バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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ソウルコア無き少年篇
1コア「龍の宿るカード」


ここは幾億もの人々が住まうとある世界。そこには現実離れした広大なファタジーの景色が無限に広がっている。

 

舞台となるのはその世界の1つの国。その国の人間達は……

 

…最上位且つ最も高貴な存在である『エックス』…

…バトスピ貴族と呼ばれる『マスター』…

…所謂平民である『レア』…

…そして、最も貧しく、身分も低い『コモン』の4つの身分に分けられていた…

 

そんなファンタジーの世界でも当たり前のように存在し、誰もが息をするように行うカードゲームがあった………

 

その名は『バトルスピリッツ』

 

この世界ではバトルスピリッツこそが至高であり、バトルスピリッツの優劣こそが絶対である……

 

 

そして、この国で最も強いカードバトラーを人々は

頂点王(ちょうてんおう)』と呼んだ。

 

 

 

これは何も無かった1人の少年の証明の物語。

 

 

 

 

 

 

******

 

 

 

 

 

 

 

「もう諦めろアスラ。このバトルもオマエの負けだ」

「いや、まだだ。まだだロン!!オレは諦めてねぇぞ!!」

 

 

広大な土地を有する国の端に存在する小さな村。

 

名を『スーミ村』と言う。そこには主に最も身分の低い『コモン』の人間達が住み着いている。

 

そんなスーミ村の大通りに人集りが出来上がっており、その中心では2人の少年がバトルスピリッツを行なっていた。

 

1人は『ロン』と呼ばれている黒髪でやや癖毛のある背の高い少年。

 

もう1人は『アスラ』と呼ばれている灰色のツンツン頭の小柄な少年。

 

バトルの状況は圧倒的にロンが優勢であり、アスラは断崖絶壁の窮地に立たされていた。

 

 

「諦めていないんだったら、この状況をどうにかしてみせるんだな………オレは仮面ライダーナイトを召喚!!」

「!!」

 

 

ー【仮面ライダーナイト】LV3(4S)BP6000

 

 

 

ロンがバトル用の端末、Bパッドにカードをセットし、黒い人型、そして剣を持つスピリットを召喚する。そのカードは世にも珍しいスピリットカード………

 

『ライダースピリット』……

 

この世界ではごく僅かな選ばれた人間にしか使う事が出来ないと言われているたいへん稀少価値の高いカードである。

 

このロンは最も身分の低い『コモン』で『捨て子』の身でありながら、そのカードを生まれつき持っていた。それがこの『ナイト』のカードなのだ。

 

 

「アタックステップ!!ナイトで攻撃する!!」

 

 

アタックステップに入り、ロンはナイトでアタックを仕掛ける。ナイトは剣を構え、アスラの最後のライフを破壊すべく走り出した。

 

 

「……さぁ来いナイトォォォォオ!!このオレが遂に限界点を超えてソウルコアを得る時が来たのだぁぁあ!!」

 

 

だが、アスラは明らかにピンチなはずなのに堂々と胸を張り、寧ろここからだと言わんばかりな声を上げる。

 

アスラの言う『ソウルコア』とは、バトルスピリッツと言うカードゲームにおいて、必需品のようなもの。強力な効果を使用したり、スピリットをさらなる姿に昇華させたりとその用途は幅広い。

 

バトルをする際は子供だろうが女性だろうが、誰もが息を吸うように生み出し、使用する事ができる。

 

 

 

しかし、世界でただ1人、このアスラだけは………

 

 

 

「でねぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

〈ライフ1➡︎0〉アスラ

 

 

 

アスラのBパッド上には結局ソウルコアは現れず……

 

ナイトがそのままその剣から繰り出される強烈な刺突でアスラの前方に展開されるライフバリアを貫いた。

 

これでアスラのライフはゼロ。勝者はロンだ。その勝利を祝うかのように周りの人々も歓声を上げる。

 

 

「今のオマエじゃオレには勝てんな、アスラ!!」

「……きょ、今日こそはソウルコアが出ると思ったんだ……」

 

 

この世界において、ソウルコアを出す事など、身分に関係なくどんな人間でも生成できる。だが、このアスラだけはどんなに歯を食いしばり、力を入れても、そのソウルコアを出す事が出来なかった。

 

このバトルスピリッツが全ての世界において、ソウルコアが出せないという事は余りにも致命的である。普通に考えればアスラはこの世界で最も弱いカードバトラーだと言っても刺し違えなくて………

 

 

「だけどまだだ!!まだだロン!!オレは諦めねぇぞ!!この世界で最強の『頂点王』になるまではな!!」

 

 

ロンとのバトルに敗北しても、すぐに立ち上がり、己の野望を口にするアスラだったが………

 

 

「お前にできるわけないだろ!!」

「ソウルコアも出せないくせに!!」

「チビだし!!」

「チビは関係ねぇだろぉぉぉぉ!!」

 

 

さっきまでのバトルを見ていた人々から野次が飛んできた。

 

アスラの言う、『頂点王』とはこの国の最強のカードバトラーの事。

 

この国を代表する『6人のカラーリーダー』と呼ばれる者達全員とバトルをして勝利を収め、その後、怪物じみた強さを持つ『三王(さんおう)』と呼ばれる3人のバトラーに勝ち、そこでようやくこの国最強のカードバトラー『頂点王』とバトルを行う事が可能となる。最後にそれに勝つ事が出来れば晴れて新しい『頂点王』となる事ができるのだ。

