バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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45コア「頂点王の実力」

アスラ達の世界でも、烈我達の世界でも無い、とある世界………

 

そんな世界の辺境に聳え立つ罪狩猟団(デッドリーハンターズ)と言う一つの巨大な組織が巣食う宮殿。その中で、鋭い目付きが特徴的な青年がまるで上の者から呼ばれているかのように歩いていた。多くの者達が同じような隊服を見に纏う中、彼は私服であるため、それなりに高い地位にいる人物である事が推測される。

 

そして、おそらく上司がいるであろうドアを蹴破りながら入室する。

 

 

「俺に何の用だボス」

「やぁ、待っていたよドレイク」

 

 

掴み所の無い笑顔を浮かべながらドレイクと呼ばれる青年を待ち構えていたのは、彼の上司であり、この宮殿の組織をまとめ上げている重鎮「ルディア」………ドレイクからは常に「ボス」と呼ばれている。

 

 

「つまらん仕事だったら即刻帰らせてもらうぞ」

「まぁまぁ、そう急かさない急かさない。今回、君には極秘にやってもらいたい事があってね」

「極秘に?」

 

 

例え相手が上司であるルディアに対しても鋭い態度を止める事は無いドレイク。しかし、今回はいつもとは違った依頼だと悟った彼は、微かにその内容へと興味を示す。

 

ルディアは表面だけ優しそうな表情を浮かべながらその詳細を述べていく。

 

 

「情報部からなんだけど、最近七罪竜を持つ少年少女達の元に、とある人物達が来訪して来たそうなんだ」

「?」

 

 

ルディアはそう言いながらアスラ、ロン、エール、シイナ、テンドウのこっそり盗撮された顔写真をテーブルに並べる。

 

 

「それがどうした」

「問題なのは彼らがいた場所さ。以前も話しただろ?…ライダーハンターズと呼ばれる小さな組織のいる異世界の事を、彼らはどうやらその世界からやって来たみたいでね」

「………」

 

 

以前、少しだけライダーハンターズの面々と関わりがあったルディア。組織の幹部であるドレイクがその話を聞いていない訳がない。

 

しかし、アスラ達が異世界の人間だと知ってもなお、ドレイクは顔色を一つ変えない。何も異世界人など今更驚く事でもないからだ。

 

 

「だったらなんだってんだ、この中にいる誰かでもスカウトしろってのか?」

「うーーーん、まぁ間違ってはいないんだけどね……僕が気に掛けているのはこの子さ」

「?」

 

 

ルディアはそう言うと、アスラの顔写真に指を指す。頭の後ろに腕を回し、呑気に笑っている写真と言う事もあり、ドレイクがアスラに抱いた第一印象は「バカそう」だった。

 

 

「フッ……このアホ面がお気に入りってか?…… 罪狩猟団のボスともあろうお方が随分と見る目がねぇな」

「情報部によれば、彼はどうやら、生まれながらにソウルコアを使う事ができないみたいなんだ」

「!!」

 

 

アスラの素性を聞くなり、顔色を変えるドレイク。無理もない、そんな奇天烈な話、生まれて一度も聞いた事があるわけないのだから………

 

 

「……だったら尚更こんな奴……」

「いや僕は確信しているよ。神は人間を平等に作り上げる。彼はおそらく、その身にソウルコアが無いことと引き換えに、別の何かをその身に宿しているに違いない」

「ッ……別の……何か?」

 

 

流石は七罪竜を狙う敵組織のボスと言ったところか、その目は既にアスラの中に眠る謎の生命体「オニキス」の存在を認知しているようである。

 

 

「彼とお話しできるのが楽しみで仕方ないよ。カードバトラーの最大の武器であり最大の脅威、ソウルコアを生まれ持って使う事ができない少年なんて……世界中、いや全ての世界を渡り歩いても見つからないからね。きっと幼少期は周囲の人間から蔑まれて来たに違いない………僕には痛い程その気持ちが理解できるよ………君もそうだろ、ドレイク?」

「ッ………俺をこんなアホ面と一緒にすんな。取り敢えずコイツを拉致していけばいいんだな?」

 

 

これまでのルディアの依頼の要件を纏めると、「アスラを連れて来い」と言うモノ。ドレイクは理解し、早速彼らの元へ急行しようとするが………

 

 

「おっとごめんドレイク。やる気になってくれたのは嬉しいけど、注意事項が1つだけある」

「?」

「写真のこの女の人、そう。オレンジの女の人さ……彼女にだけは戦いを挑まない方が良い。なるべく避ける事だ」

 

 

ルディアが頂点王シイナ・メザの写真をドレイクに見せつけながらそう言い放った。ここで言う戦いを挑まない方が良いと言うのは、バトルスピリッツを行ってはダメであると言うこと。

 

つまり、ルディアはドレイクよりもシイナの方が強いと言っている事に差し違えなくて………

 

 

「この華奢な女が俺よりも強いだと?……フッ…そんな馬鹿な話があるか」

「僕の見立てではね。おそらく罪狩猟団の皆んなが束になってかかっても誰も勝てない……この僕も返り討ちに遭うだろうね〜」

「なに!?」

 

 

ルディアのまさかの敗北宣言。罪狩猟団のボスとして、その名に恥じない圧倒的なバトルの腕前を持つルディアだが、そんな彼が戦う前から負けを認めるなど、ドレイクには考えられなかった………

 

 

「………だが関係ない。誰が相手だろうと軽くぶっ潰すだけだ」

「うんうん!…君だったらそう言ってくれると思っていたよ!……それじゃあ頑張ってね!」

 

 

どこまでが本気でどこまでが偽りなのかがハッキリしないボス、ルディアの表情を最後に見届けると、ドレイクはアスラ、烈我達がいる世界へと急行して行った。

 

 

******

 

 

とある平日、場所はとある公園。

 

平日と言う事もあり、人一人見当たらず、今なら遊具や芝生を独占できる格好のタイミングであった。

 

そしてその格好のタイミングにアスラ、エール、シイナ、ムエ、色欲を司る七罪竜の一体、ライトは来ていて…………

 

 

「さぁライト君。待ちに待ったハーレムタイムだよ〜……今日はこのだだっ広い公園でゆっくり遊んで来な〜」

『いやいやちょっと待ってくださいシイナ様!!…ハーレムって言いましてもお美しい女性は貴女とエール様だけで後はこのわんわんとチンチクリンだけじゃないですか!!』

「誰がチンチクリンだライトコノヤロー!!」

「喧しいわね。せっかくこの私が来てあげたんだからもう少し静かにしてなさいよ」

「むえ〜」

 

 

一昨日だったか。昨日のWデートの際にライトを黙らせるためにシイナが咄嗟に今日という日を設けたわけだが、

 

平日だったと言う事もあり、光黄や絵瑠は学校。るみかも用事があるそうで、結局来れたのはエールだけ、しかも最初は行きたがらなくて、苦肉の策にシイナはアスラを無理矢理引っ張り出す作戦に出た。

 

アスラさえ来ればエールは向かわざるを得ない。「し、仕方ないわね、行ってあげるわよ」と素直になれない見栄を張りながら渋々ついて来てくれた。

 

結果、今のこのハーレムとは言えない状況が出来上がってしまっているわけだ。

 

 

「よし。じゃあ私はこのベンチで一眠りしておくよ。皆んなは適当に遊んで来ておくれ」

 

 

昨日のWデートの際にボウリングをやり過ぎたシイナ。余り寝てないため、ここらで一度仮眠をとる事にした。そんな彼女を他所に、アスラ達は公園のグリーンゾーンまで赴くと…………

 

 

