頑張ろう?」

 彼方がファイティングポーズをとって、星永さんに満面の笑みを浮かべる。星永さんも、そんな彼方の笑顔に顔をほころばせる。

「そ、そういうことなら、喜んでお邪魔させていただきます。 えっと、どのくらいにお伺いすればいいですか?」

「そうだな、2時くらい?」

「あ、はい。 わかりました。 あ、あの、連絡先、交換していただいてもよろしいでしょうか?」

 そう言って、おずおずと自分のスマホを取り出してこちらに差し出してくる星永さん。俺は軽く頷いて、ズボンのポケットから自分のスマホを取り出す。

「あ、わたしもいいかな?」

「も、もちろんです。 嬉しいです。」

「あ、ワタシも……、と思ったけど、まだスマホ買ったばっかで、設定とか全然できてないから、またあとでワタシとも交換してもらってもいいかな?」

「はい。」

 そんなやり取りをしつつ、俺たちはIDを交換し合う。よし、これで俺の友達登録数がまた増えた。ほくほく顔でスマホを閉じる。と、ほぼ同時だっただろうか。どこかから銃声が聞こえた。しかも近い……。

「危ないっ!!」

 狙いは俺たちだったか。俺は反射的に射線上にいた星永さんを突き飛ばす。少し手荒になってしまったが、緊急事態だ。許してほしい。

 三人とも、銃弾が通過したのを見て顔を青ざめさせている。

「くそっ、いきなり何なんだ……?」

 早くこの場から逃げるべきだろうか……。だが、今の銃弾、何かおかしいように思った。どうも、誰か一人を狙っているようには見えなかったのである。言い方を変えれば、当たれば誰でも構わない、みたいな。

 もし、無差別にリージェリストを襲うなら、ここで見過ごしてしまうのも危険なように思う。人の多い商店街で事件が起きようものなら、たまったもんじゃない。

 だから俺は、周囲の気配に意識を研ぎ澄ます。すると、周囲に人の気配が3~4人程度伺えた。大人数だったらヤバかったが、これくらいならどうにかなりそうだ。

 ドパンと再び銃声が響く。しかも、今回は一発だけでなく何発も放ってきやがった。俺は能力を発動させて、その全てを打ち落とす。

「ガーネット・スパイラル! 何のつもりだ? さっさと出て来いよ! どうせ、遠距離からの狙撃じゃ俺には通用しないんだからよ!」

 俺は挑発的にそう言った。喧嘩慣れはしていないので、これが挑発になっているかはわからないけどな。

「チッ、リージェリストのガキが……。」

 おっ、うまく釣れたみたいだな。物陰から男が一人顔を覗かせた。その口ぶりからするに、恐らくオーディナルだろう。

「どうやってこの島に侵入したかは知らんが、いきなり銃撃とはなかなか面白いご挨拶じゃないか。 本来、初対面の人間と話すときはまず自己紹介からするものだって、親から学ばなかったのか?」

「黙れっ!」

「だから、俺には無駄だって言っただろ? テレポーテーション!」

 俺は手を前にかざす。すると、目の前の空間が歪み、飛んできた銃弾がその歪みに吸い込まれるようにして消えた。テレポート能力の応用版だ。自分以外の対象を自在に移動させることができる。

 俺はもう片方の手を別の方向へ伸ばし、また空間を歪ませる。すると、先ほど消した銃弾がその歪みから飛び出し、俺が腕を伸ばした方向へと飛んでいく。そのすぐあと、先ほどの男とは違う男の悲鳴が聞こえた。どうやら、うまくいったみたいだ。

「なっ、貴様……、今何を……!?」

「手品をしただけさ。 種も仕掛けもない、リージェリストオリジナルの手品をな。 ほら、アンタのお仲間さんは驚きと感動で感嘆の声を上げてくれたみたいだぞ?」

 俺は、男の後ろ側を指さす。大腿部に銃弾を食らってしまい直立状態を維持できなかったのか、その場に倒れこんでうめき声をあげている。物陰に隠れているからと油断していたのが仇となったな。