 

しかし、カラーリーダーは兎も角、三王に勝てるバトラーは長いこの国の歴史の中でも、現在の『頂点王』のみであり、普通のバトラーでは先ず太刀打ちできない。

 

とてもではないがソウルコアを使えないアスラには夢のまた夢とも言える目標であって………

 

それに、この国には身分が4つ分かれて存在する。アスラとロンはその中でも最も格下で貧しい『コモン』だ。コモン出身のバトラーが上の世界で生きていけた例は限りなく少ない。

 

 

「でも、アスラじゃなくてロンならカラーリーダーにも勝てるかもな!!」

「そうそう!!ライダースピリットに選ばれてるし!!」

「イケメンで背も高いし!!」

「だから背は関係ないだろぉぉ!!」

 

 

そんな中でもこのロンだけは向けられる眼差しが違った。世にも珍しい『ライダースピリット』を所有しているからである。上の者達から差別のあるコモンの人間の中ではまさしく希望の星とも言える存在だったのだ。

 

 

「オレもそのうちライダースピリットに選ばれていつか必ず追いつくからなロン!!」

「あり得ん。オマエは先ずソウルコアを出せるようにしろ」

「なにぃ!?順番なんてどうでもいいじゃねぇか!!オマエはオレのライバルだ!!オマエに選ばれてオレが選ばれないなんて事はねぇ!!」

「おいアスラ!!お前がロンのライバルになれるわけないだろ!?」

「いい加減身の程を知れって!!」

 

 

周りから次々とアスラを非難する声が聞こえてくる。村の者は当然ながら全員同じコモンなのだが、その中でもソウルコアが使えないアスラは同じ身分の者達からも蔑まれている。

 

 

「むむ、今に見てろよぉぉ!!オレは諦めん!!今日も特訓じゃぁぁぁい!!」

「………」

 

 

アスラはうるさくて暑苦しい声を上げながらそのまま何処かへと走り去ってしまう。周りの人々は呆れながらその様子を見届けた。

 

そんな中、ロンはアスラの行く宛に思う節でもあるのか、Bパッドをしまいながらもその表情をやや暗くしており………

 

 

「クックック………まさかこんな貧相なコモンの村に『ライダースピリット』を持つ奴がいるなんてな〜〜……面白い事になって来た」

 

 

人集りの中、1人の男性が怪しげな言葉を並べている事など、誰も知る由もなかった………

 

 

ー…

 

 

「んーーーやっぱ勝ち筋はこれしかないし、このカードは抜けないよな………じゃあこのカードはどうだ?………いや〜〜そうしたら手札がすぐ無くなるぞ」

 

 

村から少し外れた森の中、アスラは地べたの上で自分のデッキを広げながらその内容を改良中であった。

 

アスラはソウルコアが出せない不思議な体質の持ち主であったが、人一倍努力家であり、毎日のようにこっそりと特訓と称してデッキを組んでいた。

 

その研鑽の日々がいつか身を結ぶと信じて………

 

 

「………オレにもロンのナイトみたいなライダースピリットがあればなんか変われるのかな……」

 

 

ふと、自分のなんの変哲も無いカードを目に移しながらそんな独り言を呟いたアスラ。

 

ロンはずっと一緒だった。同じ捨て子で同じ歳で同じ村で15年も一緒に過ごして来た幼馴染だ。

 

しかし、アスラにはバトルスピリッツの才に恵まれていないというロンとは決定的な違いがある。『同じ人物にバトルを教わったにもかかわらず』にだ。

 

ロンが羨ましいとは思う。だが、才能がないのはしょうがない。そんな自分は血の滲むような努力で強くなるしか無い。そんな事は物心ついた時から知っている。

 

知っているのだ…………

 

 

「うぉぉお!!なんかしんみりしてたぁぁあ!!ライダースピリットがどうのこうのと言ってる場合じゃねぇ!!後半年でオレたちは『カラーリーダー』にバトルを挑まないといけないんだ!!そのためにも先ずはロンの言う通りソウルコアをダァァァァァス!!」

 

 

急に吹っ切れたアスラがBパッドを展開し、そこにデッキをセット。速攻でバトルの準備をして普通のコアと一緒に『ソウルコア』を生成しようとするが………

 

 

「いや、でねぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

やっぱりソウルコアは出ない。その代わりリザーブには普通のコアが4つ生成されており………

 

彼はもう何年も何年もソウルコアを出そうと励み、鍛錬と努力を積み重ねて来たが、それは一向に報われる事はなかった………

 

単純にセンスが無いのか、はたまた別に理由があるのか………

 

 

「クッソォォォ!!!ならば今のうちに肉体を仕上げてやるぜぇぇぇぇえ!!!」

 

 

それでも曲げないアスラは、全力で腹筋トレーニングを始めるた。

 

 

 

ー…

 

 

 

「…………」

 

 

ここはスーミ村の人気の少ない路地裏。もうすぐ夜に差しかかろうとしているため、サンセットから放たれる橙色の光が眩しい。そんな空間の中、ロンはただ1人、アスラと同様に自身のデッキを改良していた。

 

アスラは『頂点王になる』と言っていたが、その夢はロンも同じ事、アスラには負けてられない。そう思い、日々の鍛錬を欠かさなかった。

 

