バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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16コア「白カラー戦!!VSメカゴジラ!!」

「うんめぇぇぇえ!!!」

「………アンタもっと上品に食べれないわけ?」

 

 

アスラとロンのサバイブ同士の激闘から数時間が経過した現在。

 

ユキカイ町にある旅館の広間にて食事をしていたアスラとエール、ムエ。

 

アスラは見たこともない豪華な品々に興奮し、横にいるエールが呆れる程に凄まじい勢いで貪り食っていた。

 

 

「いやマジでうめぇよ!!…こんなスゲェの食った事ねぇ!!」

「ふんっ…私が予約してあげたのよ、感謝なさい」

「おぉ!!あんがとなエールッ!!」

「ッ!?」

 

 

エールはいつもの上から目線でアスラに自分に感謝するよう要求するが、アスラは思いのほか素直に礼を言いながらエールの顔と距離を縮めた。その行為にエールは顔を赤くしてしまい………

 

 

「ち、近づくなこのバカスラァァァー!!!」

「なんでだァァァー!?」

 

 

反射的にアスラを突き飛ばすエール。彼女の気持ちを理解できていないアスラは疑問を抱きながら横に部屋まで飛んで行った………

 

 

******

 

 

ここは旅館にある広大な温泉。湯は源泉ではなく、単なるお湯だが、年中真冬のこのユキカイ町にとってはとても貴重な場所であるのは間違い無い。

 

そんな温泉の男湯にアスラはいた。因みに女湯にはエールとムエがいる。

 

 

「………はぁ〜〜……良い湯だな〜〜」

 

 

湯に肩まで浸かるなり、気持ち良さでそう言葉を漏らすアスラ。激闘を終えた後の温泉は確かに格別なものであったのだ。

 

しかも今この温泉は貸し切り。貧乏なアスラにとって、これほどまでに贅沢な時間は無かった。

 

 

「おぉ〜いエールゥゥゥー!!!…そっちはどうだぁ!?」

「どこにいてもうっさいわねアンタはァァァー!!……覗いたらぶっ殺すわよ!!」

「いや、覗かねぇよ!?」

「むえぇぇぇぇえ〜」⬅︎良い湯だな〜

「あっ!!ちょっとムエ!!…お湯に浸かる前に身体洗わなきゃ!!」

 

 

長い柵一つ跨いだ女湯にいるエールに声をかけるアスラ。別に覗く気なんてさらさらなかったが、返事の内容から、覗いたら殺される事は理解した。

 

そしてムエはどうやら湯溜まりに飛び込んだようである。珍しく如何にも犬らしい行為だ。

 

するとその時だ。「ゆっくり浸かるか」と思い至ったアスラの耳に聞き覚えのある声が聞こえてきたのは………

 

 

「なんだ覗かねーのか、面白くねーな小僧」

「ッ!!……テンドウさん!?…なんでここにいるんすか!?」

「あぁ?…いや、このおっさんがオマエに会いたいって言うんでな」

「よおスーミのアスラ」

「ゴゴのおっちゃんまで!?」

 

 

湯気で立ち込めていて見えなかったが、そこには三王のテンドウ・ヒロミと、ユキカイ町のカラーリーダー、ゴゴ・シラミネがいた。テンドウはアスラが女湯を覗かないのを少しだけ残念そうにしていた。

 

 

「小僧。男だったら命を懸けてでも女風呂を覗け」

「なんでそんな事に命を懸けなきゃいけねぇんすかァァァー!!?」

「テンドウ、オマエ相変わらずだのぉ」

 

 

堂々と意味不明な事をアスラに告げるテンドウ。ゴゴはテンドウとも面識があるかのような発言をして見せた。三王とカラーリーダーであるため、なんら不思議ではないのだが、アスラにとっては正直意外だった。

 

 

「てか、ゴゴのおっちゃん、オレに用があるんじゃないんすか??」

「うむ、そうじゃった………アスラ、オマエさんにワシの白のカラーカード、ホワイトカードを託そうと思ってな」

「あぁ、そうだったんすね〜…ご親切にありがとうございます…………」

 

 

ん?

 

白のカラーカードって事はアレだな。おっちゃんに勝った証………だよな…………

 

それを戦わずしてオレにくれると………

 

おっちゃんめっちゃ太っ腹じゃねぇか!!

 

 

「じゃねぇよ!!!……なんでおっちゃんとバトルもしてねぇのにカラーカードもらわないといけないんすかァァァー!!!」

「騒いだり大人しくなったり忙しい奴じゃの………ほれ、この間のオマエさんとロンのバトル。実は遠くで見物しとったんじゃが、今の実力ならさらに上の世界でも通じると考えての。無条件でカラーカードを渡そうと至ったのじゃ」

 

 

思わずノリツッコミをかましてしまうアスラ。

 

ゴゴは極力合理的に生活したい。

 

そのため、いずれ自分に挑みに来るであろうアスラ。彼が十分な力を所持していると見抜き、無条件でカラーカードを託そうと思い至り、テンドウに彼らが寝泊りしている宿を教えてもらい、今のこの時間がある。

 

 

「……つまり、負けるのがわかったから先にカラーカードを渡して時間を有意義に過ごすって事っすか?」

「ふむ。まぁ、平たく言えばな」

「だったらイヤだ!!……もらうならちゃんと挑んで、ちゃんと勝ってからもらいたい!!」

 

 

そうだ。

 

アスラにとって、そんな成り上がりで譲り受けたカラーカードなど要らないし、必要無い。仮にもらったとして、それで頂点王になれたとしても意味が無い。

 

