場所は単なる平凡な町並みの中にある、単なる平凡な河川敷。
だが、そこで行われているのはバトルスピリッツという名の死闘。イバラの身体を乗っ取った黒の世界のブラックフォースの1人、ヘタマイトがアスラの中に眠るオニキスを刺激するように煽ると、彼女に怒りや憎しみを持つオニキスはアスラを無理矢理暴走させたのだった…………
「ヴ……ヴ………ヴ……」
「アスラ!?…どうしたのよ急に、しっかりなさい!!」
「ど、どうしたんだよアスラの奴!?…まさか、アレがアイツの中にいるオニキスって奴の力なのか!?」
オニキスの暴走により闘争本能のみが剥き出しになるアスラ。人語も忘れ怒り狂ったように雄叫びを上げる。
最早エールや烈我、仲間たちの声も届きやしない。
「くっ……何やってんだアスラー!!…さっさと目を覚ませッ!!」
「………アスラ……オマエ、その力は一体……!?」
最大のライバルロンや、敵として前に立ちはだかっているトゥエンティまでもがこの異様な光景に戸惑いを隠せない。
そんな中、イバラの身体を乗っ取っているヘタマイトは唯一余裕のある笑みを浮かべながら口を開き…………
「ジジジ……やっと出て来てくれたねオニキス♡……成る程、今の僕みたいに身体を完全に支配できるわけじゃないんだね。でも言葉を交わさなくても伝わって来るよ、君の憎しみや怒り、殺意や憎悪。全ての悪意がね♡」
「ヴ……ヴゥ……ヴゥゥゥ……ガァァァァァァァァァ!!!」
不気味過ぎるヘタマイトの声を聞くなりさらにその憎しみや怒りを強めるアスラ、いやオニキスは遂に己のターンを開始して行く。
[ターン09]アスラ&絵瑠
そのターンシークエンスの過程の中、アスラのデッキから黒い炎が立ち昇る。暴走する彼は怒り狂った様子でその中のトップをドローして行く。
そしてそのカードはアスラが黒い力を使った時には必ずのように出現したあのミラーライダーのスピリットカード。暴走する彼は勢い良くそれをBパッドへと叩きつける…………
「ガァァァァァァァァァーーー!!」
ー【仮面ライダーリュウガ】LV3(5)BP12000
『こ、コイツは……!?』
「ッ……黒い龍騎!?」
様々な鏡像が重なり合い、暴走するアスラの場に現れたのは黒い龍騎、仮面ライダーリュウガ。その存在に最も早く驚愕して見せたのは絵瑠とその相棒シュオンだった。
その驚異的且つ圧倒的で悍しい存在感に、トゥエンティでさえも出す言葉を見失ってしまう。
「ジジジ……それがオニキスが自らの力で作り上げた黒のスピリットか……いいねぇ!…勝負しようか、この僕が作ったヤクーツォークと!!」
「ヴ……ヴ……ヴ……ガァァァァァァァァァ!!」
手を翳し、仮面ライダーリュウガの召喚時効果を発揮させる暴走アスラ。リュウガの召喚時効果は相手スピリット全てのコアを2つずつリザーブへと叩き出すモノだが…………
「コア除去か!!…でも残念、その程度じゃヤクーツォークのLVは下がらないんだな♡」
ー【「千年杉」ヤクーツォーク】(10➡︎8)
仮面ライダーリュウガの眼光より放たれる紫の衝撃。しかし、太陽の日光さえをも遮る程巨大な体格を持つヤクーツォークには微々たるダメージしか入らない。
「ヴ……ヴ……ヴ………ガァァァァァァァァァ!!!」
加速する怒りや憎しみは止まる事を知らず。
アタックステップに入ったのか、暴走アスラが雄叫びを上げ、掌を翳すと、仮面ライダーリュウガは黒い炎をその身に纏いながら全力でヘタマイトのライフを打たんと走り出す。
「いいよ来て♡……ライフで受ける!」
特に防御を施す様子はなく、ライフで受ける宣言をするヘタマイト。仮面ライダーリュウガが黒い炎をその右拳に宿らせ、そのライフを殴りつける。
3つある内の1つは焼き尽くされ、爆散する…………
かと思われたが…………
「ジジジ………」
〈ライフ3➡︎3〉ヘタマイト&トゥエンティ
「ら、ライフが減ってない!?」
リュウガの攻撃を受けても尚砕かれないヘタマイトのライフバリア。驚愕する絵瑠だが、そのライフバリアをよく見てみると、それは半透明且つ神秘的なベールに包まれていて………
「ヤクーツォークLV3の効果。相手ターン中、アタックによって減るライフはマイナス1となる……これでシンボルが1つしかないリュウガの攻撃は実質無効♡」
「そんな!?…黒い龍騎でもダメージを与えられないの!?」
ライフバリアを包んでいる神秘のベールはヘタマイトが操るヤクーツォークが発生させたもの。これではリュウガはおろか、ドラグノ総軍団長やエルドラシュオンの攻撃も無効にされてしまう。
つまり何も対策できなかったこのターンは、少なくとも全てのアタックは無効となるのだが…………
「ヴ……ヴ……ヴ………ガァァァァァァァァァ!!」
「アスラ!?」
暴走アスラからアタックの指示を受けたのか、3つの剣を4本の腕で構え、ドラグノ総軍団長がヘタマイトのライフ目掛けて地を駆ける。効果で1枚ドローできるものの、ほぼ無意味なこのアタックはオニキスのヘタマイトに対する怒りを表しているようで………
「ジジジ……暴走で我を失ってるんだね。ライフで受ける」
〈ライフ3➡︎3〉ヘタマイト&トゥエンティ
ドラグノ総軍団長がライフを斬りつけるも、当然そのライフは減らない。
「ヴ………ヴ………ヴ………」
アスラ手札:5
絵瑠手札:5
場:【仮面ライダーリュウガ】LV3
【ドラグノ総軍団長】LV3
【闇影夜龍エルドラシュオン】LV2
【決闘者たちの戦場】LV1
【No.32アイランドルート】LV1
バースト:【無】
結果的に。
