「着いたぞ。ここが我が故郷、紫の町シエン町だ」
「おぉ、本当に紫だ……これ全部霧っすか?」
「むえ……」⬅︎綿飴みたい……
「ワッハッハ!!…ここは年中こんな感じだ、不気味だけど、毒ガスじゃないから安心してくれ」
「……にしても視界がこれじゃあちょっと歩きづらそうね……」
オウドウ都から歩き続けて約3時間程度、紫のカラーリーダー、カゲミツ・ブゲイの案内もあり、アスラ達一行は紫の町、シエン町へと辿り着いた。今までの町とは違い、人口密度があるとは言えず、人気が全く感じられなかった。
初見では思わず竦んでしまう紫色の霧。それのせいでたいへん見え辛いが、中央にはいつものバトルスタジアムが聳え立っている。
「まぁそう気にするでない、構造は単純明快。ここを真っ直ぐ歩けばバトルスタジアムだ。たまーに人が通るから気を付けて歩きなよ」
「おうっす!」
とは言ってもカゲミツ曰く一本道のようで、アスラ達は特に迷いもなく歩き出した。
「て言うかなんでこんなずっと毒ガスみたいな霧が出てるんすか?」
歩きながらアスラがカゲミツに聞いた。
「あぁ、これは地下に巨大な綿飴製造機があるからな」
「むえッ!?」⬅︎ホントに綿飴だった!?
「いや、綿飴製造機があるだけでこんな事にはならないでしょ、どんな綿飴作ってんのよ」
「でも見てみてェェェー!!」
「フフ……シエン町のシエン綿飴はここの名物だからな、カラー戦が終わった後にでもゆっくり見学に行ってみるといい」
この町の地盤の底に存在するのは実に50メートルはある巨大な綿飴製造機。その機械から作られる『シエン綿飴』はカゲミツの言う通りこの町の名産物である。
その作る過程の中で紫のガスが漏れ出て霧のようになっているのは些か迷惑を極めているとも言えるか、次いでに、その巨大な綿飴製造機を作成したのは他ならぬ『ネコガイヌ博士』だったりする。
アスラの質問に答えたカゲミツ。今度はこちらが質問する側だと言わんばかりにエールの方へと振り向いて………
「そんな事より、綿飴の話は置いておいて………ずっと思ってたのだが、エールはアスラの彼女か何かか?」
「ッ………な、なぁ!?!」
サラッと凄い事を聞いて来た。エールは直後に猛烈な勢いで顔を真っ赤にしながらも、それを全力で否定する。
「な、なななななな訳ないでしょ!?!……だってあのバカスラよ!?…バカよ!?…アホよ!?…コモンよ!?…エックスの私と釣り合う訳ないじゃない!!!」
「…………おぉ」
この時、カゲミツは分かり易過ぎるエールにトキメキを覚えていた。
可愛い。応援したい、愛でてやりたい。
歳上という事もあり、珍しくそう言う感情が芽生えて………
「よしよし、エールよ……お姉さんが幾らでも応援してやるからな。頑張れよ」
「はぁ!?…何言ってんのよアンタ……バカスラからも何か言ってやって………ってアレ、アスラは??」
「?」
ふと辺りを見渡してみるエールとカゲミツ。そこにはアスラの姿は無く、同時に彼の頭の上に乗っかっているムエも姿を消していた。紫のガスの事もあり、探すのは困難を極めていた………
俗に言う『迷子』に彼はなっていて………
「アスラのヤツ、一本道だったのにどうやって迷子になったんだ??」
「あのバカ!!…私のムエまで一緒に迷子になっちゃったじゃない!」
「……何はともあれ、良かったな。さっきの話を聞かれなくて」
「う、うっさいわね!…どうでもいいわよそんな事!!」
本当はどこか少しがっかりしている自分もいるエールだったが、取り敢えず迷子になったアスラとムエをカゲミツと一緒に探す事にしたのだった………
******
「うーーーーーむ。オレ達ずっと真っ直ぐ歩いてたはずなんだけどな………」
「むえ……………」
「でもなんて素敵な噴水なんだァァァー!!…カッケェー!!」
場面は変わり、迷子になったアスラとムエサイド。何故かエール、カゲミツと離れ離れになってしまい、広場に突入。そこにある巨大な噴水を眺めていた。
アスラはその噴水を見て感動を覚える。
「あっ……見惚れてる場合じゃねぇ……早くスタジアムに向かわないと……」
「むえむえ」⬅︎うむうむ
しかしこうしてもいられない。ムエも賛同しているように、早いところエールとカゲミツが向かっているであろうバトルスタジアムに自分も行かなければならない。
今一度噴水の周囲を見渡すアスラ、するとそこには1人の男性が噴水を眺めているのが見えた。
「おっ……人発見、現地の人か?……丁度良いや、スタジアムの道を教えてもらおう」
「むえ……」
「あの、すんませェェェん!!…道をお尋ねしたいんですけど!!」
現地の人らしき人物にバトルスタジアムの場所を聞くべく、アスラは噴水の周囲を歩きながらそう叫んだが………
「………あぁ!?…おいチビ。オレに道を聞くとか何様だよ」
「えぇ!?…怒られたァァァー!?」
そこにいたのは赤髪靡かせる青年。整った容姿を持つ彼だが、非常に目付きが悪く、ガラが悪いようで、アスラを怒鳴る。
アスラはどこかテンドウに似ていると認識してしまい、思わず身体が竦んでしまう。
「いいかチビ。人に何か質問したいのであれば、先ずは金だ。金を寄越せ……」
「えぇぇぇぇ!?……お金ェェェー!!」
「そうだな。道を聞きたいのであれば、3万で教えてやろう」
「そしてメッチャクチャ高ェェェェェェー!!!……そんなに払えるかァァァー!!…オレコモンよ?…貧乏なのよ!?」
