バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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本日よりブラストさん作『バトルスピリッツ7-Guilt-』とのコラボ編がスタート!!



七つの大罪竜篇
41コア「憤怒の竜、ドラグノ出陣」


「……テンドウさん……なんすかここ?」

「つべこべ言わずにさっさと入れ、ただのイカレジジイの実験施設だ」

「何よそれ。エックスの私もそんなとこに入れるつもり?」

 

 

龍騎を召喚する力を失ったアスラ。

 

その力を取り戻させるべく、テンドウが案内したのは、オウドウ都にある小さな「ネコガイヌ研究所」と呼ばれる実験施設。そこから噴き出ている怪しげなオーラに、アスラとエールは思わず足を止める。

 

 

「つーかよー…エール、ムエ、シイナはわかっけど、なんでオマエも来てんだよロン!!…呼ばれたのはオレだぞ!!」

「三王の修行場所、単純に興味がある」

「まぁまぁ!!…良いじゃんアスラ!!…家族旅行みたいで楽しそうだし!…こう言う展開待ってたんだよね〜」

「オレ今から修行しに行くんだけど!?」

 

 

母に近い存在である頂点王シイナの緊張感の無い発言に、ツッコミを入れるアスラ。シイナは母親らしい事を彼らにした事があまりないため、異世界とは言え、3人でどこかへ行けるのが楽しみなようだ。

 

 

「まぁ何人来てもいいわ。取り敢えず行くぞ」

「おうっす!」

 

 

テンドウが鉄製でできた研究所の扉を開き、中へと進んでいく。アスラ達一行もそれに続いて行った………

 

中は予想通りのオンボロ研究所だった。明かりが薄暗く、それでいて気味が悪い雰囲気が漂っていた。それに加え、失敗作なのか、鉄の塊がゴロゴロ転がっているし、引きちぎれた謎めいたコードが辺りに散らばっていて、その気味の悪さに磨きがかかっている。

 

 

「おぉ!!…ここがイセカイって所かーー!!」

「アスラ、多分違う」

「何なのよここ、汚いしこわー……」

 

 

異世界が何なのかを理解していないアスラに、ロンが白々しい目を向けながらそう告げた。

 

しかしそれは致し方ない事でもある。日常で異世界などと言う奇想天外な言葉など出てくるわけがないのだから。

 

 

「おぉ!!…やっと来よったな。待っとったぞーい!!」

「??……ジイちゃん誰だ?」

「むっ……人を名乗らせたいなら先ずは己から名乗らんかい、チビ助!」

「えぇ!?…あんたの方が小ちゃいよ!?……スーミ村のアスラって言います!!」

 

 

そんな小さくて汚い研究所にいたのは他でもない、白い髭にくたびれた年寄り、ネコガイヌ博士だった。

 

 

「誰よテンドウ。このお爺さん」

「前も言ったろ、世界を滅ぼしそうなジジイだよ」

 

 

テンドウがエールにネコガイヌ博士の説明をする中、ネコガイヌ博士は美人なエールとシイナを見るなり興奮して…………

 

 

「おぉ!!……綺麗な女の子が2人も!!…でかしたぞテンドウ!!…これでおっぱい沢山揉み揉みできるぞ………い!?」

 

 

シイナとエールに対して下心丸出しのネコガイヌ博士、それに対して静かにブチ切れたエールの正拳突きが無言で炸裂。あまりの威力に地べたに這いつくばってしまう。

 

 

「えぇ!?…おいエール、何やってんの!?」

「はぁ?…見てわからないわけ?…制裁よ」

「いやいや、なんかその人すごい人っぽいよ!?」

「この世に逆らってはいけない人間がいる事を教えてあげるわ」

「ギャァァァー!!……でもちょっと幸せぇ!!」

 

 

その後もエールは追い討ちをかけるかの如く、倒れているネコガイヌ博士を長くて綺麗な足で何度も踏みつける。

 

しかし、ネコガイヌ博士は何故かそれを受けても笑っていて………

 

 

ー……

 

 

その後、少しだけ時間が経ち、エールにボコボコにされたネコガイヌは体中にシップを貼りながも、ようやく話を進めた。

 

 

「………で、異世界転送装置がいるんじゃったな」

「おう。完成させたんだろ?」

「まぁね〜!!…ワシちゃん天才だからのぉぉ〜」

 

 

自慢気に語るネコガイヌ博士に、白々しい目を向けるエール。どうやらさっきの変態チックな発言もあり、彼を信用できていないようだ。

 

その後、ネコガイヌ博士はテンドウの手に小さな機械である異世界転送装置を渡すが。

 

 

「ほれ。完成形異世界転送装置じゃ」

「………なんか前と全然変わってなくね?」

「いやいやテンドウよ。舐めてもらっては困る、ちゃんと行き先も決められるし、前みたいな時間制限もない!!…こう見えて完璧なのじゃよ」

「あんたが言うとイマイチ信用性に欠けるんだが………まぁいいか。ほんじゃオマエら、今から異世界旅行行くぞ」

「散歩に行く感覚で異世界旅行とか言うのね」

 

 

テンドウがエールにツッコミを入れられながらも、完成形異世界転送装置をネコガイヌ博士を除いた全員に向ける。

 

そんな中、アスラはこれから向かう世界にワクワクしていて………

 

 

「……楽しみだぜイセカイ!!…オレは絶対もっと強くなる、待ってろよ修行相手!!」

 

 

アスラの言葉を最後に、テンドウが転送装置のスイッチを押した。すると、アスラ、ロン、エール、ムエ、テンドウは鮮やかな虹色の光に包まれながら姿を消して行った。それを見送るかのように、取り残されたネコガイヌ博士は手を振っていて……………

 

 

*****

 

 

ここはアスラ達が冒険をしている世界とはまた異なるとある世界。日が照りつける昼間のリアルな街並が広がる河川敷にて、2人の男女が決闘でも行うかのように向かい合っていた。

 

 

「今日と言う今日こそ、俺はお前に勝つ!…そしたら、俺と付き合ってくれ!!」

「お前のそれは聞き飽きた。いいからとっとと掛かって来い、どうせ勝つのは俺だ」

 

 

アスラ達よりもやや年増な茶髪の少年が、同じくらいの年齢の強気な少女に指を差し向けながらそう宣言する。

 

バトルに勝ったら付き合う。非常に意味深な話だが、これは彼らの中では常識中の常識。

 

 

「上等、今度こそ対策はバッチリなんだ!…目にもの見せてやるぜ光黄!」

 

 

デッキを構える二人。そんな彼らの側には、まるで相棒であるかのような小さなドラゴンが一匹ずつ………

 

そして、遂に決戦の火蓋が切って落とされようとしたその瞬間だ………

 

彼らの間に割って入るかのように、虹色の光と共にアスラ達一行が出現したのは…………

 

 

ー!!