いくら自分がライダースピリットのナイトを『生まれた時から所有』しているとはいえ、それだけで勝ち上がれるほど上の世界は甘く無いと知っているからである。

 

また、それは自身とアスラにバトルを教えた師の言葉でもある。

 

 

………アスラとロンが頂点王になりたいと願うのはそんな師とのある約束が理由であって………

 

 

……今頃、彼女はどこで何をしているのやら……

 

そんな事をロンが考えていた矢先だ………

 

 

「クックック、探したぜ〜〜ライダースピリットのイケメン君」

「!!」

 

 

そんなロンに生温くて気味の悪い男の声が聞こえて来た。ロンがその方へと振り向くと、そこには長髪で額から右目にかけて大きな傷跡のある男が不気味で怪しげな雰囲気を感じさせながら立っていて………

 

 

「……誰だオマエは?」

「ククク、オレは『クサリ』……一昔前では『舞蛾(まいが)のクサリ』と、少しは名の売れた男よ…今ではしがない『盗賊』だがね〜〜」

 

 

『盗賊』

 

その言葉に少しだけ身構えるロン。物を盗むのを生業としている盗賊だ。自分に対してやってくる事はただ一つ………価値のある『ライダースピリット』の強奪だ。ロンは一瞬でそこまで推理したからこそ自身のBパッドを構えていて………

 

 

「まぁまぁそう気を張るなって、オレはただ君のライダースピリットのカードが欲しいだけさ。ライダースピリットは選ばれた所有者にしか使用できないが、コレクターにはとんでもない高値で取引ができるからな〜〜」

「………嫌だと言ったら?」

 

 

生まれた時から手に持っていた相棒であるナイトをあんな薄汚い盗賊に渡すわけもない。ロンは拒む姿勢を見せるが………

 

 

「じゃあ、力尽くで」

「!!」

 

 

クサリという盗賊の青年もBパッドを構える。すると、2人のバトルスピリッツが開始されたのか、途端に彼の背後から蛾のような巨大なスピリットが飛び出して来て………

 

 

ー…

 

 

「ふぃ〜〜疲れた〜〜結局今日もソウルコア出ませんでしたぁぁあ!!でも必ず出してやるぞ!!絶対ロンに追いつくんだ!!」

 

 

本格的に晩を迎えようとする夕方の時間帯。アスラが村に帰還して来た。やはり彼の夢に対する想いは強いのか、ソウルコアが出なくても諦めるそぶりすら見せていない。

 

 

「あ……そう言えば今日の夕飯何も考えてなかったな………かと言って今から魚を釣りに行くのもなぁ………」

 

 

彼が腹の虫を鳴らしながら呑気な事を考えているその時だった……

 

 

 

ードッゴーン!!!

 

 

「!?」

 

 

突如聞こえて来た鈍い音に、アスラは思わず身を構える。辺鄙(へんぴ)な村ではあまりない起きない事であるため、少々驚いているが……

 

 

「な、なになに!?隕石ですかい!?……路地裏の方だよな!?……ちょ、ちょっとだけ様子を見てこよ〜〜」

 

 

その音の正体を物珍しがって、興味本位で見に行くことにした。それが『ロン』と『クサリ』のライダースピリットを賭けたバトルによる物だとも知らずに………

 

 

ー…

 

 

「くっ……」

「ククク……ライダースピリットに選ばれているとは言っても、やはりまだまだ若いな。上の世界のバトルを君はまだ知らない」

 

 

一方でロンとクサリのバトル。状況は圧倒的にロンが不利だ。流石に少しは名の知れたと豪語するだけはある。彼の操る蛾のようなスピリットには今のロンでは全く歯が立たなかった。

 

 

「ほれ、終わりだ。君の伝説は始まらずして幕を下ろすのさ!!……さぁ、ライダースピリットを渡してもらおう!!…行け、守護神獣モスラ!!」

「!!」

 

 

モスラと呼ばれる蛾のようなスピリットがロンの最後のライフを破壊すべく翅を広げて飛翔した。実際、最早ロンに打つ手立てはなく………

 

万事休すか………

 

だが、そう考えが過った次の瞬間だ。ロンの耳に聞き慣れたうるさい声が聞こえて来て………

 

 

「ちょぉぉぉっと待ったぁぁあ!!」

「アスラ!?」

「あぁ?」

 

 

アスラが突然現れ、飛び出して来た。それを見るなり、クサリは自身の操るモスラと呼ばれるスピリットのアタックを一旦停止させた。

 

 

「ん〜〜〜?……オマエは確か、ソウルコアが出せない哀れな天然記念物……クックック」

「誰が哀れな天然記念物ダァァァァァ!!」

 

 

嘲笑いながらアスラを蔑称で呼称するクサリ。

 

 

「話は聞こえたぞ!!ライダースピリットはロンのモンだろ!!…勝手に奪おうとすんじゃねぇコノヤロー!!」

「クックック…そう言った歪んだ事が罷り通るのが外の世界だ………そこに行く前に果てるか?……小僧……!」

 

 

言い合いの中、クサリは完全にターゲットをロンからアスラに変えた。Bパッドをアスラの方に向け、改めてバトルを要求している。彼を文字通り果てさせるために………

 

 

「………逃げろアスラー!……今のオマエじゃ奴には勝てん!!」

 

 

クサリの様子を察したロンが珍しく声を張ってアスラに逃げるように仰ぐ。だが、アスラにとっては逃げる理由がない。大事な友を見捨てて逃げる事など、況してやこんな落ちぶれた奴なんかに背は向けられなくて………

 

 

「バッカヤロー!!…このオレが逃げるわけないだろぉぉぉぉぉ!!オレは『頂点王』になるんだからな!!」

 

 

そう言ってアスラも取り出したBパッドを展開し、バトル台を形成、クサリへと向ける。この世界において、その端末を合わせたという事はやる事はただ一つ………

 

……バトルスピリッツというカードバトルだ。

 

 

……ゲートオープン、界放!!

