バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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52コア「真紅のモードチェンジ」

ここは王国の中心都市オウドウ都。

 

最高の身分を持つエックスの者達が故郷とする巨大な都市であり、最強のカードバトラー集団、三王と頂点王が挑戦者達の最大の難関として立ち塞がる場でもある。

 

そんな三王、頂点王が身を置く三王塔にて、この国の頂点王であるシイナ・メザはだだっ広い空間にちょこんと備え付けられたデスクの上で珍しく事務作業を行なっていた。この間身勝手に異世界に遊びにいっていた罰だ。これが終わるまでは自由になれない………

 

 

「えーーーっと何々??……土地の売買?…商業承諾??……まぁいいや。全部承諾しちゃえ」

 

 

およそ何千枚と山積みされている承諾書の数々。いちいち読んでいるのも面倒くさいため、シイナは適当に押印していく。

 

だが次第に疲れて来たか、30枚目程でその手を置いた。そして辺りに誰もいないかキョロキョロし始めると………

 

 

「…………よし」

 

 

誰もいない事を確信。すぐさまデスクから立ち上がり、窓の方へと移動……

 

その窓を開け、逃げ出そうとしているのか、足を一本、窓の外側へと踏み出す。

 

だがこの瞬間、後方より見知った声が聞こえて来て………

 

 

「オイ逃げるなよ頂点王」

「ッ………え、エレン……」

 

 

青ざめた表情で声のする方へと首を傾けると、そこにはエックスの中でも最高峰の強さを誇る偉大なオメガ家且つ、この国のモビルスピリットを司る三王、エレン・オメガ。

 

 

「い、イヤだなエレン〜…逃げ出さないよ〜……ちょっと疲れて来たしさ。気分転換に窓を開けただけだって!」

「ほぉ。じゃあ窓の外を出たその足はなんだ?」

「ッ……あはは……行儀の悪い足だね〜……」

「……いいからデスクに戻れ、仕事をしろ。この異邦人頂点王」

「ちぇっ……私ばっかり、テンドウは探さなくていいの?」

「何度追いかけても逃げられる……と言うかヤツを追いかけている間に貴様に逃げられたら元も子もないからな」

 

 

二兎追う者は一兎も得ず。

 

逃げ隠れするのが妙に上手いテンドウを無理に探すよりも、こうして1人だけを捕まえて拘束した方が仕事は捗る。1人でやるよりも何倍もの効率で作業は進んでいく。

 

その後は言われるがまま。

 

この国の最強カードバトラー、シイナ・メザはお叱りを受けて渋々とデスクに戻っていった。

 

 

「ねぇエレン。実はもうすぐアスラとロンが16の誕生日なんだけどさ〜……何かプレゼント渡したいな〜……なんて」

「………」

「だから街で買い物して来たいな〜……なんて」

「………」

「母親らしい事したいな〜……なんて」

「………」

「……ごめんなさい。仕事します」

「それでいい」

 

 

何とか理由を付けて懇願してみるシイナだったが、エレンから発せられる無言の圧には敵わず…………

 

実はもうすぐ誕生日なアスラとロン。今年で16歳になる。その月日とは12月18日なのだが、それはシイナに拾われた日。

 

彼らが5歳の頃にオウドウ都へと旅立ってそれっきりとなってしまったシイナとしては、今年こそはどうしても2人に誕生日に何かしてやりたかったのだ………

 

 

「誕生日と言えばさ〜……エールちゃんも誕生日近いよね〜……12月24日!……何か渡すの?」

「何も渡す気はない……あの娘は甘えさせてはダメだ」

「またまた〜……ここ10年分くらいの誕プレを渡し切れずに倉庫にしまってあるくせに」

「ッ………な、何を言っている」

 

 

実はエレンの妹、エールの誕生日も近い。

 

普段は冷静沈着。時折冷酷な面を見せる三王エレンだが、その実態はとんでもないシスコン。

 

エックスや三王としてのプライドがあるため、表立ってそれを露わにする機会は少ないが、エール以外の周囲にはバレバレである。シイナの言う通り、誕生日プレゼントはここ10年買っては渡せず倉庫にしまっている。

 

長い付き合いと言う事もあり、そんな彼の気持ちを完璧に理解している頂点王シイナはさらに口を開いて………

 

 

「いい加減素直になったら?……男のツンデレは需要がないぞ」

「何の話だ。と言うか誰がツンデレだ」

「あっはは!……まぁでも、本当エールちゃんは強くなったよね〜」

 

 

少しふざけた後、急に真面目な表情を見せ、エレンにそう告げた頂点王シイナ。

 

エールがアスラと旅を始めた頃は究極体を召喚する力も無かった。だが幾多の試練をアスラ達と共に乗り越えていき、今ではオメガモンと言う最強級のデジタルスピリットを呼べるまでに至っている。

 

 

「確かにエールは強くなった……認めている。しかし今のエールはあのウツケ者の後ろをただついて行っているだけに過ぎない……1人で強くなれる程のカードバトラーになれないのであればそこまで。これ以上強くなれる事はないだろう」

「あっはは……それってただエールちゃんにアスラの所を離れて欲しいだけだろ?」

「ち、違う!!…余はただ実妹の更なる成長を願ってだな……」

 

 

エレンも何となく変わった気がする。昔はエールの言葉に耳も貸さなかったのに…………

 

エールが強くなったのもあるが、それ以上にアスラの存在が大きい。彼の存在が、熱い想いが伝播し、次から次へと人の心を変えて行っている………

 

そうシイナが実感し始めた頃だ。さらに別の声が聞こえて来たのは………

 

それは望まれざる客であり………

 

 

「…お邪魔しますよ〜……三王エレン。そして頂点王シイナ様

 

 

ー!!