「じゃあ交渉は決裂だな。一生この町を彷徨ってろ」
「性格悪ィィィー!!?!」
とんでもなく歪んだ性格の持ち主である赤髪の青年。普通、道を教えるくらいなら無償で教えてあげても良いだろうに………
だが、アスラの全力の喧しいツッコミが幸いしたのか、後方からエール達の声が聞こえて来て………
「ん?……今なんかアイツの声が聞こえたような………おーーい、バカスラァァァー!!……ここにいるの!?」
「ッ……エールの声だ!!……助かった〜〜…後は声のする方へ行くだけだ」
「チッ……折角の金蔓が」
「金蔓って言った!?…今アンタオレの事金蔓って言った!?」
完全にアスラの財布の金を持っていくつもりでいた赤髪の青年。まぁそれでもアスラは彼が本当に悪い人物ではないと感じていたのか、笑顔を見せると…………
「そんじゃあな赤い髪の人!!…オレアスラって言います!!…アンタは!?」
「オマエに名乗る名前はない……」
「はは、まぁそう来るよな……じゃあまた会いましょう!!」
「むえ〜」
アスラはそう告げると、頭の上に乗っかっているムエと共にエールの声がする方へと向かって行った。この町の地理に詳しいカゲミツもいる事からその後のバトルスタジアムへの道のりはそう険しいものではなかった。
そんな彼を一応最後まで見届けた赤髪の青年は………
「……完全にオレと友達にでもなったかのような言い草だったな。生意気なクソチビだぜ。やっぱりオマエの息子だな、メザシ」
そう意味深な言葉を言い残すと、彼もまた噴水広場を離れて行った………
******
ほんの少しだけは時は進み、ここはシエン町のバトルスタジアム。建物の中だが、何故かここにも微かに紫のガスが漏れ出ているいる。
その中にあるバトル場にて、挑戦者であるアスラと紫のカラーリーダーカゲミツが互いの間隔を開け、今にもバトルスピリッツを……カラーリーダー戦を始めようとしていて………
「いや〜…さっきはホント助かりました〜…いったいどうなんのかと思ったぜ〜…」
「本当に反省してんのアンタ?…アンタが迷子になろうが知った事じゃないけど、私の可愛いムエまで巻き込まないでよね」
「えぇ!?…扱いヒデェ!?」
エールがオレンジ色の犬みたいな小動物、ムエを大事そうに胸元に抱き抱えながらそう告げて来た。
「まぁいいじゃないかエール。こうして無事見つかって、カラー戦ができるんだし……なぁアスラ。私はこの時を楽しみに待っていたぞ……レイデル森で初めて会ったあの時からな」
「おうっすカゲミツ姐さん!!……オレの今の全力全てを捧げて、アンタに勝つ!!……でもってシイナに、頂点王に近づいて見せる!!」
「ハハ……私のシイナお姉様にそう簡単に近づけると思うなよ!!……行くぞ!」
…………ゲートオープン、界放!!
互いのBパッドを展開し、デッキをセット。バトルの準備を整え、2人は開始のコールを同時に宣言、遂に5番目のカラー戦、マスターの身分も持つ、カゲミツ・ブゲイとの試合が幕を開けた。
先行はアスラだ。己の夢のためにターンを進行していく。
[ターン01]アスラ
「行きますよカゲミツ姐さん!!…メインステップ、先ずはネクサス、決闘者たちの戦場を配置!」
ー【決闘者たちの戦場】LV1
アスラの背後に、戦火を再現したかのような燃え盛る戦場が出現。転醒ネクサスカードであるこのカードだが、転醒龍騎の【零転醒】の効果の関係上、その【転醒】の効果を使用する機会は少ない事だろう………
「オレはこれでターンエンド!」
手札:4
場:【決闘者たちの戦場】LV1
バースト:【無】
先行の第一ターンはアタックステップが無い。アスラはそのターンをエンドとする。
次は紫のカラーリーダー、カゲミツのターン。5番目と言う順番もあり、圧倒的な強者のオーラを纏いながらそのターンを進めていき………
[ターン02]カゲミツ
「メインステップ……ふふ、心躍るなアスラよ。このバトル、最初から全力で行かせてもらうぞ!!…変身、仮面ライダーゴースト!!」
「!!」
バッチリミナーー!!
バッチリミナーー!!
カイガン、オレ!!
カクゴ、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!!
ー【変身!!仮面ライダーゴースト】LV1
カゲミツが腰にベルトを装着すると、妙なパーカーが宙を舞って行く。それはやがてカゲミツへの被さり、カゲミツの姿をライダースピリット、仮面ライダーゴーストの姿へと変身させた。
「出たな変身のカード……へへ、そうこなくちゃ」
「随分と余裕だな。配置時の神託の効果、今回の対象は1枚。よってコアを1つ、私自身に追加!!」
ー【変身!!仮面ライダーゴースト】(0➡︎1)
神託によりカゲミツのトラッシュが肥える。彼女のライダースピリット、ゴーストはトラッシュを自在に操る能力があるため、警戒しなければならない。
そしてさらにカゲミツは手札からカードを引き抜いて……
「次いでにこのカード、ユルセンを召喚。その効果で維持コアは0。アタック、ブロックできず、相手の効果を受けない」
「!」
「ッ……出たユルセン……相変わらずちょっと可愛いのよね……」
ー【ユルセン】LV1(0)BP1000
現れたのは可愛らしい小さな幽霊ユルセン。その存在に最も強く反応を示したのは他でもないエール。
この可愛いらしいユルセンだが、バトルで敵に回すとかなり厄介であり………