「っしゃぁ!!…烈我達のガッコウとやらが終わるまでオレ達は自主練だ!!…バトルやるぞエール!」

「嫌よ、て言うか何でこの私がアンタみたいな熱苦しい奴とバトルやらなくちゃいけないわけ?」

「えぇぇ!?!……まぁいっか。じゃあライト、オレとバトルやろうぜ!」

 

 

エールにバトルを拒まれるアスラ。しかしすぐさまライトへと視線を移す。実際、本当はエールはアスラとバトスピがしたくて、内心では「もうちょっとしつこく誘いなさいよ!」と呟いていた。

 

だがそれを口に出して言えるわけもなく、今度はライトが口を開いた。

 

 

『嫌でございます!…折角ここまで来たのになんで貴方みたいな野蛮人の相手しなくちゃいけないのです!…私はもっとエール様やシイナ様と戯れたい!』

「何をぉ!!…オレとタワムレたって良いじゃないかァァァー!!」

「あんた戯れの意味わかってる?」

 

 

当然ながらライトの答えはNo。男性でしかも品の無いアスラと色欲を司る伝説の七罪竜のスピリットである彼がバトルをするわけがなかった。

 

 

「まだ三王を倒してないオレが頂点王のシイナとバトルするわけにもいかねぇしな……って言うか起こすのも悪いし……仕方ねぇ、一人で自主練でもしとくか」

 

 

誰もバトルしてくれないアスラ。仕方なく一人で自主練しようと懐からBパッドを取り出そうとしたが………

 

その直後だ。アスラやエールにとって見知らぬ声が聞こえて来たのは…………

 

 

「バトルの相手だったらこの俺がいつでもしてやる」

「おっ!…マジっすか助かります!!…………って言うかアンタ誰?」

『ッ……コイツは!!』

 

 

声のする方へと振り向く面々。そこには一人の青年が存在していた。アスラやエールは知らない人物だが、ライトは違う。彼を見るなり目の色を変えて反応して見せる。

 

 

『むさ苦しい男の名前は覚えたくなかったのですが、奴に関しては覚えざるを得ませんでした。奴の名はドレイク。私たちと敵対している組織の幹部でございます』

「ッ……コイツが!?」

 

 

烈我達から話には聞いていた七罪竜を狙う組織。その重要な役割を担うであろう幹部が今、アスラとエールの目の前に立ちはだかっているのだ。

 

 

『まさか私を狙っているのですか?……男に捕まるなんてごめんですよ。私を捕まえたければミコさんやディストさんでも連れて来てくださいな』

「逆にその人達が来たら捕まるの?」

『冗談です!!』

 

 

ドレイクに対して強気な発言をするライトだが、異常に緩い条件にエールが思わずツッコミを入れる。彼はその後直ぐに冗談であると言い放つが果たして…………

 

 

「七罪竜ライトボルディグス、黄色のお前に興味は無い。今回の獲物はお前だ、アホ面」

「誰がアホ面だァァァー!!……え、でも何でオレ?」

「アスラが標的!?」

「むえぇぇえ!」⬅︎なんてこった!

 

 

ドレイクが「アホ面」と評して指を刺したのは他でも無いアスラ。どうやらドレイクが今回狙っているのは七罪竜であるライトではなく、このアスラらしい。

 

何故何の関係もない自分を狙うのか………本人も当然戸惑うが、アスラの横にいるエールやムエも驚きを隠せない。

 

 

「ま、まさかオマエ達もオレの龍騎を狙ってんのか!?…だったらゼッテェ渡さねぇぞ!…龍騎はオレの、オレだけのカードだ!」

「龍騎?…ライダースピリットとか言うカードの事か?…生憎、俺はその程度のカードに興味が無い。そもそも貴様を連れて来いと言ったのは俺達のボスだ。ソウルコアが使えないのが珍しいようでな」

「ッ……オレがソウルコアを使えないのもお見通しかよ」

 

 

本来、余り乗り気ではなかった仕事と言う事もあったのか、何故アスラを狙っているのかの経緯を余す事なく伝えるドレイク。

 

 

「……まぁ、世界中どこを探したってソウルコアが使えないなんて小ネズミ、アンタくらいでしょうからね……珍しがるのも無理ないわ」

「何ちょっと悲しい事言ってんだエール!!…もう一人くらいいたっていいじゃねぇかァァァー!!」

 

 

エールに白々しい眼差しを向けられるアスラ。確かにこの世でソウルコアが使えない人間など世界の中をどれだけ探し回ってもこのアスラだけであろう。

 

 

「まぁ…つーわけで身柄を拘束させてもらうぞ。無論、バトルスピリッツでな………悪く思うなよ、これも仕事なんでな」

「ッ………!!」

 

 

言葉と共に馴染み出てくるドレイクのオーラと気迫。アスラは彼からどこかライダーハンターズのトゥエンティに似た気配を感じた。

 

それ故に、彼がただ者ではない事も瞬時に悟る。だが、バトルを挑まれて逃げるような真似は決してしない。やる気を見せるようにデッキを構えようとするが…………

 

その直後だった。オレンジの長い髪が目の前を通過したのは…………

 

 

「ちょっとそのバトル、待ってもらおうか」

「ッ……シイナ!」

「コイツは………」

 

 

間に割って入って来たのはオレンジの長い髪を靡かせる頂点王シイナ。トゥエンティは彼女の顔を見るなり、この女こそがボス、ルディアさえも戦いを避ける存在である事を思い出す。

 

 

「君さ〜…そう言う事やられると困るんだよね。アスラだけをどっか連れて行っちゃうとエールちゃんとくっつける事できないでしょ?…何のために私が頑張ってると思ってるわけ?」

「なぁッ!!…何言ってるんですかシイナ様!!」

 

 

相変わらずなシイナ。どう考えてもドレイクに対して怒るところはそこではない。

 

 

「ん?…いや待てよ。いっそエールちゃんも連れて行かれたら2人はその先で結ばれるのでは?…………よしそこの君!!…このエールちゃんも一緒に拉致してくれるならアスラの拉致も許そう!!」

「何言ってんだアンタァァァー!!…助けに来てくれたんじゃないんですかァァァー!?!!」

『シイナ様、そう言う天然な所も素敵でございます』

 

 

止まらないシイナのボケにアスラがツッコミを入れる。その横で、ライトは反対にシイナをベタ褒めする。どうやら本人の顔が良ければいいらしい。

 

そんな写真から予想できるレベルのアホな会話に、ドレイクは…………

 

 

(………コイツら、写真で見たまんまのアホな連中じゃねぇか。特にこの女………コイツ本当にボスよりも強いのか?)

 

 

疑問を抱く。

 

当然だ。ボスであるルディアも確かに顔や体格だけを見れば対して強そうには見えないが、彼には何故か強者のオーラが静かに滲み出ている。そのため初見でも強い事は理解できたのだが………

 

この女はどうだ。どこをどう見たってただの変態じゃないか。

 

しかし、仮にもルディアが戦いを避けるべきとまで言わせた女。ドレイクは彼女を試そうとするようにデッキを構えると…………

 

 

「俺はお前達に興味は無いが、お前のバトルには興味がある」

「?」

「俺とバトルしろ。俺達のボスを圧倒できる程の実力を今ここで示せ」

「ん?……シイナ、この人達のボスと知り合いなのか?」

「いや知らないけど」

 

 

ルディアとドレイクの会話を聞いていないアスラ達には彼の言っている事は理解できない。しかし、そんな彼のバトルをしたいと言う気持ちだけは伝わって来たか、一国の頂点王であるシイナは口角を上げながら自分もまたデッキを取り出して…………

 

 

「まぁ良いや!…頂点王って言う職業柄、全然バトルしないから色々鈍ってると思うし……ドレイクだったっけ?…この私で良ければ相手になるよ」

「……そうこなくてはな」

「おぉシイナのバトル……何やかんや見るのは初めてかもしんねぇ」

 