ちゃんと、しっかりとゴゴに「勝った」と言う証のカラーカードが欲しいのだ。

 

 

「暇だって言うなら…今、この場でオレと戦ってくれ!!」

「!?」

「本気のアンタにちゃんと勝ちたい!!…勝たないとオレは頂点王にはなれねぇ!!」

 

 

自分の想いを全力でゴゴにぶつけるアスラ。この旅館の温泉の場でバトルを要求する。どちらにせよ明日や明後日にでも挑む予定だったカラー戦、今ここでバトルする方がアスラにとっては合理的であって………

 

 

「ワハハハハ!!!…貰えるモンは素直に貰っときゃ良いだろうに……やっぱオマエ面白れぇわ小僧」

 

 

アスラの行動と言動を見て聞くなり、テンドウは大きく笑い立てた。

 

 

「どうするよおっさん。この小僧本気よ?」

「むむ………まぁ、そこまで言うなら良かろう」

「っしゃぁあ!!…あざァァァす!!」

 

 

あまり乗り気では無いものの、アスラがここで引き下がる人間では無いとわかっているからか、バトルを承諾するゴゴ。アスラは勢い良く感謝のお辞儀を全力で行った。

 

その後、彼らは一度脱衣所まで赴き、服に着替え、デッキとBパッドを確保。そして再び温泉に向かい、湯溜まりを囲むようにBパッドを展開、設置する。

 

 

「極力無駄は省きたかったが、しょうがないのぉ……」

「行くぜ………」

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

テンドウが見守る中、本来ならば予約必須のユキカイ町のカラー戦。それがコールと共にある旅館の男湯にて開始される。

 

先行はゴゴだ。ライフ5を維持し続ける彼のターンが進行して行く。

 

 

[ターン01]ゴゴ

 

 

「メインステップ……先ずはバーストを伏せる……ネクサス、ジグザール鋼鉄草原を配置!!」

 

 

 

ー【ジグザール鋼鉄草原】LV1

 

 

 

場にバーストを伏せると同時に、ゴゴの背後に鋼鉄でできた草原が配置される。

 

 

「ターンエンドじゃ……さぁ、どっからでもかかってくるといい」

手札:3

場:【ジグザール鋼鉄草原】LV1

バースト:【有】

 

 

「ッ……行くぜ……!!」

 

 

いざこうして面と向かってバトルをしているとゴゴ・シラミネと言う人物がどれ程の深い実力を持つのかが本能的に理解できる。

 

アスラはその彼の迫力に思わずたじろぎかけるが、夢のため、力を振り絞り全力でターンを進める。

 

 

 

[ターン02]アスラ

 

 

 

「メインステップッ!!……来い、仮面ライダー龍騎!!」

 

 

 

ー【仮面ライダー龍騎】LV2(2)BP4000

 

 

 

瞬時にアスラの場へと姿を見せたのは彼を象徴する赤きライダースピリット、仮面ライダー龍騎。

 

 

「召喚時効果!!……カードをオープンし、オレはその中の対象となった2枚のカードを加える!!」

 

 

召喚だけでなく効果も成功。アスラは龍騎の効果で「ソードベント」と「龍騎サバイブ」のカードを新たに加えた。

 

 

「ふむ。赤きライダースピリット……テンドウがワシに挑んで来た事を思い出すの」

「えぇ!?…テンドウさんがゴゴのおっちゃんに!?」

「おいじいさん。要らん事喋んなよ」

 

 

ゴゴがアスラの赤きライダースピリットである龍騎を見て、昔テンドウが三王ではなく、挑戦者だった頃の時代を思い出していた。

 

 

「昔からセンスだけはズバ抜けておってな。2ターン目でライフ5を4にされた」

「2ターン目って……今のオレのターンと同じタイミングでって事っすかァァァー!!?…流石だぜテンドウさん!!」

「よせやい。照れるだろ?」

 

 

とか言われつつもテンドウは表情では全く照れていない。言われて当たり前みたいな顔を浮かべている。

 

 

「さぁ、オマエさんにそれくらいの力はあるかな?」

「大有りだぜ!!…バーストをセットしてアタックステップ!!……ブチ込め龍騎!!」

 

 

そこまで言われたら是が非でもこのターンでゴゴのライフを減らしたくなるアスラ。バーストを伏せると同時に龍騎で攻撃を仕掛ける。

 

ゴゴはこれを守る手立ては存在しなくて………

 

 

「ライフでもらおう!!」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉ゴゴ

 

 

ライフで受ける宣言を行った。龍騎が渾身の拳の一撃をそのライフにお見舞いし、それを1つ砕いて見せた。

 

 

「っしゃぁあ!!……なんだ、意外と呆気なかったな!!」

 

 

思いのほかあっさりライフを破壊できた事に喜ぶアスラだったが………

 

その束の間、ゴゴが事前に伏せていたバーストカードが勢い良く反転して見せた………

 

 

「ライフ減少によりバースト発動!!……エクスティンクションウォール!!」

「なに!?」

「この効果により減った分のライフを回復!!」

 

 

〈ライフ4➡︎5〉ゴゴ

 

 

やはり5を守る者の名は立てでは無いか、バースト効果により減らしたライフをすぐさま元通りにして見せた。

 

 

「ほっほ。単なる突撃じゃワシの5は覆せんぞ」

「くっ………ターンエンドだ……」

手札:6

場:【仮面ライダー龍騎】LV2

バースト:【有】

 