己がコントロールできる全てのスピリットを使い、無意味なアタックを繰り返したアスラ。人語は喋れないが、そのターンをエンドとしたようで、次は再びヘタマイトとトゥエンティのターンが幕を開ける………
最も、実質的にヘタマイトのみがターンを行うわけだが………
[ターン10]ヘタマイト&トゥエンティ
「メインステップ。マジック、ソウルドローを使用、コストにソウルコアを支払った事により、合計3枚のカードをドロー!」
手始めと言わんばかりに3枚ものカードをデッキからドローして見せるヘタマイト。そしてそのカード達を目に映すなり不気味な笑みを浮かべ………
「マジック、バインディングメロディ。効果で疲労状態のドラグノ総軍団長をデッキの下に」
「!!」
具現化されたメロディがアスラのドラグノ総軍団長を包み込み、消滅へと追いやる。これでアスラと絵瑠の場はそれぞれリュウガとエルドラシュオンのみとなった。
ヘタマイトが狙っているのは当然残りのスピリットの全滅であり………
「今度は光速三段突を使用!…エルドラシュオンをデッキの下へ!」
「ッ……シュオン!!」
『ぐぁっ!?』
次に狙われたシュオン。目で追えない速さで放たれる三本の光の剣がシュオンの身体へと突き刺さって行く。
『ぐっ……すまない絵瑠。俺はここまでのようだ。でも諦めるな………俺のパートナーであるのなら、アスラを信じて、最後まで戦え………』
「シュオン……あぁ、あとは任せろ!」
遺言を残すかのように消えて行くシュオン。これで2人の場は遂に疲労した仮面ライダーリュウガのみとなってしまった。
そして当然それもまた狙われる………
「さらにキラーテレスコープ!…効果によりこのターン、僕のスピリットは疲労状態の敵スピリットを指定アタックできる〜♡」
「ヴ………ヴ……ヴ」
「僕のやりたい事なんて頭の良い君ならお見通しだよねオニキス〜〜……直接対決しちゃお♡………アタックステップ、ヤクーツォークで仮面ライダーリュウガを指定アタックだ!!」
指定アタックの指示を受け、ヤクーツォークはその木々でできた巨大な腕を地面に当てると、自身の体格程はある根を蠢かせ、リュウガを狙う。
ヤクーツォークのBPは25000。対する仮面ライダーリュウガは12000。
敵うわけのない、覆るわけのないBP差。だが、そんな絶望的な差がある中でも暴走アスラは本能のままに手札のカードを切った。
「ヴ……ヴ………ガァァァァァァァァァー!!!」
「ッー!?」
アスラが雄叫びを上げる中、仮面ライダーリュウガは腰のベルトからカードを引き抜き、それを右腕のバイザーに装填。
………ソードベント!!
と言う音声と共に柳葉型の黒い剣が装備される。リュウガのこの行いはアスラがソードベントのマジックカードを発揮させたためである。リュウガはその黒い剣から同じく黒い斬撃を放ち、ヤクーツォークが発生させた蠢く巨大な根を斬り裂く。
ー【仮面ライダーリュウガ】BP12000➡︎17000
ー【「千年杉」ヤクーツォーク】(8➡︎6)
「成る程、良い効果だね。でもギリギリヤクーツォークのLVは下がらないし、BPも遠く及ばない!!」
「ぐぉぉぉおぉぉぉお!!!!」
「!?」
勝ちを確信するヘタマイト。しかしその直後に暴走アスラはさらにBパッドへとカードを叩きつける。
その効果により、リュウガは2本目の剣を得る。つまり、アスラは2枚目のソードベントを発動させたのだ。
ー【仮面ライダーリュウガ】BP17000➡︎22000
「同じマジックの同時発揮。これでリュウガのBPは22000まで上昇。さらにヤクーツォークのLVは2に下がり15000までダウンか〜〜……何も考えない獣になっていたかと思っていたけど、そう言う訳じゃなさそうだね♡」
合計2枚のソードベントの恩恵を受けたリュウガが再び黒い斬撃をヤクーツォークへと放ち、そのLVを下げようとする。
この状況を見た絵瑠とトゥエンティも暴走アスラの勝ちを内心で確信する。
だが…………
「ジジジ……でも例え知性があったとしても君は僕に勝てない!!…手札のリーフジャマーの効果!」
「!」
「相手がマジックカードを使った時にこのカードを破棄、コストを支払う事で、そのマジックカードの効果を無効にする!……つまり、2枚目のソードベントは無効!!…リュウガのBPは17000に戻り、ヤクーツォークのLVは3のまま!!」
ー【仮面ライダーリュウガ】BP22000➡︎17000
ヘタマイトの放った1枚のマジック。その影響で大量の葉が嵐のように舞い上がり、リュウガの2本目の剣とヤクーツォークへと放った黒い斬撃を消滅させてしまう。
「ヴ……ヴ……ガァァァァァァァァァー!!」
「ジジジ……負けると分かっていてもまだ強気だね!!……でももう打つ手立ては残ってないでしょ!!」
暴走アスラの雄叫びが上がると、リュウガが黒い剣から三度目の黒い斬撃を放つ。しかし、最早それはヤクーツォークには通用しない。体表の液体でそれを全て吸い尽くしてしまう。
そしてヤクーツォークは反撃と言わんばかりに木々でできた巨大な拳でリュウガを容赦なく殴り付けた。何度も何度も何度もリュウガがこの場より消え去るまで何度でも………
地面にクォーターができる程の攻撃にリュウガは耐えられず、およそ10発目程で完全に力付き、粒子となってカードごとこの場から姿を消してしまう…………
「ヴ………ヴ………」
「あ、アスラ!!!」
リュウガが破壊された事によるためか、暴走していたアスラは黒い輝きから解放される。しかし肉体が限界だったか、本人は直後に気を失い前のめりに倒れ込んでしまう。
