バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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55コア「カブトVS黒の頂点」

いざ、決戦の時来たる。

 

ここは王国の外から離れた辺境。

 

茂る密林の中、聳え立つのはボロボロで崩れ去った城壁。紛れもなくそこはライダーハンターズの隠れ家。

 

そんな隠れ家の目の前に、アスラ、ロン、エール、テンドウ、エレンのライダーハンターズ討伐メンバーはいた。

 

 

「ここがライダーハンターズの隠れ家………」

「なんか如何にもって感じの場所ね」

「どちらにせよ、ここにトゥエンティ達がいるんだろ……なら、行くっきゃねぇ」

「待てよ元気小僧」

 

 

アスラが先走ってその城壁内に侵入しようとするが、それを三王テンドウ・ヒロミが言葉で制止させる。

 

 

「何も考え無しに突っ込んでいくんじゃねぇ。打ち合わせ通り、ここは二手に分かれる。三王組とクソガキ組にな」

「呼ばれ方ヒドイ!!」

「貴様、エールまでクソガキ呼ばわりする気か」

「まぁいいじゃねぇかツンデレお兄様」

 

 

淡々と作戦の内容を確認するテンドウ。エールまでクソガキ呼ばわりされては黙っていられないエレンは耳打ちで脅しにかかる。

 

テンドウはそんな彼を軽く受け流すと無愛想な表情で作戦の説明に戻る。

 

 

「いいかクソヤロー共、敵は2人。あのちょび髭紳士とオブシディアンに身体を乗っ取られたトゥエンティだ……ただの人間のちょび髭紳士は兎も角、ブラックフォースのオブシディアンは化け物だ。だからクソガキ組はバトルするなら極力ちょび髭紳士と戦え、トゥエンティはオレらに任せろ」

「了解であります!!」

 

 

気合が入ったかのように敬礼するアスラ。ロンとエールもその作戦には賛同なのか、無言で首を縦に振った。

 

 

「よし、行くぞ皆の者……奴らを駆逐し、王国に平和を齎す」

 

 

エレンがそう言い放つと、5人は二手に分かれて行動をしようとしたが………

 

その時だ。トゥエンティの身体を乗っ取ったオブシディアンでもライダーハンターズ主任のウィルでもない………

 

しかしそれでいてアスラにも聞き覚えのある声が聞こえて来たのは………

 

 

「ねぇ。その作戦に僕の討伐予定はあるの?」

 

 

ー!!

 

 

誰もが思わず背後を振り返る。そこには満面の笑みを浮かべた癖毛且つ金髪の青年がいた。

 

アスラが忘れるわけがない………

 

その青年は紛れもなく…………

 

 

「オマエ、フリソデ!?」

「フッ……僕の事、覚えてたんだなコモンのドブネズミ」

「ミラーワールドに居たヤツか」

「でもなんで今度はここに!?」

 

 

そう。その名もフリソデ。

 

ミラーワールドでシスイ・メイキョウに従い、アスラやロンと戦いを繰り広げた。結果は敗北してしまい、そのまま姿を眩ましてしまったが………

 

今、こうして再び彼らの前に立ち塞がっている。

 

 

「このもじゃもじゃ金髪誰?」

「フリソデ……確かミラーワールド事件の話で聞いた、シスイ・メイキョウの付き人だった男だ……だがヤツが何故」

 

 

三王の2人もフリソデの存在を疑問視する中、偉そうな態度で彼はそれを説明する………

 

 

「僕が何故ここにいるかって!?……そんなの決まってるじゃないか、復讐するためだよ、僕をコケにした君たちにね!」

「!」

「そのために僕はウィルさんに懇願し、力を手に入れた……そして手に入れた力がこのブラックフォース、シャーマンだ!!」

「な……オマエもブラックフォースを中に!?」

「あぁ。オマエと同じだよドブネズミ。これで対等………対等であればこの僕が君なんかに負けるわけがないんだ」

 

 

ブラックフォースのシャーマンをその身に宿していると言うフリソデ。

 

余程ミラーワールドでオニキスの力を使ったアスラに負けたのが悔しかったのだと思われる。

 

 

「この先にいるウィルさん達に会いたいんだったら、先ずはこの僕を倒す事だね……まぁ、そんな事、運命が捻じ曲がっても不可能だけど」

「くっ……やるしかねぇのか!?」

 

 

正直、フリソデとはバトルをやりたくないアスラ。あの日、突然消えてしまった彼の身を案じていたがためだ。

 

しかし、ブラックフォースをその身に宿す者同士、ここは自分がやるしかないと痺れを切らし、懐からBパッドを取り出そうとするが………

 

その前にBパッドを展開したのは、他でもないモビルスピリットの三王エレン・オメガだった。

 

 

「待てコモン。ここは余が引き受ける」

「ッ……エールの兄ちゃん!?」

「お兄様!?」

「フリソデ。この余が相手になろう……心して掛かって来るがいい」

「へ〜〜…この国のエックスで三王のアンタが相手か……これはこれは光栄だね」

 