 

「ブワッハッハッハ!!!…残念だったな小僧!!まだまだオマエじゃ超えれんな!!」

「ぐっ!?……だけどいつか超えてみせまァァァーす!!!」

 

 

打つ手のなかったアスラは反射的にそのターンをエンドとするが、その光景を見たテンドウがアスラに指を刺して笑ってきた。

 

 

[ターン03]ゴゴ

 

 

「ドローステップ時、ジグザール鋼鉄草原の効果。ドローをする代わりに一時そのカードをオープン。それが系統「機獣」を持つカードの時コアを増やす」

「!!」

「オープンされたのはメカゴジラ[1993]のカード。よってコアを増やす」

 

 

ジグザール鋼鉄草原のLV1、2の効果がこのタイミングで炸裂。ゴゴはこの効果で事実上の二度目のコアステップを行ってみせた。

 

 

「メインステップ……鉄壁の布陣を整える…メカゴジラをLV2で召喚じゃ」

 

 

ー【メカゴジラ[1993]】LV2(2S)BP6000

 

 

「うぉぉお!!メカゴジラ出たァァァー!!…やっぱカッケェェェー!!」

「そうじゃろそうじゃろう!!」

 

 

ゴゴの場に現れたのは彼を象徴する機械龍、メカゴジラ。アスラはその雄々しい姿に男心をくすぐられる。

 

 

「まだ行くぞ、ブレイヴカード…ガルーダを召喚し、メカゴジラと合体!!」

「!!」

 

 

ー【メカゴジラ[1993]+ガルーダ】LV2(2S)BP10000

 

 

これはロンにも見せた合体。この行動がどれだけ強力な動きなのかをアスラは熟知している。

 

マッハで空を翔ける戦闘機がメカゴジラの背に装着され、合体状態となり、メカゴジラは翼を得た。

 

 

「さらにバーストをセット。行くぞ、アタックステップ……メカゴジラで攻撃」

 

 

ゴゴの指示を受け、メカゴジラがアスラの眼前まで迫る。この時、メカゴジラのスピリット効果により、アスラのスピリット1体が手札に戻せるが、今のアスラの場には手札デッキに戻らない龍騎がいるため、実質無効となった。

 

しかしそれでもアタックは続く、ブロッカーのいないアスラはこれを防ぐ手段は無くて………

 

 

「ライフだ!!……ッ!!」

 

 

〈ライフ5➡︎3〉アスラ

 

 

メカゴジラの鋼鉄の拳がアスラのライフを砕く。その余波、衝撃だけで温泉の湯溜まりが噴水のように飛沫を上げた。

 

だが、前のターンのゴゴ同様、ライフの減少こそがアスラのバーストの発動条件であって………

 

 

「ライフ減少によりバースト発動!!……アドベントドロー!!」

「!!」

「バースト効果の破壊はできねぇから意味無いけど、その後のメイン効果を使う……カードを2枚ドローだ!!」

 

 

勢い良く反転したバーストカードはマジック、アドベントドロー。ソウルコアの使えないアスラにとって煌臨スピリットを手札に加えるその効果を持つこのカードは一見そぐわないように見えるが、ドロー効果のある「ベント」と名の付くカードであるため、デッキに採用しているのだ。

 

 

 

******

 

 

一方その頃、隣の女湯にいるエールとムエ。

 

エールはタオル一枚を身体に羽織っており、ムエの身体を洗おうとしていた。

 

 

「ん?……何、今のデッカイ音………またアスラが何かバカやってるのかしら?」

「むえ〜……」⬅︎何やってんだろ……

 

 

メカゴジラの攻撃で発生した爆音が女湯まで届く。さっきからアスラの雄叫びも聞こえてくるのもあり、エールは彼が何か男湯で騒いでいるのだと推理していた。

 

 

「むええぇぇぇえ!!!」⬅︎アスラの元まで行って来ぃ!!!

 

 

アスラが何かやっている事を察していたのはムエも同じか、気になったのでそこへ向かおうとするが………

 

 

「ちょっとどこ行くのよムエ!!…まだ洗い終わってないわよ!?」

「むえ、むえぇぇえ!!!」⬅︎は、離せえぇぇぇえ!!!

 

 

しかしそれをエールが見逃さない。男湯に向かおうとするムエを捕まえて泡を擦り付ける。ムエの身体はたちまち泡だらけになり、綿菓子みたいな姿になった。

 

嫌がるムエ。しかし犬の悲痛な言葉はエールには通じなかった………

 

 

 

******

 

 

 

「ターンエンドじゃ……知ってるとは思うが、メカゴジラは疲労ブロッカー……何度でもオマエさんの攻撃を防ぐ」

手札:1

場:【メカゴジラ[1993]+ガルーダ】LV2

【ジグザール鋼鉄草原】LV1

バースト:【有】

 

 

「わかってますともォォォー!!!……絶対ソイツ倒してロンのヤツに近づいて見せまァァァす!!」

 

 

場面は戻る。

 

強固たる機械龍メカゴジラを前にして勝利宣言するアスラ。

 

言葉通り常に自分の先を行くロンに近づくため、そして頂点王になるため、目の前の強固たる壁にガムシャラに立ち向かって行く………

 

 

 

[ターン04]アスラ

 

 

「メインステップゥゥゥー!!!……ドラゴンヘッドと3体のシャムシーザーを連続召喚!!」

 

 

ー【ドラゴンヘッド】LV1(1)BP1000

ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000

ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000

ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000

 