そんなアスラにタッグパートナーである絵瑠はすぐに駆け寄る。呼吸もある事から、どうやら命に別状がある程重症ではないと確信した彼女は取り敢えず一安心。
しかし、アスラの暴走はリュウガの敗北により終わったとしても、まだバトルスピリッツそのものが終わったわけではなくて………
「さぁオニキス、これでトドメだ。ヤクーツォークのアタック時効果。BP比べでスピリットを破壊した時、このスピリットのシンボル分相手にダメージを与える」
「くっ……またその効果」
「ヤクーツォークは自身のもう一つの効果で緑のシンボルが4となっている。つまり前のターンと同じく4点のダメージを与える!!」
圧倒的巨躯なヤクーツォークが次に目をつけたのはアスラと絵瑠のライフバリア。上から見下ろしながらその木々でできた巨大な拳を振り下ろす。
彼らの残りライフは2。この一撃を受ければひとたまりもない。だが、絵瑠はアスラを負けさせまいと手札のカードを切ってみせ………
「手札から2枚目のリアクティブバリアの効果!!……そのダメージを1に抑える!!」
「………は?」
「ぐ………ぐぁぁぁぁあ!?!」
〈ライフ2➡︎1〉アスラ&絵瑠
気を失い、倒れているアスラを庇う絵瑠。1に抑えたものの強大なダメージが彼女のみに襲いかかる。
だがどんなに苦痛を受けても、彼女は折れない。いや、折れるわけにはいかないのだ。
「……負けさせない。アスラはこんなとこで負けちゃダメだ!…もちろん私もここで終わるわけにはいかない!」
「…………何それ、キモ。弱い癖に1ターン凌いだくらいで良い気にならないでくれる?…わかった、そんなに早く消えたいならオニキスよりも先ずは君から消してあげるよ。ターンエンドだ」
ヘタマイト手札:2
トゥエンティ手札:6
場:【「千年杉」ヤクーツォーク】LV3
【湖に咲く薔薇】LV1
【湖に咲く薔薇】LV1
バースト:【無】
絵瑠を邪魔者と認識するヘタマイト。怒りを覚え、倒す標的をアスラから彼女に変更する。
しかしこのターンはもう何もできないためそのままターンエンド。一時的にアスラ絵瑠のターンとなるが、アスラは気を失ったまま。絵瑠がどうにかするしかない。
「このバトルは絶対に負けない!!…アスラは絶対にまた立ち上がる、それまでに持ち堪える!!」
「ジジジ……それってハナッから僕に勝てないって言ってるのと同じだよね♡」
ヘタマイトにつべこべ言われるが、気にするそぶりを見せずに、絵瑠はアスラが再び立ち上がる事を信じ、己のターンを開始した。
[ターン11]アスラ&絵瑠
「メインステップ!!…3体目のクリスタニードルを召喚して、2枚目、3枚目のアイランドルートを配置!…効果でカードを2枚ドロー!」
ー【クリスタニードル】LV1
ー【No32アイランドルート】LV1
ー【No32アイランドルート】LV1
空になった場には3体目のクリスタニードル。背後には2、3枚目のアイランドルートを配置する絵瑠。そして効果によるドローカードを見るなり口角を上げて………
「よし……抗う事の出来ない死への呪縛、今こそ絶望のカウントダウンを下す!…召喚、辰の十二神皇ウロヴォリアス!!」
天より降り注ぐ黒き稲妻、閃光による落雷は大地を穿ち、衝撃によって龍皇がその目を覚ます。地面に爪を突き立て、闇の中に眼光を光らせながらフィールドに姿を現し咆哮。
ー【辰の十二神皇ウロヴォリアス】LV3(5)BP21000
「また黒いドラゴン。だから黒いのは僕たちだけで十分だってば〜」
「先ずはライフを回復する………召喚時の【封印】の効果。リザーブのソウルコアを私たちのライフに置く!」
「ソウルコアをライフに?……へ〜変わった効果だね」
神皇のスピリットが持つ特有の効果【封印】………
それは文字通りソウルコアをライフに封印する効果。本来であればこれは大きなメリットになり得る有益な効果のはずだったが………
「あ、あれ……ソウルコアがライフに行かない!?……なんで、発揮宣言はしたのに………」
Bパッド上には確かに存在するソウルコア。だがいくら絵瑠がウロヴォリアスの【封印】を発揮してもそれはライフには行かない。
不思議に思う絵瑠だったが、その理由にトゥエンティが一早く気がついて…………
「………まさかソウルコアが使えないアスラがタッグパートナーになった事でライフをソウルコアに置けなくなったと言うのか!?」
「!!」
すぐ様横で倒れているアスラに視線を送る絵瑠。
そう。アスラとタッグを組み、ソウルコアをライフに置くと言う事はアスラのライフにもソウルコアが置かれるという事。それ故に、封印そのものが無効となる。飽くまで推測の域を出ないが、この状況からそう決定付けるしかない。
そんな中、アスラの『ソウルコアを使えない』と言う謎めいた特性を初めて耳にしたヘタマイトはある事を察して………
「………ソウルコアを使えない??……そこのチビ君が??……へぇ〜〜……ジジジ……成る程そう言う事か。あのオニキスが気に入って住み着く訳だ」
一人納得し、興味深そうに気絶するアスラに対して笑みを浮かべるヘタマイト。どうやら彼はアスラに関する事で何かを知っているのが伺えるが、今の絵瑠やトゥエンティ達にはそんな事を考える余裕は無い。兎にも角にもこの状況を如何にして乗り越えるかが先決。
「ブレイヴカード、死骸銃ドラグヘッドを召喚し、そのままウロヴォリアスと合体!!」
ー【辰の十二神皇ウロヴォリアス+死骸銃ドラグヘッド】LV3(5)BP25000
拳銃型のブレイヴ、ドラグヘッドが場に現れたかと思えば、大砲のような形にすぐさま変化、ウロヴォリアスの背中に装着される。そして絵瑠はそのままアタックステップへと移行して………
