バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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ミラーワールド篇
31コア「ナイトサバイブVSキングギドラ」


「まさかまた帰って来るなんてなオウドウ都……オレ達次の町に行くたびになんかここに戻ってきてない?」

「しょうがないじゃない。怪我してても叙勲式は出ないと行けないんだし」

「まぁまぁ、いいじゃんいいじゃん!!…こうやって3人揃って歩けるんだからさ〜」

「むえ〜」

「ごめんごめん。ムエもだったね〜」

「でもシイナ様。バカスラの短足に歩幅を合わせるの難しいんですけど」

「悲しい事言うなァァァー!!」

 

 

黄色の町ライライ町にいたアスラとエールは又しても中心都市オウドウ都に帰ってきていた。しかも今度は頂点王シイナと言うとんでもない大物を引き連れてのだ。まぁ彼女はサングラスや南国のリゾート地で遊んでいるかのようなラフな格好をしているため、それらしき威厳は全く持って感じられないのだが…………

 

何故このような状況が出来上がったのかと説明すれば、3枚以上のカラーカードを獲得した人物を対象に毎年行われる「叙勲式」と呼ばれる催しにアスラが呼ばれたからだ。しかもその司会人がライライ町にいる4番目のカラーリーダーと来たものだ。アスラとしては是が非でもこれに参加しないと行けなくて………

 

しかし、仮に黄色のカラーリーダーに会えたとして、直ぐにバトルはできない。バトル自体はオウドウ都ではなく、ライライ町で行わなければならないし、何よりアスラの怪我がまだ完治していない状態であるからだ。

 

 

「て言うか、何人くらい来るんだろ、その叙勲式とか言うやつ」

「むーー毎年いて1人くらいかな〜」

「そんなに少ねぇの!?」

「そりゃまぁ強いからねウチのカラーリーダー。私の方が遥かに強いけど」

 

 

叙勲式に行った事ないアスラにシイナが説明する。

 

3枚以上のカラーカードを得るには相当な腕前が必要になるのは必然。地味にコモンの身分でそれを為し得たアスラは既にかなり凄い事を成し遂げていると言える。

 

 

******

 

 

ここは叙勲式が行われるスタジアム。ただ単にバトルをするためだけに作られたものではなく、栄誉ある事を成し遂げた者達を称賛するためのステージであり、叙勲式だけにあらず、新たにカラーリーダーや三王に就任する者を称えたりする場でもある。

 

そして今日はマスターやレアなどの身分の者達が大勢の観客となって、このスタジアムを彩っていた。

 

 

「HAY!!!……紳士淑女の皆さん元気かい?……今年の叙勲式のMC……じゃなくて進行司会はこのライライ町、黄色のカラーリーダー…スピーカー・ヘブンがお送りするぜぇぇぇぇえ!!」

 

 

ステージに立ち、マイクを片手にたやらとハイテンションで叫び倒す金髪のトサカ頭でサングラスの男性はこの国の黄色のカラーリーダー、スピーカー・ヘブン。

 

こう見えてヘブン家と呼ばれるマスターに属する。

 

単独でライヴをする事もあり、他のカラーリーダー達よりも一線を画した人気を誇っている。そんな彼が今年の司会進行役なのもあり、スタジアムは大いに盛り上がっていた。

 

 

「リスナーからのお便りを読んでおきたいところだが、今回の俺様は端役!!……そんじゃ早速今年の強者達をサモンしていくぜYEAHHーーーー!!!!!!」

 

 

スピーカーがそう言うと、彼に当てられていたスポットライトが別の人物の方へと向かっていく。

 

 

「今年はなんとなんと3人いるんだぜYEAHHーー!!……1人目は強いヤツを求めて三千里!!…手に入れたカラーカードは4枚、身分はレア、イカヅチだァァァー!!!」

「フンッ……こんな金にもならん催し、早く終わらせてくんねーかな」

 

 

スポットライトが当てられたのは金髪に派手めな黒コートと、胸元に掛かる雷を模したペンダントが特徴的な女性。

 

その名はイカヅチ。21の歳になってようやくカラーリーダーへと挑戦を始めた者だ。その前は殆どの月日を賞金稼ぎとして動いており、訳あって一度エールとも対面している。

 

彼女の身分自体が平凡なレアと言う事もあるのか、スタジアムの空気はそれ程盛り上がってはいなかった。無理もない、いつもはマスターやエックスなどのバトルの強い者達だけが勝ち残るのだから………

 

 

「続いて2人目ェェェー!!……オマエ身分以外はマジで羨ましいわ!!…手に入れたカラーカードは5枚、身分はコモン、スーミのロンだァァァー!!」

「………」

 

 

スピーカーがそう説明し、やや癖毛の黒髪に、長身でイケメンの少年、ロンにスポットライトが当てられる。相変わらず無口だ。

 

 

「キャーー!!…凄くイケメンじゃない!?」

「しかしコモンか……本当にカラーカードを5枚も集めたのか?」

 

 

彼の淡麗な容姿を見て一部の女性陣が沸く一方で、彼の身分が最も底辺であるコモンだと聞いて余りよく思っていないような声を漏らす人物も複数いた。

 

 

「コモンか。アタイよりも身分が下じゃねぇか」

 

 

イカヅチもそう言葉を落とした。彼女は別に身分がどうとか言って差別はしないし、その人物が強ければどうでも良いのだが、この国において、それ程までにコモンの人間自体がここまで勝ち上がると言うのはたいへん珍しい事なのだ。

 

 

「ラスト3人目ェェェー!!!……オレは頂点王になる、諦めないのがオレのバトスピだァァァー!!……手に入れたカラーカードは3枚、身分は同じくコモン、スーミのアスラだァァァー!!」

 

 

スピーカーが3人目であるアスラの名前を呼ぶと、スポットライトが再び動くが、その向かった先には肝心のアスラが存在せず………

 

 

「あり?……HAYどうしたスーミのアスラァァァー!!」

 

 

スピーカーがマイクを片手にさらに大きな声でアスラを呼ぶ。すると、スタジアムの端から大きな声が聞こえてきて…………

 

 

「オレはここだァァァー!!」

 

 

ー!!

 

 

誰もがその声のする方へと首を向けた。スポットライトもそこへと向けられる。するとそこには急いできたかのように少し息の切れたアスラとエール、頂点王シイナの姿があった。

 

 

「間に合った……もう!!シイナ様が開始時間間違えるからですよ!?」

「いや〜ごめんごめん〜」

 

 

どうやら別に遅れて登場するのを狙っていたわけではなく、単純にシイナが開始時間を間違えて覚えていただけだったようだ。

 

 

「フッ……来たかアスラ、随分ボロボロだな」

「よぉ、久し振りだなロン!!」

「WOHHHHーー!!!!……エクセレントな登場の仕方だぜスーミのアスラ!!……さぁ!!ステージにカモン!!…後ろの連れの女性2人もせっかくだからカモンーー!!」

「え?……私たちも!?」

「スピーカーのヤツ、頂点王の私に気がついてないな」

 

 

アスラだけでなくエールとシイナもステージへと呼ぶスピーカー。シイナとはカラーリーダーと頂点王と言う間柄であるため当然知り合いであるはずなのだが、彼女がサングラスやラフな格好をしていたりするためか、まだ気がついてなかった。

 

何はともあれ、アスラ、エール、シイナの3人もロンとイカヅチ、スピーカーが並ぶステージへと足を運んだ。そんな中、エールはある人物の存在に気がついて……

 