 

シイナがスーミ村を発ったのは自分が5歳の頃。それ故に、シイナのバトルを今までアスラは一度も見た事がなかった。

 

アスラが今から行われるバトルに興味津々になる中、シイナは懐からBパッドを取り出し、それをドレイクに向かって投げつけた。ドレイクは顔色一つ変えずにそれをキャッチする。

 

 

「………なんだこの薄っぺらい機械は」

「それはBパッド。私達の世界で使われるバトル用端末だ。ボタンを押して見な?…バトル台が出来上がるからさ」

 

 

言われるがままにBパッドのボタンをプッシュするドレイク。するとBパッドは角の部分から脚立が飛び出し、バトル台を形成した。シイナもまた同様に自分用のバトル台を形成させた。

 

2人はその後、己のデッキをバトル台へとセット、上から4枚のカードをドローし、完璧にバトルの準備を終えた。

 

 

「それじゃあやろうか。本気でかかって来いよ」

「こっちのセリフだ」

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

アスラ、エール、ムエ、ライトが周囲で見守る中、頂点王シイナと罪狩猟団の帝騎と呼ばれる幹部の1人、ドレイクのバトルスピリッツがコールと共に幕を開ける。

 

先行はドレイクだ。鋭い眼光をシイナに向けながらそのターンシークエンスを進めていく。

 

 

[ターン01]ドレイク

 

 

「メインステップ!……俺は創界神ネクサス、アヌビスとスサノヲを連続配置!」

「おぉ創界神」

 

 

ー【創界神アヌビス】LV1

 

ー【創界神スサノヲ】LV1

 

 

「成る程。この薄っぺらい機械は、外でも擬似的なバトルフィールドを形成できると言う事か」

 

 

ドレイクの背後に配置される2体の創界神。黒い甲冑を見に纏うアヌビスと、豪快な印象を与えるスサノヲだ。その後ドレイクはBパッドがどう言う端末なのかを大方理解すると共に、創界神ネクサスの神託をそれぞれ発揮させ、アヌビスに1つ、スサノヲに2つのコアを乗せる事に成功した。

 

 

「これでターンエンド。次は貴様の番だ、さぁ来い」

手札:3

場:【創界神アヌビス】LV1(1)

【創界神スサノヲ】LV1(2)

バースト:【無】

 

 

「オッケー!」

 

 

シイナを挑発しながらそのターンをエンドとするドレイク。しかしそれを間に受けるそぶりを見せないシイナ。余裕の笑顔を浮かべながらそのターンを進行させていく。

 

 

[ターン02]シイナ

 

 

「メインステップ………あ、そうだその前に決めとかないと」

「?」

「このバトル、何を賭ける?……何かを賭けあった方が楽しいからね」

 

 

シイナが要求して来たのはまさかの賭博。ドレイクは考えるまでもなく即答する。

 

 

「だったらそこのアホ面をもらう。元々そう言う仕事だからな」

「いいよー」

「オイィィィイー!!!…何あっさり承諾してんだァァァー!!」

『別に貴方なんて居ても居なくても対して変わらないからいいじゃないですか』

「何言ってんだライト!!…変わるだろ!?…オレ主役よ!?」

 

 

バトルの勝利にはアスラの身柄を要求するドレイク。シイナはそれを勝手に許可した。そして彼女もまた賭ける物を選択する。

 

いったい何が賭けられるのか身構えるドレイクだったが…………

 

 

「よし、じゃあ私が勝ったらドレイクにドーナツを奢ってもらおう」

「…………は?」

「だからドーナツだよドーナツ。るみかちゃんに教えてもらった美味しいドーナツ屋に今日行く予定だったからさ。そのドーナツの代金を支払ってもらおうって事!」

 

 

………何言ってんだこの馬鹿は。

 

ドレイクは思わずそう考えた。やはりこんな能天気な奴がルディアをも倒せる実力を保有しているとは思えない。何かの間違いであると………

 

 

「むえ、むぇぇぇぇ!!」⬅︎やったね、ドーナツ!!

「シイナ様最近ますますおバカになって来てない?」

「オレはドーナツと同価値だったのか………」

 

 

エールに抱き抱えられているドーナツ大好きムエ、シイナの勝利時にはドーナツを食べられると思い、テンションを上げる。

 

そしてお互い賭ける物が決まったところで、バトルスピリッツが続行される。

 

 

「それじゃあ改めてメインステップ。緑の成長期スピリット、ワームモンを召喚」

 

 

ー【ワームモン】LV1(1)BP3000

 

 

現れたのは芋虫をこれでもかと可愛くしたスピリット、ワームモン。それを見たドレイクの反応は………

 

 

(……緑のスピリット………って言うかなんだこの弱そうなスピリットは………)

 

 

ワームモンの弱そうな姿に、又してもシイナに落胆していた。そんな中、シイナはワームモンの召喚時効果を発揮させて………

 

 

「ワームモン召喚時効果。デッキから2枚オープンしてその中の対象となるカード1枚を手札に加える………おっとラッキー、パイルドラモンを加えて残りはトラッシュに……これでターンエンドだよ」

手札:5

場:【ワームモン】LV1

バースト:【無】

 

 

カードを手札に加えてそのターンをエンドとするシイナ。2体の強力な創界神を並べたドレイクのターンと比べてかなり消極的なターンだった。

 

次はそんなドレイクのターン。シイナをやはり自分が思っていた通りの弱者と認識した彼だが、それでもバトルでは手を抜けないか、全力でターンを進めた。

 

 

[ターン03]ドレイク

 

 

「メインステップ。マジック、エクスキャベーションを使用。メイン効果により、トラッシュから地竜スピリットを3枚手札に戻す!」

「!」

 

 

1枚のマジックカードでトラッシュから3枚ものカードを回収してみせるドレイク。選り取り見取りとなったその手札の中からスピリットカードを1枚引き抜き、Bパッドへとそれを叩きつけた。

 

 

「続けてコイツ、恐龍同盟ステゴラールを召喚!…神託によりアヌビスとスサノヲにコアを1つずつ追加!」

 

 

ー【恐龍同盟ステゴラール】LV1(1)BP2000

 

 

現れたのは四足歩行で背中にいくつもの刺を生やした恐竜のようなスピリット、ステゴラール。オマケのように創界神達にコアが追加されていく中、ドレイクはさらに仕掛ける。

 

 

「アタックステップ!!…ステゴラールでアタックする!…効果によりBPを3000アップさせ1枚ドロー!」

 

 

ー【恐龍同盟ステゴラール】BP2000➡︎5000

 

 

先手を取らんとステゴラールに指示を送るドレイク。その効果でカードを新たに加える。

 

そして「さらに!」と告げるたかと思えば創界神スサノヲが腰に備え付けられた刀を構えていて………

 

 

「フラッシュ、スサノヲの【神託】の効果を発揮!…コア3個をボイドに送る事で合体を無視したコスト6以下のスピリット1体を破壊!」

「あらら」

「消し飛べワームモン!」

 

 

ドレイクの背後から放たれるスサノヲの飛ぶ斬撃。赤と青のエネルギーの混ざったその強烈な一撃は一瞬にしてワームモンを斬り捨てた。

 

これでしいなのブロッカーは0。ステゴラールのアタックは是が非でも受けなばならなくて…………

 

 

「アタックは継続中!」

「ライフで受けるよ………ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉シイナ

 

 

ステゴラールの渾身の体当たりがシイナのライフに炸裂。先制点はドレイクが力を見せつけながらもぎ取って見せた。

 

 