 

 

コールと共にバトルスピリッツが開始された。

 

先行はソウルコアを生成する事が出来ないアスラだ。

 

 

[ターン01]アスラ

 

 

「よっしゃメインステップぅぅ!!…オレは、シャムシーザーをLV2で召喚!!」

 

 

 

ー【シャムシーザー】LV2(3)BP3000

 

 

 

威勢の良いアスラが手始めに召喚したのは赤くて小さな身体を持ち、背には鋭利な棘を数本生やしているトカゲのようなスピリット、シャムシーザー。

 

 

「よぉぉし!…頑張れよ、シャムシーザー!!………このターンはこれでターンエンドだ!!」

手札:4

場:【シャムシーザー】LV2

バースト:【無】

 

 

そのターンをエンドとするアスラ。シャムシーザーはそんな彼の声に応えるように小さな雄叫びを上げた。

 

 

「全く、貧相で見窄(みすぼ)らしいスピリットだ。……見せてやるよ、オマエの知らない世界のバトルスピリッツをな!!」

「!」

 

 

次はクサリのターン。彼は間違いなく人間としての性格は破綻しているが、その気迫から、まだ外のバトルを知らないアスラでも確かに彼が強者であるのが伺えて………

 

 

[ターン02]クサリ

 

 

 

「メインステップ、守護神獣モスラを召喚!!」

 

 

 

ー【守護神獣モスラ】LV1(2S)BP3000

 

 

「っ……さっきの奴か!?」

 

 

クサリが場に呼び出したスピリットは巨大な蛾を姿をしたもの。緑を基準とした色鮮やかな翅を羽ばたかせ、アスラに小さくないプレッシャーをかける。

 

 

「アタックステップ!!守護神獣モスラでアタック!!…その効果でボイドからコアを1つこのスピリットに追加し、LVアップ!!……さらにソウルコアを置いている事により、BPをプラス3000!!」

 

 

 

ー【守護神獣モスラ】LV1➡︎2(2S➡︎3S)BP3000➡︎5000➡︎8000

 

 

 

アスラに飛びかかっていくモスラ。その間に自身の効果とソウルコアの力でBPを徐々に上昇させていく。

 

 

「ほらほら、ソウルコアのないお前にはできない芸当だろう?」

「何だとコノヤロー!!…その内できるようになるわァァァァ!!」

「クックック……本当にお前は惨めだね〜〜」

 

 

鼻息を荒くし、プンプンとした様子で怒るアスラ。だが、そのスピリットのアタックはBPの弱いシャムシーザーでブロックするわけには行かない。

 

 

「そいつはライフで受ける!!………ぐっ!」

 

 

 

〈ライフ5➡︎4〉アスラ

 

 

 

飛翔してくるモスラの頭突きがアスラのライフバリアを砕く。さらにそれに伴う重たい衝撃が彼の身体にのしかかった。

 

 

「クックック…ターンエンド〜〜」

手札:4

場:【守護神獣モスラ】LV2

バースト:【無】

 

 

「よっしゃぁい!!オレのタァァァアン!!」

 

 

できることを全て終え、そのターンをエンドとするクサリ。次はアスラのターン。勢い良くターンシークエンスを進行していく。

 

 

[ターン03]アスラ

 

 

「メインステップ!!シャムシーザーを追加で2体召喚する!!」

 

 

 

ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000

 

ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000

 

 

 

アスラの場にさらに2、3体目のシャムシーザーが現れる。

 

 

「クックック……コモンの人間は可哀想だね〜〜そんな弱小スピリットしか持ってないのか〜〜」

「んだとぉぉぉ!!人の使うカードをバカにするのが一番ダメなんだぞぉぉぉぉぉ!!」

 

 

この世界で身分が最も低く、貧しい『コモン』は使うカードも基本的に弱いものばかりである。故に、コモンのカードバトラーはこの世界で勝ち続ける事は不可能に等しいのである……

 

 

「…いや、知らん!!だからなに!?…それでもオレはこいつに勝つ男になってみせる!!……アタックステップ!!オマエの場のスピリットは疲労状態!!今がチャァァァンス!!……3体のシャムシーザーでアタック!!」

 

 

アスラが3体のシャムシーザーでアタックを仕掛ける。シャムシーザー達は地面を這って進んでいき………

 

 

「全てライフだ………っ」

 

 

 

〈ライフ5➡︎4➡︎3➡︎2〉クサリ

 

 

3体のシャムシーザーが次々とクサリのライフバリアに激突していき、それを破壊していく。そのライフ差を一気に広げた。

 

 

「よっしゃどうだ!!残りライフ2つ!!……ターンエンドだ!!」

手札:3

場:【シャムシーザー】LV2

【シャムシーザー】LV1

【シャムシーザー】LV1

バースト:【無】

 