 

龍の頭部と翼だけで活動を続けるドラゴンヘッド1体と、背に何本もの白きトゲを生やす赤きトカゲ、シャムシーザー3体がアスラの場に現れた。

 

 

「ほぉ、そんなに低コストスピリットを手札に抱え込んでいたか………しかし、幾ら束になってかかって来ようともメカゴジラの前では無意味!!」

 

 

アスラの場に存在する5体のスピリット達を眺めながら強気にそう言い放つゴゴ。

 

そうだ。幾ら数が多くてもメカゴジラのBPに勝つ事ができなければ意味は無い。

 

 

「無意味かどうかはオレが決める!!……行くぜ!!」

「!!」

 

 

アスラはそう言い返しながら、手札にあるカードをさらに引き抜いた。

 

そのカードは進化したての最強カードだ………

 

 

「召喚!!……仮面ライダー龍騎サバイブッッ!!」

 

 

アスラの場に2体目となる龍騎が現れ、ベルトにあるカードデッキからカードを1枚引き抜いた。さらにその体中から烈火の如く炎が吹き荒れる。

 

龍騎は左腕にあるバイザーを龍の頭部を象ったショットガンのような武器に変換させ、そのカードをそこに装填………

 

 

………『サバイブ!!』

 

 

と、無機質な音声が流れ出た瞬間、龍騎は瞬く間に強化形態である龍騎サバイブに昇華してみせた………

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ】LV1(1)BP7000

 

 

「………ふむ。強化形態……またしてもサバイブか」

「そうっす!!これがオレの龍騎の新たな力、サバイブだぁ!!」

 

 

アスラの最強スピリット、龍騎サバイブを見てもまだ余裕のある表情を見せるゴゴ。まだアスラの攻撃を凌げる算段でもあるのだろうか………

 

 

「ドラゴンヘッドとシャムシーザー1体を消滅させ、龍騎とサバイブをそれぞれLV2へアップ!!」

 

 

ドラゴンヘッドとシャムシーザーが消滅してしまうが、その代わりにアスラの龍騎達に力が与えられる。

 

そしてまだこんなものじゃないと言いたげな雰囲気を醸し出しながら、アスラは手札のカードをさらに引き抜いた。

 

 

「さらにマジック、ソードベント!!」

「!!」

「この効果により、龍騎のBPを5000上げ、メカゴジラのコア2つをリザーブに送る!!」

「!?」

 

 

ー【仮面ライダー龍騎】BP4000➡︎9000

 

 

ー【メカゴジラ[1993]】+ガルーダ】(2S➡︎0)消滅

 

 

 

2体目のシャムシーザーが消滅する。そして通常の龍騎はベルトからカードを引き抜き、左腕にある龍の頭部を象ったバイザーにそれを装填……

 

 

………『ソードベント!!』

 

 

と、またしても無機質な音声が流れ、龍騎に龍の尾を模した柳葉型の剣が装備される。龍騎はそれを構え、メカゴジラに向かって炎の斬撃を放つ。

 

メカゴジラはそれに身体を切断され、激しい断末魔を張り上げながら爆散した。そしてその爆煙とともに合体していたガルーダが逃げ出すように飛び出す。

 

 

「成る程、メカゴジラは赤と白の装甲を持つ。本来なら龍騎の効果は効かないが、紫のカードであるソードベントは別……メカゴジラを消滅できたわけだ」

 

 

この光景を見ていたテンドウがそう呟く。ロンのバトルとは違い、今のメカゴジラは赤と白の装甲しか持たない。龍騎は赤属性だが、ソードベントは飽くまでも紫のカード。そのため、メカゴジラの装甲を無視して消滅させたのだ。

 

 

「まだまだこっからだぜゴゴのおっちゃん!!……オレは龍騎サバイブでアタック!!」

「!!」

 

 

そうだ。真の攻撃はここから幕を開ける。龍騎サバイブがアスラの指示により、武器である龍の頭部を模したショットガンを構える。

 

 

「アタック時効果で残ったガルーダを破壊!!」

「っ!?」

 

 

龍騎サバイブはそのままそのショットガンから烈火の如く炎の弾丸を発射。それは標的にされた戦闘機のガルーダに一直線に飛び行き、命中。爆発四散した。

 

 

「この効果で破壊した時、赤のシンボルを1つ追加する!!…龍騎サバイブはダブルシンボルだ!!」

 

 

破壊に成功した事により、龍騎サバイブは一撃で敵のライフ2つを破壊できる状態、ダブルシンボルと化した。

 

 

「どうだおっちゃん!!…これで一気にライフゼロだぜぇ!!」

「ふっ……あまいの、アスラ」

「!?」

 

 

ゴゴの象徴たるスピリット、メカゴジラを破壊し、勝利目前となったアスラ。しかし、依然としてゴゴの余裕のある表情は変わってはいなかった………

 

その理由は伏せられたバーストにある………

 

ロンとのバトルの際は引き込まなかったため、召喚は叶わなかったが、それはアスラとのバトルで火を吹く事になる………

 

 

「スピリットの破壊によりバースト発動!!……対G兵器スーパーメカゴジラ!!」

「!?」

「効果によりカードを3枚オープン…その中のメカゴジラと自身をノーコスト召喚する!!」

「何だって!?」

 

 

勢い良く反転したゴゴのバースト。その効果で彼のデッキから3枚のカードがオープンされる。そしてその中には該当するカードが1枚あって………

 

 