「ターンエンド………歯応えが無い。無さ過ぎる………やはり貴様は単なる雑魚だったようだな」

手札:6

場:【恐龍同盟ステゴラール】LV1

【創界神アヌビス】LV1

【創界神スサノヲ】LV1

バースト:【無】

 

 

「何を〜!…そこまで言うんだったら少しだけ本気出しちゃうぞ〜」

 

 

コミカルな表情で怒るシイナ。とてもでは無いが本気でドレイクに対して怒りを露わにしているようには見えない。

 

 

[ターン04]シイナ

 

 

「メインステップ。先ずはブイモンを召喚しようか」

 

 

ー【ブイモン】LV1(1)BP2000

 

 

小さな青い竜、ブイモンがシイナの場に姿を見せる。見た目は静寂な印象を与えるが、強力な召喚時効果を有していて…………

 

 

「ブイモンの召喚時効果。デッキからカードを2枚オープン、その中の成熟期、完全体スピリット1枚を手札に加える………よし、私は成熟期スピリットのスティングモンを加えよう」

 

 

ブイモンのカード効果でまた1枚手札を増やすシイナ。しかし、これだけでは終わらなくて…………

 

 

「ブイモンの追加効果。その後、手札にある緑の成熟期スピリット1枚を2コスト支払って召喚できる………よって私はさっき加えたこのカード、スティングモンを召喚!…召喚アタック時効果でコアを1つ追加」

 

 

ー【スティングモン】LV1(1➡︎2)BP5000

 

 

瞬く間に現れたのは緑色のスマートな昆虫戦士スティングモン。その召喚時効果でさり気なくボイドからコアが1つ追加され、上に置かれるコアが2個となる。

 

 

「これで準備はオッケーだ。アタックステップ、スティングモンでアタック!…召喚アタック時効果でまた1つコアを追加してLV2にアップ!」

 

 

ー【スティングモン】(2➡︎3)LV1➡︎2

 

 

構え、走り出すスティングモン。LVが上がったため、シイナはスティングモンの更なるアタック時効果を発揮させて…………

 

 

「スティングモンのもう一つのアタック時効果【超進化:緑】を発揮、スティングモン自身を手札に戻す事で進化!……来い、パイルドラモン!」

「!」

 

 

ー【パイルドラモン】LV2(3)BP10000

 

 

スティングモンが緑の輝きを放ち、その間に姿形を大きく変化させていく。最後にその輝きを吹き飛ばしながら現れたのは竜の母体に甲虫の甲殻を得た至高の竜戦士パイルドラモン。

 

 

「………す、すげぇ……これがシイナのデジタルスピリット……!」

「こんなんで凄いとか言ってたらアンタいつまで経っても頂点王なんてなれないわよ。シイナ様のデッキにはまだまだ比べ物にならないくらい強力なスピリットが入ってるんだから」

「おぉ……いつかそいつらを全部蹴散らして必ず頂点王になってやる!」

 

 

パイルドラモンを強力なスピリットであると感じ取ったアスラは喜びの声が漏れる。シンプルに憧れの存在であるシイナのバトルがこの目で見られて嬉しいのだろう。

 

そしてそんな中、シイナは進化したてのパイルドラモンでドレイクを攻撃して…………

 

 

「パイルドラモン召喚時効果。コスト7以下のスピリット1体を破壊する」

「!」

「対象は当然ステゴラールだ。いけパイルドラモン……デスペラードブラスター!!」

 

 

腰に備え付けられた機関銃をドレイクのステゴラールに向けて連射するパイルドラモン。弾丸を避けられるわけもなく、ステゴラールは被弾し、爆発四散してしまう。

 

 

「そして、パイルドラモンでアタック。効果でコアを2つ増やし、ターンに一度回復する」

 

 

ー【パイルドラモン】(3➡︎5)LV2➡︎3(疲労➡︎回復)

 

 

今度はドレイク自身に攻撃を仕掛けるパイルドラモン。効果でコアを増やしつつ回復し、このターンの二度目のアタックを可能にした。

 

ブロッカーのいないドレイクはこの攻撃をライフで受けるしか他なくて………

 

 

「ライフだ………ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉ドレイク

 

 

甲殻を纏っているパイルドラモンの右拳がドレイクのライフ1つを玉砕する。そしてパイルドラモンは「まだ終わらない」と言わんばかりの勢いで今度は左拳を構えると…………

 

 

「パイルドラモンで再アタック!…効果でコア2つを増やす!」

「それもライフだ!……ッ」

 

 

ー【パイルドラモン】(5➡︎7)

 

 

〈ライフ4➡︎3〉ドレイク

 

 

 

飛んで来た左拳の一撃が続けざまにライフ1つを粉砕。オマケにライフの差も逆転して見せた。

 

 

「取り敢えずこれでターンエンド。どうよ〜…私結構やるだろ?」

手札:5

場:【パイルドラモン】LV3

【ブイモン】LV1

バースト:【無】

 

 

コアブーストを行いつつ、ドレイクのライフを破壊した頂点王シイナ。前のターンとは違い、普通に強めのターンであったと言える。

 

しかし、それを受けたドレイクの表情はどこか余裕が見られ………

 

 

「本気で………こんなモノか。失望したぞ」

「?」

「興醒めだオレンジの女。お前はこのターンで俺が倒す」

 

 

パイルドラモン程度ではまだドレイクの腹に収まりきれないようである。

 

彼のターンが幕を開けるが、ラストターンを宣言しているため、このターン、より強い攻撃が来る事はシイナはもちろんの事こと、周囲のアスラ達も理解していて………

 

 

[ターン05]ドレイク

 

 

「メインステップ……2体目の恐龍同盟ステゴラールを召喚。アヌビスとスサノヲに神託」

 

 

ー【恐龍同盟ステゴラール】LV2(3)BP3000

 

 

前のターン、パイルドラモンに破壊されたステゴラール。その2体目がドレイクの場に出現する。創界神であるアヌビスとスサノヲにコアが追加されていく中、彼はさらにターンを進めて………

 

 

「バーストを伏せてアタックステップ!!……ステゴラールで攻撃する。効果でBPを上げつつ1枚ドロー」

 

 

攻撃の指示を煽られるステゴラール。しかしシイナのライフへと向かって走る事はせずその場で待機。その理由はドレイクの手札とステゴラールの更なる効果にあって…………

 

 

「そしてこのフラッシュタイミングでステゴラールを対象に【煌臨】を発揮!…この瞬間、ステゴラールの更なる効果により、ソウルコアを支払う代わりに手札1枚をコストとする!」

「えぇ!…ソウルコアを支払わずに煌臨!?…なんて羨ましい効果なんだァァァー!!」

「一々うっさいわねアンタは!!…黙って見れないわけ!?」

 

 

ステゴラールは自身に煌臨される際、ソウルコアをトラッシュに置く代わりに手札1枚をコストとできる。故に、ソウルコアは必要では無いのだ。

 

ソウルコアが使えないため、ソウルコアを使用して効果を発揮する【煌臨】に憧れがあるアスラは、羨ましそうにそう言葉を落とした。そんな彼の事情など知った事ではないと言わんばかりにドレイクは己のバトルを続けて………

 

 

「ステゴラールに煌臨……現れろ、恐龍同盟アクロカントレックス!!」

 

 

ー【恐龍同盟アクロカントレックス】LV2(3)BP10000

 

 

赤き輝きに包まれたステゴラール。その中で新たな姿へと昇華、硬質な鎧のような皮膚をその身に纏った獰猛な肉食恐竜、アクロカントレックスとなって再び場へと顕現した。

 

 

「おーー…強そうだね〜」

「貴様の余裕は間も無く消える!…アクロカントレックスの煌臨時効果!…相手の場のBP10000以上のスピリット1体を破壊!」

「!」

「パイルドラモンを噛み砕け!」

 