 

 

「お、おぉ……ここがイセカイってヤツか……」

「あんた絶対異世界の意味わかってないでしょ」

 

 

初めての異世界体験に、アスラが感想を述べ、それに対してエールがツッコミを入れる。

 

そんな彼らを知っているのか、光黄はクールな外観からは想像できないくらい目を見開いて………

 

 

「エール?……それにアスラも」

「え……光黄!?」

「光黄さん!?」

「え………誰?」

 

 

不本意な再会に、思わず顔を合わせるアスラ、エール、光黄の3人。光黄がアスラ達の世界に訪れた事があるため、面識があったのだ。そんな中、唯一知らない烈我はキョトンとした表情を見せる。

 

 

「光黄久し振り〜!!…まさかまた会えるなんて!!」

「あぁ、俺も思ってなかったよ」

『わぁぁぁ!!……エール様ぁぁ!!……お久しぶりでございます!!』

「あんたの再会は別に嬉しくないわ。黙ってなさい」

『何故でございますかぁぁ!?』

 

 

ある一件以来、友情が芽生えていたエールと光黄。感動の再会を果たす中、女好きの翼竜、ライトが美人なエールに飛びつくが、エールはそれを軽くあしらった。

 

 

「あぁ、君確か、マリーナ海街でエールちゃんといた女の子!!…元気だった?」

「むえ〜」

「あ。どうも」

『まぁ何と素敵な女性なんでしょう!!……私ライトと申します!!…以後お見知り置きをお嬢さん!!』

「はは、お嬢さんと呼ばれる年齢じゃないんだけどな」

 

 

一度光黄と会っているシイナとムエ。光黄は軽く頭を下げて挨拶を交わす。

 

その間にシイナを見た女好きのライトが凄まじい勢いで彼女に詰め寄った。25の年齢であるシイナ、お嬢さんと呼ばれるのに少しだけ違和感を覚える。

 

「でもなんでお前達が俺達の世界に?」

「あぁ……うん。それはこのバカスラから説明した方が早いわ」

「オレ、もっと強くなるため、このイセカイに修行しに来たんス!!」

 

 

アスラが拳を固め、目をギラギラと輝かせながら堂々と答えた。

 

 

「修行?」

「はい!!…でもって光黄さん!!…是非オレの修行の相手してくださァァァーい!!」

「俺を?」

「おうっす!!…バトルしましょう!!」

 

 

光黄の実力の高さをアスラは知っている。それ故にこの世界での修行相手にはうってつけであると思い至り、この発言に繋がった。

 

 

『何だとこのチビ!!…あなた如きがこの超美人で超クールな光黄様に修行を申しつけるなど百年、いや千年、いや万年早いですよ!!……この執事であるライト、断固として拒否します!!』

「なんだとぉぉぉー!!…てゆーかオマエの方がチビじゃないかァァァー!!」

「そもそもお前は俺の執事じゃないだろ」

 

 

自称光黄の執事である、翼竜の姿をしたライトがアスラに物申す。彼は毎度毎度、光黄の執事であると称してはそれを光黄に否定されている。

 

そして、アスラの光黄に対する物言いに反応したのは、このライトだけじゃなくて………

 

 

「おいお前」

「??」

「なんかよくわからんけど、修行相手なら、光黄じゃなくてこの俺が引き受けてやるぜ!」

「……だ、誰だあんた……?」

 

 

烈我がアスラにそう告げてきた。烈我の存在を初めて認知したアスラは頭に疑問符のマークを浮かべる。

 

 

「オレは天上烈我!!…光黄の幼馴染みで、ライバルだ!!」

「幼馴染みでライバル??……オレ達で言うところの、ロン的な感じの人か?」

「いやアスラ。そうだとしたら多分オレじゃなくてオマエがこの人的な存在だと思うぞ。熱苦しい感じとかそっくりだし」

 

 

堂々と自己紹介する烈我。アスラは彼の発言からロンと同じ立ち位置にある存在だと認識するが、ロンから見たらその逆。アスラが烈我的な存在だと感じていた。

 

確かに言われてみれば、熱血なアスラと烈我。クールなロンと光黄。一般的な感性からすれば烈我はこの世界でのアスラ的な存在であると言える。

 

 

『おい烈我。俺を忘れてもらったら困る』

「ッ!?…犬……なのか?」

『犬じゃねぇよ!!…噛むぞこのチビ助!!』

「だから誰がチビだ!!…オマエの方が小ちゃいよ!?」

「こいつはバジュラ。光黄のとこのライトと同じで、七罪竜の一柱。でもって、俺の相棒だ」

 

 

烈我の横から飛び出して来たのは、赤い肉食恐竜をこれでもかとデフォルメしたような姿をしたドラゴン。その名はバジュラ。烈我の相棒であり、憤怒を司る七罪竜だ。

 

 

「うぉぉ七罪竜!?…マジ!?…じゃああんたも相当バトル強いんだな!!」

「おう!!…もちのろんだぜ!!」

「俺には一度も勝った事ないけどな」

「ぐっ……いいよ、いつか絶対勝ってみせるし」

 

 

自慢気になる烈我に光黄の鋭い言葉が突き刺さる。

 

天上烈我と黄空光黄。幼馴染みでライバル関係にある2人だが、アスラとロンの関係同様、烈我は光黄に一度もバトルで勝てた事が無い。

 

バトルに勝利し、光黄と付き合うのを目標にしている烈我であるが、その目標は近くも、遠い存在なのである。

 

 

「へぇ〜……光黄さんの方が強いのか!!…じゃあやっぱり、修行相手は光黄さんで!!…バトルお願いしまァァァーす!!」

「いやいや待て待て!!…バトル相手は先ず俺からってさっきも言っただろ!?」

「え?…でもあんた、この光黄さんよりかは強く無いんだろ?……オレは今、できるだけ強い人とバトルやりてーんだ。もっともっと強くなって、超えたい人達がオレにはいっぱいいる!!」

 

 

自身の相棒とも呼べるカードである龍騎が使えなくなったアスラ。早く強くなりたいと言う焦りから、烈我よりも強者である光黄とのバトルを求める。しかしその言い方に、烈我とその相棒であるバジュラは腹を立てて………

 

 

「なに……オレと戦う道は遠回りとでも言いたいのか……舐めんじゃねーよ、このチビ!」

『その言い方だとこのバジュラ様があの色欲魔より劣ってるとでも言いたげだなこのチビ助!』

「そこまで言ってねー。ただオレはもっと強くなりたいだけだ!…強くなるための近道なんてあるとは思ってねーけど、わかってる範囲でできるだけ近道行きてーだろうがコノヤロー!」

「それを舐めてるって言うんだよ!」

 

 

目線から火花が散り合う2人の主人公達。似た者同士であるからこそ、どこか食い違う事もあるようだ。

 

 

「なんか揉めてるね」

「揉めてるわね」

「揉めてますね」

「むえ〜」⬅︎揉めてるね

 

 

今にも喧嘩になりそうな両者に、そう言葉を呟くシイナ、エール、光黄、ムエの女子陣。そんな中、エールはある事に気がついて………

 

 

「あの烈我って言う奴、どっかあのバカスラに似てるわね…………あ、じゃあ光黄が好きな人ってひょっとして………」

 

 

以前光黄が自分達の世界に訪れた際に自分だけに話してくれた想い人の話。その特徴が余りにもアスラと似ていた事を思い出すエール。

 

事実、その直感と予感は的中していた。

 

 

「そもそも。本当は今日、俺が光黄とバトルする約束してたんだ!!…急に現れた奴は引っ込んでろよ!…大体テメェ光黄になれなれし過ぎだろ!!」

『おうそうだ!…本当はあのクソ翼竜をぶっ飛ばす予定だったんだよ!』

「あぁそうかよ!!…じゃあそのバトルが終わった後にオレが光黄さんとバトルさせてもらうぜ!!」

「それはそれで嫌だ!…光黄を倒した後は俺がお前をぶっ倒す!!」

「なんでそうなるんだよ!!…この茶髪ヤロー!」

「茶髪は悪口に入らねーだろ!!…テメーこそなんだその汚い灰色のツンツン頭は!!」

「これは生まれつきだァァァー!!」

 

 

剥きになった2人の口喧嘩が本格的に始まる中。そんな彼らの間に、ある人物が割って入って来て…………

 

 

「はいはーい、そこまでな。オマエ達のどんぐりの背比べ的な言い争いは見るに耐えないので、オマエ達自身で決着着けちゃってくださーい」

 

 

ー!!