「き、貴様っ!! ふざけやがって!! お前ら、早くあのガキを仕留めろ!」

 すると、またも銃声が連続で鳴り響く。だが、それは今の俺にとっては、隠れている残りの奴らの場所を特定する絶好のチャンスともいえるものだった。俺は先ほど同様、テレポート能力で銃弾を全て跳ね返す。流石に、先ほどと同じ行動は相手への威嚇にしかならないが、それで十分だ。

「小雪っ、目くらましの魔法とか使えるか?」

「え、あっ、うん! ブラックドーム!」

「なっ、視界が……!?」

 なるほど、視界を暗転させる魔法科。

「詠唱時間がなかったからあんまり長くはもたないけど……。」

「いや、充分だ。 ありがとな。 テレポーテーション!」

 俺はそれだけ言い残すと、テレポート能力で先ほど特定した隠れている男の仲間のもとへと飛ぶ。そして、視界が安定していないうちに気絶させ無力化する。それを2回繰り返し、あとはリーダー格と思しき男の背後に陣取る。

「くっ、面倒な能力を使いやがって……。 って、さっきのガキはどこだ!? い、いや、今のうちにそこのメスガキどもを……」

「させないぜ? じゃあの。」

 俺は思い切り蹴り飛ばす。そして、手にしていたライフルを奪い取る。これで殲滅完了だ。気配を確認しても、他に潜伏している輩はいないみたいだ。ひとまず安心だ。

「三人とも、怪我はないか?」

「あ、うん。 特に怪我はないよ。」

「ワタシも大丈夫。 け、けど……、レンくんは……?」

 彼方と小雪が心配そうな面持ちで俺の顔を覗き込んでくる。

「俺か? 俺は特に問題ないよ。 あの程度ならどうにでもなるし。 星永さんも、大丈夫だった? ごめんな、いきなりのことだったから突き飛ばしちゃったけど、怪我はないか?」

「は、はい。 大丈夫です。 ありがとうございました……。」

「もう、今回はどうにかなったからよかったけど、あんまり無茶しないでよね……。 もしレンくんが怪我とかしちゃったら、わたし……。」

「そうだよ、あんまり心配させないでよね……。」

「悪い悪い。 今後は気を付ける。 さてと……」

 俺は未だ倒れ伏している男たちに視線を戻す。身動きが取れないように拘束したいんだが、都合よくロープを持っているわけでもない。それならばと、俺は無遠慮に男たちの服のポケットをあさる。もしかしたら、何かいいものを持っていたりするかもしれないからな。が、どうやらリーダー格の男はこれと言ってめぼしいアイテムは所持していなかったようだ。なんだよ、畜生が。期待させやがって。

 それから、残りの男たちのポケットの仲も物色する。と、始めに気絶させた男のズボンのポケットにそれらしきロープを発見。やっぱり持っていたな。恐らく、こいつらの目的はリージェリストを捕獲して新たな奴隷として売りはたくとか、そんな魂胆だったのだろう。そういう奴には、俺は容赦しない。