 

登場したてのアクロカントレックスの口内から放たれる豪炎。それがパイルドラモンを飲み込み、焼却して見せる。

 

 

「さらにフラッシュ、アヌビスの【神技】……BP3000以下のスピリット2体を破壊!…今度は貴様だブイモン!!」

「あれま」

 

 

ー【創界神アヌビス】(4➡︎1)LV2➡︎1

 

 

創界神であるアヌビスが懐に納めている剣を抜刀。それに伴う衝撃波がシイナのブイモンを斬り裂き、爆散させた。

 

そして、ドレイクは爆発による爆煙を見届ける中、「これで終わりだと思うなよ」と、まだまだ自分の効果の発揮が続くと思わせるような発言して…………

 

 

「アクロカントレックスのもう一つの効果!…手札1枚をアクロカントレックスの煌臨元に追加する事で、もう一度煌臨時効果を発揮させる!」

「!」

「俺は3枚目のステゴラールを煌臨元に追加し、煌臨時効果を発揮!…BP10000以上のスピリット1体を破壊する!」

 

 

煌臨元カードが追加され、今一度発揮されるアクロカントレックスの効果。しかし、散々破壊され。シイナのスピリットは今や0。アクロカントレックスの効果は不発に終わる…………

 

はずだった…………

 

 

「なんでわざわざ手札を減らして効果を無駄に使ったの!?」

『いや、エール様。アレがあの男の戦い方です………気をつけてくださいシイナ様!!』

「オッケー!」

「いや軽いな!?」

 

 

唯一、ドレイクの戦い方を知っているライト。シイナを案じるように声援を送る。危険な空気がピリピリとする中でも能天気さは変わらないシイナを他所に、ドレイクは更なる手札を切って…………

 

 

「これで仕上げだ……フラッシュタイミング……【煌臨】発揮!…対象はアクロカントレックス!」

「!」

「敵を砕け!…壊せ!!…ぶっ潰せ!!!…本能のままに蹂躙し尽くせッ!!!!…暴双恐龍スーパーディラノスッ!」

 

 

煌臨宣言と共にアクロカントレックスを包み込む炎、それはその身をさらに巨大で強大な姿へと変化させると、炎を振り払って上下に二つの頭を有する巨大な地竜、スーパーディラノスが地上へと姿を見せる。

 

 

ー【暴双恐龍スーパーディラノス】LV2(3)BP10000

 

 

「で……デッケェ……これがアイツのエースカードか!?」

「スーパーディラノスの効果。地竜スピリットに常時BPプラス10000……当然、自身も対象内だ」

「!」

 

 

ー【暴双恐龍スーパーディラノス】BP10000➡︎20000

 

 

登場した途端に空気が張り裂けるようの咆哮を上げ、BPを急上昇させるスーパーディラノス。アスラ達がその咆哮により両手で両耳を塞ぐ中、シイナはただ一人、笑顔を浮かべていて…………

 

 

「成る程。ちゃんとした勝ち筋が考えられている良いデッキだな………どうやら私が思っていた以上に君は強いらしい」

「今更気が付いても遅い!!……煌臨スピリットは煌臨元となったスピリットの全ての情報を引き継ぐ……アタック中のアクロカントレックスに煌臨した事により、スーパーディラノスもまたアタック中だ!」

「ライフで受ける!………ッ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉シイナ

 

 

シイナ目掛けて走り出すスーパーディラノス。その極太の両腕を彼女のライフに打ち付け、それを1つ粉砕する。

 

この瞬間。ドレイクは勝利を確信。その理由は当然、スーパーディラノスの効果にあって………

 

 

「スーパーディラノスのアタック時効果!…バトル終了時、このスピリットの煌臨元カード1枚につき、敵ライフ1つを破壊する!」

 

 

ー!!

 

 

「へ〜…この時のために煌臨元カードを無駄に溜め込んでいたのか〜」

 

 

周囲が驚愕の余り言葉が出ない中、シイナは感心するようにドレイクを褒める。

 

そう。ドレイクはこのスーパーディラノスの効果でバトルの最後を飾るべく、アクロカントレックスの効果をわざと空振りにしてまで使用したのだ。

 

 

「煌臨元カードの合計は3枚!!……よって貴様の残った3つのライフを全て破壊する!!……これで終わりだ、失せろ弱者ッッーー!!」

「!」

 

 

極太の両腕でシイナのライフバリアを掴み、二頭の口内より獄炎の炎を放とうとするスーパーディラノス。これを受ければシイナの負けであると誰もが考える中…………

 

頂点王シイナは1枚の手札を切った。

 

 

「相手の効果によってライフが減る時、手札からリアクティブバリアの効果を発揮」

「なに?」

「これを破棄する事で、ダメージを1に絞る………随分と涼しい炎だな」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉シイナ

 

 

咄嗟に切られたマジックカードにより、シイナのライフバリアの目の前にさらなるバリアが出現。それがクッションとなり、シイナのライフ減少数は1にまで抑えられた。

 

 

「………ターンエンドだ。偶然にも使える防御カードを手札に持っていたか………だが、たったの1ターン延命したに過ぎん。次のターンで今度こそ終わらせてやる」

手札:2

場:【暴双恐龍スーパーディラノス】LV2

【創界神アヌビス】LV1(2)

【創界神スサノヲ】LV1(3

バースト:【有】

 

 

このターンでの勝利は逃してしまったものの、圧倒的優勢に変わりはない、ドレイクは余裕のある表情を浮かべながらターンをエンドとする…………

 

だが…………

 

 

「ホント、良いデッキ良いカードバトラーだよ君は。赤のカラーリーダーに空きがあったらスカウトしたいくらいだ」

「?」

「『偶然にも使える防御カードを手札に持っていた』……か。丁度身体が温まって来た頃だ。じゃあ試して見る?…この私のドロー力が偶然かどうか」

「ッーー!?!」

「この私の本気、アンタは何ターン耐えられるか、楽しみでしょうがないよ」

 

 

空気が変わった。重たくなった。

 

この目の前のチンチクリンな女が確かに変えた。ドレイクだけでなく、周囲のアスラ達もそう感じていく中、頂点王シイナが遂にドレイクへと牙を向ける…………

 

 

[ターン06]シイナ

 

 

「メインステップ……先ずは【超進化】の効果で手札に戻っていたスティングモンを再召喚。効果でコアブースト」

 

 

ー【スティングモン】LV3(5➡︎6)BP10000

 

 

「くっ……ハッタリかましてんじゃねぇぞ!……相手の召喚時発揮後によりバーストカード、双翼乱舞を発動!…バースト効果によりデッキから2枚ドロー、さらにコストを支払い、もう2枚ドローする!」

 

 

再び緑のスマートな昆虫戦士スティングモンが姿を見せるが、その召喚時効果に反応するようにドレイクが汎用性の高いドローマジック双翼乱舞で手札を一気に回復。

 

だが、頂点王シイナはそれを気に掛けず、己のターンを全力で進めて行く…………

 

 

「ハッタリかどうかは自分の目で確かめるんだな。デジタルブレイヴ、ズバモンを召喚し、スティングモンに直接合体!」

 

 

ー【スティングモン+ズバモン】LV3(6)BP13000

 

 

黄金の鎧を見に纏うデジタルブレイヴ、ズバモンが呼び出される。それはスティングモンと一体となり、彼に黄金の鎧を着せた。

 

しかし、まだこの程度で終わらせる気はないか。頂点王シイナはさらに手札からカードを引き抜いて………

 

 

「そして【煌臨】を発揮、対象はズバモンと合体したスティングモン」

「!」

「来い、赤き究極体……デュークモン!!」

 