 

 

「フッフ……お初にお目にかかります」

 

 

神経を逆撫でするような気味の悪い声色。マジシャンのようなシルクハットと、整ったちょび髭が特徴的な男性、ウィルがそこにはいた。

 

2人は直接的に彼に出会った事こそないが、これまでの得て来た情報から、直ぐに彼がライダーハンターズの主任、ウィルであるという事を理解できた。

 

 

「貴様は……ウィルだな。ライダーハンターズの……何しに来た?」

「これはこれは光栄ですね。まさかエックスで、しかも三王の貴方がこの私の名前を覚えてくださっていたとは」

「余の質問に答えろ……貴様に拒否権はないぞ」

「まぁまぁもうちょっと落ち着いて話聞こうよ〜……で、用件は何?…話は聞こうじゃないか主任さん」

 

 

溺愛するエールを連れ去った事もあるライダーハンターズ。それをエレンが許さわけもない。いつも以上にわかりやすく怒りを露わにしている。

 

対して頂点王シイナはよく言えば余裕。悪く言えば呑気な態度でウィルに接する。

 

そして彼らの質問に対し、ウィルは不気味な角度で口角を上げると、返答して行く………

 

 

「フッフ……いや実はですね〜もうすぐ完了するんですよ、私の計画。15年という長い年月を費やして積み立てて来た私の努力が遂に報われる時が来ましてね〜」

「ふーーん。よかったね」

「……それで、主任よ、そのやって来た努力とはなんだ?」

 

 

意味深なウィル。その発言の内容は当然ながら三王、頂点王である2人でも理解できない。

 

 

「………黒の世界。分かりますかな?」

「!」

「そこにいるとされるブラックフォースと呼ばれる4人の集団。あの方々の力全て覚醒させる事が私のすべき事でした……だから作った、ライダーハンターズと言う組織を……ブラックフォースを覚醒させる事のできる3人のカードバトラーを」

「………何を言っているんだ?」

 

 

説明するウィルだが、その内容が余りにも壮大過ぎてエレンは頭の理解が追いつかない…………

 

ウィルがライダーハンターズを結成した理由は最初からブラックフォースの覚醒だった。オロチ、イバラがバトルの際に謎めいた力を持って覚醒した理由もそれだ。最初からあの2人はブラックフォースの力を知らずのうちにウィルによって埋め込まれていたのだ………

 

 

「そして遂に、先程……揃った。約束通りトゥエンティの身体を得たあの方が遂に覚醒した……だがここで、間違いなく最大の障害となるのは頂点王シイナ、貴女だ。だからこそ今ここで貴女を殺さなければならない……私はそう思ったわけですよ」

「ふーーん……じゃあライダースピリットを20枚集めたら願いを叶えるとか嘘ついてたわけね」

 

 

要するに………

 

要するにだ。自分の努力して来た事が水の泡にならないよう、今ここで最大の難敵であろう頂点王を消し去ってしまおう………

 

そう言うわけだ。サラッと言っているが、とてもではないが普通の人間が考える事ではない………

 

 

「無礼にも程があるな………このエックスであり三王でもあるこの余を差し置いてこんな腑抜けた頂点王の軽い命を狙おうなど」

「フッフ……残念な事に、覚醒したブラックフォースは貴方方三王程度では倒せませんよ?……もちろん、この私にもね」

「……世迷言を……テンドウ如きに負けた貴様が余に勝てるわけないだろう……」

 

 

言い合うエレンとウィル。だが、それを制止させたのは頂点王シイナだった………

 

 

「まぁ待てよエレン。あちら様は私をご指名のようだ……なら私がちゃんと相手してやらないとな」

「!」

「ほぉ……わかってますね。流石はこの国の偉大なる頂点王様だ」

「1バトルくらい、どうって事ないさ。要はラスボスを倒しに来たって事だろ?……じゃあ始めようよ。どうやったって私には勝てないと思うけどね」

 

 

Bパッドを展開し、デッキをセットしながらそう告げるシイナ。その風格と口調は正しくラスボスそのモノであって………

 

 

「フッフ……ではお言葉に甘えて、バトルと行きましょうか。先に言っておきますが、私の実力はライダースピリットの三王、テンドウ・ヒロミさんとバトルした時よりも数段、いや数十段上がっている事をお忘れなく。甘く見ていると足元を掬われますよ?」

「あっはは!…心配ご無用さ。だって私はテンドウの100倍は強いからね」

 

 

お互いに減らない口数。

 

ウィルもまたシイナに対抗するように己のBパッドを展開、デッキをセットした。

 

 

「下がってろエレン。これは私のバトルだ」

「良かろう……ただし、負けるなよ?……貴様を叩きのめすのはこの余だけなのだから」

「わかってるって……そんじゃやろうか主任さん」

「えぇ、始めましょう………」

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

三王エレンが見守る中、この国の最強カードバトラーシイナ・メザと、ライダーハンターズの主任ウィルによるバトルスピリッツがコールと共に開始される………

 

先行はウィルだ。頂点王を倒すべく己のターンを進めて行く………

 

 

[ターン01]ウィル

 

 

「メインステップ……先ずは転醒ネクサスカード、命の果実原種を配置!」

 

 

ー【命の果実-原種-】LV1

 

 

颯爽とウィルの背後に現れたのは生命力に満ち溢れた果実を実らせた大木。

 

 

「命の果実原種が場に存在する限り、貴女のアタックステップ中では私に対する一切の効果ダメージを無効にし、私のライフが減るたびに私はデッキから1枚ドローできる……以上、これでターンエンドでございます」

手札:4

場:【命の果実-原種-】LV1

バースト:【無】

 