「アタックステップ!!…合体したウロヴォリアスでアタックだ!!…そして今、ドラグヘッドとの合体でダブルシンボル!!…ヤクーツォークがアタックダメージを1減らすなら、ダブルシンボル以上のスピリットでアタックすれば問題ない!!」
ヘタマイトに少しでも多くのダメージを与えるべく、合体したウロヴォリアスにアタックの指示を送る絵瑠。これならヤクーツォークの能力下においても1つだけならライフを減らす事が可能。
しかし、その程度の単純な戦法ではヘタマイトが進化させたヤクーツォークを攻略したとは言えなくて………
「君が僕からライフなんて奪える訳ないでしょ♡……フラッシュマジック、リミテッドバリア!!」
「!!」
「このターンの間、コスト4以上のスピリットのアタックじゃライフは減らない!!……合体スピリットのアタックはライフだよ♡」
〈ライフ3➡︎3〉ヘタマイト&トゥエンティ
ウロヴォリアスの口内から放たれる闇のブレス。しかしそれはヘタマイトが使用した1枚のバリアによって防がれてしまう。
「くそッ………ターンエンドだ」
絵瑠手札:2
アスラ手札:3
場:【辰の十二神皇ウロヴォリアス+死骸銃ドラグヘッド】LV3
【クリスタニードル】LV1
【No.32アイランドルート】LV1
【No.32アイランドルート】LV1
【No.32アイランドルート】LV1
【決闘者たちの戦場】LV1
バースト:【無】
残ったクリスタニードルでアタックしてもヤクーツォークの効果で防がれるだけ。絵瑠は歯痒い思いをしながらもそのターンをエンドとした。
[ターン12]ヘタマイト&トゥエンティ
「メインステップ。マジック双翼乱舞、効果で2枚ドロー♡」
メインステップ開始直後に使用されるドローマジック。常に黒い光を放っているデッキから引き抜かれるカードはもちろん強力なモノしかなく…………
「僕ね。君みたいに弱い癖にお口だけが達者な子嫌いだからさ〜……このターンで潰しちゃうね、全力で♡」
「ッーー!?!」
絵瑠はヘタマイトの不気味な笑みから殺気と気迫が解き放たれたのと、それに伴って空気が怯えるように震撼したのを感じる。そしてヘタマイトは双翼乱舞でドローした2枚のカードをBパッドへと叩きつけて…………
「ヤクーツォークの2体目、3体目を同時召喚!!」
「な………3体のヤクーツォーク!?!」
ー【「千年杉」ヤクーツォーク】LV3(6)BP25000
ー【「千年杉」ヤクーツォーク】LV3(6)BP25000
最初に呼び出されたヤクーツォークの両端から現れる2、3体目のヤクーツォーク。圧巻が過ぎる威圧感と驚異的な存在感はまるで自然界そのものを敵に回したかのよう………
「アタックステップ♡……ヤクーツォーク1体目でアタック!!…効果でシンボルは4つ、ブロックされても貫通効果で終わりだよ!」
「くっ……クリスタニードルでブロック……」
絵瑠の指示を受け、彼らを守るべく飛び出したクリスタニードル。だがそのBPは僅か1000。驚異的なBPを持つヤクーツォークの敵になる訳がない。そして最早絵瑠にこの攻撃を凌ぐ手立てもない。
目指す先はヤクーツォークのライフ貫通効果でゲームエンド………それは望まざる結末。
しかし、それを避けるべく、手札からカードを引き抜いて見せたのは他でもない敵であるはずのトゥエンティだった。
「フラッシュマジック、絶甲氷盾」
ー!!
「不足コストはヤクーツォークのLVを1に下げて確保。これにより、このバトル終了時がオレたちのターンのアタックステップ終了となる………そしてヤクーツォークのライフ貫通効果はLV2以上の時にしか発揮できない」
「味方の場に絶甲氷盾を!?」
ー【「千年杉」ヤクーツォーク】(6➡︎2)LV3➡︎1
LVが下がってもBPは高い。飛びついてきたクリスタニードルを握り潰すヤクーツォーク。しかしお得意のライフ貫通効果はこの時点で失われているため発揮できなかった。
さらに極寒の猛吹雪が立ち込め、ヘタマイトのヤクーツォーク達はこのターンでの攻撃を禁じられて…………
「ちょっとパートナー君。邪魔しないでくれる?……もうちょっとであの女を始末できたのに」
「馬鹿言え。オレはどこの馬の骨とも知らん貴様のパートナーになったつもりはない……オレにとって、アスラよりも貴様の方がよっぽど邪魔だ」
「へ〜…意外と言うね。ジジジ……じゃあこのバトルが終わったら今度は君を殺しちゃおっかな♡」
トゥエンティを脅すように不気味な笑みを見せつけるヘタマイト。しかしトゥエンティはそのヘタマイトに対して物怖じせずに睨み返す。
「あ、ありがとう……トゥエンティだったよね、助かったよ」
「例を言われる覚えはないぞ異世界人……オレもオマエと同じでそこで倒れている奴を負けさせたくないだけだ」
「はは……やっぱアスラと仲良いじゃん」
「それだけはない」
トゥエンティの協力もあってなんとか凌いだこのターン、しかし、絶対的に不利な状況は変わらない。
トゥエンティがヘタマイトとタッグパートナーになっている関係上、やはりライフを破壊するにはアスラの力が必要不可欠で…………
******
トゥエンティと絵瑠がヘタマイトの攻撃を止めるのに全力を費やす中、気を失ってしまったアスラは息が詰まるようなドス黒い闇の空間の中で静かに眠っていた。
そしてそこからこだまして来るのは敗北を喫したオニキスの怒りの叫び………
負けたじゃねぇか
オマエが弱いからだ
弱いから負けた。弱いからオマエは龍騎もリュウガも使いこなせない
早く………
早くその身体をオレに寄越せ……ッ!!