 

ー【デュークモン+ズバモン】LV3(6)BP21000

 

 

黄金の鎧を装備したスティングモンが赤き光に身を包んで行く。その中で急激な変化を遂げる。

 

やがてその光を解き放ちながら出現したのは赤いマントを翻す白い鎧の聖騎士。デュークモンだ。ズバモンと合体しているためか、右腕の槍はビーム状になっており、その姿はより刺々しい印象を与えさせる。

 

 

「………なんだこのスピリットは………今までコイツは猫を被っていたとでも言うのか??……ボスの言っていた事は本当だったと言うのか!?……いや信じん。そのスピリットごと俺が貴様をぶっ潰す!」

「フッ……やれるモノならやってみなよ。久し振りに潰し甲斐のある相手と出会えたんだ。嬉しい限りだね」

 

 

徐々に頂点王たる頭角を表して行くシイナ。時やターンが進むにつれ、その鋭さを増して行く。

 

だが、ドレイクも引けない。己が更なる強さの高みへと向かうためにも、全力で目の前の化け物を始末する姿勢を見せる。

 

そんな中、頂点王シイナは圧倒的な空気に言葉が出てこないアスラの方へと首を向けて…………

 

 

「アスラ。今からオマエが見るのは、オマエが倒すべき相手のほんの一部の力に過ぎない………よく見ておけ」

「ッ………おう……!!」

 

 

頂点王シイナは息子であるアスラにそこまで言い切ると、アタックステップを宣言し、遂に攻撃に転ずる。

 

 

「バーストをセットしてアタックステップだ……行けデュークモン!!……アタック時効果でシンボル2つ以下のスピリット1体を破壊する!」

「なに!?」

「残念だったね。いくらBPが高かろうが関係無い……消え去りなスーパーディラノス!」

 

 

ビーム状となった槍を天高く伸ばし、スーパーディラノスへと振り下ろすデュークモン。スーパーディラノスは極太の両腕で咄嗟に守りを固めるが、所詮は無駄な足掻き、デュークモンの槍はスーパーディラノスを真っ二つに切断、スーパーディラノスは堪らず爆散してしまう。

 

 

「アタックは継続中。ダブルシンボルのアタックだ」

「………だがシンボルはたったの2つ……この程度のアタックでは俺の3つのライフは破壊し尽くせない!」

「フッ……その考えは甘い。フラッシュ、デュークモンの更なる効果発揮。トラッシュにある滅龍スピリット1枚を手札に戻す事で、デュークモンはターンに一度回復する」

「なッーー!?!」

「トラッシュからギルモンを手札に戻し、起き上がれデュークモン!!」

 

 

ー【デュークモン+ズバモン】(疲労➡︎回復)

 

 

回復状態となるデュークモン。これでダブルシンボルで2回のアタックが可能となった。

 

この二度のアタックを受けて仕舞えば敗北する事を悟ったドレイクは焦ったように「まだだ!!」と言い放つと、手札から1枚のマジックカードを放つ。

 

 

「フラッシュタイミング、マジック……双光気弾!!」

「!」

「効果により、合体しているブレイヴ1つを破壊……ズバモンを破壊し、そのシンボルを2から1に下げる!」

 

 

ー【デュークモン】LV3(6)BP18000

 

 

彼の背後から飛び交う2つの気弾。デュークモンに纏わり付き、その中に眠るズバモンを体内から引き摺り出すと、それを爆散させる。

 

ズバモンが消え去った事により、デュークモンの姿は元に戻り、一度に破壊できるライフ数も1となった。

 

 

「そのアタックはライフで受ける!!………ぐおっ!?」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉ドレイク

 

 

ズバモンを失っても尚ドレイクのライフへと進み、そのライフを鋼鉄の素材に戻った右腕の槍で貫くデュークモン。ドレイクのライフは残り2つとなる。

 

 

「ターンエンド……よく凌いだね。次のターンもそんな感じで頑張ってくれよ」

手札:2

場:【デュークモン】LV3

バースト:【有】

 

 

「ふざけるなッ!!……上から目線も大概にしやがれ!!……言っただろう、次のターンで確実に貴様をぶっ潰す!!」

「フフ……私の見立てだと、君はもう1枚くらい奥の手があるんだろう?……出し惜しみせずに使って来なよ」

 

 

明らかにドレイクを嘗め切ったシイナの態度に激昂するドレイク。彼女をつぶすべく、既に読まれているその「奥の手」を使用する…………

 

 

[ターン07]ドレイク

 

 

「メインステップ!!……来い恐竜人ティラノイド、暴双龍ディラノス!!」

 

 

ー【恐竜人ティラノイド〈R〉】LV2(3)BP5000

 

ー【暴双龍ディラノス〈R〉】LV1(1)BP3000

 

 

ドレイクの場に現れたのは人のような体格をした恐竜、ティラノイドと、スーパーディラノスを少しだけサイズダウンさせたような外観を持つディラノス。

 

 

「ティラノイドは自分の場のスピリットが2体以下の間最高LVとなり、ディラノスは全ての地竜スピリットのBPを5000上げる!」

 

 

ー【恐竜人ティラノイド〈R〉】LV2➡︎3 BP5000➡︎8000➡︎13000

 

ー【暴双龍ディラノス〈R〉】BP3000➡︎8000

 

 

次々とパワーアップを果たして行く2体の地竜。そして遂に攻撃へと転ずるのか、ドレイクはその鋭い眼光を未だ余裕を崩さない頂点王シイナへと向けて…………

 

 

「アタックステップ!!……恐竜人ティラノイドでアタック!!」

 

 

主人であるドレイクの指示を聞くなり、咆哮を上げるティラノイド。ここでドレイクはさらに「奥の手」であるカードを手札から切って…………

 

 

「フラッシュ【煌臨】を発揮!!…対象は恐竜人ティラノイド!…この瞬間、ティラノイドの効果で自身のコストは5となる」

「!」

「王も神もあらゆる全てを超えて全てを統べる覇者となれ!!…恐竜覇者ダイノブライザーをティラノイドに煌臨ッ!!!」

 

 

ティラノイドに集う巨大な炎の火柱、幾度も生まれ変わって行くその姿も遂に極地へと至り、赤い眼光を輝かせながら、火柱より姿を見せるのはまさしく絶対的王者と成り得るスピリット………その名をダイノブライザー。

 

赤き装甲、両刃の槍を携え、今この地上へと脚を着けた。

 

 

ー【恐龍覇者ダイノブライザー】LV2(3)BP21000

 

 

「成る程。これが奥の手って訳ね………その力、たっぷりと堪能させてもらおうか」

「ハナッからそのつもりだ!!…俺はさらにここでマジック、ジュラシックスピアを使用!!」

「!」

「手札にある地竜スピリット2枚を場の地竜スピリットの煌臨元に追加する!!……俺は2、3枚目の暴双龍ディラノスのカードを、ダイノブライザーの煌臨元に追加!!」

 

 

限界以上の全力を見せるドレイク。その証拠に残った手札のカード全てが奥の手であるダイノブライザーへと追加された。

 

これでダイノブライザーの煌臨元カードの合計は3枚。これにより発揮できる効果がダイノブライザーにはあって…………

 

 

「これで下準備は終わった!!……フラッシュ、ダイノブライザーのアタック時効果!!……このスピリットの煌臨元カード3枚を破棄する事で、このターンの終了後、もう一度俺のターンを行う!!」

「おぉ…強いね」

「テンドウさんのカブトと同じ、エクストラターン効果!?」

 

 

ドレイクのダイノブライザーが発揮した効果は、三王テンドウ・ヒロミの所持するライダースピリット、カブトと同等かそれ以上のエクストラターン効果。

 