「最後にバーストをセットしてエンドステップ。ユルセンの効果、デッキからカードを3枚オープンしてゴーストを回収、残りはトラッシュへ……よし、ゴーストムゲン魂を手札に加え、ターンエンドだ」
手札:3
場:【ユルセン】LV1
【変身!!仮面ライダーゴースト】LV1(2)
バースト:【無】
「ッ……ムゲン魂……カゲミツ姐さんのエースカード……」
ユルセンの強力なサーチ能力が炸裂。カゲミツは毎度エンドステップにこの効果を発揮できる。
しかも今回手札に加えられたのは彼女の最強カード、【仮面ライダーゴーストムゲン魂】………
アスラは一度そのカードが決定打となってカゲミツに敗北した事を思い出し、思わず半歩足を後退させるが………
「どうした臆したかアスラ?」
「へへ……まさか、臆したりしねぇ……出すなら出してくださいムゲン魂!!…オレは攻めて攻めて、攻め抜くだけだ!!」
「よし。そうでなくてはアスラは面白くない……!」
気合を入れ直すように攻め抜くと宣言するアスラ。異世界で修行した日々を思い出し、己のターンシークエンスを進行させていった………
[ターン03]アスラ
「メインステップ……来い、ドラグノ突撃兵!!」
ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】LV2(3)BP6000
現れたのはアスラデッキの特攻隊長であるドラグノ突撃兵。巨大なハンマー肩に担ぎ、この試合へのやる気を見せる。
「アタックステップ!!…ドラグノ突撃兵と決闘者たちの戦場、双方の効果でBPプラス6000!!」
ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】BP6000➡︎9000➡︎12000
「コスト3でBP12000!?」
「おうよ!!…行けドラグノ突撃兵!!…効果でオレは1枚ドローだ!!」
巨大なハンマーを構えて走り出すドラグノ突撃兵。創界神ネクサスである変身のカードや、アタックやブロックができないユルセンを召喚、配置したカゲミツはこの攻撃をライフで受ける他なくて………
「いいだろう。ライフで受ける……ッ」
〈ライフ5➡︎4〉カゲミツ
ライフバリアをハンマーに打ち付け、その1つを砕いたドラグノ突撃兵。だが彼はまだ終わらない。まだまだ仕事を熟す。
「【追撃】の効果、もう一度行け突撃兵!!…オレももう1枚ドロー!!」
「ッ……それもライフだ!」
〈ライフ4➡︎3〉カゲミツ
そのハンマーを二度振り回すドラグノ突撃兵。カゲミツのライフは一気に3まで減らされるが、それは許すまじと言わんばかりにカゲミツは伏せていたバーストカードを発揮させて………
「ライフ減少によりバースト、絶甲氷盾を発動。私のライフを1つ回復」
〈ライフ3➡︎4〉カゲミツ
流石に一筋縄では行かないか。ライフを瞬時に1つ取り戻して見せた。
ドラグノ突撃兵に【追撃】の効果で無理をさせてしまったアスラはこのタイミングでのエンド宣言を迫られていて………
「そう簡単に多くのライフはやらんぞ」
「へっ……でも絶甲氷盾は切らせた!!…オレはこれでターンエンドだ!」
手札:6
場:【ドラグノ突撃兵〈R〉】LV2
【決闘者たちの戦場】LV1
バースト:【無】
前向きな考え方を示しながらそのターンをエンドとするアスラ。
だがそれは決して前のターンにカゲミツの手札へと加えられた【仮面ライダーゴーストムゲン魂】の事を警戒していないわけではなくて……
[ターン04]カゲミツ
「メインステップ。ふひひ……さぁここからだぞアスラ、ここからが証明の時間だ……本当にあれから強くなったのであれば、この私に食らいついて見せろ!」
「!!」
変な笑い方をするカゲミツから放たれるのは溢れんばかりの強者のオーラ。それは最早殺気さえも感じてしまうとてつもないモノ。
流石は5番目のカラーリーダーと言ったところか、やはりこれまでのカラーリーダー達とは訳が違う。
「行くぞアスラ、先ずはロクテンハヤブサをLV2で召喚!」
「え?…緑のスピリット!?…カゲミツ姐さんは紫のカラーリーダーのはずじゃ……!」
ー【ロクテンハヤブサ】LV2(3S)BP6000
黄泉の世界よりハヤブサのようなスピリットがカゲミツの場に出現。
アスラは彼女が召喚して見せたそのスピリットに思わず少し驚いてしまう。
別にそのハヤブサのようなスピリットが強い訳ではない。ただ色が緑色なのだ。今相手しているのは紫のカラーリーダー、意外性の塊すぎるが故にアスラは驚きを隠し得なかったのだ。
今まで汎用性の高い白のマジック等は使ってくる事もあったが、それ以外の、しかもデッキの回転に直結するスピリットカードはこのカゲミツが初である。
「フッ……カラーリーダーも一発芸でやっているわけじゃない。召喚時効果、紫のスピリット2体にコアを1つずつ追加。ユルセンと、LV2なら紫としても扱えるロクテンハヤブサにコアを追加!!」
「!!」
緑のスピリットらしいコアブースト効果を発揮するロクテンハヤブサ。カゲミツはその増えたコアを使いながら、アスラを倒すべく己のやりたい事をやっていく。
「アタックステップ!!…その開始時にトラッシュにあるゴーストオレ魂の効果、コストを支払い召喚する……!!」
カクゴ!!
ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!!