 

「なぁる程転醒ねーー……少しばかりは楽しめそうだな」

 

 

そのターンを終えるウィル。頂点王シイナは王らしい威風堂々とした立ち振舞いを見せながら己のターンを進めて行く。

 

 

[ターン02]シイナ

 

 

「メインステップ……青の成長期スピリット、ブイモンを召喚!」

 

 

ー【ブイモン】LV1(1S)BP2000

 

 

シイナの場に小さな青い竜、ブイモンが元気な姿を見せる。

 

頂点王が扱うスピリットだが、ブイモンに突出した力はなく、その効果は至って平凡。

 

 

「召喚時効果。2枚オープンしてその中の対象となるデジタルスピリットを1枚手札に加えて残りは破棄する………よし、私はアーマー体、ライドラモンを手札に加える」

 

 

効果は成功。頂点王シイナは新たなカードを手札に加えると、それをすぐさまBパッドへと叩きつけ、効果発揮の宣言を行う。

 

 

「1コストを支払い【アーマー進化】を発揮、対象はブイモン!!……轟く友情、ライドラモンをLV1で召喚!」

 

 

ー【ライドラモン】LV1(1S)BP5000

 

 

行われたのは成長期スピリットを完全体と同等のレベルまで進化させる事ができるアーマー進化の効果。

 

上空から友情のデジメンタルと呼ばれる黒い物体がブイモンへと落下。ブイモンはそれと混ざり合い、黒いボディを持ち、一角から青い稲妻を放つ獣、ライドラモンへと進化を果たした。

 

 

「ライドラモン召喚時効果でボイドからコア2個をトラッシュに追加……一先ずこれでターンエンド」

手札:5

場:【ライドラモン】LV1

バースト:【無】

 

 

いつになく真剣な表情を見せるシイナ。ライドラモンをブロッカーとして残し、そのターンをエンドとした。

 

 

「頂点王シイナ……この日のために私はちゃんと貴女の事をとことん調べ尽くして来ましたよ。その生い立ちから今までをね……例えば、貴女はその楽観的な性格とカリスマ性で、この国に多くあった差別問題の解決に大きく貢献しているとかね」

「?……なに、私のストーカー?……偶にいるんだよね、どうせならもうちょっとイケメンな人にやってほしかったな」

「フッフ……私のターンだ」

 

 

この王国にある身分による差別問題。だがそれは近年では余り目立って散見されない。それらはこの頂点王シイナが行った活動が大きく影響している。

 

倒すべき敵は研究し尽くすタイプのウィル。相手が頂点王であろうとも、余裕の意味も込められた不気味な笑みを浮かべ、己のターンを進めて行く。

 

 

[ターン03]ウィル

 

 

「ドローステップ時、手札にある仮面ライダーウォズの効果を使用……このカードを手元に置く事で、ドローステップでドローする枚数を2枚とし、その後手札を1枚破棄」

「たしかテンドウの報告にもあったライダースピリット」

 

 

自身のライダースピリットであるウォズの特異な効果を発揮させるウィル。効果でその手札をより回転させる。

 

 

「そしてメインステップ……ソウルコアを支払い、エイプウィップを召喚」

 

 

ー【エイプウィップ〈R〉】LV1(1)BP1000

 

 

現れたのは4本の腕を生やした猿型のスピリット、エイプウィップ。弱々しい見た目だが、その効果は非常に強力なモノで………

 

 

「召喚時効果。ソウルコアを支払っての召喚であった場合、リザーブに1つ、トラッシュに2つのコアをブースト!」

 

 

コアを増やした数、合計3つ。シイナのライドラモンよりも上回って見せる。

 

 

「私はこれでターンエンドです………さぁ、貴女のターンですよ……サジット王国出身のシイナ・メザさん?」

「!」

 

 

サジット王国出身………

 

その言葉を耳にするなり、シイナは僅かばかり癪に触ったかのように眉間にシワを寄せる。

 

 

「言ったでしょう?……貴女の事、とことん調べたと……そう、貴女は強者が集うとされるサジット王国の異端児……」

「………」

 

 

サジット王国とは、ウィルの言う通り、この国とは隣国関係に当たる王国。その人口の約9割が強者で締めくくられていると言われる。

 

因みにこの国の名前はノヴァ王国である。

 

 

「私のターンだ………」

「どうぞ」

 

 

強靭なメンタルを持つ頂点王。険しい表情になりながらも己のターンを進めていった。

 

 

[ターン04]シイナ

 

 

「メインステップ……手札に戻ったブイモンを再召喚。召喚時効果発揮、対象のデジタルスピリット1枚を手札に加える」

 

 

ー【ブイモン】LV1(1)BP2000

 

 

再び呼び出されるブイモン。だが、ウィルは又しても口を開いて………

 

 

「貴女は生まれながらにして、天性のバトルセンスを持っていた……まるでこの世の神にでも愛されたかのように、プレイング、直感、そして引きの強さ……その全てが規格外だった」

「………ブイモンの召喚時の追加効果で、2コストを支払い、緑の成熟期スピリット、スティングモンを召喚」

 

 

ー【スティングモン】LV1(1➡︎2)BP5000

 

 

語りかけて来るウィルに受け答えせず、シイナはブイモンの効果で緑のスマートな昆虫戦士、スティングモンを召喚。その効果でさり気なくコアが増える。

 

 

「アタックステップ……スティングモンでアタック!…効果でコアを増やし【超進化:緑】……パイルドラモンを呼ぶ!」

 

 

ー【パイルドラモン】LV2(3)BP10000

 

 