 

「えっ……あんた確かイカヅチ!?……なんで叙勲式に出てんのよ!?」

「お、久し振りだなオメガ家。元気にしてたかい?」

「ノリ軽!!」

 

 

約1ヶ月振りの再会を果たすイカヅチとエール。あの時のイカヅチは仕事とは言え、悪事を働く団体と手を組んでいたため、エールの認識や印象としてはあまり良くない。

 

 

「誰だこのおねーさん。エールの知り合いか?」

「バカスラはちょっと黙ってなさい」

「なんで!?」

 

 

少し気になったアスラがエールに質問するが、エールは軽くそれを一蹴する。

 

 

「そう怖い顔すんなよ。あんたに言われた通りもう賞金稼ぎは辞めた。それにアタイは単に強いヤツとバトりたいだけだ。その上カラーカードはお金になる。だからアタイとしては一石二鳥なんだよ」

「だからってあんたねー」

「まっ、そう言う事だからあんたの彼氏とバトルする事になっても手は抜かねーぜ?」

「は……はぁ!?……か、かか彼氏じゃないわよ!?…バッカじゃないの!?」

「なんだ違うのか」

 

 

アスラとの関係を指摘されて顔を赤くするエール。肝心のアスラはイカヅチの言ってる意味があまり伝わっていないのかキョトンとしている。

 

ロンはそんな彼らの様子に「騒がしい連中だ」と、客観的な感想を零す。

 

 

「おいロン!!…見ろよこれ、白のカラーカード!!…オマエと違ってゴゴのおっちゃんから全てのライフを破壊して手に入れたんだぜーーー!!」

「フッ…そうか。ついでにオレは既に5枚のカラーカードを獲得したぞ」

「はぁぁっ!?」

 

 

自慢げに白のカラーカードをロンに見せつけるアスラだったが、ロンは対抗するように緑、青、白、黄、紫のカラーカードを見せつけて来た。これはロンが5番目の紫のカラーリーダーまで勝利した何よりの証だ。

 

アスラは驚愕するが、不思議と直ぐに笑みが浮かんで来て………

 

 

「へっ……やるなイケメン天才コノヤロー……でも絶対追いついてやるからな!!」

「フッ……来るなら来い一点突破バカ。いつでも叩き落としてやる」

 

 

普段は笑わないロンだが、アスラの前だけでは少しだけ微笑む。そしてそんな中、久し振りに対面したロンを見て、アスラは気付いた事があるようで…………

 

 

「てかロン。なんかオマエデカくなってない?」

「ん?……あぁ、2センチ伸びた」

「なにィィィー!?…オマエ、何勝手に身長伸ばしてんだよ!?」

「フッ……オマエは相変わらずだな」

「なんだとコノヤローーー!!…オレだって好きでチビになってる訳じゃねぇぞ!!」

 

 

旅が始まって以降。ロンはただでさえ高かった身長がまた少しだけ伸びていた。対するアスラは全く変化がない。悲しい。

 

 

「……なんだあの貧相な少年は」

「見窄らしいにも程があるだろ?」

「横にいる美人はもしやエックスの!?…なんであんな高貴なお方があのような者と……」

「カラーリーダー達に勝ったのもきっと何か不正を働いたに違いない」

 

 

刹那。周囲の人々からそんな声がアスラ達の耳まで届いて来た。アスラ達はコモンだ。身分が低ければバトルも弱いと言う偏見もあって、実力があってもそれを信用しようとする者の数は少ないだろう。

 

 

「HAY HAY!!オーディエンス!…野暮な口出しはNGでおねが………」

「ちょっと借りるわよ」

「え」

 

 

このざわつきを抑えるべく、スピーカーがマイクを手に取るが、それを奪い去ったのは他でもないエール・オメガだった。

 

 

「ちょっとどこのレアだかマスターだか知らないけど、私は……エックスのオメガ家であるこの私は好きでコイツと一緒にいるのよ!!」

 

 

ー!!

 

 

エールの言葉に民衆がさらに騒つく。

 

 

「人の実力も見たことない癖に何自分の方が上とか偉そうな事言ってるのよ。身分とか才能とかそんなの関係ないわ!!……コモンのアスラもこうしてステージに立つ権利を得ている、それが何よりの証拠よ!!」

 

 

返す言葉を失うマスターやレアの民衆達。マイクを手にしているのが他でもない最高の身分、エックスであるオメガ家のエールだからと言う事が最も大きな因果だろう。

 

そしてさらにエールは声を張って………

 

 

「コモンとか最底辺とか関係無い!!……努力すれば誰だって強くなれるッ!!」

 

 

エールの心からの渾身の叫びがマイクを通じてスタジアム中にこだました。そしてその言葉が少しずつ民衆の気持ちを変えていって…………

 

 

「そ、そうだよな……確かに凄い……!!」

「コモンの身分でカラーリーダー達を倒して来た英雄じゃないか!!」

「片方はイケメンだしね!!」

 

 

マイナスだらけだった声が次第にプラスのモノへと切り替わっていく。エールの想いを乗せた言葉が他の人々に伝播し、伝わったのだろう………

 

 

「エール………ありがとな……!!」

「ふふ、やっぱり変わったなエールちゃん!!」

「ハッ…言うじゃねぇか」

 

 

アスラやシイナ、イカヅチがそう言葉を落とした。アスラはなによりも彼女の言葉に感動していたし、シイナは誰よりもエールの成長を感じていた。

 

だが、エールはまだマイクを離さず、演説を続けて………

 

 

「それに、この2人は他でもない。そこにいる頂点王シイナ様の息子よ!!」

 

 

ー!!

 

 

エールの言葉に「えぇぇぇぇ!?」と言う言葉だけがスタジアム内を支配した。無理もない。あのコモン2人がこの国最強の頂点王の息子だと言われたのだから。

 

しかも、しかもだ。彼女の言い振りからして直ぐそこに頂点王がいる事が示唆しれたのだ。黄色のカラーリーダーであるスピーカーは何かに気がついたようにハッと言葉を落とすと………

 

 

「ま、まさか………」

「ハッハッハ!!…そうだよスピーカー…私だ」

「ちょーーーテンオーーーーー!!!!?」

 

 

スピーカーにそう言われ、サングラスを外すシイナ。遂にその正体を民衆に晒した。この国の英雄たる存在の急な登場により、観客達は爆音のような歓声を上げた。

 

 

「頂点王………」

 

 

そんな折、さっきまで何にも興味を示さなかったイカヅチが「頂点王」と言う言葉に反応するように目を見開いた。その眼光はまるで獲物を狩る虎、イヤ龍のようだった。

 

 

「やぁ〜ロン久し振り〜相変わらずイケメンだね〜」

「そういやロンはシイナに会うの10年振りじゃねぇか!?」

「いや、旅先で何度か会った」

「え!?…そうなのか!?」

「本当にシイナ様ってどこにでもいるわね」

 

 

談笑を始めるシイナとアスラ、ロンにエール。因みにロンはアスラ達がここに来た時からシイナに気付いていた。幼い頃彼女に育てられた彼がサングラス程度の変装で見抜けないわけがなかった。

 

 

「よし!!…久し振りに3人揃ったんだし、今から家族水入らずでご飯でも食べ行く?…もちろんエールちゃんも」

「むえ〜」⬅︎自分も連れてけよ

「おぉ!!…良いなそれ!」

「いや、オレは早く最後の町に行かないと」

「まぁそう言わずに来いって」

 