「効果は成功じや!!……よってこのスーパーメカゴジラとメカゴジラ[1974]を召喚!!」

 

 

ー【対G兵器スーパーメカゴジラ】LV1(1S)BP7000

ー【メカゴジラ[1974]】LV1(1)BP4000

 

 

上空からゴゴの場に降り立ったのは2体のメカゴジラ。スーパーメカゴジラと呼ばれるスピリットはさっきアスラが破壊したガルーダと合体状態にあったメカゴジラとなんら変わりない姿をしていたが、もう片方の[1974]はこれまでのメカゴジラとは若干シャープであり、見た目に差異があった………

 

 

「マジか……せっかくメカゴジラを破壊したのにすぐさま2体になって復活かよ……!?」

「はっはっは!!…これはロンにも見せてはおらん奥の手じゃ……メカゴジラ[1974]の召喚時効果でシャムシーザーを手札に戻すぞ」

「っ!?」

 

 

メカゴジラは登場するなり、指からミサイルを発射する。それに被弾したシャムシーザーは粒子となってアスラの手札に帰還してしまう………

 

 

「だけどその程度じゃ龍騎サバイブは止められねぇぜ!!……ブチ込め!!」

「メカゴジラ[1974]でブロックじゃ!!」

 

 

龍騎サバイブの本命のアタックが開始される。ゴゴはライフ5を維持すべく、敢えてBPの低いメカゴジラ[1974]をブロッカーとしてぶつける。

 

メカゴジラは龍騎サバイブに立ち塞がり、鼻から火炎発射を放つが、火は龍騎サバイブには通じないか、龍騎サバイブはそれを右腕で軽く振り払って見せる………

 

そしてショットガンに再び烈火の弾丸を発射。メカゴジラ[1974]はそれに撃ち抜かれ、呆気なく爆散してしまった………

 

 

「龍騎サバイブのさらなる効果!!……バトル終了時、このスピリットのシンボル1つにつき敵のライフを破壊する!!」

「ッッ!!……なんじゃと!?」

 

 

ここに来て龍騎サバイブのさらなる効果。しかもライフ貫通効果であるため、ゴゴはここに来て余裕のあった表情を崩してしまう………

 

効果発揮な演出なのか、天空から咆哮を張り上げながら現れたのは龍騎に宿る赤き龍。しかし、龍騎サバイブの影響か、その龍の姿も一変して大きく変化して見せる。その姿はより巨大な武装龍となり、アスラの前方、龍騎サバイブの背後に身を置いた。

 

その後龍騎サバイブはベルトにあるカード束からカードを引き、それを銃のバイザー部に装填………

 

 

………『シュートベント!!』

 

 

と、無機質な機械音声が流れると、龍騎サバイブは銃口をゴゴへと差し向け、赤き武装龍は口内に燃え滾る炎を溜めていく………

 

 

「………メテオバレット!!」

「ッッ!?」

 

 

そして放たれた赤いレーザーと烈火の炎はゴゴの鉄壁のライフまで飛び行き……………

 

 

「………ぐぉっ!?」

 

 

〈ライフ5➡︎3〉ゴゴ

 

 

一瞬にしてそのうちの2つを焼き尽くして見せた………

 

アスラも遂にこのカラー戦のクリア条件であったライフの破壊を達成したのだった…………

 

 

「っしゃぁあ!!……おっちゃんのライフ…ぶっ壊してやったぜ!!」

「ワッハッハッハ!!…4ターンで達成か!!…やるじゃねぇか小僧!!」

「あざァァァーす!!」

 

 

普通のカードバトラーならば決して壊されることのないゴゴのライフを破壊した事に対し、アスラを豪快に褒めるテンドウ。アスラは彼に御礼の言葉を送りながら全力でお辞儀した。

 

 

「あいたた、なんつー攻撃力……ライフで受けたら4点持ってかれとったんか」

「大丈夫かおっちゃん!?」

 

 

アスラはライフダメージをちょっとだけ痛そうにしていたゴゴを案ずるように声をかける。

 

そしてゴゴはアスラに年寄り扱いするなと言わんばかりの言い方で「大丈夫じゃ」と言い返しつつ、懐からあるカードを1枚取り出し、アスラに投げつけた。アスラはそれをキャッチし、視認する。

 

 

「白のカラーカード………」

「おめでとう。これでオマエさんも中間地点突破じゃ………」

 

 

それはゴゴに勝利した証である白のカラーカードであった。

 

ユキカイ町の白のカラーリーダー、ゴゴ・シラミネは強過ぎる。それ故にライフを1つでも破壊できたら突破したとみなされるシステムが認められているのだが…………

 

 

 

 

いや、いらねぇぇぇえ!!!

 

 

 

 

「なに!?」

 

 

アスラは絶叫しながら渡されたそのカラーカードを真っ二つに破いてしまう。

 

誰もが喉から手が出る程欲するカラーカード。アスラとて、それが欲しくないわけないだろうに………

 

 

「何やっとんじゃオマエさん!?…せっかくのカラーカードを……」

「それはこっちのセリフだおっちゃん!!…オレ、本気のアンタに勝ちたいって言ったよな!!」

「!?」

「しっかりライフゼロになるまでバトルしないとオレは勝った気になれねぇし、頂点王にもならない!!…ちゃんとライフゼロになるまで全力で相手してくださァァァーい!!」

「こやつ……バカなのか……!?」

 

 

アスラの信じられない行動に唖然たするゴゴ。長年カラーリーダーをやって来たが、誰もがこの条件を喜んでくれていた。

 