 

フリソデもまたエレンに対して己のBパッドを展開。バトルの準備を行う。

 

 

「簡単な話だ。敵は2人ではなく3人だったと言う事……ここは先に行け、三王組はテンドウ1人になるが、まぁ良かろう。貴様はどうせ死なん」

「へ、わかってるじゃねぇかツンデレお兄様……よし、ここはこいつに任せて先に行くぞクソヤロー共」

「お、おうっす!…ありがとうございますエールの兄ちゃん!!」

「貴様に礼を言われる筋合いはない」

 

 

囮作戦に移行する討伐計画。どちらにせよブラックフォースの相手をアスラ達には任せられないため、エレンかテンドウに任せるのが的確と言える。

 

皆が城壁へと入っていく中、最後にエールがエレンに向かって言葉を発し………

 

 

「お兄様……どうかご無事で!!」

「なッ……!?」

 

 

走りながらだが、何気ない妹のその一言に不意を突かれるエレン。声が可愛すぎて一瞬失心仕掛け、クラクラする。

 

その後、ようやくエレンと2人きりになったところでフリソデが彼に語りかけてきた。

 

 

「おいおいどうした三王でエックスのいけすかないエレン様。足元がふらついてるぜ」

「フッ……そう見えたのなら、この勝負、この時点で貴様の負けだ落ちこぼれ………余は今、幸せの絶頂に立っている……さっさと終わらせ、余も城壁に足を踏み入れる!!」

「あぁそう………行けるといいね〜」

 

 

そう言葉を言い合いながらバトルの準備を終えていく2人のカードバトラー………

 

そして………

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

コールと共に2人のバトルスピリッツが幕を開ける。そしてこの戦いこそがこれから続く死闘の始まり…………

 

黒の力を有するブラックフォース、シャーマンをその身に宿したフリソデに、エレンは勝利する事ができるのか…………

 

 

******

 

 

崩れ去っている城内の中、作戦通りアスラ達と分かれ、テンドウはただ1人走っていた。

 

目的はライダーハンターズの討伐、もとい確保。だがそれと同時にテンドウには熟さなければならない責務があって………

 

 

「やぁ、汝が三王のテンドウとか言う者か?……思ってたよりも随分と体が厳ついんだな」

「馬鹿弟子……いや、ブラックフォースのオブシディアンか、テメェに一番会いたかったぜ……!」

「ほぉ。そこまで知っているなら話は早い……もらおうか、カブトの力を」

 

 

彼を待ち受けていたのはオブシディアンに身体を乗っ取られたトゥエンティ。

 

先程のフリソデと言い、どうやらオブシディアン達は彼らが攻めに来る事を知っていたようだ。そしてそんなオブシディアンが求めているのはテンドウを選んだライダースピリット、カブト。

 

 

「やる気になってくれるならこっちとしてもありがたいぜ。その身体は返してもらわないとな………オレは別にどうでもいいんだけど、生憎、そいつの帰りを求めているヤツがいるもんでな」

「ザザザ………テンドウ・カナの事か」

「!!」

「そう驚くな。私はこの身体の記憶を全て覗いた。大した男だよ、この肉体も、汝もな」

「男の記憶覗いたのかよ、まさかそう言う趣味?……ひくわー」

 

 

どんな時でも緊張感のないテンドウ・ヒロミ。最大の黒と呼ばれているオブシディアンを前にしてもまだ余裕である。

 

だが、それは決して油断しているわけではない………

 

 

「ザザザ……見た通り、減らない口だ……来い、もらうぞその力!!」

「取れるモンなら取ってみやがれこの乗っ取り野郎……オレからこれ以上何も取れると思うなよ?」

 

 

互いを牽制し合いながらデッキとBパッドをセットする両者。バトルの準備を終えると口を揃え………

 

 

………ゲートオープン、界放!!

 

 

戦闘開始の合図を行う。奪うため、奪い返すため行われたバトルスピリッツ。

 

先行はテンドウ・ヒロミだ。トゥエンティの身体を取り戻すべくそのターンを進めていく。

 

 

[ターン01]テンドウ

 

 

「メインステップ、ネクサス、カブトエクステンダーを配置してターンエンド」

 

 

ー【カブトエクステンダー】LV1

 

 

テンドウのすぐ横に赤いバイク型のマシーン、カブトエクステンダーが配備される。これは彼の操るライダースピリット、カブトのデッキでは欠かせない存在である。

 

先行の最初のターンでできる事は精々この程度。テンドウはそのターンを終えると、今度はトゥエンティの身体を乗っ取っているブラックフォース最強のオブシディアンがそのターンを行なっていく。

 

 

[ターン02]オブシディアン

 

 

「メインステップ……ザッザ……仮面ライダーWサイクロンジョーカーを召喚、効果でコアブースト」

 

 

ー【仮面ライダーWサイクロンジョーカー】LV1(1)BP2000

 

 

………サイクロン、ジョーカー!!