 

 

その正体はテンドウ・ヒロミ。タバコを咥えながら、無表情で彼らにそう告げて来た。実際最もな意見である。揉め事はバトルスピリッツで解決するのは、どこの世界も同じだ。

 

 

「て、テンドウさん!!…なんでこんなヤツらとバトルしなきゃいけねーんすか!?」

「あぁ!?…なんだ小僧、オレの意見に従えねーとでも言うのか?…そもそもこの世界に来れたのは誰のおかげだと思ってる?……テメーだけこの世界に置き去りにしてもいいんだぞ」

「ギャァァ!!……すみませんでしたァァァー!!……だから頭ニギニギすんのやめてぇぇぇ!!」

 

 

生意気な口を聞いて来たアスラの頭を鷲掴みにし、握力だけでその頭を握り潰そうとするテンドウ。異世界に置いていかれる前にあの世に逝きそうな予感がアスラの頭を過ぎる。

 

 

「へへっ……怒られてやんのー」

 

 

そんなアスラを見て、少しいい気になる烈我だったが………

 

彼にも破壊神の魔の手が迫っていて…………

 

 

「テメーもだよ、この小僧異世界バージョン。そもそもテメーがあーだこーだとつべこべ言ったせいでこうなったんだろ。殺すぞ?」

「俺も!?…ギャァァ頭がァァァー!?!!」

 

 

テンドウの余った手で頭を握られる烈我。2人の主人公は揃いも揃ってこのテンドウには敵わないタイプであるらしい。

 

その後、テンドウの拘束より解放された2人は、バトルしないとテンドウに殺されてしまう事をお互いに悟り…………

 

 

「仕方ねー…だったら先ずはお前をぶっ倒してから光黄とバトルしてやる!」

「それはこっちのセリフだァァァ!!」

 

 

取り敢えず今は目の前に現れた敵を倒す事だけを考える2人。そんな中、テンドウは又してもアスラに物申す。

 

 

「おい小僧。オマエ、まさかその使えねー(龍騎の)カードがいっぱい入ったデッキでバトルするわけ?」

「え?……あ、まぁ。龍騎がいないとデッキ40枚にならないし」

 

 

アスラは今、己を選んだライダースピリットである仮面ライダー龍騎を使用する事ができない。

 

故に、デッキ内にある龍騎のカード達は今正に使えないカード「死に札」と言っても過言ではない状況に陥っている事になる。

 

 

「仕方ねー。ほい、あげるわ」

「??」

 

 

テンドウはそう言いながら、懐より数十枚のカードを取り出し、アスラに手渡した。少々タバコ臭いそのカードをアスラは目に映す。

 

 

「それはオレが何年も前、まだカブトを持っていない時に使っていたカードだ。仕方ねーからくれてやるよ。持っててもあんま高価なカードはないし」

「ま、マジっすか!?…テンドウさんのお下がり!!」

「モノの捉え方が気持ち悪いんだけど」

 

 

尊敬するテンドウよりカードを授かり、大喜びするアスラ。早速デッキの中にある龍騎のカード達を抜き取り、代わりにそのカード達を投入する。

 

 

「龍騎……待ってろよ。いつか絶対、またオマエに相応しいバトラーになってやるからな!!」

 

 

アスラは龍騎との思い出を思い出し、誓いの言葉を告げながら、それをズボンのポケットにしまった。

 

そしてその間、烈我が待ちくたびれているかのように軽く足踏みをしながら待機していて………

 

 

「……もういいか?……じゃあやるぞ、バトル!……来いバジュラ!」

『おうよ!!…いっちょ暴れてやるぜ!!』

 

 

伝説のカード、七罪竜の一柱、バジュラがバトスピのカードの姿になると、烈我のデッキに装填。これで彼の準備は整った。

 

 

「おっ……やっぱそいつもカードになるんだな、カッケェぜ………よし、そんじゃ先ずはBパッドを………」

 

 

アスラがバトルを行うべく、懐より己のバトル用端末、Bパッドを取り出し、展開しようとしたその瞬間だった。

 

 

「Bパッド??……なんだそれ、そんなもんなくったって、バトルできるよ」

「え?」

「ゲートオープン、界放!!」

 

 

烈我がアスラにそう告げると、取り出した小さなキューブを地面に向かって軽く投げつける。

 

すると、辺り一面に眩い光が広がり、それはアスラと烈我を吸い込んで行って…………

 

 

ー………

 

 

「………な、なんだよここ!?」

「ここはバトルフィールド、その名の通り、バトルスピリッツを行うフィールドだ」

 

 

溢れんばかりの光量に目を閉じていたアスラ。光が無くなると共にその目を開けると、そこには荒地のような光景が広がっていた。

 

ここはバトルフィールド。烈我達の世界では彼らとその敵対する団体の戦いにおいて使用される戦いの場だ。

 

 

「凄い……光黄達は毎回こんな所でバトルしてるの?」

「毎回と言うわけでもない。一般のバトルフィールドはまた別にあるし」

 

 

エール、光黄、ライト、ムエ、シイナ、テンドウ、ロン。他の面々は、元の場所でそのキューブから映し出される映像からアスラ達を視認していた。

 

 

「へーー……凄く広そうだね〜」

「フィールドの形ダンゴムシに似てない?」

 

 

これだけ広大なバトルフィールドを見ても流石に驚くそぶりすら見せない頂点王シイナと三王テンドウ。彼の言う通り、確かに丸まっていないダンゴムシに見えなくもない………

 

 

「おい。あんた、光黄とか言ったな。さっきのバジュラとか言うヤツはなんだ?」

『おい、そこの黒髪ノッポ!!…あなたちょっと光黄様に馴れ馴れしいぞ!!』

「この羽トカゲもカードになるのか?」

『誰が羽トカゲですかァァァー!!』

 

 

ロンは唯一、異世界のカードである七罪竜の情報を知らずにこの世界に来た。シイナやテンドウは役人故にどうしても情報が流れて来るが、彼は単なるカードバトラーであるからである。

 

そんな中、光黄はロンの質問に答えて……

 

 

「落ち着けライト。実際羽トカゲで間違ってないだろ」

『そんな、光黄様ァァァー!!!』

「喧しくてすまないな。質問に答えよう、七罪竜って言うのは、ザックリ言うと、凄まじい力を持った7体のスピリットの事だ。7体全て揃えた者の願いを叶えると言われている」

「へーーあんた、そんな凄い力あるのね」

『そうなんですよエール様!!…私凄いんです!!…認めてくれましたでしょうか!!』

「いや別に」

 

 

七つの大罪と呼ばれるこの世で最も罪深き大罪。七罪竜とは、それらを一つずつ司る7体の竜の事である。バジュラもライトもその内の一種。

 

因みに、バジュラは憤怒で、ライトは色欲だ。2体ともその罪に準じた性格となっている。

 

 

「要するに、強いスピリットって事か」

「まぁそうだな。ライトを褒めるようで嫌だが、そんじょそこらのスピリットでは先ず歯が立たない」

『そうですとも!!…私は光黄様のために存在する無敵のスピリットなのです!!』

「そこまで言ってない」

「ふーーん。まぁどうでもよかったけど」

『何ですとこの黒ノッポ!!…ちょっと顔が良いからって調子に乗るんじゃありませんよーー!!』

「だから寄せライト」

 

 

ロンに怒るライト。それを抑える光黄。バトルフィールド外の面々はその後もそれなりに和気藹々としていた。

 

 

「……そう言えば他のみんなはこのバトルを観てるのだろうか……?」

「おいチビ。先行は譲ってやるよ、さっさとかかって来い!」

 

 

舞台は戻りバトルフィールドでは、他のみんながどうなったか気になるアスラに対し、烈我が煽るようにそう告げて来た。

 

 

「なんだよ。余裕じゃねーか、茶髪コノヤロー……いいぜ、さっさとかかって来てやる。見せてやるよ、オレのバトルスピリッツを!!……オレのターン!!」

 

 

堂々たるアスラのターン開始宣言。遂に主人公2人の熱きバトルスピリッツが開幕する。

 

しかし、その一瞬。アスラはある事を閃いて………

 

 

「ハッ……待てよ、ここはイセカイとか言う場所のバトルスピリッツ。いつもみたいにBパッドは使ってない……つまり……ひょっとしてオレはここだとソウルコアが使えたりするのか!?」

 

 