「……オ…ニキス……?」
オニキスの声にアスラが微かに意識を取り戻す。
彼にいつものようなアスラを小馬鹿にする余裕はない。ヘタマイト含めた他のブラックフォースに強い恨みがある彼のその言動から、アスラは悲しさと虚しさと切なさを同時に感じていて…………
******
「ッ……何だったんださっきのは……オニキス、オマエいったい………そ、そうだバトルは!?」
「あ、アスラ!!…よかった気がついたんだね!」
「え、絵瑠さん……ッ!!」
ようやく目を覚ますアスラ。だがその絵瑠のボロボロな身体や1体でも厄介なヤクーツォークが3体も場にいる事で絶体絶命の崖っ淵に追いやられている事と、それらが自分のせいで招いてしまった事だと思ってしまい罪悪感と自己嫌悪に陥る。
「ご……ごめん絵瑠さん。オレのせいでこんな………」
「別にアスラのせいじゃないよ!」
「どちらにせよすんません……今オレもバトルに加わって…………ッ!?」
バトルに加勢すべく、再び立ち上がろうとするアスラだったが、暴走した時で既に体力は限界を迎えていたのか、立ち上がろうにも腕に力が入らず、立ち上がる事ができなかった…………
「く、クソッ……なんでこんな時に動かないんだよ、今は寝てる場合じゃないんだオレの身体!!…もう一度……頼むからもう一度絵瑠さんの横で戦う力をくれ………!」
「……無理はするなアスラ、大丈夫だよ。後は任せてくれ………絶対勝つから!」
「!」
誰よりも戦う力を懇願するアスラ。その横で誰よりも彼の限界を知っている絵瑠は心配そうな眼差しを彼に向けながらそう告げた。どう考えても1人でどうにかできる状況ではないと言うのに…………
そんな事考えるまでもなく理解しているアスラはどうにかして立ち上がろうと試みるも、何度やっても失敗してしまう…………
しかし、そんなアスラに喝を入れんとする者が一人…………
「おいアスラ、いつまでそこで寝てやがる!!」
「ッ……トゥエンティ……!?」
それはこれまで自分の龍騎を幾度となく狙ってきたライダー狩りトゥエンティ。彼は怒るように言葉を続けて…………
「オマエ、ユキカイ町でオレが倒れた時に言ったよな……『他の誰かのためじゃない、カナのために立って戦えよ』と!!」
「ッ!!」
「オレにそう言っておきながら貴様はこのザマか……オマエの頂点王になりたいと言う夢は、願望は所詮その程度だったと言う事だな」
「頂……点王………!!」
トゥエンティにそう言われ、アスラの脳裏に頂点王シイナを始めとし、今まで戦ってきたカラーリーダー、三王、一緒に旅して来たエール、ムエ。
そして最大のライバルであるロンの顔が真っ先に浮かび上がってきて………
「そうだ。オレは頂点王になる男……そしてあの天才イケメンヤローが見てる前で立ち上がれないなんて事、絶対にあっちゃいけねぇ……そうだ立て、立って戦えよオレ!!…立ち上がって今まで培って来たもん全部ぶつけて証明しろ!!…どんなヤツでも最強になれる事を!!」
自分に言い聞かせるように言葉を落とすと、それを聞いたロンは、彼のライバル故か、クールな表情ながらも軽く口角を上げて笑みを見せる。
そして………
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!