 

 

勇ましい音声と共に、突如として現れた紫電纏う竜巻の中から右半身が緑、左半身が黒のライダースピリット、Wサイクロンジョーカーが姿を見せた。

 

 

「さらにネクサスカード、パンドラボックス……これを手札から2枚連続配置、不足のコアはサイクロンジョーカーから確保、よって消滅」

 

 

ー【仮面ライダーWサイクロンジョーカー】(1➡︎0)消滅

 

 

ー【パンドラボックス】LV1

 

ー【パンドラボックス】LV1

 

 

すぐさま消え失せるWサイクロンジョーカー。しかしそれを糧として火星の力が込められた小箱、パンドラボックスが2つ出現。

 

 

「最後にバーストを伏せてターンエンド……汝のターンだ」

手札:1

場:【パンドラボックス】LV1

【パンドラボックス】LV1

バースト:【有】

 

 

動けるだけ動かし、そのターンをエンドとするオブシディアン。再びテンドウにターンが渡る。

 

 

[ターン03]テンドウ

 

 

「メインステップ……そんじゃいっちょやりますか……変身!!…仮面ライダーカブト!」

「!」

 

 

ー【変身!!仮面ライダーカブト】LV1

 

 

テンドウの腰にベルトが巻かれ、そこに赤いカブトムシ型のメカが装着される。そしてテンドウは掛け声と共に赤きライダースピリット、仮面ライダーカブトに変身した。

 

 

「ほう。それが仮面ライダーカブト……だが所詮一ライダーの力では複数のライダーを操る力を持つ私のジオウには敵わない」

「あぁ、ジオウってオマエのカードなの……オレゃあてっきりあの髭紳士のカードだと思ったたぜ、神託の効果でデッキから3枚をトラッシュ、対象カード1枚につきコアを1つオレに追加」

 

 

ー【変身!!仮面ライダーカブト】(0➡︎3)LV1➡︎2

 

 

対象カードの枚数は3枚。変身のカードにコアが3つ追加される。その後、薄気味悪い笑顔を浮かべながらオブシディアンはジオウについて話し………

 

 

「そう。ジオウとは本来この私オブシディアンのカード……この世界に来る時に大半の力を失ったのでね、ウィルに頼み、見合った器を探してもらうと同時にジオウの力を少しずつ戻してもらっていたのだよ。無論、ライダースピリットを集める事でね」

「成る程、だからライダーハンターズを名乗ってライダースピリット集めをさせていたわけね………んでその過程の中で他のブラックフォースも次々復活したと」

「察しが良くて助かるよ」

「わかりやすい説明ごくろーさん。取り敢えずオレの馬鹿弟子が愚かだって事はわかったわ」

 

 

トゥエンティは最初からオブシディアンの器にされる予定であった。

 

無論、本人はそれを知らず、本気で恋人であるカナの病気を治してもらえると信じて止まなかった。結果、予定通り20枚のライダースピリットを集め、ジオウ本来の力を取り戻してしまった挙句、オブシディアンの器になった。

 

 

「ザザザ……本当に愚かで健気だよこの器は。お陰でこんなに早く力を取り戻せた」

「………カブトマスクドフォームを召喚!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトマスクドフォーム】LV1(1)BP2000

 

 

重厚な鎧を見に纏うカブトの最初の形態、マスクドフォームがその姿を見せる。神託により変身した自身にコアを置くとテンドウはその効果を使用する。

 

 

「召喚時効果。3枚オープンしてその中の対象カードを手札に加える……オレはこの2枚を手札に加えるぜ」

「ザザザ……ならその召喚時効果に対してのバースト、双翼乱舞を発動……効果で2枚のカードをもらう」

 

 

テンドウがマスクドフォームの効果で手札のカードを手札に加えると同時にオブシディアンの場に伏せられたバーストカードが反転、双翼乱舞で彼もまた2枚のカードを得る。

 

 

「アタックステップ、その開始時にネクサス、カブトエクステンダーの効果でトラッシュのコア2つをマスクドフォームに」

 

 

ー【仮面ライダーカブトマスクドフォーム】(1➡︎3)LV1➡︎2

 

 

テンドウはトラッシュのコアを回収しつつスピリットのレベルを引き上げる。そしてそのままアタックステップは続行させて………

 

 

「アタックステップ続行、行って来いやマスクドフォーム」

「ライフでもらおうか………ッ」

 

 

〈ライフ5➡︎4〉オブシディアン

 

 

マスクドフォームの重厚な拳の一撃がオブシディアンのライフバリアを玉砕。見事先制点をもぎ取った。

 

 

「ターンエンド」

手札:5

場:【仮面ライダーカブトマスクドフォーム】LV2

【変身!!仮面ライダーカブト】LV2(4)