 

アスラはそのターンを終える。

 

このバトル、スピリットの体数差、ライフ差から一見アスラが絶対的優勢に見える状況だが………

 

 

[ターン04]クサリ

 

 

「メインステップ……」

 

 

クサリのメインステップが開始される。

 

 

「クックック……オマエは馬鹿だなぁ!!」

「!?」

「今、自分がこのオレに勝てそうだと思っている!!……前のターン、オレがわざとオマエの攻撃を受けていた事も知らずになぁぁあ!!」

「なに!?」

「オレはマジックカード、モスラの羽化を発揮!!」

「!!」

 

 

そのカードを発揮させた途端。クサリの背後に巨大な繭が現れる。その繭から糸がはち切れていき……

 

中から彼の持つ最強のスピリットが呼び出される……

 

 

「ライフが2以下のとき、手札のモスラを召喚する!!………来ぉぉぉぉぉい!!鎧モスラァァァァア!!」

 

 

 

ー【鎧モスラ】LV2(3)BP15000

 

 

 

「で、デカ!!」

 

 

その繭の中から飛び出してきたのは全身を鎧のような外骨格で身を包む蛾のスピリット、鎧モスラ。そのサイズは守護神獣モスラよりも圧倒的に巨躯である。

 

クサリはモスラの羽化の効果でこの鎧モスラを呼ぶために前のターン、わざとアスラのアタックを全て受けたのだ。

 

 

「これが出たんだ。もうオマエは終わりだ!!アタックステップ、鎧モスラでアタック!!……このスピリットはダブルシンボル!!一度のアタックでライフを2つ破壊する!!」

 

 

巨大な翅を広げ、アスラのライフを破壊すべく飛翔する鎧モスラ。さらにこの瞬間、クサリは手札からカードを引き抜いて……

 

 

「さらにフラッシュマジック…モスラの歌!!……鎧モスラを回復させる!!」

 

 

 

ー【鎧モスラ】(疲労➡︎回復)

 

 

 

鎧モスラが瞬間的に緑の光を放ち、回復状態となり、このターン2度目のアタック権利を得た。

 

ダブルシンボルの2度のアタックは最大で4つのライフを破壊できる事になる。このアタックがフルで通れば残りライフ4のアスラは敗北となる。

 

 

「っ……ダブルシンボルはマズイ………フラッシュマジック…スクランブルブースター!!このバトル中、シャムシーザー1体を疲労ブロッカーにする!」

「!!」

 

 

アスラが引き抜いたマジックは疲労していて行動できないスピリットを緊急のブロッカーに仕立て上げる代物。

 

 

「シャムシーザーでブロック!!」

 

 

そんな緊急のブロッカーに抜擢されたシャムシーザー1体が鎧モスラに果敢に挑むものの、通り過ぎる風圧だけで吹き飛ばされて爆発してしまう。

 

 

「あぶねー!!サンキューなシャムシーザー……」

 

 

一先ずの危機は去り、犠牲になったシャムシーザーに感謝しつつ、安堵の表情を浮かべたアスラだったが………

 

 

「甘い、甘いんだよ〜〜出来損ない!!…鎧モスラはスピリットを破壊した時、ライフ1つを破壊する貫通効果を持つ!!」

「なに!?」

「そのままブチ抜けぇぇぇぇえ!」

「っ……!!」

 

 

 

〈ライフ4➡︎3〉アスラ

 

 

 

鎧モスラが巨大な翅を巧みに羽ばたかせ、突風をもたらす。その突風はアスラのライフ1つを砕いた。

 

 

「これでまだデッドラインだぜぇぇ!!鎧モスラ、2度目のアタックだ!!」

「くっ……フラッシュマジック、スクランブルブースター!!…シャムシーザーを疲労ブロッカーにして、ブロックする!!」

「あぁ?」

 

 

2度目の飛翔を行う鎧モスラ。その間、アスラは咄嗟に手札から2枚目のスクランブルブースターのカードを引き抜いて、再びシャムシーザーを疲労ブロッカーに仕立て上げる。

 

が、コスト1の貧弱なスピリットであるシャムシーザーが強力な鎧モスラに勝てるわけがない。鎧モスラの翅から繰り出される突風に吹き飛ばされ、一瞬で破壊されてしまう。

 

そしてその突風はまたアスラのライフをも砕いていき………

 

 

「ぐっ……!!」

 

 

 

〈ライフ3➡︎2〉アスラ

 

 

 

「まだ終わらねぇぞ!!守護神獣モスラでアタック!!…効果でコアを増やし、ソウルコアの力によりBPを8000にする!!」

「クソっ!!…ライフで……ぐっ、うぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

〈ライフ2➡︎1〉アスラ

 

 

 

最初に呼び出されたモスラも飛翔し、アスラのライフ1つを上空からの体当たりで粉々に粉砕する。アスラは余りの勢いに地面に叩き伏せられる。

 

 

「……辛うじてライフが残ったか、だがオマエにもう勝ち目はない………ターンエンドだ」

手札:2

場:【守護神獣モスラ】LV2

【鎧モスラ】LV2

バースト:【無】

 

 

「まだだ。オレはまだ諦めねぇ、次のターン、オレがスピリットを1体でも召喚できたら、2体のアタックで勝てる!!」

 

 