ここは異世界。Bパッドでバトルを行うのが普通であるアスラ達の世界とは違う。つまり、アスラはもしかしたらここであれば自分もソウルコアが使えるのではないかと期待に胸を膨らませ、バトル台を勢い良く見下ろす………

 

………しかし………

 

 

「………ねぇぇぇぇぇぇぇえ!!!」

 

 

もはやお約束か。

 

バトル台に赤くて大きいソウルコアは無く、青色の通常コアが4つ。やはり、この世界のバトルスピリッツでも、アスラはソウルコアが使えなかった。

 

 

「何だよお前。ソウルコア使えないのかよ……どーなってんだ?」

「うるせぇ!!…ねーものはねーんだよ!!」

 

 

非常にコミカルな表情で怒り、涙するアスラ。ソウルコアが使えないと言う彼の謎めいた奇病は、先程彼と喧嘩していた烈我さえも同情心を誘う。

 

 

「………そんなんでまともにバトルできんのかよ……一旦止めるか?」

「………何言ってんだあんた……一度始めたからには止める選択肢なんてねーよ……それに言ったろ?…オレにしかできないバトルスピリッツを見せてやるって?」

「ッ……!」

 

 

アスラから感じる威圧。小さくて、ソウルコアも使用できないと言う最弱の設定であるはずなのに、何故か烈我は彼から恐怖と言う名の悪寒を感じ取ってしまう。

 

しかし、それは同時に彼の興味へと移り変わって…………

 

 

「へへっ……面白れー…じゃあさっさと始めてもらおうか!」

「おう!!…言われるまでもねぇぜ、改めてオレの第一ターンだッ!!」

 

 

改めてターン開始を宣言するアスラ。前置きが長くなったが、ここでようやく2人のバトルが本格的に始動する。

 

異世界での初めてのバトルと言う事もあり、アスラは気合を入れ、ターンシークエンスを進めていく。

 

 

[ターン01]アスラ

 

 

「行くぜ、メインステップ!!……来いドラゴンヘッド、シャムシーザー!!」

 

 

ー【ドラゴンヘッド】LV2(2)BP2000

 

ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000

 

 

アスラの場に龍の頭部と翼のみで活動を続ける小さなスピリット、ドラゴンヘッドと、幾本もの白いトゲを生やした赤いトカゲのようなスピリット、シャムシーザーが姿を見せる。

 

この時点では今までの普通のアスラのスピリット達だ。

 

しかし、ここから一風変わったカードを使用し………

 

 

「へへっ……テンドウさん、早速使わせてもらいますよ……転醒ネクサス、決闘者たちの戦場を配置!」

「ッ……転醒のカード!?」

 

 

ー【決闘者たちの戦場】LV1

 

 

アスラの背後に配置されたのは、熱く燃え滾る戦場。その炎は正しくアスラの闘志そのモノだとも言えて………

 

 

「オレはこれでターンエンド!!…さぁいらっしゃいませ、茶髪コノヤロー!!」

手札:2

場:【ドラゴンヘッド】LV2

【シャムシーザー】LV1

【決闘者たちの戦場】LV1

バースト:【無】

 

 

アタックできない先行の第一ターンを終え、エンドとするアスラ。次は異世界の少年、烈我のターンだ。

 

 

「一々コノヤローコノヤローって喧しい奴だぜ」

『ガハハ!!…烈我、お前それ人の事言えないぞ!!』

「うるせぇバジュラ!!…てかお前も一々喧しいだろが!!」

 

 

ターン開始の直前。デッキの中に眠るバジュラの声が烈我に届く。七罪竜と、その七罪竜に選ばれた者達は、バトル中にそうやってコミュニケーションを取って行くのだ。

 

 

「何はともあれ、同じ赤デッキならより負けらんねー!!…俺のターン!!」

 

 

ターンシークエンスを進めていく烈我。コアを増やし、デッキからカードをドローする。

 

 

[ターン02]烈我

 

 

「メインステップ、ライト・ブレイドラ召喚!」

 

 

ー【ライト・ブレイドラ】LV1(1)BP1000

 

 

烈我の場に薄青色の小さなドラゴンが姿を見せる。

 

 

「ッ……あんたも赤か」

「おうよ!…負けないぜ、そっちが転醒ネクサスなら、こっちは創界神ネクサスだ!!…来い、創界神ネクサス、アポローンを配置!!」

「ッ!」

 

 

ー【創界神アポローン】LV1

 

 

烈我の背後に薄らと出現したのは、神たる存在アポローン。その手には敵を射抜くための弓と矢が携えられている。

 

 

「配置時の神託を発揮!…今回の対象カードは1枚、よってアポローンにコアを1つ追加!」

 

 

ー【創界神アポローン】(0➡︎1)

 

 

創界神ネクサスの特徴とも言える効果、神託の発揮により、烈我のトラッシュにはカードが、アポローンにはコアが追加された。

 

さらにこれだけでは終わらせないか、烈我はさらに手札にあるカードを引き抜いて………

 

 

「まだ行く!!…俺は吟遊詩竜オルフェスタードラゴンをLV1で召喚!!」

 

 

ー【吟遊詩竜オルフェスタードラゴン】LV1(1S)BP4000

 

 

烈我の場に追加で召集されたのは、琴を手に持つ銀色のドラゴン、オルフェスター。対象スピリットの召喚により、アポローンにコアが追加されると共に、それが持つ強力な召喚時効果が発揮される。

 

 

「召喚時効果!!…BP7000以下のスピリット2体を破壊!!…俺はこの効果でお前のドラゴンヘッドとシャムシーザーを破壊する!!」

「なにっ!?」

 

 

琴の線を弾くオルフェスタードラゴン。そこから奏でられるメロディーが具現化し、アスラのドラゴンヘッドとシャムシーザーに直撃。それらを爆散させる。

 

 

「まだ終わらない!!…その後、トラッシュにある界渡、化神を持つスピリット1枚をトラッシュから回収!!……俺はキースピリットのこいつ、リュキオースを手札に加える!!」

「ぐっ……神託の効果でトラッシュに送られたカードか……!」

 

 

烈我は己がキースピリットと呼称するカードを手札に加える。キースピリットと聞いて、当然強いカードであると判断するアスラ。より一層その手札を警戒する。

 

 

「アタックステップ!!…アタックだ、ライト・ブレイドラ、オルフェスター!!」

 

 

2体のドラゴンが宙を地を駆ける。場のスピリットを全て破壊されたアスラはこれをライフで受けるしかなくて………

 

 

「2つともライフだ!!……ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4➡︎3〉アスラ

 

 

ライト・ブレイドラの体当たりが、オルフェスターの琴から弾かれる具現化するメロディーが、それぞれ1つずつアスラのライフを葬り去った。

 

 

「よし!!…俺はこれでターンエンドだ!!」

手札:3

場:【ライト・ブレイドラ】LV1

【吟遊詩竜オルフェスタードラゴン】LV1

【創界神アポローン】LV1

バースト:【無】

 

 

そのターンを終える烈我。僅か1ターンで圧倒的優勢に立ったのは間違いない。しかし、彼の実力の高さを知ったアスラはその闘志に火をつけて………

 

 

[ターン03]アスラ

 

 

「メインステップ……行くぜ、オレの新しい仲間!!…ドラグノ突撃兵をLV2で召喚!!」

「!!」

 

 

ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】LV2(3)BP6000

 

 

手札のカード1枚を手に取り、それを勢い良くバトル台に叩きつけると、アスラの場に竜人スピリット、ドラグノ突撃兵が出現。

 

その手には自身の身の丈程ある巨大なハンマーが握られており、アスラはその勇姿に歓喜する。

 

 

「うぉぉ!!…カッケェ!!…流石昔テンドウさんが使ってたスピリットだぜ!!」

「ドラグノ??…聞いた事ないスピリットね」

「まぁどこにでもある安物のカードだからな。エックスのお嬢様は知らないだろうよ」

 