【カブトエクステンダー】LV1

バースト:【無】

 

 

こちらもできる事は全てより終え、ターンを返す。どこまでも嘲笑うかのような余裕の笑みを浮かべ続けているオブシディアンにターンが巡る。

 

 

[ターン04]オブシディアン

 

 

「メインステップ……第二の仮面ライダーWサイクロンジョーカーを召喚する」

 

 

ー【仮面ライダーWサイクロンジョーカー[2]】LV1(1)BP4000

 

 

再び姿を見せる仮面ライダーWサイクロンジョーカー。しかしその効果は前のターンに呼び出されたモノとは異なる。

 

 

「召喚時効果、リザーブにコアを1つ追加し、相手の手札が5枚以上ならさらに1つトラッシュに追加」

 

 

今現在、テンドウの手札はちょうど5枚。よってオブシディアンはその効果で一気に2つのコアを増やす。

 

 

「3枚目のパンドラボックスを配置し、バーストをセット。さらにマジック、フォースブライトドロー……デッキから手札が4枚になるようにドロー、私の手札は1枚、よって3枚のカードを新たにドローする」

 

 

ー【パンドラボックス】LV1

 

 

止まらないカードラッシュ。

 

次々と場のカードとコアを増やし、手札を補い続けるオブシディアン。しかしそれは彼自身のデッキではなく、トゥエンティがライダーハンターズとして少しずつ積み上げ、築き上げて来たものであって………

 

 

「ザザザ……良いデッキだ、アタックステップ。第二のサイクロンジョーカーで攻撃しようか」

「……そりゃ馬鹿弟子にはオレのデッキ構築技術の全てを教えて叩き込んでやったからな………ライフで受ける………ッ」

 

 

ー〈ライフ5➡︎4〉テンドウ

 

 

サイクロンジョーカーによる風に乗せた拳の一撃がテンドウのライフバリア1つを砕く。

 

ブラックフォースのオブシディアンの影響でダメージの威力が通常よりも跳ね上がっているため、激痛がその身体に走っているはずだが、テンドウの表情は何一つ歪む事はない。

 

 

「ターンエンド。汝の番だ不潔男」

手札:4

場:【仮面ライダーWサイクロンジョーカー[2]】LV1

【パンドラボックス】LV1

【パンドラボックス】LV1

【パンドラボックス】LV1

バースト:【無】

 

 

「人の身体奪ってるヤツに不潔言われたかねぇんだが」

 

 

ライフの差は対等となり、再びライダースピリットを司る三王、テンドウのターンが始まる。

 

 

[ターン05]テンドウ

 

 

「メインステップ、カブトライダーフォーム、ブレイヴカードカブトクナイガンを召喚。オレに神託し、そのまま合体する」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】LV1(1S)BP7000

 

 

変身したテンドウと全く同じ姿をしたライダースピリット、カブトライダーフォームが出現、武器であるカブトクナイガンをその手に握る。

 

 

「アタックステップ。開始時にカブトエクステンダーの効果でトラッシュのコア2つをライダーフォームに、よってLVアップ」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】(1S➡︎3S)LV1➡︎2

 

 

再びバイク型マシーン、カブトエクステンダーの効果が適用。ライダーフォームもまたそのLVが引き上げられる。

 

 

「アタックステップ続行。ライダーフォームでアタック、合体しているカブトクナイガンの効果でトラッシュのもう一個をこのスピリットに追加、さらにライダーフォームの【クロックアップ】……ソウルコアをリザーブに置き、このバトル中相手はブロックできない」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】(3S➡︎3)

 

 

カブトライダーフォームが目で捉えることもできないほどの速度で地を駆ける。そもそもブロックができないオブシディアンはこれをライフで受ける他はない。

 

 

「ライフだ………ッ」

 

 

〈ライフ4➡︎2〉オブシディアン

 

 

カブトクナイガンのクナイモードでそのライフバリアを一気に2つ切り崩す仮面ライダーカブトライダーフォーム。残りライフもまた2つ。テンドウが圧倒的優勢に立ったかに見えたが………

 

このタイミングでオブシディアンの伏せていたバーストが反転して………

 

 

「ライフ減少後のバースト、絶甲氷盾!!」

「!」

「ザッザ、効果で私のライフ1つを回復……コストを支払いアタックステップも終了させる」

 

 

〈ライフ2➡︎3〉オブシディアン

 

 

ライフが回復すると共に場に猛吹雪が発生。これによりテンドウの攻撃の手は止まらざるを得ない。

 

 

「ターンエンド」

手札:4

場:【仮面ライダーカブトマスクドフォーム】LV2

【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】LV2

【変身!!仮面ライダーカブト】LV2(5)

【カブトエクステンダー】LV1

バースト:【無】

 

 

滞りなく進まないライフの破壊。テンドウがターンを終えると、またオブシディアンのターンが幕を開ける………

 