クサリがエンド宣言を行う矢先、地面に這い蹲りながらもそう強気な口調で物を言うアスラ。絶対的にピンチな状況でも未だに諦めてはいないが………

 

 

「いや、終わりだよ………オマエなんぞが相手になるわけないだろう?……オレの手札にはオマエの使ったスクランブルブースターのようにスピリットを疲労状態でのブロックを可能にするマジック、『光翼之太刀』がある!!」

「!?!」

 

 

クサリはアスラを滑稽だと言わんばかりに笑い出すと同時に、手札の白いカードをアスラに見せつけた。それは紛れもない勝ちへの確信。

 

ここに来てアスラはようやく絶望を覚えた。次のターンの自分の攻撃を凌がれたらもう終わりだとわかっていたからである。

 

 

(こ、これが……村の外のカードバトラー……)

 

 

コモンのオレが鍛えたくらいじゃ………

 

全く歯が立たねー………

 

 

身体はモスラ達の猛攻を受け、傷だらけ、心も圧倒的な実力差を見せつけられてボロボロ。アスラは既に限界を迎えていた…………

 

 

(オレは……こんな奴らに勝たないといけないのか…?………こんな奴らに勝たないと『頂点王』にはなれないのか…?………)

 

 

それと共にコモンという最も底辺の身分で、しかもソウルコアを出せない自分がどう足掻いても『頂点王』にはなれない事実を突きつけられたような気がして……立ち上がる事が出来なかった………

 

 

 

 

(はは……んだよ、それじゃ、ソウルコアも使えないオレなんかがいくらバトルの腕磨いたって、頑張ったって、『頂点王』にはなれねーのか………)

 

 

薄々気付いてた………オレはどんなに鍛えてもソウルコアは使えない。理屈は知らねーけど、きっとそういう体質なんだって………

 

だから今まで、バトルの才能がないことは知っていながらも、オレなりに努力を、鍛錬を積み重ねてきた。だけど、その程度じゃ全く通用しない、届きやしない…………外のカードバトラーには決して勝てない……

 

オレはこの世界において無価値で、身分の低いコモンだから……どう足掻いたってソウルコアが使えないから………

 

 

「惨めで哀れで仕方ないなァ〜〜……オマエはこの世界で何者にも成れない!!……きっとそこの『ライダースピリット』に選ばれた天才くんもオマエの事馬鹿にしてるんだろうぜ〜〜?」

 

 

そう………かもしれない………

 

ロンは生まれた時から『ライダースピリット』に選ばれるくらい凄い才能を秘めたカードバトラーだった。実際オレよりもずっと強い。

 

15年一緒にこの村で育ってきたけど、ひょっとしたらオレの事なんて目障りだと思ってるだけかも…………

 

 

「もう諦めな、生まれながらの負け犬くん……!!」

 

 

どんだけ努力しても届かねーこともある………

 

どんだけ努力してもなれねーものもある………

 

そう思えてきた………

 

そうだ。あの人との『約束』なんてどうでも良い………

 

………あぁ、もう“諦め”………

 

 

「諦めんじゃねぇ……!!」

「!?!」

 

 

アスラが心の奥底で本気で夢を、約束を諦めようとしたその時、ロンがそれを遮るかのように声を大きく張り上げた。

 

 

「諦めんなよアスラ!!オマエのあの人への想いはそんなものか……あの人は俺たちとの『約束』を守った!!……次は俺たちが!!あの人との『約束』を守る番なんだろ!!」

「……!!」

「だから勝て……立ち上がれ!!勝って証明しろ!!奴にオマエの強さを!!……オマエはオレの……ライバルなんだろ!?」

「……っ!!」

「…は?……何言っちゃってんのこいつ」

 

 

そうだ。

 

あの人は……

 

オレとロンにバトルスピリッツを………

 

生きる術を教えてくれたあの人は……

 

オレ達との『頂点王』になるという『約束』を守ってくれた………本当に『頂点王』になってくれた………

 

だから、

 

だから次はオレ達が………

 

オレ達が『頂点王になったあの人とバトルする』という約束を果たさないといけねーんだ!!

 

こんな奴に叩き伏せられてる場合じゃねぇぇぇぇぇえ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだだ……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

「まだオレは諦めねぇぇぇぇぇえ!!」

 

 

再び諦めない心をその身に宿したアスラが立ち上がる。クサリはそのアスラの全身から放たれる凄まじい気迫に思わず圧倒され、一瞬だけだが怯み、たじろいで………

 

 

「悪かったなロン……オレがどうかしてた………ちょっと待ってろ………直ぐに片をつける……!!」

「フッ……あぁ、張り合いのないライバルは御免だぞ」

 

 

アスラとロンがお互いの絆を確かめ合ったその直後だった。

 

あるカード束が赤い光を纏い、浮遊し、どこからともなく、アスラの元へ吸い込まれるかのように現れたのは…………

 

 

「こ、これは!?………ライダー……スピリット………!?」

 

 

思わぬ自体に目を丸くする3人。

 

その先頭のカードを目に移すアスラ。そして間も無く驚愕してしまう。

 

何せ、それは自分がソウルコアと同様に喉から手が出る程に欲していた『ライダースピリット』だったのだから……………

 

 

「ば、馬鹿な……まさか選ばれたのか、アイツが、あのソウルコアの無いクズが……ライダースピリットに…!?」

「ハハ……やっぱりなー……アスラがライダースピリットに選ばれないなんて……ありえん!!」

 