ー【仮面ライダーゴーストオレ魂[2]】LV2(3)BP4000
妙な音声と共に現れたのは、変身したカゲミツと全く同じ姿をしたライダースピリット、仮面ライダーゴーストオレ魂。立派に生えた一角が光輝く。
核となるスピリットの登場。だが余韻に浸る事はなく、カゲミツはアタックステップを続行する。
「オレ魂でアタック!!…さらにフラッシュタイミング、トラッシュにあるガンガンセイバーの効果、コストを支払い、オレ魂に合体!」
「!」
ー【仮面ライダーゴーストオレ魂[2]+ガンガンセイバー】LV2(3)BP7000
散々肥えたトラッシュからの蘇生に蘇生を重ね合わせ、合体スピリットを誕生させるカゲミツ。これこそゴーストの奇怪な墓場戦法。
しかしこれだけでは終わらない。カゲミツはさらにソウルコアを支払い、遂にあのスピリットを呼び寄せる………
「そして今のオレ魂のコストは7!!…このスピリットに煌臨できる!」
「ッ……ウソだろ!?…まさかそんなに早く!?」
「あぁ、来い。私の持つ最強のライダースピリット………仮面ライダーゴーストムゲン魂!!」
その直後に、オレ魂が無限の文字が描かれた光に包み込まれて行き、その中で姿形を変化させて行く。
ー【仮面ライダーゴースト ムゲン魂+ガンガンセイバー】LV2(3)BP15000
その光が晴れると、そこには仮面ライダーゴースト最強の姿、仮面ライダーゴースト ムゲン魂が現れていた。圧倒的過ぎる存在感がバトルスタジアム全体を包み込む。
たったの4ターンでの早期召喚に、バトルしているアスラとそれを見ているエールも驚いていて………
「この間は手を抜いていたからな。本気になればこの程度、朝飯前ならぬ手洗い前さ」
「その例えはわからァァァん!!!」
「煌臨時効果、スピリットのコア3つをリザーブへと落とす!!…消え去れドラグノ突撃兵!!」
「ッ……突撃兵!!」
ー【ドラグノ突撃兵〈R〉】(3➡︎0)消滅
ムゲン魂から放たれる紫の衝撃。それがドラグノ突撃兵を吹き飛ばして消滅させる。そしてムゲン魂はガンガンセイバーを構え、ゆっくりとアスラの元まで歩みを進めていき………
「ムゲン魂は元よりダブルシンボルのスピリット、そしてガンガンセイバーとの合体でトリプルシンボル!!…オマエのライフを3つ破壊する!」
「くっ……今防ぐ手段はねぇ……ライフで受ける!!……ぐ、ぐぁぁぁぁあ!?!」
〈ライフ5➡︎2〉アスラ
振り下ろされたガンガンセイバー。その重たい一撃はアスラのライフを一気に半数以上を撃破した。
余のバトルダメージに思わず片膝を突くアスラ。だが直ぐに立ち上がりカゲミツの場を見つめ返す。その気合に、カゲミツは闘争本能から背筋がゾクゾクして来て………
「いいないいなぁ〜〜!!…その諦めない、食らいつくという意思を感じるその目だ。その目で戦うオマエを私は待っていたんだ!!…さらにロクテンハヤブサでアタック!」
「それもライフだ!!……うぐっ」
〈ライフ2➡︎1〉アスラ
ロクテンハヤブサが飛び立ち、アスラのライフにつつく攻撃を繰り出す。彼のライフはレッドゾーンの1に突入する。
「たったの1ターン、4ターン目でアスラのライフが1に……」
「むえ」
カゲミツの実力の高さを改めて強く認識するエール。普段は「嫁」だとか「婿」だとか言っている変態のカゲミツとは到底思えなくて………
「エンドステップ。ユルセンの効果でゴーストを1枚手札に……これでターンエンド。どうしたアスラ??…まだまだここからだよな?」
手札:3
場:【仮面ライダーゴーストムゲン魂+ガンガンセイバー】LV2
【ロクテンハヤブサ】LV1
【ユルセン】LV1
【変身!!仮面ライダーゴースト】LV2(4)
バースト:【無】
「おう。当然だぜカゲミツ姐さん……ソウルコアの無いオレに全力で来てくれてサンキューな。行くぞオレのデッキのスピリット達!!」
当然ながらアスラは諦めたりしない。強力無比なスピリットであるカゲミツのゴーストムゲン魂を倒すべく、己のターンを進めていった。
[ターン05]アスラ
「メインステップ!!…シャムシーザーとドラグレッダーを召喚!!」
ー【シャムシーザー】LV1(1)BP2000
ー【ドラグレッダー】LV1(1)BP6000
アスラの場へと新たに召集されたのは赤い体表に白いトゲトゲを生やしたトカゲのようなスピリット、シャムシーザーと、龍騎の中に宿る赤き龍のブレイヴ、ドラグレッダー。
そして『まだだ』………
アスラはそう言わんばかりに手札にあるカードをさらに抜き取り、それを己のBパッドへと叩きつける。
「さらに召喚!!……オレの相棒、仮面ライダー龍騎!!」
ー【仮面ライダー龍騎】LV2(4)BP8000
様々な鏡像が重なり合い、場へと姿を現したのは龍の影を纏う赤きライダースピリット、仮面ライダー龍騎。
「フッ……やはり復活していたか龍騎!…この血が滾って来たぞ」
「オレ達の今できる全力で、カゲミツ姐さんのゴーストムゲン魂を討ち取る!!…龍騎にドラグレッダーを合体だ!!」
ー【仮面ライダー龍騎+ドラグレッダー】LV2(4)BP13000
龍騎の背後で鳥栖を巻くドラグレッダー。これで戦闘準備は万端。アスラはアタックステップへと移行する。
「アタックステップ!!…龍騎でアタック!!…合体時効果でロクテンハヤブサを破壊してカードを2枚ドロー!」
龍騎がストライクベントのカードをベルトからドローし、左腕のバイザーに装填。するとドラグレッダーの顔を模したガントレットが右腕に装備される。そして龍騎はそのガントレットから、ドラグレッダーは自身の口から火炎放射をロクテンハヤブサに向けて発射。
大火力になす術なくロクテンハヤブサは焼き尽くされてしまう。
そしてアスラの龍騎の効果はまだ続き………
「でもってこの龍騎は相手のスピリットかネクサスが破壊された時に転醒できる!」
「ッ……転醒!!」
「【零転醒】発揮、仮面ライダー龍騎を、仮面ライダー龍騎サバイブに!!」
今度はサバイブのカードを引き抜き、それをドラグレッダーを模したショットガンに装填する仮面ライダー龍騎。燃え上がる烈火の炎が吹き荒れると同時に、強化形態、仮面ライダー龍騎サバイブへと姿を変えて見せた。