 

シイナは今回の叙勲式では必ずロンも来ると踏んでいたので、これを機に一度家族全員顔を合わせようと密かに企んでいた。

 

叙勲式の途中で正体がバレるのは不本意だったが、その狙いは的中し、今ようやく10年振りにこうして家族3人揃った。

 

 

「えーーー………まぁ、終わるか叙勲式。それどこじゃないしね。うん、そうしよう」

 

 

アスラ達の談笑を聞きながらスピーカーがそう言った。カラーリーダーである彼が頂点王であるシイナには逆らえないと言うのもある。

 

しかし、ここで又しても事件は起こった…………

 

 

「ヘイ!!……この国の頂点王シイナ!!」

「ん?」

「アタイの名はイカヅチ!!……相棒のギドラと共に強いヤツとのバトルを求める者だ!!……そんなアタイからの挑戦、受けてくれよ!」

 

 

イカヅチがシイナにそう言い出して来た。彼女の突然のバトル宣言に、今一度民衆達が騒つく。無理もない。何せ、6枚のカラーカードを集め切れてもない者が頂点王にバトルを挑んだのだから………

 

頂点王からバトルを仕掛けるのではなく、挑戦者側からバトルを仕掛けると言う行為はこの国においてどれだけ無礼な事であるのかは計り知れない。

 

 

「ちょ、ちょっと何また勝手な事言ってんのよあんた!!」

「さぁ、早くデッキとBパッドを抜きな!!」

 

 

エールの制止も耳には入らないイカヅチ。彼女の闘争本能が余程頂点王シイナとバトルしたいらしい。

 

そんな中、シイナが優しい笑みを浮かべながら「しょーがないなー」と呟き、デッキを取ろうとした瞬間だった………アスラとロンが彼女の前に立ち塞がったのは…………

 

 

「おいそこの金髪女コノヤロー……挑戦者の中で頂点王とバトルできるのは6枚のカラーカードを勝ち取って三王って言う凄い人達にも勝ったヤツだけだろうが」

「そしてこの頂点王に挑めるのはオレかこのアスラだけだ」

「!!」

 

 

見た目や目つき、オーラからでも圧倒的な強者であるのがわかるイカヅチに堂々と啖呵を切るアスラとロン。そしてそんな中、さらにイカヅチに近づいたのはロンだった………

 

 

「だが、どうしても戦いたいと言うなら先ずはオレとバトルして勝つんだな」

「ほぉ?」

「っておぉい!?……ロン、オマエ何抜け駆けしてんだ!!…バトルすんのはオレだろ!!」

「オマエの既にボロボロな身体じゃバトルなんかできないだろ」

「んなもん気合でどうにかしてやらァァァー!!」

 

 

イカヅチにバトルを仕掛けるロン。結果的に自らが頂点王の盾となった。そしてロンのこの言葉を機に、イカヅチは完全に気が頂点王シイナから彼へと移って…………

 

 

「よし!!……いいだろう、スーミのロン!!…頂点王の前に先ずはオマエから相手してやる!!…実際オマエとも少し戦いたかったからな!!」

「あれ!?…オレは眼中に無い感じっすか!?」

「WOHHHHー!!!!……何か知らんが盛り上がって来たなオーディエンス共ォォォー!!!……オレ様も実況魂に火が付いちまったぜ!!…よってこのバトル承諾!!…好き勝手暴れまくれYEAHHー!!!」

 

 

黄色のカラーリーダーであるスピーカーも乗り気になった。この言葉を聞くなり、ロンとイカヅチは互いにBパッドを展開し、そこにデッキをセットした。

 

 

「おぉ、なんか面白い事になったね〜」

「笑うとこじゃないですよ!?…あいつ変なヤツですけどかなりの実力者なんです」

「ふふ、だろうね〜…見ればわかるよ」

 

 

エールとシイナがそう会話した。エールはこの中で唯一イカヅチとバトルを行った事があるため、彼女の圧倒的な実力がわかるのだ。

 

 

「それでも、ロンのヤツは必ず勝つ!!……なんたってオレのライバルだからな!!」

「……アスラ……」

 

 

生涯のライバルであるロンの勝利を信じて止まないアスラ。そうだ。こんな所で負けていたら絶対に頂点王にはなれない。

 

そう思いながらアスラはロンのバトルへと目をやって………

 

 

「さぁ、オマエの力を見せてくれよ」

「あぁ、嫌と言う程見せてやる」

「フッ……残念だが、アタイとギドラは強いヤツを見て嫌だとは言わねぇ!!」

「準備はOKかバトルジャンキー共ォォォー!!!……そんじゃ行くぜ、合言葉は………」

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

スピーカーの掛け声と共に、大勢の観客達が見守る中でロンとイカヅチのバトルスピリッツが幕を開ける。

 

先行はロンだ。クールな雰囲気を漂わせる彼はゆっくりとターンシークエンスを進めていった。

 

 

[ターン01]ロン

 

 

「メインステップ、仮面ライダーナイトを召喚。効果で1枚ドロー」

 

 

ー【仮面ライダーナイト】LV1(1)BP2000

 

 

「早速仮面ライダーナイトの素晴らしいサモンー!!!……なんだぁ、自分はライダーに選ばれてると自慢したいのかーー!!!」

 

 

現れたのは騎士型のライダースピリット、ナイト。世にも珍しいライダースピリットの登場に、観客と変な実況を行うスピーカーは大いに盛り上がった。

 

 

「成る程、ライダースピリット所持者か。コイツは楽しみだ」

「ターンエンド」

手札:5

場:【仮面ライダーナイト】LV1

バースト:【無】

 

 

そのターンをエンドとするロン。次は彼のライダースピリット、ナイトの存在によりバトルへと意欲を掻き立てられたイカヅチのターンだ。

 

 

[ターン02]イカヅチ

 

 

「メインステップ、先ずはネクサス、破壊された城をLV2で配置。これでエンドだ」

 

 

ー【破壊された城】LV2(2S)

 

 

イカヅチの背後に何とも和風で立派なお城が聳え立つ。このネクサスは赤属性特有のドローステップ時にドロー枚数を増やす強力な効果を持っている。

つまり対戦相手であるロンにとっては非常に厄介な存在となる。

 

 

「イカヅチィィィー!!…早速お得意のネクサス戦法だYEAHHーー!!」

「うっせぇぇぞスピーカー!!…実況なんていらねぇ、黙ってアタイのバトルを見てな!!」

「えぇ!?…オレ様の存在意義は!?」

 

 

実況であるスピーカーを黙らせるイカヅチ。因みに彼女は既に黄色のカラーリーダーである彼を撃破し、黄色のカラーカードを獲得している。

 

 

[ターン03]ロン

 

 

「メインステップ……魔界竜鬼ダークヴルムを召喚!!」

 

 

ー【魔界竜鬼ダークヴルム】LV1(1)BP3000

 

 

ロンのターン。彼の背後から禍々しいオーラを纏う何かが地上へと降り立った。その正体は紫のドラゴン、ダークヴルム。

 

 

「召喚時効果。オレのライフを砕き、2枚のカードをドロー……ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉ロン

 

 

ダークヴルムが主人であるロンのライフを噛み砕いた。しかし、その代償により、ロンは新たに2枚のカードをデッキから手に入れる。

 

 