しかし、今目の前にいるこの小柄の少年はどうだ。何故か逆に自分が叱られているではないか………

 

 

「ワッハッハッハ!!!……小僧、オマエやっぱ面白ぇな!!」

 

 

テンドウはそんなアスラの行動を見るなり、指を刺して笑いこけていた。

 

 

「ライフ2つだけを破壊してもらったカラーカードに意味はねぇ!!……ちゃんと戦うまでオレはバトルはやめねえぇぇぇえ!!…ターンエンドだ!!」

手札:2

場:【仮面ライダー龍騎サバイブ】LV2

【仮面ライダー龍騎】LV2

バースト:【無】

 

 

ターンを終えるアスラ。次は本来行う予定のなかったゴゴのターンだ。

 

 

「ライフ5じゃなくなったバトルに意味は無い…………が、そこまで言うなら良かろう…………その選択、後悔するなよ!!」

「ッッ!!」

 

 

これまでとは比較にもならない程の強者のオーラを放つゴゴ。そのプレッシャーに呑まれたアスラは思わずその身を半歩退るが、ようやく彼が本気を出してきてくれた事に対して喜んでもいた………

 

 

[ターン05]ゴゴ

 

 

ドローステップ時に再びジグザール鋼鉄草原の効果が発揮されるが、機獣を持つカードではなかったため、単純なドローとなった。

 

 

「メインステップ……異魔神ブレイヴ、白魔神を召喚!!」

 

 

ー【白魔神】LV1(0)

 

 

「ッ……異魔神!!」

 

 

ゴゴの前方、スーパーメカゴジラの背後に現れたのは鋼鉄の機人。数あるブレイヴの中でも特殊なブレイヴ、異魔神ブレイヴだ。

 

 

「スーパーメカゴジラに右合体……LVもアップじゃ」

 

 

ー【対G兵器スーパーメカゴジラ+白魔神】LV1➡︎2(1S➡︎7S)

 

 

白魔神はスーパーメカゴジラに向けて右手から光線を放ち、スーパーメカゴジラにさらなる力を与えた。その様子はさながら白魔神がスーパーメカゴジラを使役しているようにも見える………

 

 

「このフォーメーションは何年ぶりかのぉぉ!!…なんか気分も上がって来たわい!!」

「……えぇぇぇえ!?…なんか性格変わってらっしゃる!?」

 

 

アスラに焚きつけられてからと言うもの、妙にテンションがハイになって来てるゴゴ。いつもバトルのプレイを制限して来た彼にとって、その解放はドーピングに近い効果を与えていたのだろう………

 

 

「アタックステップ!!スーパーメカゴジラでアタックじゃ!!……白魔神との合体により、そのシンボル数は3!!」

「3!?…んなもんくらったら終わりじゃねぇか!?」

「だから言ったろ、後悔するなと!!」

 

 

指示一つでスーパーメカゴジラを発進させるゴゴ。白魔神が白のシンボルを2つ持つブレイヴであるため、一撃で3点ものライフを破壊する事が可能だ。

 

 

「けど、どんなアタックもブロックしちまえば関係ねぇ!!」

 

 

アスラの場にはバウンス耐性のある通常の龍騎がブロッカーとして残されている。確かに、いくら強力なアタックとは言え、ブロックして仕舞えばライフを守る事ができるが………

 

 

「緩いわぁ!!…スーパーメカゴジラはソウルコアが置かれている時、ブロックされぬ!!」

「なにぃ!?」

 

 

ここに来てアスラが決して使うことのできないソウルコアを用いた効果が発揮される。これにより、スーパーメカゴジラはトリプルシンボル且つアンブロッカブルと言う凄まじい性能のスピリットと化した………

 

これこそ、本領を発揮させたゴゴ・シラミネの必勝パターンである。

 

 

「これで終わりじゃぁぁぁぁあ!!!」

「ッッ!?!」

 

 

スーパーメカゴジラは両肩のレーザー砲や胸部から発射されるミサイルをこれでもかと言わんばかりにアスラへと放出、そしてそれらは全弾命中……

 

あたり一帯は温泉の湯煙と爆煙に包み込まれてしまった…………

 

この有様だ。ゴゴはアスラのライフは全て砕け散り、勝利したと内心で確信していた…………

 

が…………

 

 

「…………いってて……」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉アスラ

 

 

「なに!?……ライフが1しか減って無いじゃと!?」

 

 

湯煙や爆煙から顔を覗かせたアスラ。しかし、そのライフはトリプルシンボルのアタックを受けたにもかかわらず、1つしか減ってなくて………

 

 

「あっぶねぇぇ!!…何とか間に合った………オレはフラッシュでマジック、ブレイジングバーストを使ってたんだ」

「!?」

「この効果で龍騎を破壊……そうした時、このターン、オレのライフはアタックだと1つしか減らねぇ!!」

 

 

赤のマジック、ブレイジングバースト。自分のスピリットを破壊する事で起動する効果だが、アスラは咄嗟にこれを使用し、スーパーメカゴジラの攻撃を紙一重で避けていたのだ。

 

 

「………どうだおっちゃん!!…アンタの本気のターン、凌いで見せたぜ!!」

「抜かせ小童め!!……どちらにせよオマエさんに後は無い、次のターンで幕引きじゃ…ターンエンド」

手札:1

場:【対G兵器スーパーメカゴジラ+白魔神】LV2

【ジグザール鋼鉄草原】LV1

バースト:【無】

 

 