 

ドラグノスピリット。その昔、テンドウ・ヒロミがライダースピリットであるカブトに選ばれる前に使用していたカード群である。彼の言う通り、一枚一枚のほとんどが安く、高価なカードしか持っていないエールからしたら縁の無いカード達である。

 

 

「っしゃぁ!!…行くぞ突撃兵、アタックステップだ!!…突撃兵はその効果でドラグノスピリット全てをBPプラス3000する。さらに配置された決闘者たちの戦場の効果で、起幻を持つスピリットにもBPプラス3000!!……よってそのBPは12000だ!!」

「なッー!?…BP12000!?」

 

 

ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】BP6000➡︎9000➡︎12000

 

 

3コストのスピリットでありながら凄まじいBPアップを果たす突撃兵。そしてその名前の通り、アスラは突撃させて行く。

 

 

「突撃兵でアタック!!…LV2効果でカードを1枚ドロー、そして決闘者たちの戦場のさらなる効果で、ライト・ブレイドラに指定アタックだ!!」

「!!」

 

 

ここで決闘者たちの戦場のもう一つの効果が適応。突撃兵は視線の先に烈我ではなく、ライト・ブレイドラを映すと、重圧なハンマーを振り回しながら、それ目掛け走り出した。

 

 

「BPは当然オレの方が上だァァァー!!」

「くっ……!!」

 

 

ライト・ブレイドラは突撃兵のハンマーに潰され、爆散してしまう。

 

 

「だが!!…この程度じゃ俺はビクともしねぇぜ!!……アタックにより疲労したドラグノ突撃兵はこれ以上のアタックができない、次のターンで一気に決めさせてもらう!!」

 

 

まだ烈我の場にはオルフェスタードラゴンがおり、次のターンで手痛い反撃を喰らうのは明白。

 

しかし、アスラはまだ止まらない。

 

 

「まだだ!!…オレのスピリットは、まだ動く!!」

「!?」

「ドラグノ突撃兵、【追撃】の効果発動!!……もう一度アタックだ!!…効果でカードを1枚ドローし、決闘者たちの戦場の効果でオルフェスタードラゴンに指定アタック!!」

「なにッー!?」

 

 

このターンは動けないと思われた突撃兵だったが、ライト・ブレイドラを倒した直後にまさかの鳴動。今度はオルフェスタードラゴンにハンマーを振るう。直撃したオルフェスタードラゴンは吹き飛ばされ、爆散した。

 

アスラのまさか過ぎるこの攻撃に、テンドウ以外の誰もが驚愕していて………

 

 

「どうなってんだ……なんでドラグノ突撃兵はもう一度アタックができたんだ!?」

「ドラグノ突撃兵の効果【追撃】は、疲労状態から重疲労状態にする事でもう一度アタックができる!」

「ッ……疲労から重疲労!?」

「あぁそうだ!…オレは突撃兵を重疲労状態にしてもう一回アタックしたんだ!」

 

 

疑問を抱く烈我に、アスラが説明する。その間にドラグノ突撃兵は疲れ切ったのか、ハンマーを地面に下ろし、膝を突いた。

 

 

「疲労状態からのアタック………なんか、バトルを諦めない、あいつそのモノみたいな効果ね」

 

 

エールがバトルフィールドのアスラとドラグノ突撃兵を目に映しながらそう呟く。確かに、疲労しても諦めず、攻撃を繰り返すのは、アスラのバトルを体現していると言える。

 

 

「成る程【追撃】か……それには驚いたぜ」

「おう!!…でもまだ終わらせねぇ!!!」

「!?」

「自分の赤のスピリットが相手スピリットを破壊した事により、決闘者たちの戦場の効果!!…【転醒】!!」

「ッ……このタイミングで!?」

「あぁ……スピリットとして転醒せよ、ドラグノ決闘者!!」

 

 

ー【燃え盛るドラグノ決闘者】LV1(1)BP6000

 

 

アスラの背後にある決闘者たちの戦場から飛び出して来る何か。それがフィールドへと足を着けると、決闘者たちの戦場はたちまち消滅した。

 

現れたのはドラグノ決闘者。4本の腕にそれぞれ剣を構え、烈我を威嚇するように咆哮を上げる。その間、【零転醒】以外の【転醒】を始めて目の当たりにしたエールは思わず驚きの声が漏れる。

 

 

「ネクサスがスピリットに!?」

「ドラグノ決闘者は、自分のアタックステップ中、起幻を持つスピリット全てのBPプラス5000。さらに突撃兵の効果で3000プラスされ、今の決闘者のBPは………」

 

 

ー【燃え盛るドラグノ決闘者】BP6000➡︎11000➡︎14000

 

 

「れ、LV1でBP14000!?」

「そう言う事だ……行け決闘者!!」

 

 

凄まじいBPとなった決闘者。4本の剣を構え直し、烈我のライフへと飛び掛かる。烈我の場には突撃兵によってブロッカーは消去されていて………

 

 

「ライフで受ける……ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉烈我

 

 

ライフ1つが斬り裂かれる。烈我は余の勢いに半歩蹌踉めく。

 

 

「エンドステップ、この瞬間、突撃兵と決闘者の効果が消え、BPは元に戻る!!…これでターンエンド!!…どうだ、諦めないオレのバトルスピリッツ!!」

手札:4

場:【ドラグノ突撃兵〈R〉】LV2

【燃え盛るドラグノ決闘者】LV1

バースト:【無】

 

 

前の烈我のターンにも負けるとも劣らない怒涛の攻撃を見せたアスラ。エンドステップも豪快に宣言して見せる。

 

 

「やるな……だけど俺もバトルは最後まで諦めねぇ。さっきも言ったよな、俺が手札に加えたのは……」

「ッ……キースピリットのカード……ッ!」

 

 

烈我がアスラにそう告げると、反撃に転ずるべく、彼は己のターンシークエンスを進行させて行く。

 

 

[ターン04]烈我

 

 

「メインステップ……見せてやるぜ、俺のキースピリット!!……こいつを前に絶対はねぇ、鉄壁の壁だろうが無敵の相手だろうが一撃必中必殺の矢を叩き込めッ!……龍星の射手リュキオース、LV1で召喚ッ!!」

「!!」

 

 

フィールドから吹き上げる火柱、それらは美しく、滑らかに左右へと分かれ展開。そしてその狭間より現れ出たのは、白獣に跨って駆け抜ける龍、リュキオース。

 

彼がバジュラと出会う以前から使用し続けているキースピリットだ。

 

 

ー【龍星の射手リュキオース】LV1(1S)BP6000

 

 

「召喚時効果【超祈願(スーパーブースト)】!!…アポローンにコアを3つ追加!!」

 

 

ー【創界神アポローン】(2➡︎3➡︎6)LV1➡︎2

 

 

召喚されたキースピリット、リュキオースの効果により、凄まじい速度でコアを増やして行くアポローン。

 

そしてさらにリュキオースの効果はこれだけではなくて………

 

 

「まだ行くぜ、こっちが大本命だ!!…【龍射撃】発揮!!…BP20000以下のスピリット1体を破壊する、この時、如何なる効果であっても、防ぐ事はできない!!」

「!!」

「ドラグノ決闘者を破壊だ!!」

 

 

龍星の射手。その名に恥じない強烈な炎の矢がリュキオースより放たれる。ドラグノ決闘者は4本の剣を盾にそれをガードするも、龍星の力を得た炎の矢は、束ねられた4本の剣を、ドラグノ決闘者諸共撃ち抜いた。

 

屈強たる竜戦士、ドラグノ決闘者もこれには堪らず力付き、爆散してしまう。

 

 

「バーストをセット。もう容赦はしないぜ、アタックステップ!!…行けリュキオース!!…さらにこのフラッシュタイミング、創界神アポローンの【神技(グランスキル)】!!…自身に置かれているコア2つをボイドに送る事で、BP6000以下のスピリット1体を破壊して1枚ドロー!!」

「!!」

「お前のドラグノのスピリット達は自分のアタックステップ中のみBPを上げる。だけど俺のターンだとそれは発揮されない!!…ドラグノ突撃兵、もらったぜ!!」

 

 

リュキオースが跨っている白獣と共に駆ける瞬間。今度は創界神であるアポローンの炎の矢が放たれる。ドラグノ突撃兵はそれに胸部を貫かれ、ドラグノ決闘者同様爆散してしまった。

 

 

(……クソ……こんな時、第二の龍騎があれば……カウンターに次ぐカウンターで一気に勝負を決められるのに……!!)