「アタックステップ……ナイトとダークヴルム。2体で攻撃する!!」

「そりゃそう来るよな!!……当然ライフだ!!」

 

 

〈ライフ5➡︎4➡︎3〉イカヅチ

 

 

ロンの指示によりナイトとダークヴルムが動く。ナイトは剣で、ダークヴルムは牙で1つずつのライフを破壊した。

 

 

「ターンエンド」

手札:7

場:【仮面ライダーナイト】LV1

【魔界竜鬼ダークヴルム】LV1

バースト:【無】

 

 

そのターンを終えるロン。次はイカヅチのターンだ。彼女は減ったライフのコアを糧に動き出す…………

 

 

[ターン04]イカヅチ

 

 

「ドローステップ。破壊された城の効果でドロー枚数を増やす」

 

 

イカヅチもロンに負けじと手札を増強。そしてリフレッシュステップを終え、次なるメインステップを迎えると…………

 

 

「メインステップ、アルマジトカゲを2体、LV2で召喚!!」

 

 

ー【アルマジトカゲ】LV2(2)BP3000

 

ー【アルマジトカゲ】LV2(2)BP3000

 

 

アルマジロのような皮膚を持つトカゲのスピリット、アルマジトカゲが2体、彼女の場へと呼び出された。イカヅチはさらに動くべく手札のカードを切って………

 

 

「さらにソウルコアを支払い、マジック、ソウルドロー……デッキから2枚ドロー。その後ソウルコアをコストに支払ったため、さらに1枚ドローする」

 

 

つまりは3枚だ。イカヅチはマジック1枚で合計3枚もの手札を加えた。

 

 

「そしてバーストを伏せ、このターンは終わる」

手札:5

場:【アルマジトカゲ】LV2

【アルマジトカゲ】LV2

【破壊された城】LV2

バースト:【有】

 

 

(あれだけ意気揚々とターンを進めた割には全く動かないな………何か狙いがあるのか?)

 

 

そのターンを終えるイカヅチ。豪快な言動の割には消極的な事しかやっていない彼女に疑問を抱くロン。

 

しかし、こんな序盤で考えていても始まらないか。ロンは己のターンを開始した。

 

 

[ターン05]ロン

 

 

「メインステップ……アーマーバット、そして第二のナイトを召喚!!」

「ッ!!」

 

 

ー【アーマーバット】LV1(1)BP1000

 

ー【仮面ライダーナイト[2]】LV2(2)BP6000

 

 

鎧を被った小さな蝙蝠型のスピリット、アーマーバットが現れると共に現れたのは第二の仮面ライダーナイト。その効果は第一のナイトよりもより洗練されていて………

 

 

「召喚時効果。相手スピリットのコア2つをリザーブへ……消えろアルマジトカゲ!!」

「!!」

 

 

ー【アルマジトカゲ】(2➡︎0)消滅

 

 

第二のナイトがソードベントのカードを剣の取手部にあるバイザーに装填。「ソードベント」の音声と共に黒槍を手にすると、それに紫のオーラを纏わせ、斬撃を放つ。

 

イカヅチのアルマジトカゲの1体はなす術なくそれに斬り裂かれ、爆散した。

 

 

「消滅した事によりカードを1枚ドロー」

「やはり強いな!!……だがアタイのデッキはやられたら直ぐにやり返すぜ!!」

「?」

「スピリットの消滅によりバースト発動、ネクサスカード、大龍城・本丸!!」

 

 

事前に伏せられていたイカヅチのバーストカードが反転する。すると彼女の背後にもう一つ龍を象った巨大なお城が聳え立って………

 

 

「バースト効果により第二のナイトを破壊する!!…そして効果によりノーコスト配置する!!」

「!?」

 

 

ー【大龍城・本丸】LV2(2)

 

 

龍口から放たれる火炎弾。それがロンの場に存在している第二のナイトに命中。あまりの威力にたまらず爆散した。

 

 

「ヘイ!!…どうだいやるだろ?」

「くっ……ダークヴルムのLVを2に上げてターンエンドだ」

手札:7

場:【仮面ライダーナイト】LV1

【魔界竜鬼ダークヴルム】LV2

【アーマーバット】LV1

バースト:【無】

 

 

このターンでは勝てないと見たロンはこのターンをエンドとする。次はバーストのみで第二のナイトを討ち取ったイカヅチのターンだ。

 

そして、遂に待ちに待った彼女のエースカードが登場する事になる…………

 

 

[ターン06]イカヅチ

 

 

「ドローステップ!!…破壊された城と大龍城・本丸の効果でドロー枚数を2枚増やす!!」

「くっ……」

 

 

大龍城・本丸も破壊された城と全く同じ効果を持つ。よってイカヅチは一度のドローステップで3枚ものカードをドローして見せた。

 

 

「メインステップ……アルマジトカゲとネクサス達のLVをダウン………拝ませてやるよ、アタイのエースをな!!」

「ッー!?」

 

 

イカヅチの「エース」と言う言葉に警戒し、身構えるロン。そしてイカヅチはそのエースたるスピリットのカードを全力でBパッドへと叩きつけて…………

 

 

「天下の轟雷振り翳せッ!!…雷天雷神となりし金色の龍王…!!…キングギドラ・1991を召喚だぁッ!!」

 

 

イカヅチの場に鈍い音を立てながら落雷する雷。そしてそれに伴う爆煙が覆う中、それを巨大な翼で吹き飛ばして見せたのは、黄金の体を持つ三つ首龍。その名はキングギドラ。イカヅチが物心ついた時から共にバトルしているエースカードだ。

 

 

ー【キングギドラ[1991]】LV3(4S)BP13000

 

 

「出た、イカヅチのエースカード……!!」

「うぉぉお!!…首3つあんぞ、カッケェー!!」

 

 

3体分の咆哮を張り上げるキングギドラ。エールはその様子を見て、マリーナ海街でイカヅチとバトルした事を鮮明に思い出す。そしてアスラは一体誰の味方をしているのか、目をギラギラと輝かせながらキングギドラの逞しい勇姿に興奮していた。

 

 

「さぁ、行くぞギドラ!!…召喚時効果、BP7000以下のスピリット3体を破壊する!!」

「なにッ!?」

「よってオマエの場にいる全てのスピリットを破壊だッ!!」

 

 

キングギドラの三つ首から放たれる電撃がロンの3体のスピリットをそれぞれ貫いていく。スピリット達は堪らず爆散、ロンの場は一気にゼロとなってしまった。

 

 

「アタックステップ!!……ギドラでアタック!!…そしてその効果【強襲:2】!!…破壊された城を疲労させ、ターンに二度まで回復!!」

 

 

ー【キングギドラ[1991]】(疲労➡︎回復)

 

 

「ッ……赤のスピリットで【強襲】!?」

「アタイとギドラにバトスピの常識は通用しない!!」

 

 

本来であれば青属性のスピリットしか持たない【強襲】の効果を持つキングギドラ。イカヅチが序盤からネクサスを重点的に配置し続けたのはこれが狙いだったのだとロンは咄嗟に理解する。

 

 

「アタックは継続中だ!!」

「ッ……ライフだ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉ロン

 

 

右側の首から放たれる電撃がロンのライフを1つを貫いた。だがこの程度では攻撃は終わらず………

 

 

「続けて二度目のアタック!!…【強襲:2】で今度は本丸を疲労させて回復!!」

 

 

ー【キングギドラ[1991]】(疲労➡︎回復)

 

 