アスラとて理解している……トリプルシンボルでアンブロッカブルの攻撃などそう何度も凌げるものではない。

 

次のターンがラスト。ここで決めなければ負けは濃厚……

 

しかし、自分に勝利したロンはとっくにもっと先を行っている。こんなところでつまづくわけには行かない………

 

ライバルと頂点王を超える大きな一歩を踏み込むために、アスラのターンが幕を開ける………

 

 

 

[ターン06]アスラ

 

 

 

「メインステップゥゥゥー!!!…もういっちょシャムシーザーだ!!」

 

 

ー【シャムシーザー】LV2(3)BP3000

 

 

メカゴジラの効果で手札に戻されていたシャムシーザーがアスラの場に戻って来た。

 

 

「さらに龍騎サバイブのLVを最大にアップッッ!!」

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ】(1➡︎4)LV1➡︎3

 

 

 

龍騎サバイブのLVを最大にまで上昇させたアスラはゴゴの残り3つのライフを破壊すべく動き出す………

 

 

「アタックステップ!!……行け、シャムシーザー!!」

「ライフじゃ!!……ッ!」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉ゴゴ

 

 

初発はシャムシーザーで仕掛けるアスラ。何も無いのか、ゴゴはこれをライフで受ける宣言をし、シャムシーザーの体当たりをそのライフで受け止めた………

 

 

「そして真打登場だぜ!!……龍騎サバイブでアタァァァッック!!」

「!!」

「龍騎サバイブの効果でオレの勝ちだァァァー!!!」

 

 

アスラの絶叫と共に龍騎サバイブが動き出す。その効果が発揮されればゴゴの残り2つのライフを全て破壊することも可能だ…………

 

ゴゴはアスラのその戦略を見越していたのか、ここに来てさらなるカウンターカードを残り1枚の手札から切って………

 

 

「だから緩いと言っておる!!…フラッシュマジック、全武装攻撃!!」

「!?」

「この効果で合体したスーパーメカゴジラを回復!!…そしてブロックじゃ!!」

 

 

ー【対G兵器スーパーメカゴジラ+白魔神】(疲労➡︎回復)

 

 

龍騎サバイブの行く道をスーパーメカゴジラが立ち塞がる。龍騎サバイブはショットガンから烈火の弾丸を放つが、スーパーメカゴジラな尾を振り回しそれを弾く。

 

そしてそのまま龍騎サバイブをもその尾で振り払って見せた………

 

 

「龍騎サバイブの力量は既に見切った!!…バトルで生き残らなければさほど脅威では無い!!……トドメじゃ、スーパーメカゴジラ!!」

「ッッ!!」

 

 

スーパーメカゴジラは両肩に備え付けられたビーム砲から高出力のビームを放出。真っ直ぐ龍騎サバイブへと向かって来たが…………

 

 

「まだだ!!まだオレはバトルを諦めねぇぇぇ!!……フラッシュマジック、ソードベント!!」

「ッ……2枚目!?」

「この効果により、龍騎サバイブのBPを5000アップさせ、スーパーメカゴジラのコア2つをリザーブへ!!」

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ】BP13000➡︎18000

 

 

「くっ!?……BP18000……16000のスーパーメカゴジラを上回ったじゃと!?」

 

 

ー【対G兵器スーパーメカゴジラ+白魔神】(5S➡︎3S)

 

 

アスラの放ったマジックカードの力により、龍騎サバイブのショットガン状の武器の銃口から短剣が伸び、いわゆる銃剣と化す。

 

龍騎サバイブはその銃剣を振るい、迫って来たスーパーメカゴジラのレーザーを難無く斬り裂いて見せた………

 

 

「そしてオレの手札、ラスト1枚!!……ファイナルベント発動!!」

「!?」

「効果により龍騎サバイブのシンボルを1つ追加!!…ダブルシンボルになる!!」

 

 

龍騎サバイブはアスラ同様ここで決めると言わんばかりにベルトからカードを1枚引き抜き、それをショットガンのバイザー部に装填………

 

 

………『ファイナルベント!!』

 

 

と、無機質な音声が鳴り響くと、再び赤き武装龍が咆哮を張り上げながらアスラの前方に現れ、龍騎サバイブはそのままそれの背中に飛び乗った………

 

 

「ドラゴンファイヤーストームッッ!!」

 

 

アスラの言い放った技名を聞くなり、龍騎サバイブを乗せて発進する赤き武装龍。その口内から赤々と燃え滾る炎の弾を何発も連射し、スーパーメカゴジラの翼やレーザー砲などの武装を次々と破壊していく………

 

 

「イッケえぇぇぇえ!!!!」

 

 

拳を前に突き出すアスラ。赤き武装龍は上空でバイク型マシーンに変形、龍騎サバイブはその上に腰を掛け、燃え滾る炎を全身に纏い、スーパーメカゴジラに向かって急降下して行き、激突。

 

流石にこれは耐えられず、スーパーメカゴジラは堪らず爆散………

 

そして…………

 

 

「龍騎サバイブの効果!!…シンボル2つだから2つのライフを破壊するぜ!!」

「ッ……まさか本気を出させた上で勝利するとは………天晴れだスーミのアスラ!!……このライフ、そしてカラーカードを今度こそ受け取るがいい!!!」

 

 

 

〈ライフ2➡︎0〉ゴゴ

 

 

龍騎サバイブを乗せたバイク型マシーンはスーパーメカゴジラだけでは収まらず、そのままゴゴの残り2つのライフにも激突して行き、それを玉砕して見せた…………

 