 

ロンがそう言うと、アスラはそのカード達に手を伸ばし、触れ合った。すると、そのカード達は溶け込むようにアスラのデッキの中へと吸い込まれていった。

 

そして…………

 

生まれながらにソウルコアが使えない傷だらけの少年の大反撃が幕を開ける…………

 

 

「オレのタァァァアン!!」

 

 

アスラは勢いよく自分のターンシークエンスを進行していき、その過程の中でデッキからカードをドローした。それは紛う事なきライダースピリットのカードであって…………

 

 

[ターン05]アスラ

 

 

 

「メインステップ……オレはコイツを召喚する……!!」

「!!」

 

 

『ライダースピリット』………

 

それは使い手をカード自ら選ぶと言う奇怪なスピリットの総称。それを得たものには絶対的な力が与えられると言われている。

 

そして大抵の場合、屈強な戦士のような姿をしている。

 

 

 

 

 

………が、必ずと言っていいほどに、『何か別の力を宿している』

 

 

 

 

 

……その力は『神』『悪魔』『怪物』などと幅広く存在し、ライダースピリットによってそれぞれ異なるが………

 

 

アスラを選んだライダースピリットに宿っていたのは…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………全てを焼き尽くす、赤き龍

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……仮面ライダー龍騎!!」

 

 

 

ー【仮面ライダー龍騎】LV2(2)BP4000

 

 

 

「っ……なんだ、なんなんだオマエは!?……なんなんだその『赤い龍』は!?」

 

 

アスラの対戦相手であるクサリはさっきまでの余裕を完全に無くしていた。何故なら、背筋が凍り、腰が引けてしまうほどに恐ろしいものを目に写していたからである。

 

それは赤い龍。細長い身体。強靭な爪、顎を持つであろう強大な龍。そしてその龍は空間が張りさけるのではないかと言うほどの強い咆哮を張り上げると、消滅し、その代わりなのか、アスラの場には赤いライダースピリットが1体現れていた…………

 

その名は『仮面ライダー龍騎』……今後、彼が相棒と呼称していくことになるスピリットだ。

 

 

「オレは諦めねぇ!!…召喚時効果!!…カードをオープンし、対象となるカードを加える!!………オレは『ストライクベント』を手札に!!」

 

 

アスラのデッキからカードがめくられていく。アスラはその中にあるマジックカードを加え、すぐさまそれを使用していく……

 

 

「アドベントカード…『ストライクベント』を発揮!!…BP8000以下のスピリット、守護神獣モスラを破壊!!」

「!!」

 

 

龍騎が腰にあるベルトに装着されているカード束から1枚引き抜き、それを左手の龍の頭部を象ったバイザーへと装填。

 

すると……

 

……『ストライクベント!』

 

という無機質な音声と共に、龍騎の右腕に赤い龍の頭部のようなものが取り付けられる。

 

龍騎はその右腕を守護神獣モスラへと向け、龍の口から爆炎を放つ。勢いよく放たれたそれは守護神獣モスラを瞬く間に包み込んで、焼き尽くした。

 

 

「ッ………オレのモスラを破壊しただと!?」

「さらに追加効果でカードをドロー!!……そしてネクサス、『ミラーワールド』をLV2で配置!!」

 

 

 

ー【ミラーワールド】LV2(2)

 

 

「!!」

 

 

アスラはさらにドローしたネクサスカードを即座に配置する。それを配置した途端、目の前に存在する全ての存在が鏡向きになる。

 

 

「なっ……す、全てのモノが……景色が反転している!?」

 

 

当然困惑するクサリだが、アスラはそんな事御構い無しに自分のターンをさらに進行していき………

 

 

「アタックステップ!!…龍騎でアタック!!」

 

 

アタックステップへと移行し、新たに召喚した龍騎でアタックを行うアスラ。狙うは当然残り2つのクサリのライフだが…………

 

 

「は?……馬鹿め!!やはりコモンだな!!オレの手札には白のマジック『光翼之太刀』があるのを忘れたかぁあ!!」

 

 

そう。

 

彼の手札にはスピリットを疲労ブロッカーとする力を持つ光翼之太刀が存在する。鎧モスラを対象にされれば一貫の終わりだ。

 

しかし、アスラはそんな強気な彼の言動など意にも介さず…………

 

 

「ミラーワールドの効果発揮!!」

「!?」

 

 

配置したネクサスカード、『ミラーワールド』の効果を発揮させる。

 

 

「龍騎がアタックした時、カードをオープン。それがアドベントカードの時、ノーコストで発揮する!!……カード、オープン!!」

 

 

再びオープンされるアスラのデッキ。その1枚のカードはアドベントカードの1種『ファイナルベント』と呼ばれるカード………

 

 

「よってこの『ファイナルベント』を発揮!!BP15000以下のスピリット1体を破壊する!!……鎧モスラを破壊だ!!」

「なにっ!?」

 

 

龍騎が今一度腰のベルトからカードを引き抜き、左腕にあるバイザーに装填。

 

 

ー『ファイナルベント!』

 

 

と、また無機質な音声が聞こえてくる。

 

龍騎の背後に再び赤い龍が身体を唸らせながら現れ、龍騎に力を与える。龍騎は高い跳躍力を活かして跳び上がり、宙を舞う。

 