 

 

この瞬間、アスラが不本意ながら思い浮かべてしまったのは、今は使えないバースト龍騎、又の名を第二龍騎。

 

確かにあれがバーストで伏せられていたら、烈我のリュキオースを破壊し、アスラが優位に立っていた事だろう。しかし、使えないモノは使えない。とっくの前にそう割り切っているアスラは、すぐさま心を切り替えて………

 

 

「そのキースピリットのアタックはライフで受ける!!……ぐっ!?」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉アスラ

 

 

リュキオースの炎の矢が、今度はアスラを襲う。そのライフは1つ射抜かれ、遂に残り2つへと陥った。

 

 

「ターンエンド。どうだ、これが俺のキースピリット、リュキオースの力だ!!」

手札:3

場:【龍星の射手リュキオース】LV1

【創界神アポローン】LV1

バースト:【有】

 

 

「……つえー……でもオレは負けらんねー!!……絶対このバトルに勝って、頂点王にまた一歩近づいて見せる!!」

 

 

七罪竜と呼ばれるバジュラを使用せずとも、この実力の高さを誇る烈我の強さに痺れるアスラ。その闘志はさらに熱く燃え上がる。

 

 

[ターン05]アスラ

 

 

「メインステップ!!…ドラゴンヘッド2体と、2体目のドラグノ突撃兵を召喚!!」

 

 

ー【ドラゴンヘッド】LV1(1)BP1000

 

ー【ドラゴンヘッド】LV1(1)BP1000

 

ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】LV1(1)BP4000

 

 

アスラの場に2体のドラゴンヘッドと、2体目のドラグノ突撃兵が招集される。そしてアスラは立て続けに手札を引き抜き、それをバトル台へと叩きつけて…………

 

 

「さらに来い、ドラグノ総軍団長!!」

 

 

ー【ドラグノ総軍団長】LV1(2)BP4000

 

 

赤いシンボルが砕けると共に爆誕したのは、ドラグノの指揮官的存在。座椅子に腰を下ろしていたそれは、重たい腰をゆっくりと立ち上げると、4本もの腕があるからこそ握れる3本の剣を構え、烈我を威嚇するように咆哮を上げた。

 

 

「総軍団長??……何、偉いわけ?」

「あぁ。渡したカードの中では、一番強いな」

 

 

総軍団長と言う言葉に疑問を浮かべたエールに対し、テンドウがそう答えた。アスラのデッキに龍騎がいない今、このドラグノ総軍団長は事実上のエースカードと言っても過言ではない。

 

 

「アタックステップ、その開始時、総軍団長の効果発動!!…トラッシュにあるコアを5個までオレのスピリットに追加!!」

「ッ……コア回収効果か」

「オレは!!…トラッシュにあるコア3つを総軍団長、突撃兵にそれぞれ1つと2つずつ追加し、LV2にアップさせる!!……さらにこの時、総軍団長以外のドラグノスピリットにコアが2つ以上追加された時、デッキからカードを2枚ドローする!!…ドラグノ突撃兵にコアが2つ置かれた事により、オレは2枚ドロー!!」

 

 

ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】(1➡︎3)LV1➡︎2

 

ー【ドラグノ総軍団長】(2➡︎3)LV1➡︎2

 

 

コアを無駄なく循環させ、手札の数も取り戻して行く。

 

 

「アタックステップは当然継続!!…頼むぜ突撃兵!!…効果で1枚ドロー!!…総軍団長のLV2効果、ドラグノがアタックした事により、さらに1枚ドロー!!」

「ッ……マジかよ、こんだけスピリットを展開してんのに手札が減ってない??……寧ろ増えてやがる」

 

 

アタックしながらも増え続けるアスラの手札。烈我がその驚異的なプレイングに驚愕する間もなく、ドラグノ突撃兵がハンマーを振り回しながら攻め込んで来ていて………

 

 

「ライフだ!!……ッ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉烈我

 

 

突撃兵のハンマーが烈我のライフを1つ打ち砕く。

 

 

「まだまだ行くぜ!!…【追撃】だ、突撃兵!!…アタック時と総軍団長の効果で2枚ドロー!!」

 

 

ここでドラグノ突撃兵の【追撃】が再び発動。重疲労状態になりつつ、もう一度アタックへと赴く。その間でさらに2枚のカードをドローし、遂に手札総数は7枚に突入した。

 

初めて扱うカード達であるにもかかわらず、それらを使いこなし、怒涛の攻撃を行うアスラを目の当たりにしている仲間たちは驚かざるを得なくて………

 

 

「す、凄い……なんで渡されたばっかりのカードを手足のように使いこなせてるの!?」

「当然だ。オレは使いこなせないヤツにカードは渡さねー……今まで散々修羅場を潜り抜けて来たあいつだったら、このくらい余裕だわな」

 

 

驚くエールに、テンドウは無表情でタバコを吸いながらそう告げた。少なくとも成長したアスラの実力を認めているのが窺える。

 

そんな中、バトルフィールドではアスラが増えた手札の中からカードを1枚引き抜いて………

 

 

「フラッシュマジック…ストライクベント!!…BP8000以下のスピリット1体を破壊できる!!」

「!!」

「オレはこの効果であんたのキースピリット、リュキオースを破壊だ!!」

 

 

アスラの場より放たれる火球。それは烈我の場に存在するキースピリット、リュキオースを焼き尽くし、爆散させた。

 

 

「………スゲェ……マジでスゲェぜドラグノ。こんだけ召喚して、アタックしてるのに、手札が全く減らないし、応用が効く……オレのやりたい事がスムーズにできる!!……龍騎じゃ見えなかったモノが、このカード達には見える!!」

 

 

アスラは思っていた以上に、自分のプレイスタイルと、このドラグノデッキが噛み合っている事に気がつく。

 

そして前のターンから一転、一気に形成を逆転された烈我だが、これ以上好き勝手にやられるわけにはいかないか、カード効果の発揮を宣言し、反撃に出る。

 

 

「やられっぱなしでいられるかよ!!…アポローンの【神技】!!…BP6000以下のドラゴンヘッドを破壊して、1枚ドロー!!」

「!!」

 

 

アスラのターンでも使用できるアポローンの【神技】

 

炎の矢が、2体のドラゴンヘッドの内1体に炸裂。撃墜させられ、爆散してしまう。

 

 

「さらにドラグノ突撃兵のアタックはライフで受けてやるぜ!!……ッ」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉

 

 

ドラグノ突撃兵【追撃】の攻撃。それもライフで受ける烈我。彼の残りライフも遂に2へと陥る。

 

しかし、そのピンチに呼応するかのように、前のターンで伏せられていたバーストカードが勢い良く反転する………

 

 

「決めさせないぜ!!…ライフ減少によりバースト発動!!…ドラグーンシュート!!」

「ッ……紫のバーストマジック!?」

「効果により、トラッシュからコスト6以下のスピリット1体をノーコストで召喚する!!……蘇れ、リュキオース!!」

 

 

ー【龍星の射手リュキオース】LV3(4S)BP10000

 

 

紫のオーラを放つ魔法陣が出現すると、その中からストライクベントによって破壊されたリュキオースが再び烈我の場へと復活を果たす。

 

もちろん、その召喚時効果は健在であって………

 

 