二度起き上がるキングギドラ。これでこのターンのみで3回の攻撃が可能となった。

 

 

「それもライフだ………ッ」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉ロン

 

 

今度は左側の首より放たれる電撃。ロンのライフは又しても貫かれる。

 

 

「どうしたどうした!!……オマエこのままじゃ負けるぞ!!……アルマジトカゲでアタック!!」

 

 

キングギドラの三度目の攻撃はフィニッシュに取っておくつもりなのか、イカヅチは一旦それを停止させると、今度はアルマジトカゲでアタックを行う。

 

この攻撃をウィークポイントと見たロンは咄嗟に手札のカードを1枚引き抜いて…………

 

 

「フラッシュマジック、ネクロブライト!!」

「ッ……!!」

「効果によりトラッシュからナイトをLV3で蘇生、効果でドローし、そのアタックをブロックする!!」

 

 

ー【仮面ライダーナイト】LV3(4)BP6000

 

 

紫の輝きと共に蘇る仮面ライダーナイト。回転しながら突撃して来るアルマジトカゲを剣で一刀両断し、爆散させた。

 

 

「んだよ、やればできるじゃねぇか、紛らわしいな。本当にこの程度で終わるかと思ったぞ」

「生憎、オレは誰にも負ける気はないからな」

「ハッ、クールだね〜……アタイはこれでターンエンドだ」

手札:7

場:【キングギドラ[1991]】LV3

【破壊された城】LV1

【大龍城・本丸】LV1

バースト:【無】

 

 

このターンではフィニッシュまで持っていかないと見たイカヅチは相棒であるキングギドラをブロッカーとして残し、そのターンをエンドとした。

 

 

[ターン07]ロン

 

 

「メインステップ、バーストを伏せ、ナイトにコアを追加。さらにソードール2体を連続召喚」

 

 

ー【ソードール】LV1(1)BP1000

 

ー【ソードール】LV1(1)BP1000

 

 

全身が剣でできた人形、ソードールが2体姿を見せる。

 

 

「アタックステップ!!……仮面ライダーナイトでアタック!!」

 

 

自身を選んだライダースピリット、ナイトで攻撃を仕掛けるロン。そしてこの刹那のフラッシュタイミングにて、手札にある強力なカードを引き抜いて…………

 

 

「フラッシュ【煌臨】発揮!!…対象は仮面ライダーナイト!!…この時、ナイトはコスト5のスピリットとして扱う!!」

「ッ……何か来るか?」

「あぁ、見せてやる。来い、仮面ライダーナイトサバイブッ!!」

 

 

ナイトはベルトにあるカード束から1枚のカードを引き抜くと、レイピア状の剣が瞬く間にして騎士の剣を内蔵した青い盾に切り替わり、疾風の如く風が吹き荒れる………

 

 

………サバイブ!!

 

 

ー【仮面ライダーナイトサバイブ】LV3(6)BP16000

 

 

ナイトがその引き抜いたカードを青い盾のバイザー部に装填すると、その無機質な音声と共に強化形態、仮面ライダーナイトサバイブへと進化を遂げる………

 

 

「うぉぉお!!出たぜナイトサバイブ!!…行けロン!!」

「いいね〜倒し甲斐がありそうだ!!」

 

 

久し振りのナイトサバイブにそう言葉を漏らすアスラ。イカヅチもナイトサバイブから放たれる強者のオーラに強い反応を示す。

 

だが、この瞬間。ロンは…………

 

 

ー…

 

ー『ナイトを託してすまない………オマエなら……オマエならきっと………』

 

ー…

 

 

おそらく記憶の奥底に眠る自分の記憶なのだろうか……………

ロンの脳裏に焼き付くかのようにその記憶が再生される。傷だらけで今にも生き絶えそうな男性の声が生後間もない赤ん坊の自分にそう言っているが、その真意や意味が全く伝わって来ない。

伝わって来たモノと言えば必死な事だけだ。

 

 

「ッ………またこれか……!」

 

 

咄嗟に掌を額に当てるロン。もうこれで何度目だろうか、ここ最近はナイトサバイブを呼び出すたびにこの記憶が自分の脳裏に現れては消えていく。

 

ハッキリ言って不可解だったが、誰にも打ち明けられるわけもなく、彼はただ1人苦しんでいた。

 

 

「おいどうした頂点王の息子ロン」

「ッ……いや、何でもない。バトルを続ける」

 

 

イカヅチにそう言われ、我を取り戻したロン。呼吸を整えると煌臨させたナイトサバイブの効果を発揮させる。

 

 

「ナイトサバイブの煌臨アタック時効果。スピリットのコア2個をトラッシュに送る!!」

「ッ!!」

「キングギドラのコア2個をトラッシュへ!!」

 

 

ー【キングギドラ[1991]】(4S➡︎2S)LV3➡︎2

 

 

ナイトサバイブの疾風の斬撃がキングギドラの黄金の体を傷つける。その体内のコアが弾け飛び、LVを降格させられた。

 

 

「さらにナイトサバイブのLV2、3のアタック時効果。デッキの上から3枚のカードをトラッシュへ送り、ターンに一度回復する!!」

「ッ……二度連続攻撃!?」

 

 

ー【仮面ライダーナイトサバイブ】(疲労➡︎回復)

 

 

効果により二度のアタックを可能とするナイトサバイブ。ロンはイカヅチを一気に追い詰めるべく、その効果を躊躇なく使用した。

 

 

「だったら真正面から相手してやるよ!!…迎え撃てギドラッ!!」

「WOHHHHー!!!……遂に両名のエースの激突だYEAHHー!!!」

 

 

ナイトサバイブの前に立ちはだかるキングギドラ。その光景はさながらドラ◯ンク◯ストみたいだ。

 

そして実況は要らないと言われたスピーカーだったが、やはりやりたいのか、たびたびさり気なくマイクを片手に叫んでいる。

 

 

「だがその程度、ナイトサバイブの敵じゃない!!」

 

 

キングギドラの三つ首から放たれる電撃をかわすか剣で斬り裂くナイトサバイブ。そして超近距離まで接近すると、刀身に疾風の風を纏わせ、ギドラの真ん中の首に一閃。見事にその首を斬り落としてみせる。

 

キングギドラも流石に首の切断は応えたか、その場に倒れ込んでしまう。

 

 

「よし!!…これで相手のエースはぶっ倒したぜ!!」

「いや………まだよ」

「!?」

 

 

ナイトサバイブの勝利に喜ぶアスラだったが、イカヅチと言うカードバトラーを知っているエールは違った。

 

そう。まだ終わらない。イカヅチのギドラと言うスピリットにはまだ隠された力があって………

 

 

「………倒したはずのキングギドラが消えない?」

 

 

ロンも何か違和感に気づく。

 

通常、破壊されたスピリットは爆散するか消滅するかでこの場から消え失せる。しかしこのキングギドラは中心の首が跳ねられただけで、残り2つの首が未だにナイトサバイブとロンを睨んでいた。

 

 

「やっぱり強いな。単体でアタイがこのカードを引き抜く事になるとは思わなかったぜ!!」

「ッ!?」

「アタイのギドラはそう簡単にくたばったりしないのさ!!……今度は真の姿となってオマエを討つ!!」

 

 

そう言うと、イカヅチは手札にあるカードを抜き取り、それをBパッドに勢い良く叩きつけた。

 

 