残りの気力と体力、根性を極限まで振り絞り、アスラは立ち上がる。硬くなって軋む身体を無理矢理奮い立たせ、己を鼓舞するかのように雄叫びを上げ続ける…………
そして身体はふらつきながらも、敵であるヘタマイトを鋭い眼光で睨みつけて………
「ジジジ……中々おもしろい茶番だったね〜……でももう手遅れ、何をしても無駄。君たちにはもう僕の作り上げたヤクーツォークを倒す手段は無い!!」
「うるっせぇよこのジジジヤロー!!…オレは絶対に諦めねぇし、負けねぇ!!」
トゥエンティに潟を入れられ、気合とど根性で立ち上がるアスラを嘲笑うヘタマイト。だが、彼の味方は絵瑠やトゥエンティだけではない。
「おぉそうだアスラ!!……頑張れ、そんな奴ぶっ飛ばして、俺との決着をつけるぞ!!」
『その通りだぜ。俺様の本気の怒り、ぶつけさせろ!!』
「烈我……バジュラ……!!」
絶望的な状況でも必死に立ち上がり、勝つ事を諦めないアスラに胸を打たれ、全力で応援する烈我とバジュラ。もちろん彼らだけでなく、エール達含め、他の仲間達も同様の気持ちだ。
そしてそんな時だった………
アスラが己の懐に入れていた仮面ライダー龍騎のカード達が、まるで彼らの想いに応えようとするかの如く、赤い光を纏いながら踊るように宙へと飛び出して行ったのは………
「ッ………龍騎!?」
最初に出会った第一の龍騎。コラボダンジョンで偶然見つけた第二の龍騎。黄金の翼のカードで進化させ、エースとしても愛用していた龍騎サバイブ。そしてミラーワールドでの戦いの中生み出された変身龍騎のカード。
思い出深い4枚のカード達、それらはやがて集合していき、まるで太陽のように赤々と光輝いていく。
「……これは進化の光!?…しかもオニキスの黒い力でもない、チビ君自身の!?」
「この赤い光……似てる。スーミ村で最初に龍騎と出会った時と………そうか…また一緒に戦ってくれるんだな龍騎!!……っしゃぁ、行こうぜ。オレとオマエならどこへだって飛べる!!」
驚愕するヘタマイトを他所に、アスラは最初に龍騎と出会った日の事を思い出す。そして、アスラがその1つに纏まった龍騎のカードに触れると、それは彼のデッキへと吸い込まれていく。
「このターン、オレと絵瑠さんの全身全霊をぶつけて……勝つ!!」
「うんアスラ!!…決めるよ!」
遂に完全復活を遂げたアスラ。このバトルの決着を着けるべく、仲間達が見守る中、己のターンを進行していった………
[ターン13]アスラ&絵瑠
ターンシークエンスの過程の中でドローしたカード。それは紛う事なき仮面ライダー龍騎の新たな姿。アスラはそれを見るなり口角を上げるとそれをBパッドへと全力で叩きつけた…………
「メインステップ……来いオレの相棒、仮面ライダー龍騎!!」
ー【仮面ライダー龍騎】LV2(4)BP8000
様々な鏡像が重なり合い、龍の影を纏う赤きライダースピリット、仮面ライダー龍騎が場へと姿を見せる。この龍騎はアスラに応えるべく、今までの龍騎達が合体した結果爆誕した最後の龍騎である。
アスラの久し振りの龍騎召喚はエールや星七、絵瑠など、多くの仲間達から感動を誘って…………
「………龍騎!!…やっと復活したのね!」
「これがアスラの仮面ライダー龍騎!!…赤くてカッコいい!」
「最強コンビ復活だな!」
エール、星七、絵瑠の順でそう言葉を告げていく。使用者であるアスラも当然喜びや感動の笑みを浮かべるが、それ以上にエール達は喜びの笑みを浮かべていた。
「行くぜ仮面ライダー龍騎………進化したオマエの力、アイツに全部ぶつける!!……オレは手札からミラーモンスター、ドラグレッダーを召喚!!…龍騎と合体だ!!」
「ッ……ライダースピリットの専用ブレイヴカード………」
ー【仮面ライダー龍騎+ドラグレッダー】LV2(4)BP13000
龍騎はベルトに装着されたデッキからカードを1枚引き抜き、それを右腕のバイザーに装填…………
………アドベント!!
の音声と共に、龍騎に宿し赤き龍、ドラグレッダーが飛来して来た。そして準備は整ったと言わんばかりの勢いでアスラはアタックステップを宣言し………
「アタックステップ!!……仮面ライダー龍騎でアタック!!…2つのアタック時効果でヤクーツォークと湖に咲く薔薇1体ずつ破壊!!」
「なに!?」
「ドラグクローファイアーー!!」
今度はストライクベントのカードを装填する龍騎。音声と共にドラグレッダーの顔を模したガントレットが装着される。
そしてその口部からドラグレッダー本体と同時に火炎放射を発射。巨躯たるヤクーツォーク1体と、湖に咲く薔薇を容易く焼き尽くした。
「そして効果により2枚ドローし、回復!!」
ー【仮面ライダー龍騎+ドラグレッダー】(疲労➡︎回復)
「あは♡……良い効果だね〜〜……でもまだ僕の場には2体もヤクーツォークがいる!!……その程度のBPじゃ返り討ち、つまり僕の勝ちって事。君たちはここでオニキス諸共死んじゃうって事♡」
「死なねぇし、死なせねぇ!!……そのためにオレと龍騎がいるんだ!!……オレと龍騎、みんなの絆の力は、黒をも塗り潰す!!」
「!?」
「相手のスピリット、ネクサスを破壊した事で、仮面ライダー龍騎の【零転醒】発揮!!……サバイブへと強化される!!」
「アスラが転醒を!?」
アスラ意外の他の面々が彼の転醒の行為に驚愕する中、場の龍騎はベルトに「サバイブ」のカードを装填………
………サバイブ!!