「これで、こいつらを縛っておこう。」

 俺は手早く、そこかしこに散らばっていた男たちを一箇所にまとめ、そいつらからぶん取ったロープで拘束する。

 それから、小河原さんの連絡先に電話をかける。コールは短かった。

「もしもし、小河原だ。」

「あ、神奈和です。 昼時にすみません。」

「おお、レンか。 どうかしたのか?」

 俺は、先ほど襲われかけたことを説明し、その連中の処理と、島中に残党が転覆している可能性があることを伝え、警戒を促す。

「わかった。 んで、そいつらはお前が撃退したのか?」

「ええ。 4人しかいなかったので、そこまでてこずりはしませんでした。 緊急事態だったものでこちらで勝手に処理してしまいました。」

「無事なら何よりだ。 そいつらは今、話をできる状態か?」

「いえ、それはまだ難しいかと。 もう少ししたら目を覚ますと思います。」

 俺は、男たちにチラリと視線を向けてから、小河原さんの疑問に答えた。まぁ、話ができたとしても、こちらの話を聞いてくれるかはまた別の話だがな。

「そうか。 一度、本部にそいつらを送ってくれないか?」

「あ、わかりました。 では、今すぐそちらに向かいます。」

「よろしく頼む。」

 通話を終了し、俺は男たちに近づく。

「三人とも、今から俺、RSO本部に出向いてくる……んだけど、君らを残すのも心配だな。 ついてきてもらってもいいか?」

「え、あ、うん。 わかった。」

「確かに、その方がいいかもね。」

「わ、わかりました。」

 俺は、三人と気絶した男どもを連れて、RSO本部前に飛んだ。

 すると、本部前にはすでに数人のRSO職員が待機してくれていた。恐らく、全員治安部隊の方々だろう。

「彼らが、例の襲撃者ですか?」

「ええ。 あとは引き渡しても?」

「問題ありません。 お怪我はされていませんか?」

「大丈夫です。 ご心配ありがとうございます。」

 俺はそのうちの一人とやり取りし、男どもを彼らに引き渡す。治安部隊所属の方々は、どの人も厳つい見た目をしているが、結構離しやすい人たちだったりする。

「では、俺たちはここで。 あとはお願いします。」

「わかりました。 お疲れ様です、神奈和君。」

 というわけで、俺たちはテレポートでその場を去る。面倒だったので、そのまま西7寮まで飛ぶことにした。いろいろと不安だから、星永さんもそのまま連れて行こう。

「よっと。 星永さん、ちょっと心配だからひとまず西7にいてもらってもいいか?」

「あ、はい。 その、ありがとうございます。」

 ペコリとお辞儀をする星永さん。

 帰りは、俺が送っていくことにしよう。それなら、多少は安全だと思う。

「ふえぇ、びっくりしたよぉ……。」

 へなへなと腰を抜かす彼方。まぁ、あれは正直驚くわな。元をたどれば俺の勘違いが引き起こしてしまったトラブルなので、罪悪感が尋常じゃない。

「こ、怖かった……です……。」

「ごめんな、三人とも。 俺があの道に入ろうとしなければ、君らを巻き込まずに済んだかもしれないのに。

「え、そ、そんな、神奈和せんぱいが謝ることなんてないんですよ? む、むしろ、変な勘違いをさせてしまった私の責任ですし……。」

「星永さんの方こそ、そんな責任感じる必要ないって。」

「ま、まぁ、みんな無事だったんだしよかったよ。」

 その場にへたり込みながら、彼方が微笑む。まぁ、その通りか。何事もなく戻ってこれただけでも良しとしよう。

「って、小雪? いつまで俺の背中に寄りかかってるんだ?」

「ご、ごめん……。 安心したら、力が抜けちゃって……。」

 そんな小雪は涙声だった。

「うぅ、ホント無事でよかったよぉ……。」

「ごめんな、怖い思いをさせちまって。」

「ホントだよ……。 レンくんにもし何か起きたらッて思うと……、すごく怖かった……。 もうあんなことしないで……。 わたし、レンくんがいなくなっちゃいやだよ……。 ひっく……。」

「うん、ホントごめん。」

 俺はそれしか言葉が出てこなかった。

 そして、小雪が落ち着くまで、俺はたたずんでいた。一人で突っ走りすぎたかな。俺的には、大分安全第一で行動していたつもりだったけど、小雪には危なっかしく映っていたのかな。

 とにかく、申し訳ないことをした。

 

「落ち着いた?」

「う、うん。 ごめんね、泣いちゃって。」

「いや、大丈夫。 改めて、心配かけてごめん。」

「もういいよ。 だから、そんなに謝らないで。」

「だね。 それに、なんだかんだでレンくんヒーローみたいでカッコ良かったよ。」

 彼方のその言葉に、俺は気恥ずかしくなってしまう。カッコいいとか、俺には似合わなすぎるな。

「ほらほら、早く中入ろ。 ワタシ、お腹すいちゃったよ。」

「そうだね。 じゃあみんな、わたしのところにおいでよ。 今からお昼作ってみんなに振舞っちゃうよ。」

「いいの? やったね!」

「す、すみません。 何かお手伝いします。」

「いいのいいの、気にしないで。」

「そういうことなら、お言葉に甘えさせてもらおうかな。」

 というわけで、一件落着……と言えるかはわからないけど、ひとまず安全を確保することができた俺たちは、小雪の昼食をごちそうになるべく、連れ立って小雪の部屋にお邪魔させていただくこととなった。


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