「天の雷操りし黄金の龍王、その不動の魂を不屈の鋼へと昇華せよ!!…鋼鉄雷動の最強龍ッ!!…サイボーグ怪獣メカキングギドラ、LV2で機動ッ!」

 

 

ー【サイボーグ怪獣メカキングギドラ】LV2(3)BP15000

 

 

キングギドラは再び起き上がると、その身は白銀の光に包まれ始め、中央の首に鋼鉄のパーツが装着され始めると、キングギドラはメカキングギドラへと生まれ変わる。

 

両サイドの首から放たれるこれまでの龍の咆哮、そして中心にある鋼鉄の首から発せられる機械混じりの咆哮が不協和音を形成。観客の誰もがそれに震え上がっていた。

 

 

「復活しただと!?」

「ここからが本番だぜ頂点王の息子!!……メカキングギドラの召喚時効果。敵スピリット1体をデッキの上に戻し、BP10000以下のスピリット2体を破壊する!!」

「ッ……!?」

「ナイトサバイブはデッキの上、ソードール2体は焼き尽くす!!」

 

 

鋼鉄となった真ん中の首より放たれる白い光線がナイトサバイブに命中。たちまちデッキの上へと舞い戻される。そして今度は両サイドの首から電撃が放たれ、ソードール2体が貫かれて爆散した。

 

ロンは自分のターンであるにもかかわらず、場のスピリットを再びカラにされてしまった。

 

 

「さぁ!!…もっとアタイとギドラを楽しませろ!!」

「………ターンエンドだ」

手札:4

バースト:【有】

 

 

致し方なくそのターンをエンドするロン。次はキングギドラを超えたメカキングギドラでこの場を制したイカヅチのターン。ロンの残り2つのライフを破壊すべく動き出した。

 

 

[ターン08]イカヅチ

 

 

「メインステップ、ネクサスのLVを上げ、ギドラにコアを3つ追加!!」

 

 

再びネクサスのLVが上がると共に、メカキングギドラにコアが追加。これでちょっとやそっとのコア除去では破壊できなくなってしまい………

 

 

「アタックステップ!!…行って来なギドラ!!…そして今のコイツは赤と白のダブルシンボルッ!!」

「!!」

「コイツを食らったらロンの負けじゃねぇか!!…おいロン、負けんじゃねぇぞコノヤローー!!」

「アスラうるさい。言われなくともまだまだ余裕だ」

 

 

アスラの言葉を一蹴しながら、ロンはイカヅチの攻撃を止めるために手札のカードを引き抜いた。

 

 

「フラッシュマジック、ガードベント!!」

「!!」

「オレのトラッシュにナイトが2枚以上ある時、このターンの間オレのライフは1つしか減らない。よってその攻撃はライフで受ける!!………ッ」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉ロン

 

 

三方向から襲い来る三つ首の龍王。しかし、ガードベントの影響か、そのライフはたったの1つしか砕く事ができず………

 

 

「2枚のナイトだと?……最初のナイトはサバイブと一緒にデッキに戻したはずだ。いったいいつトラッシュに送ったって言うんだい?」

「ナイトサバイブの効果だ。あの時、デッキから2枚目のナイトが落ちていた」

「ッ……やっぱ一筋縄ではいかないみたいだなぁ」

「フッ……あんたもな。言うだけの事はある」

 

 

この激しくぶつかり合った数ターンで、ロンとイカヅチはお互いの実力を認め始めていた。

 

 

「ターンエンド。さぁ、どっからでもかかって来な!!」

手札:7

場:【サイボーグ怪獣メカキングギドラ】LV2

【破壊された城】LV2

【大龍城・本丸】LV2

バースト:【無】

 

 

そのターンをエンドとするイカヅチ。ロンは未だに涼しい表情を見せてはいるものの、あれ程強力な攻撃を何度も受けられるわけがない。

 

よって、勝負がつくとしたらこのターンだ。ロンは全身全霊を込めて己のターンを開始していった。

 

 

[ターン09]ロン

 

 

「メインステップ、アーマーバット2体、そして仮面ライダーナイトを召喚!!…効果で1枚ドロー」

 

 

ー【アーマーバット】LV1(1)BP1000

 

ー【アーマーバット】LV1(1)BP1000

 

ー【仮面ライダーナイト】LV3(6)BP6000

 

 

2、3体目のアーマーバットと、デッキの上に戻されたナイトが召喚される。ナイトの召喚時効果により、ナイトサバイブのカードもデッキから手札に加わる。

 

しかし、当然その情報はイカヅチにも筒抜けであって………

 

 

「アタックステップ、アーマーバットでアタック!!」

 

 

アーマーバットが飛翔する。目指すは当然イカヅチの残り3つのライフだ。

 

 

「オマエの考えてる事はわかる!!…アーマーバット2体の攻撃、ナイトサバイブの連続アタックで勝機を掴む気でいるんだろ?」

「!!」

「それを分かってて煌臨させる馬鹿はいねぇよな!!」

 

 

堂々と構えるイカヅチは、そのまま手札にある奥の手だったカードを引き抜いた…………

 

 

「フラッシュマジック、レーザー引力光線!!」

「!!」

「不足コストはネクサスから確保。この効果でアーマーバット1体を手札に、さらにソウルコアをコストとして支払った場合、ギドラの名を持つスピリット1体を回復させる!!…起き上がれギドラ!!」

 

 

ー【サイボーグ怪獣メカキングギドラ】(疲労➡︎回復)

 

 

レーザーがアーマーバット1体を貫き、たちまち粒子化させて手札へと強制帰還させた。さらにソウルコアの力が加わった事により、メカキングギドラがリブート。そしてイカヅチの真の狙いはこの回復であり………

 

 

「アタイの奥の手、とくと味わいな!!…メカキングギドラさらなる効果!!…赤か白のスピリットが回復した時、このスピリットの召喚時効果を発揮させる!!」

「!?」

「残ったアーマーバットをデッキの上へ、そしてナイトは破壊する!!」

 

 

真ん中の首から放たれる白い光線がアーマーバットを貫き、両サイドの首から放たれる電撃がナイトを破壊した。

 

これで又してもロンの場はガラ空き。煌臨元がいなければ切札のナイトサバイブも呼ぶ事ができない。イカヅチのギドラデッキのカウンター能力には誰もが度肝を抜かれていた…………

 

ただ1人、このロンを除いてはの話だが…………

 

 

「フッ……」

「ッ……オマエ、何笑ってんだ」

「やはりな。これまでの戦い方からして、あんたのデッキがカウンター型である事は承知していた。そしてそれに伴う破壊を待っていた……!!」

「なに!?」

「破壊後のバースト発動、天冥銃アーミラリー・スフィア!!」

 

 

ロンが伏せていたバーストが遂に発動される。それはいわゆる銃ブレイヴと呼ばれる存在、魔法陣と共にそれは出現した。

 

 

ー【天冥銃アーミラリー・スフィア】LV1(6)BP3000

 

 

「効果でメカキングギドラのコア2つをリザーブへ!!」

「くっ……アタイのカウンターにカウンターを仕掛けるとは良い度胸してるじゃないか………だがその程度のバーストじゃアタイのギドラは倒れないッ!!」

 

 

ー【サイボーグ怪獣メカキングギドラ】(6➡︎4)

 

 

紫のオーラがメカキングギドラに纏わり付く。そのコアが2つリザーブへと叩き出されるが、そのLVはまだ最大の2をキープしている。

 

 