と言う音声と共に強化形態、サバイブへと変化を遂げる。そう、この龍騎はロンのナイトと同様、サバイブへと転醒する力を持っていたのだ。
「さらにこの時、赤き龍ドラグレッダーは赤き武装龍ドラグランザーへと進化を果たして、今こそ龍騎と一つとなる!!」
「!!」
龍騎がサバイブへと強化された事で、赤き龍ドラグレッダーも一瞬にして強化形態、赤き武装龍ドラグランザーへと変化を遂げる。
「来いドラグランザー!!…今こそ龍騎サバイブと共に赤々と光り輝く赫焉の烈火へと生まれ変われ!!……ミラージュ!!」
「!?」
「爆誕せよ!!……仮面ライダー龍騎サバイブランザー!!」
ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ドラグレッダー】LV3(4)BP17000
ドラグランザーは分解されていき、ただでさえ強力な龍騎サバイブをさらに強化せんと各々様々な箇所へと装着されていく。
そして最終的に完成したのは仮面ライダー龍騎がミラーライダーの至高の姿、ミラージュへと昇華した仮面ライダー龍騎サバイブランザー。
「これって、ロンのナイトと同じ!?」
「あぁ、アイツならできて当然だ。何せ、このオレが認める、唯一無二のライバルだからな」
鎧から吹き上がる龍騎サバイブランザーの烈火の炎。それを見届けながらそう言葉を落としたのはエールとロン。
そう。これこそが仮面ライダー龍騎の最強形態、アスラの新たなるエースカード、仮面ライダー龍騎サバイブランザー。両腕に備え付けられたドラグランザーの顔を模したブラスターが反射で光り輝く。
初陣となるこの戦場で、遺憾無くその力を発揮していく………
「龍騎サバイブランザーの転醒アタック時効果!!…相手の最も低いBPのスピリット1体を破壊する!!」
「ッ……確定除去効果!?」
「この効果で2体目のヤクーツォークを破壊だ……メテオバレットミラージュ!!」
両腕に備え付けられた龍の顔を模したブラスター。それをヤクーツォークへと向け、連射する龍騎サバイブランザー。何十発と放たれたその赤々と光り輝く炎の弾丸は瞬く間に2体目のヤクーツォークを貫き、焼き尽くした。
「さらにスピリットを破壊した事により、相手ライフに1つのダメージを与える!!」
「ライフ貫通効果?…でも残念、ヤクーツォークでその効果は無効に………」
「いや、ヤクーツォークはアタックによるダメージを回避できても、効果によるダメージは無効にできない!!……大人しくこのダメージは受けてもらうぜ!!」
「何!?………ぐっ!」
〈ライフ3➡︎2〉ヘタマイト&トゥエンティ
ヤクーツォークのLV3効果で常にライフバリアを神秘のベールで守っているヘタマイト。しかしそれで防げるのはアタックによるモノだけ。龍騎サバイブランザーの炎の弾丸は神秘のベールをも貫き、ライフ1つを木っ端微塵に粉砕した。
「そして、龍騎サバイブランザーの更なる効果で、最後に残ったヤクーツォークに指定アタック!!」
発揮される指定アタックの効果。龍騎サバイブランザーの眼差しは最後に残ったヤクーツォークへと向けられるが………
「ジジジ……自らやられに来るとはね。ヤクーツォークと龍騎サバイブランザーのBPは25000と17000!!……だから言ったでしょ、もう遅い、何をしても無駄だって!!」
「無駄なんかじゃねぇ!!…龍騎サバイブランザーの更なる効果、ブロックされた事により、オマエにもう1つダメージを与える!」
「ッ!!」
〈ライフ2➡︎1〉ヘタマイト&トゥエンティ
再び両腕のブラスターより放たれた龍騎サバイブランザーの炎の弾丸がヘタマイトのライフを撃ち砕く。
だが、効果を受けても尚、そのライフは未だ残っており、このまま龍騎サバイブランザーとヤクーツォークのBPバトルは続行される。ヤクーツォークが木々でできた両腕を地面に当て、巨大な根を蠢かせ、操り、龍騎サバイブランザーを襲う。
その巨大な根に一瞬にして縛りつけられ、身動きを奪われる龍騎サバイブランザーだったが、背部から赤々と燃え滾る紅蓮の翼を展開し、それらを焼き尽くす事で生還。
「今のは良いダメージだったね!!……でも結果は変わらない!!…どう考えても僕、ヘタマイトの勝ちだ!!」
「いや、アスラは勝つ!!……そのためにこの私が、今ここにいる!!…フラッシュタイミング、マジック…スネークビジョン!!」
「!?」
「効果で相手スピリット全てのコアを1個だけになるようにリザーブに置く!!……これでヤクーツォークのLVは強制的に1だ!!」
ー【「千年杉」ヤクーツォーク】(6➡︎1)LV3➡︎1
咄嗟に放った絵瑠のマジックカード。それによりヤクーツォークのLVがここに来て大きく後退。LV1のBPは13000。ここに来てようやくアスラ達のスピリットがヤクーツォークのBPを上回った…………
「信じてたぜ絵瑠さん!!……やっぱアンタ達七罪竜の使い手は最高のカードバトラーだぜ!!」
「飛べアスラ!!…頂点王を目指して!!」
「おう!!……これで終わりだ、ぶちかませ龍騎サバイブランザー!!」
「へ〜〜……ジジジ……なんだ君たち、強いじゃん♡」
アスラと絵瑠の強さに魅入られたかのように不敵な笑みを浮かべるヘタマイト。だがアスラはそんな事お構いなしに龍騎サバイブランザーの技名を叫ぶ………
…………ドラグフレアストーム!!