散々溜まったコアの数々を使い、彼が何か仕掛けてくるのは明白であり………

 

 

[ターン06]オブシディアン

 

 

「メインステップ……時は満ちたぞ強き人間」

「何そのイタイ台詞。ひょっとして厨二病?」

 

 

明らかに様子が変わるオブシディアン。こんな時でも緊張感のないテンドウだが、それは歴戦を潜り抜けてきた三王であるが故………

 

ただ、そんな彼を前にしても一切臆す事なくオブシディアンはそのカードを切り、Bパッドへと叩きつける。

 

 

「歴戦の力を統べる孤高の魔王よ………今ここに顕現せよ!!……オーマジオウ!!」

「!!」

 

 

………祝福の時!!

 

………最高最善!!

 

………最強王!!!

 

 

ー【仮面ライダーオーマジオウ】LV2(3)BP30000

 

 

地獄の門でも開かれたかのような獄炎が地を這って行く。その中心で確かな力の根源が姿を見せた。

 

その名は仮面ライダーオーマジオウ。

 

トゥエンティの使用していた仮面ライダージオウの最強の形態であり、尚且つライダースピリットを統べる存在……これなくしてライダースピリットはない。

 

 

「おいおいマジかよ、ちょっとBP30000は洒落にならんぜ……これホントにジオウ?」

「あぁ、ジオウさ。そしてこれが本来の姿……トゥエンティが使っていたジオウはこれの単なる残滓に過ぎない……召喚時効果、コスト20以下のスピリット1体を破壊する!」

「!」

「消え去れカブトライダーフォーム!」

 

 

ライダースピリットの頂点に立つ存在オーマジオウ。カブトライダーフォームに向けて掌から黒い衝撃を解き放つ。一ライダースピリットに過ぎないカブトライダーフォームがその攻撃に耐えられるわけはなく、あっさり爆散してしまった。

 

合体していた武器、カブトクナイガンはブレイヴの性質により地面に突き刺さり場に残る。

 

 

「3枚のパンドラボックスのLVを2に上げ、バーストセット……アタックステップ、オーマジオウで攻撃する」

 

 

強力な召喚時効果を発揮した束の間、そのオーマジオウで攻撃を仕掛けて来る最強のブラックフォースオブシディアン。

 

そしてここでオーマジオウ第二の効果が起動する………

 

 

「フラッシュ……オーマジオウのアタック時効果、ライダースピリットの【チェンジ】効果を1コスト支払って発揮できる」

「なに……!?」

「私は仮面ライダービルドラビットタンクハザードの【チェンジ】効果を使用し、BP14000以下のスピリットを全て破壊する!!」

「ぐっ……!」

 

 

オーマジオウが両掌を天に翳すと赤と青の竜巻が巻き起こり、テンドウの場を荒らしていく。マスクドフォームと場に残ったカブトクナイガンはそれに巻き込まれライダーフォームと同様に爆散して行った。

 

ビルドラビットタンクハザードの【チェンジ】の効果は本来であれば7コストもの負荷がかかる大技。しかしこのオーマジオウさえいればそれはただの1コスト………この力こそ、ライダースピリットの原点に相応しい効果であると言えて………

 

 

「その後1枚ドロー……ザッザ……これがライダースピリットの原点にして頂点!!……赤と紫のダブルシンボルの一撃を受けるがいい!」

「………ライフで受ける………ぐ、ぐぉぉ!!」

 

 

〈ライフ4➡︎2〉テンドウ

 

 

カブトライダーフォームを葬り去った黒い衝撃が再び放たれ、テンドウのライフバリアが2つ砕け散る。本気を出したブラックフォースによる多大なダメージに流石にタフなテンドウも声を荒げてそのダメージを物語らせる。

 

 

「ターンエンド………そうだこの力だ……ようやく、ようやく私はあの時の力を取り戻したのだ!!」

手札:3

場:【仮面ライダーオーマジオウ】LV2

【仮面ライダーWサイクロンジョーカー】LV2

【パンドラボックス】LV2

【パンドラボックス】LV2

【パンドラボックス】LV2

バースト:【有】

 

 

「なんか穏やかじゃなくなって来たな……ライダースピリットを統べる王ね………王はあのチンチクリン頂点王だけで十分だぜ」

 

 

王や頂点と言う言葉を聞き、頂点王であるシイナの顔が脳裏に浮かぶテンドウ。実際は絶体絶命の状況でありながら、平然とした様子で己に巡って来たターンを進めていく。

 

 

[ターン07]テンドウ

 

 

「メインステップ……そう言えやよオマエは結局の所力なんか取り戻して何がしたいわけ?」

 

 

メインステップ開始直後。テンドウがオブシディアンに聞いた。未だに見えてこない彼らの目的が何かを探ろうとしているようだ。

 

 