さらにそれと同時に赤き龍ドラグレッダーが龍騎のサバイブ化に伴い、赤き武装龍ドラグランザーへと進化を果たす。
「来いよドラグランザー!!…今こそ龍騎サバイブと一体となりて、赫焉の烈火へと生まれ変われ!!……ミラージュ!!」
「!!」
アスラが龍騎サバイブとドラグランザーに向かってそう叫ぶと、ドラグランザーはパーツを分解して行き、それらを龍騎サバイブの各所へと装備させて行く………
「現れろ!!……龍騎サバイブランザー!!」
ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ドラグレッダー】LV3(4)BP17000
そして完全に合体が完了すると、新たに誕生したのは仮面ライダー龍騎最強の形態、仮面ライダー龍騎サバイブランザー。両腕に備え付けられたドラグランザーの顔を意匠したブラスターが光り輝く。
その圧巻の勇姿に、カゲミツの闘争本能はより刺激を受けて………
「お……おぉ!!……なんたる勇姿、なんたる迫力!…よもやここまで進化していたなんてなアスラ、仮面ライダー龍騎!!」
「龍騎サバイブランザー転醒アタック時効果、相手の最もBPの低いスピリット1体を破壊!!」
「!」
「効果を受けないユルセンを除外して考えると、今のカゲミツ姐さんの場で一番BPが低いのはゴーストムゲン魂!!…よってそれを破壊するぜ!……メテオバレットミラージュ!!」
両腕のブラスターから火炎弾を同時に数発放つ龍騎サバイブランザー。それらが飛び行く先は当然ゴーストムゲン魂なのだが………
「良い効果だ。だがこの程度で倒れるゴーストムゲン魂ではない。手札にあるカード2枚を破棄する事で、ムゲン魂はその効果を受けない!」
「!」
カゲミツが手札にある3枚の内2枚をトラッシュへと破棄すると、ゴーストムゲン魂は自身に向かって飛んで来た火炎弾を全てガンガンセイバーで斬り落とす。
完全無欠のこの効果だが、今のカゲミツの手札は1枚。少なくともこのターンでもう一度その効果を使用する事はできない。アスラが狙っていたのはこのタイミングだ。
「でもこれでムゲン魂の効果はもう使えねぇ!!…龍騎サバイブランザーの更なる効果でムゲン魂に指定アタック!!…ブロックされた事により姐さんに1点のダメージを与える!」
「!」
〈ライフ4➡︎3〉カゲミツ
龍騎サバイブランザーはゴーストムゲン魂に戦闘を挑むべく目をそちらへと向けるが、その瞬間にカゲミツのライフが1つ破壊される。
これも龍騎サバイブランザーの効果の1つ、ブロックされた時、スピリットを破壊した時に1点のライフダメージを与える。
「龍騎サバイブランザーのBPは17000!!…対するゴーストムゲン魂のBPは15000!!…この勝負はもらったぜ!」
「フラッシュ!!」
「!?」
「変身した私の【神技】を発揮、コア3つを支払い、デッキの上からカードを2枚トラッシュへ送る事でスピリット1体のコア1個をリザーブへ……対象は当然龍騎サバイブランザー!!」
ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ドラグレッダー】(4➡︎3)LV3➡︎2
ここに来てようやく発揮、判明される変身ゴーストの効果。一瞬紫の光に覆われてしまい、龍騎サバイブランザーはそのLVを3から2へとダウン。BPも15000と、ゴーストムゲン魂と同等になってしまった。
「これで相討ち!!…道連れにしろゴーストムゲン魂!!」
両腕のブラスターから火炎弾を放っていく龍騎サバイブランザー。
しかしゴーストムゲン魂はガンガンセイバーを振い、それらを斬り裂き、撃ち落としながら龍騎サバイブランザーの元へと急接近して行く。
そんな中、アスラは更なるフラッシュタイミングで負けじと手札のカードを引き抜き………
「まだ行ける!!…オマエの力はそんなモノじゃないぜ龍騎サバイブランザー!!……フラッシュマジック、ソードベント!!」
「!」
「この効果でゴーストムゲン魂のコア2個をリザーブに置き、龍騎サバイブランザーのBPを5000上げる!!」
ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ドラグレッダー】BP15000➡︎20000
ー【仮面ライダーゴーストムゲン魂+ガンガンセイバー】(3➡︎1)LV2➡︎1
ここに来て形成逆転。
龍騎サバイブランザーはソードベントの効果を受け、両腕のブラスターから短剣を展開、自身に向かって来るゴーストムゲン魂へそれを向け、構える。
勝負は一瞬だった。龍騎サバイブランザーはその一瞬の内にゴーストムゲン魂のガンガンセイバーを弾き飛ばし、その胸部から腹部に掛けて強烈な剣撃を刻み込んでいて…………
これには流石のゴーストムゲン魂でも耐えられなかったか、力尽きたように倒れ、爆散した。
「ほぉ。倒したか、最強のゴースト、ムゲン魂を」
「龍騎サバイブランザーの効果でさらに1点のダメージを与える!!」
「ッ……!」
〈ライフ3➡︎2〉カゲミツ
すかさず龍騎サバイブランザーより放たれた火炎弾。カゲミツのライフをまた1つ奪っていった。
だが不思議とアスラはカゲミツの余裕を感じていた。エースカードを破壊され、彼女は圧倒的に不利であると言うのに………
だがその余裕の理由はやがて訪れる彼女のターンで明らかにされる事になる………
「……ターンエンドだ」
手札:5
場:【仮面ライダー龍騎サバイブ+ドラグレッダー】LV2
【シャムシーザー】LV1
【決闘者たちの戦場】LV1
バースト:【無】
どちらにせよ、まだバトルは終わっていない。カブトの尾を締める気持ちでアスラはそのターンをエンドとした。
次は龍騎サバイブランザーの強烈な一撃を受けても尚余裕の表情を浮かべるカゲミツのターン。その過程をゆっくりと進行させていく………
[ターン06]カゲミツ
「メインステップ……アスラよ。よくぞ身につけたその力を、よくぞ倒して見せたムゲン魂を……だがそう易々と私が倒れてしまっては面白くない……このターンで見せてやろう、不滅のライダースピリット、ゴーストの力を!!」