龍騎サバイブランザーは両腕のブラスターからこれまでとは比べ物にならない大きさ龍を模した火炎弾を発射。それは最後のヤクーツォークの土手っ腹に大きな風穴を開ける。流石に耐えられなかったか、ヤクーツォークは力尽き、大爆発を起こす。
アスラ達は遂にヘタマイトの操る強敵、ヤクーツォークを全て撃破したのだ。そしてこれで終わりだ。スピリットを破壊した事により、龍騎サバイブランザーの効果が適用される…………
「そして、龍騎サバイブランザーはスピリットを破壊した時、ライフダメージを与える……!!」
「ッ!!」
〈ライフ1➡︎0〉ヘタマイト&トゥエンティ
ヤクーツォークの爆発の余波がヘタマイトとトゥエンティを襲う。そのライフは0となり、彼らの敗北を告げるように「ピー……」と言う甲高い音がBパッドから流れ出した。
「ジジジ……強いじゃんチビ君……いやアスラ君だったっけ?……僕、君の事好きになりそうだな〜」
「そうかよ。オレはオマエみたいなヤツ大嫌いだ……さっさとイバラの身体から出て行きやがれ」
だがライフを0にされても尚、イバラの身体を使って不気味な笑みを浮かべ続けるヘタマイト。アスラはそんな不気味な彼女に対して物怖じせずに堂々と言い返す。
「あは♡…言われなくても出て行くよ、この身体じゃ僕の真の力を扱う事はできなさそうだしね〜……でもその前に聞きたい事があるんだけどさ〜〜……君ひょっとして自分が何者なのか知らないの?」
「??」
「あぁ、その顔じゃ本当に知らないんだね………ジジジ……まぁいずれ分かると思うよ……じゃ、また僕と遊ぼうねアスラ君…できれば今よりもっともおぉっと強くなってね♡」
ヘタマイトは最後に意味深な言葉を幾つか残しつつも、黒い闇の姿となり、一瞬にして姿を晦ました。
身体を乗っ取られたイバラはその場で倒れ込んでしまうが、トゥエンティが彼女を抱え、無事を確認した。
「……イバラは大丈夫そうだ」
「そっか……良かったぜ………ッ」
イバラが無事である事に安心したアスラはこれまでの疲れが現れ、倒れそうになるが、それを支えたのはタッグパートナーとして彼共に戦い抜いた絵瑠だった。
「絵瑠さん……」
「やったなアスラ、凄いじゃん!!…龍騎も遂に大復活だね!」
「いやホント、絵瑠さん達七罪竜の使い手の皆さんのお陰っすよ」
最後の最後で龍騎を使えたのは絵瑠や烈我達のお陰であると感謝の言葉を贈るアスラ。その言葉に絵瑠は嬉しくなって照れ臭そうに頬を掻く。
そしてアスラは今度はトゥエンティの方へと顔を向けると………
「なぁトゥエンティ。悪いな、バトルを、決着を有耶無耶にしちまって……今からもう一度やるか?」
「バカ言え。その状態の貴様を倒して龍騎を得ても、オレのプライドがそれを許さない。決着ならまた次回着けてやる」
「はは……そっか、なんかごめんな」
トゥエンティはそう告げると、己のBパッドを操作し、ワームホールを形成。イバラを抱えながら元の世界へと帰還するつもりなのだろう………
だがその前にもう一度アスラの方へと首を向けて………
「アスラ……何度もオマエとバトルして、わかった事がある……オレはオマエとバトルしている時だけは己に課した使命を忘れていた……バトルを、その本質を心より楽しんでいた」
「!!」
「だからオマエとの決着はいつか必ず着けたい、オマエが万全な状態でな………カードバトラーとしての本性がオレにそう訴え掛けている」
トゥエンティがここに来てようやく本音をアスラにぶつける。どうしても聞きたかったトゥエンティの心の声に、アスラは思わず笑う。
「へへ……そっか!!…おうわかったぜトゥエンティ!!…その時は今よりももっと強くなって、いつか1人でオマエに勝てるようになってやらぁ!!」
「………フッ」
アスラの宣言に、思わず鼻で笑ったトゥエンティ。お互いがお互いを認め合っていた事を確認すると、トゥエンティはイバラを抱えながらワームホールの中へと姿を消して行った…………
アスラと絵瑠はその後ろ姿が消えるまで眺めると、今度は烈我達が彼らの元へ駆け寄る。
「よぉアスラ。よく頑張ったな、お前本当に凄い奴だぜ!」
「へへ…そんな事ねぇよ烈我。絵瑠さんが居なかったらとっくに死んでたと思うぜ」
「フン……全くアンタはいつもいつも無茶ばかりして……やっぱり私が一緒に戦ってあげないとダメね」
「??…オレエールと一緒にタッグ組んでもボロボロになるけど?」
「うっさいわね!!……いやまぁ無事でよかったけど……」
「ん?…なんて言った?」
「な、なんでもないわよこのバカスラ!!」
絵瑠がアスラとの距離が近すぎるため、少なからず嫉妬しているエール。しかし鈍感な2人はそんな彼女の様子に気が付きもしない。
そしてそんな中、この1週間の修行の中で最も一緒に過ごし、最も親しくなった烈我がアスラに再び声をかけて………
「決着着けたいけど、俺もあのトゥエンティって奴と一緒で、ボロボロなお前と試合したくないしな。やっぱり万全じゃないと」
「そうだな、決着は次回に持ち越しって事で!……またいつかこの世界に来てやるからよ、その時までには光黄さんに勝てよ!」
「おうよ!…お前も頂点王になれよ!!」
「あぁ約束だぜ烈我……オレは頂点王に」
「オレは光黄に勝って結婚!」
………どっちが先に自分の夢を叶えるか、競争だ!!
2人は互いにそう誓い合いながら、己の夢と野望を乗せた拳を合わせる。
「アスラ、なにオレ以外のヤツと拳を合わせて約束してやがる」
「………な、何恥ずかしい事言ってるんだあのバカ烈は……」
嫉妬して怒るロンと恥ずかしがる光黄が各々アスラと烈我に意見を零す。その後、彼らはもう少しだけ烈我達と楽しいひと時を過ごすと、やがて異世界転送装置の予備のスイッチを押す。
そして培ってきた絆と友情を残し、次に会う時は己の夢を叶えた時であると信じ、元の世界へと帰って行ったのだった…………
最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。今年も私バナナとその作品をよろしくお願いします!
長かったコラボ篇も今回で終了です。次回からは本編に戻ります。
コラボしてくださったブラストさん、至らぬ点、沢山あったと思いますが、誠にありがとうございました!!
御機会あればまたやらせてください!!
バトルスピリッツ7Guiltはとても面白いバトスピ小説です!
ハッキリ言ってオススメです!