これによりゴゴのライフはゼロ…………

 

 

「っしゃぁあ!!…オレの勝ちだァァァー!!!」

 

 

勝利したのは挑戦者のアスラだ。己の勝利を祝うような彼の雄叫びが男湯に木霊した………

 

 

******

 

 

 

「えぇ!?…カラーカードをもらった!?」

「おう!!もらったぜ!!」

「だからアンタの雄叫びとか爆発音が喧しかったのね…………てか、なんで温泉入ってただけでそんな事になるのよ………」

「むえ………」⬅︎見たかった………

 

 

バトルも終わり、本当の意味でゴゴから白のカラーカードを得たアスラは、旅館のロビーで牛乳を飲みながら浴衣姿のエールと会話していた。エールの胸元にはすっかりピカピカになったムエが抱き抱えられており、バトルが見れなかったのを残念そうにしていた。

 

そして彼らのすぐ横にはテンドウとゴゴも居座っており………

 

 

「久し振りにライフをゼロにされたわい……全く、強くなるよオマエさんは」

「ハイィィ!!ありがとうございまァァァーす!!」

 

 

特殊なカラー戦を行っていた故に、ここ何年かはライフをゼロにされていなかったゴゴ。久しぶりに本気のバトルを行ったからか、その表情はいつもより清々しいものだった。

 

 

「オイ小僧。この旅館の牛乳沢山飲むと背が伸びるらしいぞ」

「ホントっすかテンドウさん!?…じゃあこれでオレも身長160超えに!?」

「ワッハッハッハ!!ウソだ!!…騙されたな!!」

「えぇぇぇえ!?…なんでそんな変なウソつくんすかァァァー!?!」

 

 

テンドウのウソに騙されるアスラ。そんな彼の様子を見て、テンドウは腹を抱えて笑いこえている。

 

そして彼は呼吸を整えると、右手をポンとアスラの頭の上に置いて………

 

 

「ふっ……後半分だ。奢らずに進んで来い。クソチビガムシャラ小僧」

「ッッ!!……おうっす!!絶対勝ちまァァァーす!!」

「ワッハッハッハ!!…その息だ!!」

 

 

アスラにそう告げてくれた。

 

その様子を見て、なんだかんだでアスラはテンドウのお気に入りなのだと、ゴゴやエールも改めて思った。

 

 

「………で、どうすんのよアスラ。もうこの町にいる意味無くなったけど」

 

 

エールがアスラに訊いた。アスラは気合を入れるように腕を曲げてサムズアップのポーズをとると……

 

 

「当然、明日にでも次の町行くぞ!!…さっさとロンに追いつかねーとな!!」

 

 

ライバルであるロンに追いつきたいアスラはできるだけ最短の道を行く。明日にでも出発すると意思表示をするが…………

 

ここでゴゴが徐に口を開いて………

 

 

「ふむ。まぁ、そんな急がんくとも、明日じゃったらアレに参加してから出発すると良い」

「アレ??……アレってなんすか?」

「アレと言えば、年に二度行われる『ユキカイ雪祭り』じゃよ……是非見ていってくれ」

 

 

ユキカイ町は年に二度とある祭りが開かれる。それはこの国全ての町を含め、最も美しい祭りとまで言われている。

 

これを見て回る事になったアスラとエール。彼らのユキカイ町での物語はまだまだ続く………

 

 

 




《オマケストーリーズ》
【身長】


「小僧、オマエなんでそんなクソチビなの?」
「口悪ぃ!?…てか、そんなのオレが聞きたいっすよ!!」
「私よりチビよね。歳は同じなのに」
「あのライバルイケメン君はクソデケェじゃねぇか。オマエアイツと一緒に育てられたんじゃないの?」
「だからそんなのオレが聞きたいっすよォォォー!!!」


アスラとテンドウ、エールは旅館のロビーでビンに詰まった牛乳を飲み交わしながら、語り合っていた。

アスラの身長は156cmなのに対し、エールは162cm。同年代の男女とは思えない程に差がついている。もっと言って仕舞えばずっと同じ物を食べて来たはずのロンは176cmと長身である。

ぶっちゃけアスラは頂点王にはなりたいが、それと同じくらい背の高さも欲していた…………


「………背が欲しいか小僧」
「ハイィィイ!!…喉から手が出るほど!!」
「よし、じゃあ奢ってやるからこの旅館にある牛乳飲み干せ」
「はぁ!?」


旅館にある牛乳を飲み干すと言い放つテンドウ。エールはそれに対して信じられないと言わんばかりの反応を示す………

だがアスラは………


「これで明日にでも夢の170cm台だぞ」
「うぉぉお!!!マジっすかテンドウさんー!!!…やる、やりまァァァーす!!!」
「ウソでしょこのバカスラ………」


背が死ぬ程欲しいアスラ。テンドウの口車に乗せられている事など全く知らずに張り切りながらそう言い放った。側から見ていたエールはそれに対して呆れたように言葉を漏らした………


「ワッハッハッハ!!!行け小僧。飲み干せ!!!」
「っしゃぁあ!!……頑張りまァァァーす!!!」
「………なんで男ってバカばっかりなの……」


完全に乗せられたアスラを見て笑いこけるテンドウ。アスラはその彼がついた嘘を信じて牛乳を片っ端から飲み干していった。

案の定、彼は翌日早朝にお腹を壊した上に身長は全く伸びていたなかった。因みにテンドウ・ヒロミの身長181cm………





******


最後までお読みくださりありがとうございました!!



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