「召喚時の【龍射撃】!!…ドラグノ突撃兵を破壊するぜ!!」

「ッ……アタックが終わった突撃兵を対象にするのか!?」

 

 

再び放たれるリュキオースの炎の矢。それは何故か【追撃】の効果で二度のアタックを終えたドラグノ突撃兵に命中。爆散し、姿を消してしまうが、単純にアスラの攻めてを減らしたいのであれば、ドラゴンヘッドかドラグノ総軍団長を対象にするべきだったはずで………

 

 

「だけどこれでフルアタックしても俺のライフは0にできない。お前はターンを終了せざるを得ないはずだぜ!」

「ッ……あぁ、オレはこれでターンエンドだ」

手札:6

場:【ドラグノ総軍団長】LV2

【ドラゴンヘッド】LV1

バースト:【無】

 

 

BPの高いリュキオースが出て来た時点で攻めるにも攻め辛くなったアスラ。致し方なくそのターンをエンドとする。

 

 

「なぁ、テンドウ。あの子のプレイング。単純なミスだと思うか?」

 

 

バトルを見届けている頂点王シイナ。烈我のプレイングについてテンドウに聞いた。彼は咥えたタバコを口から離し、煙を吐き出した後に返答する。

 

 

「いや、違うだろうな。アレはどう見ても狙ってやったな。あの小僧異世界バージョンが何を企んでんのか知らねーが、少なくともミスじゃねー」

「……バジュラだ。烈我の奴は七罪竜、バジュラの効果を最大限に活かすために、敢えてブロッカーを残すプレイングを行ったんだ」

 

 

頂点王シイナや三王テンドウが烈我のプレイングをミスではないと悟る中、光黄がそう口を開いた。彼のデッキをある程度熟知している彼女だからこそわかる事である。

 

 

「バジュラってあの恐竜みたいな奴?」

「あぁ。まぁ見ていればわかる」

 

 

エールがバジュラの存在を思い出し、そう言葉を落とした。そして再び注目される2人のバトルスピリッツ、烈我が勢い良くターンシークエンスを進行させて行く。

 

 

[ターン06]烈我

 

 

「メインステップ、先ずはライト・ブレイドラを召喚!!」

 

 

メインステップ早々、本日2体目となるライト・ブレイドラがフィールドへと出陣。そしてまた新たな手札に手を掛け、口角を上げる………

 

 

「待たせたなバジュラ!!…一緒に暴れようぜ!!」

『待ちくたびれたぜ烈我!!……さっさと暴れさせろ!!』

「おう!!…行くぜ!!」

 

 

烈我は声を荒げ、高らかにその驚異的な存在、七罪竜をこの場に呼び寄せる。

 

 

「罪を背負いし怒りの竜!…憤怒の炎、烈火で地獄さえも焼き尽くせ!…爆我炎龍バジュラブレイズ、LV3で召喚ッ!!」

 

 

ー【爆我炎龍バジュラブレイズ】LV3(5S)BP12000

 

 

大気が震え、空は一瞬にして暁色に切り替わったかと思うと、空より降り注ぐ無数の流星群、ある一帯を除いて流星は地面を抉り、まるでステージのような土台を作り上げると、土台の上に注ぐ巨大な火球、炎より眼光を輝かせてバジュラブレイズがその姿を見せる。

 

 

『グルアアアアアアァァァァァッ!!!』

「不足コストはライト・ブレイドラから確保!!」

 

 

今まで召喚されて来たドラゴン達とは比べ物にならない程の咆哮を上げるバジュラブレイズ。その気迫だけで空気を震撼させ、地を抉る。

 

 

「こ、これがバジュラブレイズ……めちゃくちゃカッケェ……!」

『そうだろうチビ助。憤怒の罪竜の力、存分に味わっていきな!!』

「おう!!…その上で、オレが勝つ!!」

 

 

 

鋼の鎧と兜を身に纏い、そして両手に炎を纏いし龍、バジュラブレイズ。場の空気を一変させるバジュラに思わず戦慄が走るが、それでも尚、臆せず、怯まず、寧ろ笑ってみせるアスラ。

 

その間、烈我は本当のバトルはここからだと言わんばかりにアタックステップを開始して………

 

 

「行くぞバジュラ、アタック!!…その効果【火力促進(ヒートアップ)】を発揮、このバトル中BPをプラス5000。さらに手札を1枚破棄する事で、お前はこのアタックを必ずスピリットでブロックしなければならない!!」

「ッ……頼む、ドラゴンヘッド!!」

 

 

ー【爆我炎龍バジュラブレイズ】BP12000➡︎17000

 

 

赤属性特有の【激突】の効果に似た効果を発揮するバジュラ。アスラは咄嗟にドラゴンヘッドでブロックするが………

 

 

『この程度、相手にもならんなッ!!』

 

 

上空を飛び回るドラゴンヘッドを鷲掴みにし、地面へと叩き落とすバジュラ。ドラゴンヘッドは最後には着地と同時に踏み潰され、爆散してしまう。

 

これでアスラの残ったスピリットはドラグノ総軍団長のみ………

 

 

「【火力促進】を使用したバジュラがスピリットを破壊した時、回復する!!」

「!?」

「もう一度行け!!…再び手札を1枚破棄して【火力促進】だ!!」

 

 

【爆我炎龍バジュラブレイズ】(疲労➡︎回復)BP12000➡︎17000

 

 

二度目となるバジュラの攻撃。アスラは当然これもブロックしなければならない。そして今、ブロックが行えるのはドラグノ総軍団長だけ………

 

 

「くっ……ブロックだ、総軍団長!!」

 

 

4本腕を活かし、3本の剣を構え、バジュラブレイズへと斬りかかって行くドラグノ総軍団長。しかし、バジュラはその3本の剣を炎を纏わせた拳の一撃のみで粉々に粉砕してみせる。

 

 

『どうした!!…この程度か竜人野郎!!』

 

 

武器を失った総軍団長を全力でぶん殴るバジュラ。ドラグノ総軍団長は4本の腕を前に突き出し、一度はガードしてみせるが…………

 

 

『オラオラオラオラオラオラオラァァァァー!!』

 

 

その後、何度も何度もドラグノ総軍団長を殴りつけるバジュラ。遂にその4本腕のガードを崩し、その土手っ腹をぶん殴り、焼き尽くしてみせる。

 

ドラグノ総軍団長は流石に耐えられず、堪らず爆散。アスラのスピリットはここに来て再び全滅となった。

 

 

「【火力促進】の効果で回復!!…バジュラで再アタック、そしてこれで三度目のアタック……よって、バジュラの第二の効果【超爆火力(オーバーヒート)】を発揮!!」

「オーバーヒート!?」

「そう、オーバーヒートだ。もうバジュラは止められない!!……アタックステップ中、バジュラが3回以上アタックしていた場合、このターンの間、バジュラのBPを5000上げ、回復させる!!」

「ッ……また回復しやがった……!!」

 

 

ー【爆我炎龍バジュラブレイズ】BP12000➡︎17000➡︎22000

 

 

憤怒を司る七罪竜、爆我炎龍バジュラブレイズの効果【超爆火力】………

 

自力で三度のアタックを行わないと行けないと言う厳しい条件があるものの、それさえ満たせて仕舞えば無限にBPを上げながらアタックを行える強烈なインパクトのある効果。

 

烈我はこの効果を使うために、前のターン、アスラの場にブロッカーが2体残るように立ち回ったのだ。

 

 

「もうお前の場にブロッカーはいない!!…ライフで受けてもらうぜ!!」

「ぐっ……ライフだ!!……ッ」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉アスラ

 

 

バジュラの炎を纏った正拳突きがアスラのライフを砕く。

 

 

「これでトドメだ!!…行けバジュラ!!…【超爆火力】でBPプラス5000してドロー、回復だ!!」

 

 

ー【爆我炎龍バジュラブレイズ】(疲労➡︎回復)BP17000➡︎22000➡︎27000

 

 