「ザザザ……言えないな、まぁ直にわかる事だ。そう気にするな」

「気にもするさ……そりゃだって今からテメェはオレに負けて消えるんだからな」

「!!」

 

 

そこまで言い切ると、テンドウは手札のカードを己のBパッドに叩きつけていく………

 

 

「第三のカブトライダーフォームを召喚!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム[3]】LV2(6)BP5000

 

 

新たに現れたのは3の名を持つカブトライダーフォーム。そしてこれはライダースピリットを司る三王であるテンドウ・ヒロミの必勝パターンの第一歩でもある。

 

 

「オレに神託し、召喚時効果、5枚オープンして対象のカブトを手札に加える!…待たせたな、オレはこの第二の仮面ライダーカブトハイパーフォームを手札に加えるぜ!」

「……ハイパーフォーム……!?」

 

 

召喚時効果のサーチも当然成功。テンドウの行動はまだまだ続き………

 

 

「メインステップ中に【煌臨】を発揮、対象は第三のカブトライダーフォーム……この時、第三のカブトライダーフォームは自身の効果でコスト6となる」

「コストを変更して無理矢理煌臨の対象にしただと……!」

「今目にモノを見せてやるぜ乗っ取り真っ黒ヤロウ………本当に一番強いライダースピリットがどっちなのかをな!!……来い、第二の仮面ライダーカブトハイパーフォーム!!」

 

 

テンドウがソウルコアを支払い、スピリットを進化させる効果、煌臨を発揮させる。

 

カブトの左腰にカブトムシ型のマシーンが新たに装着。カブトはそれに備わっているレバー式の角を下に倒すと…………

 

 

………ハイパーキャストオフ!!

 

 

と、音声が流れ、カブトはライダーフォームの姿でさらにキャストオフを行う。

 

そして仮面ライダーカブトは最終形態である最強の姿、仮面ライダーカブト ハイパーフォームへと進化を遂げた………

 

 

ー【仮面ライダーカブトハイパーフォーム[2]】LV3(6)BP14000

 

 

「煌臨によりまた神託」

「ザザザ……それが汝のライダースピリットの最強の姿か。いいだろう、その力、存分に私に振るえ」

「言われなくてもやってやるよ、それはテメェの身体じゃねぇんだ……一々小刻みに口を開くな」

 

 

カブトの最強の姿、ハイパーフォームの登場。それはより2人のバトルを加速させるのは間違いない事であって………

 

そして今、テンドウ・ヒロミが本腰を入れて王国のため、妹であるカナのため、最強のブラックフォース、オブシディアンに殴りかかっていく。

 

 

「アタックステップ!!……第二のハイパーフォームでアタック!!…その効果でオレはエクストラターンを得る!!」

「ッ……なに、エクストラターン……もう一度貴様のターンを行うと言うのか!?」

 

 

最強のオブシディアンでさえも驚愕せざるを得ない無敵の効果エクストラターン。テンドウはこの時点でこのターンのエンド時に二度目のターンを行える。

 

しかし………

 

 

「だが、そのライダースピリットのシンボルはたかが1つ!!…二度のターンを得ても私の3つのライフを潰える事は不可能!!」

 

 

そう。今のカブトハイパーフォームでは二度のターンで二度の攻撃を行ってもオブシディアンの3つあるライフを全て破壊する事は不可能…………

 

ただし、それはテンドウがその後に何もしない事に限る。

 

 

「馬鹿かオマエ、この後味の良いスパイスを加えるに決まってんだろ……フラッシュチェンジ、第一のカブトハイパーフォーム!!」

「!!」

「効果で第二のWサイクロンジョーカーを破壊し、回復状態で第二のハイパーフォームと入れ替える!」

 

 

足元から塵と化し、消え行くWサイクロンジョーカー。

 

そしてすぐさまハイパーフォームの手にエネルギー剣が握られると、そこにサソリ、ハチ、トンボ型のメカが飛び交い、次々と装着されていった。

 

これこそハイパーフォームの必殺剣。三王たるテンドウ・ヒロミの真の切札。

 

 

「第一のカブトハイパーフォームの【ハイパークロックアップ】でテメェはブロックできず、フラッシュタイミングで効果を発揮する際に3コストを余分に支払わねぇと使えない!」

「……アンブロック効果……オマケにコスト負荷を」

「さらにさらに変身したオレの【神技】!!……コア3つをボイドに置き、このバトル中、第一のカブトハイパーフォームのシンボルを赤の2つにする!!」

 

 

ー【変身!!仮面ライダーカブト】(7➡︎4)

 

 

変身したテンドウの強力な神技も発揮。これでこのバトルのみであればハイパーフォームは一撃で2点のライフを破壊できる強打者となった。

 

現在、オブシディアンの場はオーマジオウのみだが、【ハイパークロックアップ】の効果でブロック宣言が封じられている上に疲労状態のため、そもそもブロックができない。

 

つまりこの一撃は残り3つのライフで受ける他なくて…………

 