スティングモンが緑の輝きを放ち、その間に姿形を大きく変化させていく。最後にその輝きを吹き飛ばしながら現れたのは竜の母体に甲虫の甲殻を得た至高の竜戦士パイルドラモン。

 

 

「パイルドラモンの召喚時効果でエイプウィップを破壊」

 

 

静かな効果発揮宣言。パイルドラモンは腰に備え付けられた機関銃を連射。ウィルの場に存在していたエイプウィップをそれで容易く蹴散らす。

 

そしてパイルドラモンが次に討たんと竜の眼差しを向けたのはウィルだった。

 

 

「パイルドラモンでアタック!…効果でコアを増やして回復」

 

 

ー【パイルドラモン】(3➡︎5)LV2➡︎3(疲労➡︎回復)

 

 

レベルを上げつつウィルの元へと走り出すパイルドラモン。今は防御する手段がないのか、ウィルは手を大きく広げ、その攻撃を受け入れる………

 

 

「ライフで受けましょう!」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉ウィル

 

 

その甲殻を纏った拳で彼のライフを全力で殴りつける。だがそれは彼の配置したネクサスカード、命の果実原種の効果を起動させる行為でもある。

 

 

「転醒ネクサス、命の果実原種の効果、私のライフが減った事により、デッキからカードを1枚ドロー」

「関係ない、もう一度だ!」

「それも受けましょう!……ッ」

 

 

〈ライフ4➡︎3〉ウィル

 

 

立ち止まる暇もなく、再びその拳でウィルのライフを粉砕するパイルドラモン。余りに強烈な攻撃だったか、ウィルは衝撃で半歩後退させられてしまう。

 

しかしその表情は未だ余裕で………

 

 

「フッフ……命の果実原種の効果で1枚ドロー……さらにトラッシュに存在するゴジラの効果!」

「!」

「2コストを支払い召喚する……現れなさい!」

 

 

ー【ゴジラ(2004)】LV1(1)BP10000

 

 

蠢く地の底より、咆哮を張り上げながら現れたのは黒い体に大きな尾を持つシンプルな怪獣と言った見た目のスピリット、ゴジラ。

 

だが、そこから感じられる迫力やオーラは美しくも凄まじく、神にも匹敵すると言って過言ではない程………

 

 

「これもテンドウから聞いたな……伝説のスピリットゴジラか……ターンエンド」

手札:5

場:【ライドラモン】LV1

【ブイモン】LV1

【パイルドラモン】LV3

バースト:【無】

 

 

伝説と謳われるゴジラを前にしても平然とした態度でそのターンをエンドとするシイナ。

 

だが次のターン、このゴジラの猛攻を受ける事は間違いなくて………

 

 

[ターン05]ウィル

 

 

「メインステップ……常軌を逸した強さを持つ貴女を、周囲の人間は妬んだ。それがきっかけで貴女は蔑まれた……実の両親にも「化物」「鬼神」であると忌み嫌われた」

「………」

 

 

メインステップ開始直後に再びシイナの隠された過去を暴露するウィル。

 

そう。

 

誰もが欲するシイナの強さをサジット王国の者達は妬んだ。それ程までにシイナは強かった………圧倒的に恵まれていたのだ………

 

 

「マジックストロングドロー……デッキから3枚をドローして2枚を破棄」

 

 

流れるようにターンを進めるウィル。デッキを掘り進めて行く。

 

 

「さらに2体目のエイプウィップをソウルコアを使って召喚。効果でリザーブに1つ、トラッシュに2つのコアをブースト」

 

 

ー【エイプウィップ〈R〉】LV1(1)BP1000

 

 

本日2体目となるエイプウィップ。効果で又しても3つのコアをブーストした。

 

 

「ゴジラのレベルを2に上げてアタックステップ……その開始時、手元に置かれた仮面ライダーウォズの効果を発揮、コスト6以上のスピリットがいる時にノーコストで召喚できる……LV2で現れなさい」

 

 

ー【ゴジラ(2004)】(1➡︎2)LV1➡︎2

 

ー【仮面ライダーウォズ】LV2(3)BP8000

 

 

黒い一反木綿が球体を形成すると、その中より、緑色が特徴の赤属性のライダースピリット、ウォズが現れた。

 

 

「アタックステップは当然続行!…ゴジラでアタック、効果でパイルドラモンを指定アタック!…さらにそうした時、コアを1つゴジラに追加し、回復!」

「!」

「これでゴジラは貴女のスピリットを破壊し尽くすまで止まりませんよ!」

 

 

ー【ゴジラ(2004)】(疲労➡︎回復)

 

 

ウィルの命令でパイルドラモンに迫り来るゴジラ。そのBPは圧倒的であり、数秒もしないうちにパイルドラモンは破壊されてしまう事は間違いない………

 

それだけではなく、回復するため、シイナのスピリットを全滅させる事も可能………

 

だが、流石にそんな美味しい状況を味合わせるわけにはいかないか、シイナは手札からカードを1枚引き抜き、それを止めに行く。

 

 

「フラッシュマジック、リアクティブバリア!」

「!」

「不足コストはパイルドラモンから確保、よってLV1までダウン…効果でこのアタックの終了をアタックアタックステップの終了にする」

 

 

鉄板の白の防御マジック。これにより、ゴジラとパイルドラモンのBP差はさらに開く事になったが、少なくともこのターンでの敗北は免れる。

 

しかし………

 

 

「止められましたか!…だがまだ終わりませんよ!…仮面ライダーウォズの効果、自分のフラッシュタイミングで自身を疲労させ、ゴジラのBPをプラス10000、さらにライフを1つ破壊します!」

「!!」

 

 

ー【仮面ライダーウォズ】(回復➡︎疲労)

 

ー【ゴジラ(2004)】BP15000➡︎25000

 