その効果が如何に強力なのかは最早言うまでもなくて…………

 

 

「これで、例え貴様が如何なる防御マジックを持っていようが、トドメをさせる!!……奴を叩き潰せ、ダイノブライザー!!」

「仕方ない、そのアタックはライフで受ける………ッ」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉シイナ

 

 

ダイノブライザーが咆哮を上げながらシイナのライフへと突き進み、その両刃の槍でライフ1つを斬り裂く。

 

遂に限界であるライフ1まで追い込まれたシイナ。オマケに次はエクストラターン、もう一度ドレイクの攻撃がやって来る。絶体絶命の崖っ淵の状況に間違いはなかった…………

 

しかし、そんな彼女の表情からは未だに余裕が絶えなくて…………

 

 

「ダイノブライザーか……強いスピリットだ。でも、エクストラターンを決めるならもうちょっと先を見通せるようにならないとね……私の知ってるエクストラターン使いは後二三手先は軽く読んで来るよ」

「何?」

「フフ……でもパイルドラモンとデュークモンだけじゃなくてコイツまで呼び出させるくらいだったら上々の強さだね………バースト発動!!」

「!?」

 

 

シイナのライフの減少に反応し、伏せられていたバーストカードが発動、勢い良く反転して見せる…………

 

そしてその聞いたこともないような恐ろしい効果がこの場で発揮されて…………

 

 

「その効果により、相手の創界神のコア1つにつき、相手のスピリットのコアを1つトラッシュに置く」

「なッ!?」

「フフ……理解できたかい?…君の場にいる2体の創界神、アヌビスとスサノヲ………2体の上に置かれているコアの合計は足し合わせて11……よって君の場のスピリットから11個のコアを取り除く!!」

 

 

ー【恐龍覇者ダイノブライザー】(3➡︎0)消滅

 

ー【暴双龍ディラノス〈R〉】(1➡︎0)消滅

 

 

突如とひて赤い稲妻を纏い吹き荒れる黒い竜巻。それがダイノブライザーとディラノスを飲み込んでいき、その体内からコアを弾き飛ばし、消滅させる。

 

これでドレイクの場のスピリットは全て消滅。彼のエクストラターンがやって来たとしても攻めるスピリットも手札も殆ど無い事になる。

 

そして、頂点王シイナはダイノブライザー達を消滅させたバーストカードを手に取り、この効果発揮後に使える更なる効果を発揮させて………

 

 

「ば、馬鹿な……俺のダイノブライザーが……」

「その後……効果を使ったこのスピリットを召喚できる……」

「!」

「聞け!!魔王の轟く怒号を……そして慄き戦慄せよ!!………来い、ロード・バロン!!」

 

 

ー【ロード・バロン】LV3(4)BP16000

 

 

赤黒い稲妻が落雷し、場へと迸る。その中心より立ち上がり、姿を見せたのは紛う事無き魔王たる姿をしたスピリット………

 

その名もロード・バロン。登場するなり、禍々しいオーラを解き放ち、敵であるドレイクにこれまでとは比べ物にならない程の大きなプレッシャーを与える。

 

 

「こ、コイツは………なんだ!?」

「これはデュークモンに次ぐ私のエースカードさ。最も、大抵の場合はデュークモンだけで勝てるから召喚できる相手は限られるんだけどね」

「シイナ様のもう一つのエースカード……デュークモンと比べて、余りにも禍々し過ぎる……」

「………スゲェ」

 

 

エール達がシイナのロード・バロンに驚く中、アスラはこのバトルに釘付けになった。魅了されていた。

 

これが自分の超えるべき存在なのであると改めて痛感していた………

 

 

「さぁドレイク。君のエクストラターンでバトルを再開しようじゃないか」

「ッ……俺はターンを終了し、ダイノブライザーの【連覇】の効果でもう一度俺のターンを行う……」

手札:0

場:【創界神アヌビス】LV2(5)

【創界神スサノヲ】LV2(6)

バースト:【無】

 

 

聞いた当初は強力に思えたエクストラターンも、ロード・バロンの存在のせいで霞んで見えてしまう。

 

それでもまだ勝つのを諦めきれないドレイクは全力でダイノブライザーが残していったエクストラターンを実行して行くが…………

 

 

[ターン08]ドレイク

 

 

「メインステップ………俺は暴双龍ディラノスをLV3で召喚………ターンエンド」

手札:0

場:【暴双龍ディラノス〈R〉】LV3

【創界神アヌビス】LV2(6)

【創界神スサノヲ】LV2(7)

バースト:【無】

 

 

たった1枚の手札でデュークモンとロード・バロンが並び立つ状況を打破できるわけもなく、ドレイクは2体目となる暴双龍ディラノスを召喚したのみでそのエクストラターンを終えてしまう…………

 

 

(強い……強過ぎる………デッキの構築力、引きの強さ、プレイング、カードのパワー……そして前のターンから次々と溢れ出て来るバトラーとしての気迫………カードバトラーとして必要不可欠なスペック全てが規格外だ………しかも今ならわかる……コイツはまだ真の本気を出しちゃいねぇ……遊ばれてる……帝騎であるこの俺が……!!)

 

 

ボスであるルディアの言っていた事をここに来てようやく骨の髄まで理解したドレイク。

 

今の自分がどう足掻いたところで、この目の前に存在する化物には敵わないと悟ってしまう…………

 

 

「私のターンだね」

「!」

 

 

そしてそんな化物のターンが再び幕を開ける…………

 

 

[ターン09]シイナ

 

 

「メインステップ………は、もう要らないか。アタックステップ……ロード・バロンでアタック!……その効果で相手の場の最もBPは高いスピリット1体を破壊!」

「!」

「君の場のスピリットは1体だけ……消し飛べディラノス!」

 

 

武器である巨大な魔剣を振い飛ぶ斬撃を発生させるロード・バロン。それをディラノスが避けられる訳もなく、斬り裂かれ、爆散されてしまう。

 

 

「アタックは継続中!」

「ら、ライフで受ける!……ぐぉっ!」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉ドレイク

 

 

再び魔剣を振い、今度はドレイクのライフを斬り裂くロード・バロン。そのライフ数をとうとう1まで追い詰める…………

 

そしてこれで終わりだ。シイナはBパッド上に存在するデュークモンのカードに手を掛けると、それを横向きに捻る。

 

 

「ラストアタック……行けデュークモン!!」

「クソ……クソが……ライフで受けてやる!!………ッ」

 

 

〈ライフ1➡︎0〉ドレイク

 

 

デュークモンによるトドメのアタック。右腕に備え付けられた聖なる槍より放たれる強烈な刺突が、彼の最後のライフを奪い去る…………

 

これにより、勝者はシイナだ。終盤から頭角を表していき、最終的にはドレイクに完勝して見せた。

 

 

「よし私の勝ち………これでドーナツを奢って貰えるのが確定したね」

「あ……本気出してもメインはやっぱりそっちだったのね……」

 

 

先程までドレイクを戦慄させてしまう程の気迫はどこへ行ったのやら、バトルが終わるなりけろっと元に戻るシイナ。

 

その後Bパッドを仕舞うと、片膝をつくドレイクの方へと歩み寄り…………

 

 

「まぁ、私にロード・バロンを出させる程だし、なかなか筋は良いと思うよ。十分やって行ける強さはあるんじゃないかな?」

「黙れオレンジ女………俺に七罪竜が……バジュラがあれば貴様など……」

 

 

烈我のバジュラを狙うドレイク。余程悔しかったのか、負け惜しみをここで口にしてしまう。

 

 