再び発揮されるバジュラの【超爆火力】………

 

そのBPが飛躍的に上昇すると共に回復。最早そこらへんのスピリットでは対処ができない………

 

そして、アスラの手札にも、もうこの状況を打開する手立ては残っていない…………

 

だが、それでもアスラは悔いの無い笑顔を烈我、バジュラへと向ける………

 

 

「スゲェ……スゴ過ぎるぜ赤の七罪竜バジュラ、その使い手烈我さん!!……オレ、ここに来て本当に良かった………!!」

『あぁ!!…だったら最後は潔く叫びな!!』

 

 

アスラが感動を言語化する中、バジュラがトドメを刺すべく、その拳に今一度炎を溜め込む。そしてアスラは大きく息を吸い込み、吐き出した………

 

 

「おう!!……ライフで受ける!!」

 

 

〈ライフ1➡︎0〉アスラ

 

 

アスラのラストコールと共に放たれるバジュラの渾身の一撃。鈍器で殴られたような音がこだまし、その最後のライフは砕け散った。

 

これにより、勝者は烈我とバジュラだ。

 

 

******

 

 

バトルフィールドから元の場所に戻ったアスラと烈我。敗北を喫したアスラは、力尽きたか、思わず地面に寝転んでしまうが、その表情はたいへん嬉しそうで、楽しそうだ。

 

 

「たは〜〜〜!!……負けちまったぜ!!…あんたべらぼーにつえーな!」

「お前も、ソウルコアが使えないのが信じられないくらいだぜ!!…凄い努力したんだなってバトルだった!!」

『筋は悪くねぇ。だが、この俺をもっと怒らせるためにはまだまだ足りねぇな!!』

 

 

バトルが終わり、すっかり打ち解けあった2人と1匹。

 

互いを褒め称え合う中、アスラは勢い良くトンボ返りで立ち上がると、烈我に向けて勢い良く指を刺して………

 

 

「よし決めた!!…オレはこの修行中、あんたに勝つまで帰らねぇ!!…もっと腕磨いて、今度はオレが必ず勝つ!!」

「おう!!…良い意気込みだぜ、名前はアスラだったよな……これからよろしくな!!」

「おう烈我さん!!…お世話になりまァァァーす!!」

「さん付けは要らない、俺の事は烈我でいいよ」

「ん、そう?……じゃあ烈我で!!…よろしく!!」

 

 

互いを認め合った主人公2人。硬い握手が交わされる。

 

 

「何か仲良くなったね」

「仲良くなってるわね」

「仲良くなりましたね」

「むえ〜」⬅︎仲良くなったね

 

 

そんな熱血な彼らの光景を見て、再びシイナ、エール、光黄、ムエの順番で言葉を落とした。そして、アスラのライバルであるロンもまた感想を呟いて…………

 

 

「バカと天才は紙一重、バカとバカが紙一重なのは当たり前か」

「おいこらロン!!…聞こえてるぞコノヤロー!!」

「テメェさっきから結構口悪いよな、何なんだ!?」

「オレはロンです。よろしくお願いします、一点突破バカ2号」

「誰が一点突破バカ2号だ!!」

 

 

烈我を煽りまくるロン。しかし、本心では、アスラのライバル枠を彼に取られたように感じ、嫉妬しているだけだ。それ故に無駄に口が攻撃的になっている。

 

いや、そうでなくとも口はいつも攻撃的なのだが…………

 

 

「まぁ、つーわけでだ。ここでの修行相手はオマエ達七罪竜とか言う犯罪トカゲを操る連中に決まったわけだが………」

『誰が犯罪トカゲだこのムキムキゴリラ!!』

『そうですよこの不清潔男!!』

「あぁ!?…誰がムキムキ不清潔ゴリラだ、焼き殺されてーのかこのトカゲ共」

 

 

言い合いになるテンドウとバジュラ、ライト。ギャングのボス顔負けの強面であるテンドウが彼らを睨みつけるが、流石は伝説の七罪竜か、全く物怖じをしない。

 

 

「まぁ良いや。後であのトカゲ共は殺すとして……さっさと他の使い手共を紹介してもらおうか、小僧異世界バージョン、金髪ツンツン女」

「「!!」」

 

 

テンドウの目線はバジュラ達から烈我、光黄に向けられる。その間にアスラがテンドウに「バジュラとライトを殺しちゃったら修行しに来た意味がないじゃないですかァァァァー!!」と叫ぶが、すぐさま頭を握られて黙らされる。

 

 

「お、おい光黄。アスラ達はともかく、この人は本当に大丈夫なのかよ……スゲェ顔怖いんだけど……」

「この人は一応エール達の世界ではかなりの権力者だ。どこまでが本気でどこまでが巫山戯ているのかわからないけど………まぁ信用はできると思う……それより烈我。俺はアスラ達に他のみんなを紹介してあげたい」

「ッ……あぁ、それは俺もだ!」

 

 

裏でコソコソと会話する2人。テンドウの粗暴で不道徳な面が彼らにとって凄く悪目立ちしているが、エール達との会話から彼がそれなりに信用されているのがわかる。

 

それに、やはりアスラ達に他の仲間達を紹介してあげたいと言う気持ちが強い…………

 

意を固めた烈我と光黄は、アスラやテンドウ達の方に目を向けると………

 

 

「わかったぜ、紹介するよ俺たちの仲間!!…きっと気にいると思うぜ!!」

「絵瑠も、アスラとエールにまた会いたいと言っていたしな」

 

 

ー!!

 

 

これで成立した。アスラ達一行はしばらくこの世界で厄介になる事になる。

 

全てはもっと強くなるために……………

 

 




〈キャラクタープロフィール〉

【天上烈我】
性別:男
年齢:18歳
身長:171cm
身分:一般市民
使用デッキ:【星竜】
好きなモノ:光黄
概要:真っ直ぐで短絡的な性格の少年、感情的で短気な所もあるのが欠点。幼馴染である黄空光黄に片思い中で、バトルに勝ったら結婚するという約束を信じて、何年も光黄にバトルを挑み続け連敗中。
星竜デッキを使い、赤属性をメインに戦い方は性格通りに真っ直ぐ。ある日バジュラと出会い、彼に目を付けられた事で七罪竜を巡る戦いに巻き込まれてしまう。

※バトルスピリッツ7-Guilt-より引用


******


最後までお読みくださり、ありがとうございました!!

今回よりコラボ編です。その1話目と言う事で、先ずは主人公同士でバトルをさせていただきました。

念のために今回登場したバジュラこと、「爆我炎龍バジュラブレイズ」のテキストを張っておきます。

ー……

爆我炎龍バジュラブレイズ、コスト7(3)、赤。
系統:古竜、罪竜。
Lv.1(1)BP7000、Lv.2(3)BP10000、Lv.3(5)BP12000。
Lv.1、Lv.2、Lv.3『このスピリットのアタック時』【火力推進】
このスピリットをBP+5000、さらに手札を一枚捨てる事で相手スピリットは可能なら必ずブロックし、バトルで相手スピリット/アルティメットだけを破壊したとき、このスピリットは回復する。
Lv.3『このスピリットのアタック時』【超爆火力】
このターン、このスピリットが3回以上アタックした場合、このターンの間このスピリットをBP+5000し、デッキから一枚ドロー。その後、このスピリットは回復する。

※バトルスピリッツ7-Guilt-より引用

ー……

条件が少し厳しいですが、【超爆火力】さえ発揮できれば無限アタックが可能な強力なスピリットです。

バトル終盤ではアタックするたびにBPが2段階上昇していましたが、アレは【火力促進】と【超爆火力】の効果が同時に発揮されてるからです。

7Guiltでは、バジュラをはじめ、面白い効果を持ったオリカ達が暴れまくります。読んでない皆さんは多分人生の半分くらい損してます笑
コラボ編もまだまだ続きますので、予習も兼ねて、是非是非7Guiltも読んでください!!
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