 

〈ライフ5➡︎4〉シイナ

 

 

ゴジラに忠誠を誓うかのように膝を曲げる仮面ライダーウォズ。その瞬間にゴジラは高らかに咆哮を上げ、それが爆音波となり、シイナのライフを1つ砕いた。

 

 

「そしてパイルドラモンはゴジラにより破壊!!」

 

 

腰に備え付けられた機関銃でゴジラを迎撃するパイルドラモン。だがその程度の威力ではゴジラの黒々としたボディに傷一つ付けられない。

 

直後に長い尾で攻撃され、そのまま壁に激突。なす術なく爆散してしまう。

 

 

「……リアクティブバリアの効果でアタックステップは終了だ」

「…ターンエンドです」

手札:5

場:【仮面ライダーウォズ】LV2

【ゴジラ(2004)】LV2

【エイプウィップ〈R〉】LV1

【命の果実-原種-】LV1

バースト:【無】

 

 

リアクティブバリアによってアタックステップを終了させられ、そのターンをエンドとするウィル。

 

次は頂点王シイナのターン。シークエンスを進めて行く………

 

 

[ターン06]シイナ

 

 

「メインステップ……バーストを伏せ、ブイモンとライドラモンのLVを最大に」

 

 

ー【ブイモン】(1➡︎3)LV1➡︎2

 

ー【ライドラモン】(1➡︎4)LV1➡︎3

 

 

守りのバーストを伏せ、場に残ったスピリット達のレベルを最大に引き上げるシイナ。

 

しかしそれだけではウィルの強力なスピリット達には太刀打ちできない。さなるスピリットを場へと投入する………

 

 

「さらに真紅の魔竜、成熟期の姿、グラウモンをLV3で召喚!」

 

 

ー【グラウモン】LV3(4)BP7000

 

 

白い髪、二本の角を生やした赤い身体の魔竜、グラウモンがシイナの場に現れる。

 

 

「アタックステップ……グラウモンでアタック!…その効果で相手のネクサスカード、命の果実原種を破壊」

「だが、命の果実原種は相手によってフィールドを離れる時、ボイドからコア1個をこのネクサスに置いて転醒できる……現れなさい命の果実の精ドライアッド!」

 

 

ー【命の果実の精ドライアッド】LV1(1)BP6000

 

 

命の果実原種を焼き尽くさんと炎の息を口内から放つグラウモン。命の果実を実らせる大木は堪らず焼き尽くされるが、その瞬間に森の中から木でできた狼のようなスピリットが代わりに場へと飛び出して来る……

 

それは命の果実原種に宿っていた精、ドライアッド。

 

 

「転醒されるくらいお見通しさ……こっちは【超進化:赤】を発揮、グラウモンを完全体、メガログラウモンに進化!」

 

 

ー【メガログラウモン】LV3(5S)BP12000

 

 

グラウモンはその体格をさらに肥大化、且つ体にも赤い鋼鉄を見に纏わせる。そして爆誕したのは真紅の魔竜、完全体の姿、メガログラウモン。

 

 

「ふむ。また新しい完全体……」

「メガログラウモンは相手の効果によりコアを外されない………アタックステップは続行、立ち向かえメガログラウモン!」

 

 

早速メガログラウモンでアタックで攻撃を仕掛けるシイナ。その数々のアタック時効果を発揮させる。

 

 

「アタック時効果、2枚ドローしてシンボル1つのスピリット、ゴジラを破壊」

「!」

「アトミックブラスター!」

 

 

メガログラウモンの胸部から放たれる極太のレーザーがパイルドラモンの機関銃でも傷一つ付けられなかったゴジラの皮膚を貫通。流石のゴジラもこれには堪らず爆散してしまった。

 

しかし………

 

 

「スピリットが破壊された事により、手札のアルケーガンダムを1コスト支払って召喚!」

「!」

 

 

ー【アルケーガンダム】LV2(3)BP12000

 

 

ゴジラが破壊された直後………

 

上空から空気を切り裂くように飛来して来たのはモビルスピリットの一種、アルケーガンダム。鏡の中の世界、ミラーワールドでウィルがシスイ・メイキョウから奪い取った驚異的なスペックを持つモビルスピリットである。

 

そしてそれはメガログラウモンやライドラモン、仮面ライダーウォズでさえも霞んでしまうような存在感を見せつけながら、メガログラウモンを迎え撃つ…………

 

 

「アルケーガンダムでブロック!…さらにフラッシュタイミングでアルケーガンダムの効果、1コストを支払い、コスト7以下のスピリット1体を破壊する」

「!」

「フッフ……貴女にフラッシュで使えるカードがないのでアレば、私はこの効果を三度使用……メガログラウモン、ブイモン、ライドラモンを破壊します!」

 

 

身の丈程の巨大な大剣を振い、暴れ回るアルケーガンダム。その強烈な一太刀一太刀にブイモン、ライドラモンと次々と破壊されていき、仕舞いにはメガログラウモンまでもがその大剣に引き裂かれ、爆散して行った………

 

 

「ターンエンド……」

手札:5

バースト:【有】

 

 

アルケーガンダムに無双され、ターンを明け渡さざるを得なくなったシイナ。冷静且つ真剣な眼差しをウィルに向けながらそのターンをエンドとする。

 

 

[ターン07]ウィル

 

 

「……周囲から妬まれ、忌み嫌われ、蔑まれた貴女は半ば逃げ出すようにサジット王国を出た……生きる意味を探すため、こうして今このノヴァ王国にいる……違いますか?」

「………」

 

 

沈黙するシイナ。否定も肯定の声も上げないその様子は、必然的に肯定している事と差し違えない。

 

 