「……七罪竜ね……一応、頂点王としてこれだけは言わせてもらうよ………カードバトラーの強さはカードの強さや、ソウルコアの有無で決められる程単純じゃない」

「!」

「バトルは最後まで諦めない心でやるモノだ。君はとっくの昔にその事を理解してるんじゃないかな?」

「ッ………ほざけッ!!……どちらにせよ、次やる時は必ず俺が勝つ!!…首を洗って待っていやがれ!!」

 

 

苛立ちながら小さな機械のスイッチを押し、空間に穴を開けると、ドレイクはそこに飛び込んで何処かへと去っていった…………

 

シイナはそんな彼の背中をどこか寂しそうに眺めていて…………

 

 

『シイナ様ァァァー!!……凄かったでございます!…貴女のような可憐なお方が最強のカードバトラーだとお伺いした時は正直耳を疑いましたが、このライト、ますますシイナ様に惚れてしまいました!』

「はっは、素直だねライト君は!」

 

 

ドレイクが姿を消すなり飛び出して来たのは七罪竜のライト。その次にムエを抱えたエール、アスラが寄って来て…………

 

 

「結局ドーナツ奢って貰えず終いでしたね」

「あ………うっかり」

 

 

ドレイクから帰る前にお金くらいもらっとけば良かったなとシイナが考えると、アスラと目が合ってしまう。

 

その時のアスラの表情は予想以上に暗かった。いずれ戦うかも知れない最大の壁を目の当たりにしたのだ。無理も無いが…………

 

 

「ようアスラ。どうだった私のバトルスピリッツは?……実力が桁違い過ぎてビビってるのか?」

「………へへ、まさか………その逆さ。武者震いが止まんねぇよ……こんなにゾクゾクしたのは初めてだ………オレはいつか絶対にアンタに勝つぜ、シイナ!!」

「ふふ……来なよ。さっきのドレイク以上のバトルを期待してるよ」

 

 

シイナのバトルを見て、彼女とのバトルが楽しみで仕方なくなっていたアスラ。早く強くなりたいと願いながらも、彼女に向かって笑いながらそう告げた…………

 

 

「………にしても、あのドレイクってヤツ……ちょっと心配だな」

「え?…なんでよ、アイツ敵じゃない」

 

 

ふとアスラがそう言葉を落とすと、エールがすぐさま言い返した。

 

その後、アスラは淡々とその理由を述べて…………

 

 

「アイツ、なんかトゥエンティに似てるんだ。必死さって言うか、余裕が無い所がと言うか………」

「まぁドレイクについては何とかしてくれるさ。異世界人の私達が手を出していい話じゃ無い」

 

 

シイナがアスラにそう言い返して来た。

 

ドレイクは別の世界の烈我達の敵であるため、自分が関わって来るのは違うとは思っているものの、どうしてもアスラは彼の行末が心配であって…………

 

 

 

 

******

 

 

 

舞台は移り変わり、ここはアスラ達の住む世界、その辺境にある崩れ去った瓦礫の山々。

 

ここはライダーハンターズの隠れ家である。団員である青年トゥエンティと見た目だけは究極の美女イバラの2人はそこで何も言わずに佇んでいて………

 

 

「ねぇさトゥエンティ〜…なんかアンタ最近全然ライダースピリット使いを奪って来てないんじゃない?」

「………」

「前は五里霧中ー!!って感じでずっとライダースピリット使いを追いかけ回してたのにさ〜…どう言う風の吹き回しな訳よ?」

「それを言うなら無我夢中だ……別に追いかけ回さなくなった訳じゃない。オマエこそ最近は全然集まっていないように見えるが?」

「じょ、冗談はカンニングね!!……面倒がくさいだけよ」

 

 

オロチがアスラに負け、ライダーハンターズを辞めて以降、2人だけでここにいる時間が増えた。

 

主任であるウィルがここ最近姿を見せていないのもそうだが、何より2人はあの日以来、ライダースピリットを収穫しに行く時間が格段に短くなっていたのだ。

 

その理由は、彼らでもわからない。

 

天然が過ぎるイバラは兎も角、トゥエンティの場合、本当は気がついているのかもしれないが、それを認めたくはないのか、敢えてその感情を押し殺しているようにも見える。

 

 

「あ……じゃあさ暇ならオロチが今どうしてるか当てっこしない?」

「なんでそうなる」

「なんでって、私達3人友達でしょ?」

「そんな訳あるか。オマエらはオレが蹴落とすべき競争相手だ。最も、もうオロチはいないがな」

「えーーー……まぁいいや。私の先攻ね、オロチは力持ちだったから、孤児院で正体を隠しながら頑張ってると思うんだよね〜」

「…………」

 

 

イバラとの時間が増えつつあったトゥエンティだが、未だに彼女との会話が成り立たない。

 

意味がわからなさ過ぎる。

 

もうお手上げだと思ったトゥエンティ、ここから一旦出ようと思った直後。耳覚えのある足音が奥の方からこだまして来て…………

 

 

「やぁ。久し振りだねトゥエンティ、イバラ」

「ウィル……」

「あっ!!…ウィルじゃんお久〜!!…元気だった?…相変わらずイカした帽子とお髭だね〜」

「ふふ、君も相変わらずだね」

 

 

現れたのはライダーハンターズの主任であるウィル。2人と会うのはオロチがライダーハンターズを抜けて以降、初めてだった。

 

 

「ウィル……今までどこに行ってた。オロチはライダーハンターズを辞めたぞ」

「あぁやっぱりね。そうなると思っていたよ」

「あの時、オロチのデッキから王蛇が消えていた……オマエ、今までオレ達に黙ってどこに行っていた?」

 

 

口振りからして、オロチのライダースピリット、王蛇を盗んだのはウィルであると推測しているトゥエンティ。

 

実際その根拠の無い推理は的中している。が、ウィルは慌てるそぶりを全く見せずに…………

 

 

「まさか私を疑っているんですかね?……ふふ、まぁ仕方ないですけどね……一応、用事があったので、しばらくそちらにお伺いしておりました」

「用事………何のだ」

「まぁまぁ良いじゃん良いじゃん!!…よしとしましょう!」

 

 

拳を固め、今にもウィルに殴りかかって行きそうなトゥエンティをイバラが咄嗟に止める。ウィルはそんな光景を目に映しながらも、不敵な笑みを浮かべると………

 

 

「2人とも最近仕事してないみたいですね〜」

「ギクリンチョ!!」

「ふふ……でも良い話がありますよ〜……強いカードも手に入れられて、あのゴミも始末できる千載一遇のチャンスだ」

「………アスラの事か」

 

 

ウィルの言う「ゴミ」とは、即ちスーミ村のアスラの事。どうやら何か情報を掴んでいるみたいだ。

 

 

「2人とも、異世界からやって来た罪狩猟団と言う愚か者共を覚えていますか?」

 

 

こうしてウィルはその「良い話」とやらをトゥエンティとイバラに聞かせるのだった……………

 

 

 

 

 




《キャラクタープロフィール》

【ドレイク】
性別:男
年齢:18歳
身長:174cm
身分:帝騎
使用デッキ:【地竜】
概要:帝騎と呼ばれる組織の幹部。性格は苛烈で好戦的な性格の少年。常に何かにイラついたような言動が目立つが、ルディアには忠誠を尽くす。
地竜デッキを得意とし、力の差を思い知らせるようにスピリットによる肉弾戦をメインにした戦い方。バジュラを執拗に狙っており、烈我に敗れてなお再戦の機会を狙っている。


※バトルスピリッツ7-Guilt-より引用


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最後までお読みいただきありがとうございました!!
次回もよろしくお願いします!

楽しかったコラボ回も残りわずかとなって来ました!!
コラボを引き受けて下さったブラストさんのためにも全力で書き上げて見せます!

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