「だろうな。だからこそコレがある。【煌臨】発揮、対象は天冥銃アーミラリー・スフィア!!」

「ッ……ブレイヴを対象に煌臨だと!?」

 

 

アーミラリー・スフィアのような銃ブレイヴには【装填】と言って、煌臨スピリットの煌臨元になる効果がある。今回はその効果が発揮され、ロンのナイトサバイブの煌臨が成立した。

 

さらに巨大な魔法陣が形成されたかと思えば、そこからメカキングギドラに倒されたナイトサバイブが復活を果たす。

 

 

ー【仮面ライダーナイトサバイブ】LV3(6)BP16000

 

 

「さらに煌臨元となったアーミラリー・スフィア自身の効果でナイトサバイブと合体!!」

 

 

ー【仮面ライダーナイトサバイブ+天冥銃アーミラリー・スフィア】LV3(6)BP19000

 

 

いつものナイトサバイブならば登場と共に青き盾に内蔵された騎士の剣を引き抜くが、今回はそれを行わず、代わりにアーミラリー・スフィアを握り締めた。

 

 

「まだだ!!…ナイトサバイブの煌臨アタック時効果でメカキングギドラのコア2つをトラッシュへ!!」

「ッ……!!」

 

 

ー【サイボーグ怪獣メカキングギドラ】(4➡︎2)LV2➡︎1

 

 

天冥銃を握るナイトサバイブの銃撃。疾風の力が込められた紫の弾丸は見事にメカキングギドラへと命中。そのコアが又しても打ち抜かれ、LVダウンに陥ってしまう。

 

 

「そしてアタック!!…再び効果を発揮させ、今度こそギドラを討ち取る!!」

「ッ……ギドラ!!」

 

 

ー【サイボーグ怪獣メカキングギドラ】(2➡︎0)消滅

 

 

放たれる二発目の弾丸。メカキングギドラは身体の中心を打ち抜かれ、その中に眠るコアを全て弾き出されてしまい、たちまち消滅してしまう。

 

 

「これでブロッカーは消えた!!…ナイトサバイブLV2、3の効果でカードを3枚トラッシュへ置き、回復!!」

 

 

ー【仮面ライダーナイトサバイブ+天冥銃アーミラリー・スフィア】(疲労➡︎回復)

 

 

再び回復効果も発揮。これで二度のアタックを可能とした。

 

そして今は合体スピリットであるためダブルシンボル…………

 

終わりだ。イカヅチはそう確信した。しかし、負けるはずなのに、何故か彼女の表情からは笑みがこぼれ落ちており…………

 

 

「フフ……ハハ……アハハハハッハッハッハ!!!……これが頂点王の息子の力か!!……いいぞ来い、楽しかったぞぉぉぉおー!!!」

「行け、ナイトサバイブッ!!」

 

 

〈ライフ3➡︎1➡︎0〉イカヅチ

 

 

ナイトサバイブは先程までとは比べ物にならない威力の弾丸を発射する。それはイカヅチの3つのライフを全て撃ち抜いて見せた。

 

それにより、イカヅチのBパッドから敗北を告げるように「ピー…」と無機質な機械音が流れる。

 

勝者はロンだ。誰もがそう認識した時、観客達から盛大な声援が上がって来た。その中には先程彼らをコモンだからと見下していた者もいた。その様子を見て、この国は少しずつ変わって来ているのだと、アスラとロンは自覚していた。

 

その後は叙勲式の続き……と言ってもこれまでの栄光を称えた小さなメダルをもらっただけだが、何はともあれ、それを終えると、今年の叙勲式は完全に終わりを迎えたのだった…………

 

 

******

 

 

「ハッハッハ!!…負けた負けたー!!……やるな頂点王の息子、いやロン!!…カラーカードを5つも獲得してるだけの事はある」

「どうも」

 

 

時刻はすっかり夕焼けが小焼けする頃。バトルも叙勲式も終わり、一旦スタジアムを後にしていたアスラ、エール、ムエ、シイナ、ロン、イカヅチ、スピーカー。

 

ロンを気に入ったのか、イカヅチが彼の背中をバシバシ叩きながらそう言った。

 

 

「ロン、また強くなりやがってコノヤロー!!…絶対に追い抜くからな!!」

「フッ……来るなら来い。いつでも叩き落とす」

「さっきも聞いたわね」

 

 

アスラとロンの全く同じ会話の流れにエールがツッコム。しかしアスラだけでなく、エールもロンの成長速度に驚いていた。何せ自分と光黄2人がかりでようやく倒せたあのイカヅチを単体で撃破したのだから…………

 

 

「そんじゃオレ様は先にライライ町に帰るぜ。オマエの挑戦待ってるぜスモールBOY!!」

「誰がスモールっすかぁー!!」

「ハッハッハ!!…GOODBYE!!」

 

 

スピーカーがハーレーのようなバイクに乗り、高らかにエンジン音を上げながら去って行った。

 

 

「ほんじゃ、アタイも次の町に行くとするか。じゃあな、次会う時はもっと強くなっとけよ」

「それはこっちのセリフだ」

「フッ…言うじゃねぇか」

 

 

イカヅチも最後にロンと話すと、この場を立ち去っていく。

 

 

「相変わらずぶっ飛んだヤツだったわね」

「でもなんか意外と良い人だと思うぞオレは!!」

「えーーどうだろ」

 

 

小さくなっていくイカヅチの背中を見ながら、アスラとエールがそう会話した。アスラは少なくともイカヅチがただ純粋にバトルを楽しんでいるようにしか見えなかったため、これと言った悪い印象は無かったのだ。

 

 

(……ロンもそうだが、もう1人のアスラとか言うヤツ……あいつもアタイを楽しませてくれそうだね〜……やはり汚い仕事から足を洗って正解だったよ……こっちの生活の方が断然楽しいじゃないか)

 

 

歩いていくイカヅチが内心でそう考えた。

 

そう。頂点王の息子はもう1人いる。イカヅチは密かにロンだけでなくアスラにも期待していた。

 

 

「てなわけで!!…4人でライライ町戻るよ〜」

「むえ〜」

 

 

一段落したところでオレンジの小動物、ムエを抱えながらシイナが口を開いた。

 

 

「いや、だからシイナ。オレは最後の町に行かないと」

「ダメダメ!!…アスラのカラー戦見届けるまででは絶対逃さないぞー!!」

「相変わらず強引な」

 

 

無理矢理ロンの手を引っ張るシイナにエールがツッコんだ。しかし、ロンとて別にアスラのカラー戦に興味がないわけではない。かなりの寄り道にはなるが、今のライバルの実力を見るのは悪くないと思えて来て…………

 

 

「………仕方ない。このチンチクリンのカラー戦が終わるまでですよ」

「誰がチンチクリンだロンコノヤロー!!」

「ハッハッハ!!…よし、決まりィィィー!!…そんじゃ飯行くぞ飯!!…奢るよ」

 

 

喧嘩するアスラとロンの首周りに自分の腕を回しながらそう言ったシイナ。エールはそれを見て、シイナがどれだけあの2人を大事に思っていたのかがわかった。

 

そう思うととても微笑ましくて…………

 

 

「ハハ!…楽しそうですね、シイナ様!!」

「当然!!…よし行くぞ〜!!」

「っしゃぁ!!待ってろよ黄色のカラーリーダー、スピーカーさん!!……黄色のカラーカード、絶対オレも手に入れてやるぜ!!」

 

 