「ふふ……あっはは、そうだよ……アンタの言う通りだ」

「シイナ・メザ……」

 

 

何を思ったのか、堪えきれなくなって乾いた笑いを見せるシイナ。その悲しそうな様子にエレンも思わず彼女の名を呟く。

 

 

「私は逃げた……苦しくて、どうしようもなくて……なんで自分だけこんな強いんだろうって……強いが何でいけないんだろうって思ってたよ……でも私は変わった……吹雪の日、赤ん坊だったアスラとロンを見つけてから」

「………」

「2人が私を母にしてくれた。生きる意味を教えてくれた。この強さの有り所を教えてくれた………そうだ。だから今私はこの三王塔で、最強の頂点王としてここに立っている」

 

 

1人孤独だったシイナを救ったのは偶然見つけたアスラとロン。最初は単なる成り行きで育てただけだったが、次第にそれが生き甲斐となり、仕舞いには彼らのために頂点王になってしまう始末。

 

どれだけ溺愛していたかは計り知れない。

 

 

「ふむ……成る程。要は神に選ばれた天性の子供が、赤ん坊を見つけて母性に目覚めたと………つまらないですね。心底呆れましたよ………同情こそしますが、もうちょっと共感できるものもあると思っていましたよ………所詮貴女も人間のメスの個体と言うわけですか」

「ふふ……そりゃ私は人間のメスの個体だからね」

 

 

ウィルは彼女の返答に何を期待していたのか、わかりやすく不機嫌になる。

 

 

「………メインステップ……エイプウィップを除いた全てのスピリットのレベルを最大にアップさせます」

 

 

ー【アルケーガンダム】(3➡︎5)LV2➡︎3

 

ー【仮面ライダーウォズ】(3➡︎6)LV2➡︎3

 

ー【命の果実の精ドライアッド】(1➡︎3)LV1➡︎2

 

 

場のスピリットを壊滅させられたシイナに対して余りにも無慈悲で理不尽なレベルアップ。

 

圧倒的な戦力差を見せつけるかのようにレベルアップさせた後は当然ながらトドメを刺すべくアタックステップへと移行して………

 

 

「アタックステップ……行きなさいアルケーガンダム!」

「フラッシュマジック、リミテッドバリア!」

「!」

「これにより、このターンの間私のライフはコスト4位上のスピリットのアタックでは減らない」

 

 

颯爽と放たれる白の防御マジック。これにより、又してもこのターンでのフィニッシュを凌がれる事が確定………

 

だが、ウィルもやれる事がなくなったわけではなくて………

 

 

「アタックでライフが減らないのであれば、効果でライフを減らすだけです……フラッシュ、アルケーガンダムの効果、3コストを支払い、自身を回復。相手のデッキを6枚、手札を1枚、ライフを1つ破壊します」

「!」

 

 

ー【アルケーガンダム】(疲労➡︎回復)

 

 

ー〈ライフ4➡︎3〉シイナ

 

 

豪快に大剣を振り回すアルケーガンダム。それが巻き起こす突風がシイナの手札やデッキ、ライフを破壊して行く………

 

だがこのライフの減少はシイナが伏せていたバースト発動の条件でもあって…………

 

 

「ライフ減少後のバースト、ロード・バロン……!」

「!」

「効果でこれを召喚する」

 

 

バーストゾーンで勢いよく反転したカードは、ロード・バロンのカード。一度場に出して仕舞えばアルケーガンダムでさえも目じゃない強力なスピリットだが………

 

そんな強力なスピリットの召喚をウィルが許すはずもなくて………

 

 

「ちょっとお待ち下さい……相手のバーストが発動する時、手札にある超星使徒スピッツァードラゴンの効果を発揮!」

「!」

「手札から1コストを支払ってこのスピリットを召喚……そしてそのバーストカードを発動前に破棄」

 

 

ー【超星使徒スピッツァードラゴン】LV1(1)BP5000

 

 

眩い赤と紫の輝きの数々。それらは密集していき、次第に一体のドラゴンを形成。超星使徒スピッツァードラゴンとして場へと姿を見せる。

 

さらにその超星使徒スピッツァードラゴンの影響か、シイナの発動寸前だったバーストカード、ロード・バロンはたちまち灰となってこの場から消滅してしまう。

 

 

「さらにコアを2つこのスピリットにブースト……」

 

 

ー【超星使徒スピッツァードラゴン】(1➡︎3)LV1➡︎2

 

 

バーストを発動直前に破棄する特異なスピリット、スピッツァードラゴンを駆使して見事シイナのロード・バロンの召喚を食い止めたウィル。

 

さらには仮面ライダーウォズの効果も発揮させ………

 

 

「そして仮面ライダーウォズの効果で自身を疲労、アルケーガンダムのBPを10000アップさせ、再び貴女のライフを1つ貰います!」

「くっ………」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉シイナ

 

 

白の防御マジック、リミテッドバリアの効果が適応中であると言うにもかかわらず、効果のみで次々とライフを減らされて行くシイナ。

 

しかし彼の猛追もここまで、強制的にターンエンドを迫られる。

 

 

「………ターンエンドです」

手札:5

場:【アルケーガンダム】LV3

【仮面ライダーウォズ】LV2

【超星使徒スピッツァードラゴン】LV2

【命の果実の精ドライアッド】LV2

【エイプウィップ〈R〉】LV1

バースト:【無】

 

 

致し方なくエンドとするが、それは決してシイナが優勢に立ったわけではない。未だ状況的には絶対的に不利だ。何もできなければ間違いなく次の彼のターンで敗北を喫して仕舞う事だろう………

 