 

「くっ……ライフで受ける…………ぐ、ぐぁっ!!」

 

 

〈ライフ3➡︎1〉オブシディアン

 

 

多大なエネルギーを内包した剣を握りしめ、そのままオブシディアンのライフを斬り裂いていく第一のハイパーフォーム。そのライフ数を一気に残り1まで追い込んでみせた。

 

チェンジにより回復しているため、そのまま再度攻撃し、決着をつける予定だったテンドウだが…………

 

その宣言の前に奇しくもオブシディアンのバーストが勢いよく反転して見せて…………

 

 

「………ライフ減少によりバースト発動、絶甲氷盾!!」

「!」

「効果で再びライフを回復し、フラッシュ効果でこのターンのバトルは終了する!」

 

 

〈ライフ1➡︎3〉オブシディアン

 

 

バースト発動と共に回復していくライフ。しかもその後にテンドウのアタックステップを無理矢理終了させる。

 

本来であればこれはかなり隙のない効果。食らえば一溜まりもなくターンを明け渡さざるを得ない。

 

しかし…………

 

テンドウのカブトが持つエクストラターン効果はそれさえをも軽く凌駕する。

 

 

「エンドステップ!!……ワハハハハ!!!無駄だぜ、第二のハイパーフォームで得たエクストラターンでその効果は実質無効だ!!」

「ぬぅ………!!」

 

 

テンションがハイになっているのか、笑い方が最早オブシディアン以上に悪役になって来ているテンドウ。

 

まさか1人の人間がここまで脅威的なスペックを誇るライダースピリットを所有し、使いこなしているとは思ってもいなかったのか、らしくもなくその顔を歪ませるオブシディアン。

 

それ程までにこのテンドウと言う人間が凄まじいとも取れる。

 

 

[ターン08]テンドウ

 

 

「エクストラターンで得たターンはコアステップとメインステップが行えねぇ、そのままアタックステップ!!……行って来いや第一のハイパーフォーム!!……変身したオレの神技で再びダブルシンボルにしてやる!!」

 

 

ー【変身!!仮面ライダーカブト】(4➡︎1)LV2➡︎1

 

 

すぐさま第一のハイパーフォームで攻撃を仕掛けるテンドウ。オブシディアンの残りライフは2つであるため、変身の効果と合わせてこの一撃で終わり…………

 

とは、そう簡単にはいかなくて…………

 

 

「フラッシュマジック、ブリザードウォール!!」

「!!」

 

 

突然のフラッシュ宣言、オブシディアンは第一のハイパーフォームの【ハイパークロックアップ】の効果で3コストを余分に支払い、強引に手札からカードを切ってみせた。

 

すると、場全体に猛吹雪、所謂ブリザードが吹き荒れて………

 

 

「効果によりこのターン、アタックによるライフダメージは1となる!!……それはライフで受ける!!」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉オブシディアン

 

 

再びエネルギー剣でオブシディアンのライフを斬りつける第一のハイパーフォームであったが、ブリザードウォールの影響でそれを軽減されてしまい、そのダメージを最小限に抑え込まれてしまう…………

 

 

「ザザザ………成る程、汝の技術、そしてライダースピリットの強さは理解できたぞ………だが……」

「……ターンエンドだ」

手札:5

場:【仮面ライダーカブトハイパーフォーム】LV3

【変身!!仮面ライダーカブト】LV1

【カブトエクステンダー】LV1

バースト:【無】

 

 

まるで今までの苦しい表情がウソであったかのように嘲笑するオブシディアン。

 

そして三王テンドウ・ヒロミの必勝パターンであった第二、第一のハイパーフォームによる連携攻撃をも凌ぎ切り、再び彼にターンが巡ってくる………

 

 

[ターン09]オブシディアン

 

 

「メインステップにバーストを伏せ、アタックステップ!!…オーマジオウでアタックする!」

 

 

すぐさまバーストだけを準備すると、残り2つのテンドウのライフを討つべくオーマジオウを出撃させる。そしてこのタイミングでもその強力無比な力を発揮させて…………

 

 

「アタック時効果、フラッシュタイミングでライダースピリットのチェンジを使い1枚ドローする!!……先ずは仮面ライダーオーズプトティラコンボ!!…効果でハイパーフォームを破壊!!」

「!!」

 

 

オーマジオウがハイパーフォームに向けて手を翳すと、そここら紫のオーラでできた恐竜達の顎が発射される。ハイパーフォームは避けられずそれに直撃。噛み砕かれて爆散してしまう…………

 

 

「さらに使うぞ!!……仮面ライダー鎧武イチゴアームズ!!…トラッシュのコア1つを我がライフに!!」

「あらあら回復まですんの?……それはちょいと穏やかじゃないな」

 

 

〈ライフ1➡︎2〉オブシディアン

 

 