「ッ……へへ、望む所ですよ!」
身分が最底辺のコモンで、しかもソウルコアが使えないアスラの実力を認める、マスターの身分を持ち、紫のカラーリーダーでもあるカゲミツ・ブゲイ。
遂に本気を出すのか、溢れんばかりのオーラを解き放ち、アスラへと襲いかかる。
「トラッシュよりネクサス、大天空時の地下をLV2で配置!!」
ー【大天空時の地下】LV2(1)
カゲミツの背後に巨大な目のようなマークが刻まれた墓石が配置される。このカードは手札だけでなくトラッシュにある時ででも配置が可能な特別なネクサスカード。
これにより、カゲミツは手札を消費せずにネクサスを配置できるのだ。
「配置時効果でデッキから3枚オープン、その中のゴーストを1枚手札に加える!!」
効果も成功。カゲミツの手札は1枚増加し、合計3枚となる。
そしてここからアタックステップへと移行し………
「アタックステップ!!…そしてその開始時、再びオレ魂の効果を発揮、ガンガンセイバーから不足コストを確保させ消滅させつつ、オレ魂を召喚!!」
ー【仮面ライダーゴーストオレ魂[2]】LV2(5)BP4000
ブレイヴの特性として場に残っていた剣のブレイヴ、ガンガンセイバーが不足コストの確保のために消滅した直後、再び仮面ライダーゴーストオレ魂が姿を見せる。
「アタックステップは続行!!…さらにこのフラッシュタイミングでトラッシュに送ったガンガンセイバーの効果!…コストを支払いオレ魂に合体!!」
ー【仮面ライダーゴーストオレ魂[2]+ガンガンセイバー】LV2(5)BP7000
今度は剣のブレイヴガンガンセイバーがトラッシュの底より蘇って見せる。オレ魂の手に握られ、カゲミツは再び合体スピリットを作成した。
「くっ……だけどムゲン魂になれないんだったらオレ魂の合体くらい………」
「どうしたアスラ、察しが悪いな??……言っただろう、仮面ライダーゴーストは不滅のライダースピリットであると!!」
「ッ……まさか……!!」
アスラはようやくカゲミツの考えている事、やろうとしている事を察した。
そうだ。
仮面ライダーゴーストとは死をも超越した、又は乗り越えた不滅のライダースピリット。いったいいつからかトラッシュの底より蘇って来るのがオレ魂だけであると思っていたのか…………
もう遅い。
この国の紫のカラーリーダーであるカゲミツ・ブゲイはトラッシュの底よりあのスピリットの効果を発揮させる………
「私はトラッシュから仮面ライダーゴーストムゲン魂の効果を発揮!!……トラッシュからゴーストを対象に煌臨する!」
「……や、やっぱり……トラッシュからの煌臨!?」
「輪廻せよ、仮面ライダーゴーストムゲン魂!!」
今一度、オレ魂が無限の文字が描かれた光に包み込まれて行き、その中で究極のゴースト、ムゲン魂へと再び進化を遂げる。
そう。ゴーストが蘇生できるのは起点になるオレ魂だけではない。この卓越された究極のムゲン魂もまた何度でも蘇る事ができる。
例え何度敵に負け、破壊されようが、煌臨元になるスピリットさえ居れば、撃ち砕く敵さえ存在すれば………
何度でもその姿を地上に晒すのだ。
ー【仮面ライダーゴーストムゲン魂+ガンガンセイバー】LV3(5)BP18000
「ウソ……トラッシュのカードだけでムゲン魂を復活させるなんて……!?」
「凄すぎるぜカゲミツ姐さん……やっぱアンタ最高のカラーリーダーだ!」
「ふひひ……強くなったなアスラ。この状況で、まだ笑える余裕があるとは!!…ムゲン魂の煌臨時効果、龍騎サバイブランザーのコア3個をリザーブに送る!!…よって消滅!
「ッ……龍騎サバイブランザー!!」
ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ドラグレッダー】(3➡︎0)消滅
唐突に復活して見せたムゲン魂に驚愕する間もなく、その神々しい眼光から紫の衝撃を解き放つゴーストムゲン魂。
龍騎サバイブランザーは避けられずに直撃。体内のコアを全て吐き出され消滅させられてしまう。その際に合体していたブレイヴ、ドラグレッダーが合体を解き、脱出飛び出していった。
「さらに変身した私の【神技】!!…今度はシャムシーザーのコアを1個リザーブに、よって消滅!!」
「くっ……!!」
ー【シャムシーザー】(1➡︎0)消滅
止まらない。止められないカゲミツ・ブゲイの勢い。今度は変身カードの能力でアスラのスピリット、シャムシーザーを消滅に追い込んだ。
これでアスラの場に残ったのは疲労状態のドラグレッダーのみ。ムゲン魂がアタック中である事もあり、完全に追い込まれてしまった………
「さぁ、この一撃、オマエならどう受ける。スーミ村のアスラァァァー!!」
「ッ……アスラ!!」
カゲミツの叫びと共に迫り来るムゲン魂。それを心配したエールがそう声を荒げる。
だがアスラもまだ諦めてはいない。手札にあるカード1枚を咄嗟に抜き取り、それをBパッドへと全力で叩きつけた。
「オレはまだ、戦える!!……フラッシュマジック、リミテッドバリア!!」
「!!」
「不足コストはドラグレッダーを消滅させて確保!!……よってこのターン、オレのライフはコスト4以上のスピリットから減らされない!!……攻撃は当然ライフで受ける!!」
〈ライフ1➡︎1〉アスラ
ゴーストムゲン魂が合体したガンガンセイバーを手に、アスラのライフを斬りつける瞬間。ライフバリアとは別の巨大なバリアが前方に展開。
ゴーストムゲン魂はその巨大なバリアに阻まれ、アスラの最後のライフを破壊するに至らなかった。
「エンドステップ。ユルセンの効果でデッキからゴーストを手札に加える………良い。良いぞアスラ!!…その調子で次のターンも全力で来い!!…そしてもっとこの私を楽しませてくれ!!……ターンエンドだ!!」
手札:4
場:【仮面ライダーゴーストムゲン魂+ガンガンセイバー】LV3
【ユルセン】LV1
【変身!!仮面ライダーゴースト】LV1(0)
【大天空時の地下】LV2
バースト:【無】
切札だった龍騎サバイブランザーは復活したゴーストムゲン魂に消滅させられ、不足コストで敢えなくドラグレッダーも消滅。