だがこれでも彼女は頂点王。かなり場数、及び修羅場を潜り抜けてきた彼女にとって、この程度の状況はヘでもない。笑顔と言う名の余裕を見せながら己のターンを進めて行った………

 

 

[ターン08]シイナ

 

 

「メインステップ……質問に答えてやった返しとして聞きたいんだけどさ……アンタなんでその黒い人達を覚醒させようとしてたわけ?」

 

 

メインステップの開始直後。今度はシイナがウィルに聞いた。

 

ウィルは少し考えるように沈黙を続けると、質問に答えるべく再び口を開く。

 

 

「…………彼らは私にとって神にも等しい存在だ。何もなかった私に救いの手を差し伸ばしてくれた………その恩はここで返さなければならない……貴女にとっての息子達が、私で言うブラックフォースのお三方だったのですよ」

「………」

「例えあの方々がこの世界を滅ぼす悪魔だとしても、私は彼らに忠誠を誓うのみ」

「成る程。それがアンタなりの礼儀ってか」

「余には都合の良い事を言っているようにしか見えぬがな」

 

 

ウィルがここで言うブラックフォースのお三方とは、アスラの中にあるオニキスを除いた3人だろう。彼らとウィルの間には何か深い繋がりがあるに違いない………

 

そんなウィルの恩から来る絶対的な忠義には共感こそするが、当然それで負ける理由にはならない。頂点王シイナは再び全力でターンを進めて行く。

 

 

「私からの質問は以上……そんじゃ、改めてメインステップ……赤のアーマー体スピリット、燃え上がる勇気、フレイドラモンをLV2で召喚だ!」

 

 

ー【フレイドラモン】LV2(6)BP9000

 

 

シイナの場で燃え上がる炎。その中からそれを消し去りながら姿を見せたのは、炎を操るスマートな竜人の戦士、フレイドラモン。彼女のお気に入りのスピリットである。

 

 

「フレイドラモンの召喚時効果、BP7000以下のスピリット1体を破壊……エイプウィップだ!」

「!」

 

 

炎を纏わせた拳で空を殴るフレイドラモン。その纏っていた炎はウィルのエイプウィップまで飛び行き被弾。瞬く間に焼き尽くして見せる。

 

 

「破壊に成功したら1枚ドロー……さらに【煌臨】……対象はこのフレイドラモンだ」

「このタイミングで煌臨……まさか」

「あぁ、そのまさかだ……現れろ赤の究極体、デュークモン!」

 

 

ー【デュークモン】LV3(6)BP18000

 

 

フレイドラモンが赤々と輝く光の中に包み込まれると、その中で姿形を大きく変換。強靭な白い鎧、槍、盾を揃え、赤いマントを靡かせる赤の究極体、聖騎士型のデジタルスピリット、デュークモンがその姿を見せた。

 

このスピリットは誰もが知る頂点王シイナのエースカードである。

 

 

「アタックステップ……行くぞデュークモン、攻撃だ……効果でシンボル2つ以下のスピリット、命の果実の精ドライアッドを破壊………ロイヤルセーバー!!」

「くっ……!」

 

 

デュークモンの槍先から放たれる全力のレーザー光線。それが木でできたドライアッドを貫き爆散させる………

 

しかし、ドライアッドを失っても尚、ウィルの場には強力なスピリット達が現在であり…………

 

 

「今更究極体を出そうとも無駄ですよ……見なさいこの私の強靭で無敵なスピリットの数々を……!」

 

 

余裕を見せるウィル。確かにこの状況は最早デュークモン単体ではどうにもできないが、シイナはそんな彼に対して反論するように言い返す。

 

 

「勘違いするな。バトスピは強いスピリットでやるモノでも、センスでやるモノでも、ましてやソウルコアでやるモノでもない………諦めない心でやるモノだ……!」

「!!」

「フラッシュチェンジ……デュークモンを対象に効果発揮!」

「なに……デジタルスピリットを対象にチェンジだと!?」

 

 

己の格言を口にすると、すぐさまカードを展開。それはデジタルスピリットには珍しいチェンジの効果。

 

その効果は頂点王のデッキの中で最強の一角。通常では考えられない程のパワーがそこには詰まっていて………

 

 

「先ずはチェンジの効果。シンボルの合計3つまで好きなだけ相手スピリットを破壊!」

「なに!?……今の私のスピリットのシンボルの合計は3つ……!?」

「そうだ。アルケーガンダム、仮面ライダーウォズ、超星使徒スピッツァードラゴン……そいつらを全滅させる!!」

 

 

シイナの背後から龍の形を象った真紅のエネルギーが吹き荒れる。それは場へと飛び行き、仮面ライダーウォズ、スピッツァードラゴン、そしてアルケーガンダムまでもを飲み込み、次々と焼き尽くして行く………

 

これでウィルの築き上げてきた盤面は壊滅。しかもその直後にチェンジの真価、入れ替え効果が発揮されて………

 

 

「そしてその後、対象のスピリットと入れ替える!!」

 

 

真紅のエネルギーは最後にシイナの場のデュークモンへと降下。そして衝突する。しかし、デュークモンはそれに焼き尽くされることはなくて………

 

 

「燃え上がれ紅蓮の聖騎士!!…真なる深い紅をその身に纏い、邪悪なる者皆照らし破れッ!!」

 

 

真紅の炎の中で、デュークモンの聖なる槍と盾、赤いマントが消失する。デュークモンの白い身体は燃えるような深い紅に染まっていき、さらには同じ色の外装が新たに所々取り付けられていく。背にはマントの代わりに10枚の白い羽が出現する。

 

 

「デュークモン、モードチェンジ!!……クリムゾンモード!!」

 

 

ー【デュークモン クリムゾンモード】LV3(6)BP21000

 