後1日でバトルができるくらいには回復できるアスラ。倒さなければならない強敵はたくさんいるのは今日でわかったが、一先ずは目先のカラーリーダーを倒す事を目標に掲げ、そう叫ぶのだった……………

 

 

 

 

******

 

 

 

時同じくして、ここは国から外れた場所にある崩れ去った廃墟。そしてそこはライダーハンターズの隠れ家でもある。

 

あの洞窟での激闘から実に1週間経ったか、オロチは未だに気を失っていた。バトルスピリッツで二度連続敗北した事や、彼自身が謎の進化を遂げた事が大きな要因だろう…………

 

そしてその夢の中、彼はある事を思い出していた。それはあの時、アスラと激しいバトルを繰り広げながら言われた言葉だ。

 

 

ー…………………

 

 

 

ー『オレとオマエは似ている!!…同型のライダースピリットに選ばれたのも納得だ!!』

ー『………似てねぇよ』

ー『あぁ?』

ー『似てねぇよ!!…一緒にすんな!!……オマエ、なんでそんなに強いのにまともなやり方で見返そうとしなかったんだ!!…なんでそんなスゲェカードに選ばれたのにそんな這い上がり方しかできなかった!!』

ー『なッ!?』

ー『オレはオマエとはチゲェ!!…何がなんでも頂点王になって、必ずコモンでも、ソウルコアが使えなくても強くなれるって証明してやる!!』

ー『黙れェェェー!!!…それはこの世界の主観が生んだ愚かな考え方だ!!…そして、そんな淡い希望を抱く者をぶっ殺す事ほど楽しい事はないッ!!』

 

 

ー…

 

 

ー『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!……何故だ、何故だァァァー!!!!…オレは強くなったんだ……他のヤツらから強力なカードを奪い、強くなったんだァァァァァァー!!!』

ー『じゃあ聞くけどよ、オマエの場に最後残っていたのはなんだった?……オマエを選んでくれたライダースピリットだけだったろうよ!!』

ー『ッ!?』

ー『オマエは強くなんてなっちゃいねぇッーー!!!……オマエが今まで強引に奪って来た力なんて……全部まやかしなんだよぉぉぉお!!!!………テメェよりも、切磋琢磨し合って来たオレ達の方が強いッ!!!!』

 

 

 

あぁ。その通りだよクソチビ。オレとオマエは全然違う。

 

オレの力は全部まやかしだ。単なる自己満足のために他の奴らを殺して来た。そんなオレなんかより「仲間」を持っているオマエの方が遥かに強かったよ。

 

オレは「オレとオマエは似ている、だから同じタイプのライダースピリットに選ばれた」そう言った。

 

だけどオマエの言ってた通り、違う。オマエはオレと違って仲間にだけは恵まれた。その「仲間」とやらでオマエはオレを超えたんだろ?

 

オレにもその「仲間」ってヤツ………できるか?

 

 

 

 

ー………………………

 

 

「………?」

 

 

夢の中で大きな疑問を抱いたオロチ。しかしその途端にようやく目を覚ます。その目がゆっくりが開眼すると、そこにはライダーハンターズ最強の男、トゥエンティがいた。

 

 

「よぉ、元気だったか。どうだ、このオレと戦わないかトゥエンティ」

「フッ……開口一番がそれか、オマエらしいな」

 

 

相変わらずなオロチに、トゥエンティはそう言いながら彼のデッキを渡す。オロチはそれを受け取るなりある事に気がついて…………

 

 

「ッ………王蛇がいねぇ……?」

「あぁ、何故か消えていた」

 

 

そう。己のデッキの象徴でもあった「仮面ライダー王蛇」のカードが消え去っていた。トゥエンティがライダースピリット欲しさに奪った可能性もあるが、そうだとしたらこの場にはいないだろうし、何やり話し方からして嘘はついていない事は一目瞭然だった。

 

 

「まぁ居なくなってもしょうがねぇか。オレは負け過ぎた。愛想尽かしたんだろうな…………なぁトゥエンティ、オレ達は「仲間」か?」

「?………何だそのオマエらしくない青臭い質問は」

「いや、単純に疑問を抱いただけだよ。どうなんだ?」

 

 

トゥエンティはオロチからの妙な質問に少し戸惑いを見せながらも回答する。

 

 

「少なくともオレはオマエやイバラの事を仲間だと思った事は一度もない。何せオレ達はどちらが先にライダースピリットを20枚集めるか競争しているからな」

「フッ………あぁ、やっぱそうだよな」

「?」

 

 

トゥエンティの回答を耳に入れるなり、オロチは立ち上がる。

 

 

「じゃあなトゥエンティ。オレは今日限りでライダーハンターズを辞める」

「なにっ!?」

「主任にはめんどくさくなったとでも言っとけ、次はお互い戦場で会おうや」

 

 

衝撃的なオロチの発言。ついこの間まではここにいるから自分やウィルと言った強敵といつでもバトルできるから楽しいだとか言っていたあのオロチがだ。トゥエンティにとってにわかには信じられなくて…………

 

 

「オマエ……アスラに何を言われた……!?」

「あぁ?…それはあのクソチビの名前だったか?……別に何もねぇよ、ただバトルするたびに殺してたらそのうちバトルができなくなる事に気がついただけだ」

「ッ……それを気づかせたのがアイツなんだろ!?……違うのかオロチ!!」

「その焦りよう、まるでオマエはアイツに何かを変えられたような言いぶりだな」

「ッ………違う……違うオレは……!!」

 

 

オロチにそう言われ言葉を詰まらせるトゥエンティ。オロチがアスラと接触していた事を知っていたため、無意識に言った言葉だったが、オロチの言う通り、確かにまるで己もあのソウルコアが使えない欠陥品のような少年に何かを変えられたと言っているようにも聞こえて…………

 

 

「取り敢えずオレは出るぜ、じゃあな」

「おい……話はまだ終わってない。待てよオロチ!!」

 

 

トゥエンティの制止は聞かなかった。オロチは瓦礫の山を飛び越え、ライダーハンターズの隠れ家を………いや、ライダーハンターズそのものを出て行った……………

 

そしてこれらのやり取りを物陰で眺めていた人物が1人…………それは誰が見ても絶世の美女と呼べる存在、イバラだった。

 

 

「トゥエンティもオロチも、アスラ君に何かを変えられた…………ふふ、ますます興味が沸いて来たわ〜……最近本当に楽しい。でも私が永遠の若さを手にしたら他のみんなは老けていくのかしら?」

 

 

最近、イバラは心のどこかで感じていた。

 

……『自分だけ永遠に生きていても良いのか?』と、確かにそれが自分の願いだ。しかし、せっかく仲良くなった………と、彼女が勝手に思っているエールやアスラもいずれは老けて死ぬ。

 

他の人にもそれは等しく言える。はたして自分だけが若く生き残っている世界は楽しいのかと密かに勘ぐっていた……………

 

 

 

 

 

 

 




〈キャラクタープロフィール〉

【イカヅチ】
性別:女
年齢:21歳
身長:170cm
身分:レア
使用デッキ:【ギドラ】
概要:強さが心情の賞金稼ぎ。自由奔放な性格でバトラーとしての実力は高く、基本的に誰かの下に着くのを嫌うが、生活の為に渋々傭兵や用心棒等で生活費を稼ぐ。因みに今はそれを辞めている。
一人称は「アタイ」、使用キースピリットは「キングギドラ」



******


最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
次回も執筆頑張ります!!
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