絶対絶命の崖っ淵に立たされたアスラ。この果てしなく巨大な壁を乗り越えなければ最後のカラーリーダーに挑む事はできない。
だが、そんな状況でもアスラは笑みを浮かべていて…………
「絶対絶命の崖っ淵……場のスピリットの差は圧倒的で、しかもオレにはソウルコアがねぇ………何度も味わって来たこの状況………でもオレは負けねぇ……今回も絶対覆して、勝って、オレはロンと同じ道を進む!!」
決して勝負を捨てないアスラの気概。逆境だからこそ吹き上がるモチベーションは彼を更なる高みへと誘う。
その証拠に、そんな彼の気持ちに応えるかのように、デッキが黒く光輝いて………
「ッ……デッキが黒く……!?」
紛う事なき異変に目を鋭くし、そう呟くカゲミツ。だがアスラはそんな事お構い無しに、自分が今までやって来た努力を信じ、ターンシークエンスを進行させていく…………
[ターン07]アスラ
「ドローステップ!!……ッ」
ターンシークエンスの過程の中で黒く輝くデッキからカードを引き抜くアスラ。そのカードは毎度の如くあのスピリット。
何故、今この場で出現したのかは定かではない。
いつも聞こえて来たアイツの声は聞こえない。
「………そっか。一緒に戦ってくれるんだな……っしゃぁ行こう、今日からオマエも、オレの相棒だ!!」
だが、これも自分の得て来た力の1つなのだと自覚し、アスラはメインステップに突入。その力を使う………
「メインステップ!!……先ずはドラゴンヘッドを3体連続召喚!!」
ー【ドラゴンヘッド】LV1(1)BP1000
ー【ドラゴンヘッド】LV1(1)BP1000
ー【ドラゴンヘッド】LV1(1)BP1000
手始めに並んでいく小さなドラゴン達。そしてアスラは手に握るその存在をBパッドへと全力で叩きつけて………
「行くぜカゲミツ姐さん!!……これが今のオレにできる全力の一手!!……現れろ、黒きライダースピリット、仮面ライダーリュウガ!!」
「!!」
ー【仮面ライダーリュウガ】LV3(5)BP12000
様々な鏡像が重なり合い、アスラの場へと出現したのは黒いライダースピリット、仮面ライダーリュウガ。
推測の域を出ないが、おそらくブラックフォースであるオニキスが作り上げた龍騎とは別のライダースピリット。
「え……黒い龍騎!?…アスラ……」
「黒い龍騎……良いぞアスラ!!…オマエの全力を持ってこの私にぶつかって来い!!」
戸惑うエールに、闘争本能をさらに掻き立てられるカゲミツ。
そんな中でもアスラは完全にデッキの仲間となった仮面ライダーリュウガの召喚時効果を発揮させて………
「よぉっし!!…召喚できた!!…行くぜリュウガ!!…オマエとオレの力、カゲミツ姐さんに見せつけてやろうぜ!!……召喚時効果、相手スピリット全てのコアを2個ずつリザーブに送る!!」
「!!」
リュウガはベルトからカードを引き抜き、それを左腕のバイザーに装填…….
………アドベント!!
と言う図太い音声と共に黒いドラグレッダーが鳥栖を巻きリュウガの背後へと出現。その口内から黒炎の炎をゴーストムゲン魂へと放つ。
ゴーストムゲン魂はこの攻撃を受けて仕舞えばレベルが2までダウンしてしまうのだが………
「ムゲン魂のレベルを下げるのが目的か、だがその効果は受けん!!…手札のカード2枚を破棄してその効果を無効にする!!」
当然、無効にして来る。4枚の内2枚の手札がコストとなり、ゴーストムゲン魂はその黒炎を自身の体から眩い光を解き放ち吹き飛ばしていく。
しかし今のアスラの勢いはこの効果無効だけでは止められなくて………
「アタックステップだ!!……仮面ライダーリュウガ、攻撃だァァァー!!」
その鉄仮面の奥に眠る黒き眼光が光、アスラの指示を引き受ける仮面ライダーリュウガ。カゲミツの残り2つのライフを目掛けて走り出した。
幸いにも今現在彼女の場にはブロックできるスピリットはいない。普通ならばその後の3体のドラゴンヘッドのアタックも含めればアスラの勝ちではあるが…………
普通でないのがカラーリーダーであるカゲミツのバトルであり………
「甘い!!…ムゲン魂を突破できない勝利など、この私が認めんぞアスラ!!…フラッシュマジック、光翼之太刀!!」
「!!」
「不足コストはムゲン魂のレベルを2に下げて確保。よってこのターンの間、ムゲン魂のBPを3000アップさせ、疲労状態でのブロックを可能にする!!……黒い龍騎、リュウガを迎え撃て!!」
ー【仮面ライダーゴーストムゲン魂+ガンガンセイバー】BP15000➡︎18000
カゲミツの2枚ある内の1枚から放たれるマジックカード。それにより、ムゲン魂のBPはLVダウンと差し引いてもプラスマイナスゼロとなり、しかもこのターンの間疲労状態でのブロックを可能にした。
それが示す事は即ち、このターンもまたゴーストムゲン魂を突破しなければアスラの勝利は無いと言う事であって………
「アスラのリュウガのBPは12000……カゲミツのムゲン魂のBPは18000……これじゃアスラが負ける……」
エールがそう呟いた。そのBP差は6000。そう簡単に覆るものではなかった。
フィールドではゴーストムゲン魂がリュウガをガンガンセイバーで迎え撃つ。一振り一振りが即死級のダメージ、リュウガは必死にそれをかわして行くが、いずれ直撃してしまうのは時間の問題であって………
「黒くなったところでこのムゲン魂の敵じゃない……中々に面白かったが、今度こそこれで終わりだァァァーー!!」
「!」
リュウガの動きを完全に見切ったゴーストムゲン魂はトドメと言わんばかりにガンガンセイバーを振り下ろす。
リュウガはその一撃を諸に受け、敢えなく爆散………
かに見えたが…………
「まだだ!!」
「!」
フラッシュタイミングで轟くアスラの咆哮。それに応えるかのように黒い龍騎、仮面ライダーリュウガは両拳をクロスさせその一振りを抑え込んだ。
そしてアスラはそれを見越し、手札にある最後の1枚を引き抜いて見せ………
「まだまだオレは進む!!……例えどんなに凄い数の障害があったとしても、オレは頂点王になるまでそれに挑み続ける!!……フラッシュマジック、ソードベント!!」