 

シイナの叫びと共にその炎を突き破って現れたのは、デュークモンの進化形態。頂点王シイナの切り札。クリムゾンモード。赤々と燃えたぎるような真なる深い紅の鎧と白い羽はこの薄暗がりな場を明るく照らしていた。

 

その存在に、ウィルは驚愕せざるを得なくて………

 

 

「……なんと美しい……こ、これがデュークモンクリムゾンモード……究極体を超えた、超究極体!!」

「余も初めて見た……これがヤツの本気か」

 

 

基本的にはデュークモンや他のスピリットだけで試合を終わらせて仕舞う頂点王シイナのバトル、クリムゾンモードの召喚はあの三王であるエレンでさえも知らぬ事であったようで………

 

 

「クリムゾンモードはチェンジの効果で回復状態……アンタのライフは3つ。これで終わらせる……神剣ブルトガング、神槍グングニル!」

「!!」

 

 

シイナがそう叫ぶと、クリムゾンモードは聖なる光の力で右手に神剣、左手に神槍を形成。それを強く握り、10枚の白き翼で飛翔して行く。

 

 

「無敵剣インビンシブルソード!」

「くっ……ライフで受けます……ぐあっ」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉ウィル

 

 

その剣撃は正に神技。

 

右手に装備した神剣でウィルのライフを斬り裂くクリムゾンモード。ウィルのそのライフは残り2となり、スピリットの全滅も相まって絶体絶命の状況に陥って仕舞うが………

 

 

「だがまだ負けない……私のライフが減った事でトラッシュのゴジラの効果、再び蘇生する!」

 

 

そう。

 

彼にはまだこの手がある。確かにゴジラならばフィジカル面を活かしてクリムゾンモードに対抗できるかもしれない………

 

だが実際は最早手遅れ、シイナはクリムゾンモードの更なる効果を発揮させて………

 

 

「出してもいいけど、無駄に終わるよ……クリムゾンモードのアタック時効果、アタックしたバトル終了時、相手のトラッシュにあるスピリットカードの数3枚につき1つ、相手のライフを破壊する」

「なッ……なんだと!?」

「アンタのトラッシュには今7枚のスピリットカード、ゴジラを出しても6枚……よって2点のダメージ………終わりだ……神槍の一撃……クォ・ヴァディス!!」

 

 

神槍を構えるクリムゾンモード。そこに赤々と輝く光を掻き集め、強烈なレーザー光線を発射。それは瞬く間にウィルのライフバリアに届いて………

 

 

「こ、これが頂点王シイナ……私の前に立ちはだかる神が用意した最後の難関…………ぐッ………ぐぉぁぁ!!」

 

 

〈ライフ2➡︎0〉ウィル

 

 

最後の一撃、クォ・ヴァディスにより全てのライフを打ち砕かれ、転げ回るウィル。彼のBパッドからは彼の敗北を告げるように「ピー……」と無機質な音声が流れて行く………

 

よってこのバトル、勝者はシイナ・メザだ。見事自分を殺害しに来たライダーハンターズの主任ウィルを返り討ちにして見せた………

 

 

「私の勝ちだ。一応身柄は拘束させて欲しいな……なんかアンタ危険だし」

「ハァッ……ハァッ………フッフ、そう言う訳には行きませんね……私は今から蘇ったであろうあの方に会いに行かねばならないのですからね………」

 

 

バトルによる敗北で流石に疲れ切ったか、息を切らしながらそう言葉を返すウィル。蘇ったあの方とはおそらくブラックフォースの誰かであろう。

 

 

「そして私は今回のバトルで掴みましたよ……貴女の攻略法を………ハッハッハ……攻略するのが楽しみだ……ハ、ハッハッハ!!……全てはブラックフォースのために!!」

 

 

そう告げながらウィルはB独自で開発したパッドのワームホール機能を使い、この場を立ち去って行く。この三王塔に頂点王シイナと三王エレンのみが取り残される………

 

 

「報告にもあったブラックフォースとか言う連中の復活と覚醒………まさかそれをヤツ1人で計画して行っていたとは………しかし、ヤツの言っている事は本当だったのか?」

「さぁ?……でも少なくとも今までのアスラ達の話からしてブラックフォースが本当にいる事は明らかだ」

 

 

ブラックフォースと言う未知な存在を見た事がないため、ウィルの言っていた事を確かめる事はできない。

 

だが、どちらにせよウィルを見過ごす事はできない。

 

 

「ライダーハンターズね……いい加減面倒くさいよなアイツ………なぁエレン」

「なんだ」

「テンドウは私が探して来るから今すぐ三王会議の手続きをして来てくれ……ライダーハンターズの壊滅に本腰を入れようか……私の息子……アスラとロンの夢の道に、アイツは邪魔だ」

「ッ……あぁ……わかった」

 

 

深みと凄みのある頂点王シイナの声色と表情に圧倒されながらも頷くエレン。

 

遂にライダーハンターズ達との最終決戦、その下準備が始まろうとしていた…………

 

 

 




〈今回判明した事まとめ〉
・ウィルがライダーハンターズを結成したのはブラックフォースを覚醒できるカードバトラーを集めるため
・オロチは27コア、イバラは46コアでそれぞれブラックフォースを覚醒。トゥエンティもまた51コアでブラックフォースに取り込まれている。
・アスラとロンの誕生日は12月18日。これはこの小説が始まった記念すべき日でもあります。

******

最後までお読みくださりありがとうございました!!

最近は意味のわからない描写が増えて来ていると思いますが、当然ながら話が進むにつれて説明がありますので、是非余す事なくお読みになって欲しいです!

それでは次回も頑張りますのでお楽しみにお待ち下さい!
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