そして、鎧モスラへと狙いを定め、直後に繰り出される赤い龍の口内から放たれる火炎弾と共にキックを放つ。これは鎧モスラの固い外骨格を砕いて、その炎で焼き尽くし、あっさりと撃破した。

 

 

「ば、馬鹿な!?……コモン如きがオレの鎧モスラを破壊しただとぉ!?」

「破壊だけじゃねぇぇ!!……ファイナルベントのさらなる効果!!…龍騎に赤のシンボル1つを追加する!!」

「っ!?」

「そのままブチ抜けぇぇぇぇえ!!」

 

 

炎の弾丸と化した龍騎のキックは、鎧モスラの撃破だけに留まらず、クサリのライフまでもを狙う。

 

 

「こ、この……ソウルコアの無いクズガァァァァァァァァアー!!!」

 

 

負けを悟り、ヤケになったのか、狂ったように叫び出すクサリ。しかし、現実はもう何をしても変わらない。

 

 

 

これは………この『龍騎』という赤いライダースピリットは…………

 

『ソウルコアを使えない』アスラだからこそ握る事の出来た………

 

………『ソウルコアが必要の無いライダースピリット』………

 

 

 

 

………終わりだ。

 

後に『ドラゴンライダーキック』と命名されることになるその一撃がクサリを襲う………

 

 

 

 

 

ソウルコアが無くてもオレは!!!!…………頂点王になるァァァァア!!!……最後まで諦めないのがオレのバトスピダァァァァァ!!!!

 

 

 

 

「ぐっ………ぐぁぁぁぁあ!!!」

 

 

〈ライフ2➡︎0〉クサリ

 

 

 

……ピー

 

 

腹の底から湧き出てくるアスラの雄叫びと共に、龍騎のキックがクサリの残ったライフを一気に蹴り壊す。余りの威力に、クサリは吹き飛ばされてしまい、付近のコンクリートの壁に身体がめり込んだ。

 

そんな彼のライフがゼロなった事により、アスラの勝利を告げるかのようにクサリのBパッドから無機質な音声が流れ始める。

 

 

「が………あ……」

 

 

クサリは気を失っているようであり、もう暫くは十分に身体を動かす事は出来ないだろう。

 

 

「ハァ……ハァ……」

 

 

凄まじくも激しいバトルにより、アスラは疲弊したのか、息を切らす。

 

 

「……いよっしゃぁ!!!…なんか知らんけどオレも『ライダースピリット』のカードをゲットだァァァァア!!!……神様、ありがとうぅぅぅう!!!!一生大事にしまぁぁぁぁす!!」

 

 

だが、そんな時間も束の間。アスラはすぐさま呼吸を整え、ライダースピリットを手に入れたという事実と喜びに歓喜する。

 

 

「アスラ……!!」

「!!」

 

 

ロンが薄い微笑みを浮かべながらアスラの元まで歩み寄る。

 

 

「大きな借りができちまったな………だが、いつか必ず返してやる……!」

「へへ、気にすんなってそんな事。オマエはオレのライバルで親友なんだからな!!」

 

 

いつもの何気ない言い合い。それもまたアスラがライダースピリットを手に入れたことによって意味合いも変わってきている事だろう。2人はよりライバルらしい顔つきになっていて…………

 

 

「だけどアスラ、『頂点王』になる事だけは譲れない。『あの人』に変わって『頂点王』になるのはこのオレだ!!」

「へっ…そいつはオレも譲れねぇ!!オレが『頂点王』になる!!………改めて勝負だロン!!どっちが先に『あの人に勝てるか』!!」

「あぁ、オマエに言われなくとも、オレはハナっから競い合ってきたつもりだ……!!」

 

 

2人はそう言いながら、最後にはお互いの拳を合わせる。

 

こうして、最大級のバトルスピリッツファンタジーが幕を開けた。

 

 

 

 

 




《キャラクタープロフィール》
【アスラ】
性別:男
年齢:15歳
身長:156cm
身分:コモン
使用デッキ:『仮面ライダー龍騎』
好きなモノ:シイナ
概要:チビでコモンで声がデカくてうるさくて、しかも生まれつきソウルコアが使えない謎体質だが、諦めない心とソウルコアが使えないからこそ握ることのできた龍騎のカードを武器に最強カードバトラーの称号『頂点王』を目指す。
見た目のイメージはブラッククローバーより『アスタ』設定も大方寄せた。
灰色のツンツン頭。吊り目で黒いパーカーに赤いインナー、すねまで伸びてる黒いズボンが主な容姿。


《用語設定》
【Bパッド】
この世界の誰もが持つタブレット端末のような形をしたもの。バトルをする際はこれを展開し、バトル台を形成、いつでもどこでも行える。通話もできる。バトスピ版デュエルディスク的な感じ。


******


最後までお読みくださり、ありがとうございました!!

アスラの名前のモチーフは、彼が最強になるという意味を込めて、最強のBPを持つ『ガイ・アスラ』からもじって命名しました。

タグや話の内容等、探りながらの投稿でしたが、やはり私は『ブラック・クローバー』が好き過ぎて1話に限ってはこんな感じになりましたね。段々と全く違う内容になりますので、ご了承ください。

もうすぐ完結するオバエヴォとは違い、この作品はあそこまで早くポンポン更新はできないと思います。
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