「ッ……2枚目!?」
「不足コストはドラゴンヘッド1体より確保!!…よって、この効果でリュウガのBPをプラス5000。さらにゴーストムゲン魂のコア2つをリザーブに置く……ゴーストムゲン魂は手札2枚をコストに対象になる効果を受けなくできる……けどカゲミツ姐さん、今やアンタの手札はたったの1枚、この効果は防げないぜ!」
「くっ………!」
ー【仮面ライダーリュウガ】BP12000➡︎17000
ー【仮面ライダーゴーストムゲン魂+ガンガンセイバー】(4➡︎2)LV2➡︎1
3体いる内1体のドラゴンヘッドが消滅する中、腕をクロスさせて受け止めた攻撃を弾き返すと、その手には黒い柳葉型の剣が握られる。リュウガはそれをゴーストムゲン魂に向けて振い、黒い斬撃波を発生、ゴーストムゲン魂はそれに被弾してしまい、そのLV、及びBPを大幅にダウンさせられてしまう………
「………何と言う事だ。光翼之太刀の効果を含めても、レベルの下がったムゲン魂のBPは14000……」
「そう。つまりオレが……オレのリュウガが勝ち!!…いっけぇぇぇリュウガ……ブラックバーニングセイバァァァー!!!」
黒い炎を剣に纏わせ、ゴーストムゲン魂の元へと突っ込んで行く仮面ライダーリュウガ。そして一瞬の内に通り過ぎつつ一閃。
目にも留まらぬ早技でゴーストムゲン魂の胸部に一太刀を浴びせる。耐えられなかったか、ゴーストムゲン魂は力付き、再度爆散してしまった………
「……これが龍騎に眠る黒龍の力……不滅のゴーストをも打ち破るとは」
その際に合体していたブレイヴ、ガンガンセイバーが爆風で宙へと飛んでいき、虚しくも地面に突き刺さる。そのムゲン魂の敗北したさまに、カゲミツは己の敗北を強く受け入れるかのようにその瞳を閉じる………
「来いアスラ。悔いはない……私にトドメをさせ………」
「あぁ……これで最後だ……言って来い2体のドラゴンヘッド!!」
アスラの指示を聞き、2体のドラゴンヘッドが宙を駆け抜ける。負けを認めたカゲミツは何も言わずにその攻撃をただただ受け付けて………
「ライフで受ける……」
〈ライフ2➡︎1➡︎0〉カゲミツ
2体のドラゴンヘッドによる渾身の体当たりが遂に紫のカラーリーダー、カゲミツ・ブゲイのライフを討ち取ったのだった………
彼女のBパッドから彼女の敗北を告げるかのように「ピー……」と言う音声が流れて行く。そしてそれは同時にアスラの勝利を意味しており………
「………よし………よし!!……やった……やった……勝ったぜ、やっと、ようやく……あのカゲミツ姐さんに!!」
一度は敗北を喫したカラーリーダー、カゲミツに勝利した事で大いに喜びを見せるアスラ。そしてふと冷静になり、己のBパッドに置かれている仮面ライダーリュウガのカードを手に取るとある事に気がついて………
「……あ、アレ。リュウガが消えない……いつもならここで黒くなってカード事消えるのに……龍騎のカードも一緒にまだ使える……!?」
不思議と、いつもとは違う現象が起こっていた。仮面ライダーリュウガが消えていないのである。まるでアスラを真の仲間であると受け入れたかの如く、仮面ライダーリュウガのカードは彼のデッキに留まり続けていて………
「へへ……なんかようわからんけど、烈我達との特訓の日々は無駄じゃなかったんだな……!!」
これを異世界での特訓の成果だと認識するアスラ。異世界でできた仲間達の事を思い出し、思わず嬉し笑い。
そんな時、エールが彼の元に寄ってきて………
「アスラ。先ずはおめでとうって言いたいところだけど、その黒い龍騎を使っても大丈夫だったわけ……!?」
「おぉエール!!…応援サンキューな!!……なんかようわからんけどちゃんと無事だぜ!」
「そ……な、なら良いんだけど」
「むえ〜」⬅︎おめ
リュウガを扱うアスラを見て、今までに無い彼を見ているような感覚を味わっていたエールは、いつもの何気ない彼を見てホッとした様子を見せる。
そして今度は敗北したカラーリーダー、カゲミツが彼の所へと歩み寄る。
「………出し切った。良いバトルだったなアスラ……やはり私の目に狂いはなかった。コモンだろうが、ソウルコアがなかろうが、オマエは最高のカードバトラーだ」
「カゲミツ姐さん……」
「きっと、天の神は自分の境遇に言い訳せず、ただひたすらに前を向けるオマエだからこそ、ソウルコアの力を授けなかったのかもしれないな………ほい、約束のカラーカード。紫だからパープルカードだ。受け取れ」
「ッ………ありがとうございまァァァーす!!」
完全にカゲミツからも認められたアスラ。紫のカラーカード、パープルカードを受け取りながら大きな声で感謝の言葉を送った。
これで今回の話は終わり。また次回のお楽しみに…………
と、言いたいタイミングだったが………
「………ところで、オマエはこのバトルに勝利した事で私、カゲミツの「婿」になる権利を得たわけだが……」
「なぁ!?」
「ん?……そういやムコってなんすか?…姐さん結構その言葉使ってましたよね?」
変態モードに突入するカゲミツ。アスラを婿にしようと言い寄るが、アスラ本人は全くそれに気がついていない様子。
ただエールの方が反応を強く示していて………
「ちょ、ちょっと!!…そ、それはダメよ!!」
「ほぉ?…なんでだエール。答えて見ろ」
「な、なんでって……それは……」
本能的に思わず止めに入るエールだったが、逆に質問されて言葉を詰まらせてしまう。
「なんだそこで詰まるのか。そう言う時くらい素直に「アスラは私の婿になるから」とか言えないのか?」
「!?!」
カゲミツにそう言われ、エールは首から頭のてっぺんまで、トマトのように赤く染まってしまい…………
「ん?」
「い、言えるわけないじゃない。このバカスラァァァーー!!!」
「えぇぇ!?!……なんでだァァァーー!?!!」
エールの全力の張り手をくらうアスラ。いつもの事だが意味もわからずスタジアムの彼方まで飛んで行ってしまった。
何はともあれ、三王への挑戦権まで遂にリーチをもぎ取ったアスラ。彼らの旅はまだまだ続く。
最後までお読みいただきありがとうございました!!