場を荒らすだけに終わらず己の減ったライフまでもを補うオブシディアン。全く隙のない戦術にテンドウは内心では余裕な表情を見せながらもピンチであるのを理解しているのか、冷や汗がその顔からは流れている。

 

だが、オブシディアンの猛攻はまだまだこんなモノでは終わらなくて………

 

 

「まだ終わらない!!……マジック、ゴッドブレイク!!…その効果で汝の変身を強制的に解く!!」

「なに!?」

「ザザザ……神をも砕くその一撃、食うがいい!!」

 

 

オブシディアンが次に放ったのは1枚のマジックカード、しかしそれは創界神ネクサスを破壊すると言う奇怪且つ強力なモノ。

 

当然ながら変身のカードもまた創界神ネクサスの一種………

 

その影響を受ける事になる。

 

カブトに変身したテンドウに神をも砕く鉄槌が降り注ぎ…………

 

 

「ぐっ………ぐぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

それをまともに受けたテンドウは赤きライダースピリット、カブトの変身を強制的に解除されつつ、人体に多大なダメージが与えられてしまう。

 

辛うじて倒れずに立ち上がっているが、飽くまでも辛うじて………

 

彼がいくらアスラやトゥエンティ以上にタフな男であるとは言え、これ以上のバトルを続ける事は…………

 

 

「ザザザ……その後1枚ドロー………流石だな、まだ立つだけの力があるか」

「あぁ……こう見えて結構しぶとい性格してるんでな……その身体返してもらうまで、オレは倒れないぜ」

 

 

三王の1人として、そしてトゥエンティの師として気力を振り絞って立ち上がり続けるテンドウ………

 

しかし、そんな彼を嘲笑うかのようにオブシディアンは顔を歪ませて………

 

 

「確かに汝は強い。バトルの技術も、戦術も、どんな状況でも冷静さを忘れない卓越された精神力でも私は汝に劣っているのだろうな」

「…………」

「だが、たった1つ………たった1つの力の差で汝はこの私には勝てない!!……黒の力と言う絶対的な力が私にある限り!!……トドメだ、オーマジオウ!!」

 

 

埋まる事はできない絶対的な力の差………

 

確かに存在するそれを見せつけつつ、オーマジオウにトドメを命じる最強のブラックフォースオブシディアン。

 

だがテンドウはその表情に一点の曇りを見せず、余裕の佇まいで手札にあるカードを切ってみせ…………

 

 

「フラッシュマジック、リミテッドバリア!!」

「なに!?」

「このターンの間コスト4以上のスピリットのアタックではオレのライフは減らない………その攻撃は当然ライフだ!!」

 

 

〈ライフ2➡︎2〉テンドウ

 

 

オーマジオウの拳の一撃。それはテンドウの残り2つのライフを容易く木っ端微塵にできる程のパワーを秘めていたが、咄嗟に放たれたテンドウのリミテッドバリアがそれを凌ぐ。

 

そしてその防御を回避する手段が今のオブシディアンにはなくて………

 

 

「………ザザザ、まぁいい。その程度の防御マジック、一時的な延命に過ぎん………ターンエンドだ」

手札:5

場:【仮面ライダーオーマジオウ】LV2

【パンドラボックス】LV2

【パンドラボックス】LV2

【パンドラボックス】LV2

バースト:【無】

 

 

「へっ…… ウチのバアさんが言ってたぜ、そう言う事言う奴は大体次のターンに負ける。盛大な死亡フラグご苦労さん、一級死亡フラグ建築士真っ黒黒介……!!」

「ザッザ……戯言だな。不可能だ……私の黒の力を凌駕する程の力を汝は持たない!!」

 

 

どちらにせよ、これがテンドウに巡ってくる最後のターンである事に違いはない。

 

己の命をも賭けたテンドウの渾身のターンが開始される…………

 

 

[ターン10]テンドウ

 

 

「メインステップ!!……第三のライダーフォームを再召喚!!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム[3]】LV2(4)BP5000

 

 

現れたのは前のターンに煌臨元となり、チェンジの効果で手札へと戻っていた第三のカブトライダーフォーム。

 

 

「召喚時効果で5枚オープン。その中のカブトのカードを1枚手札に………オレは第一のカブトライダーフォームを手札に。さらにオープンされたカブトクナイガンは自身の効果で手札に加えられる!」

 

 

発揮される召喚時で合計2枚の手札を新たに加算するテンドウ………

 

しかし、それはまたしてもオブシディアンのバーストが勢いよく反転して………

 

 

「その召喚時効果でバーストが発動!!…甲竜封絶破!!」

「!!」

「効果で第三のライダーフォームをデッキの下へ、コストを支払いオーマジオウを回復!」

 

 

ー【仮面ライダーオーマジオウ】(疲労➡︎回復)

 

 

バースト発動と同時、第三のライダーフォームは身体を粒子に変換され、テンドウのデッキ下へと戻されてしまう。それどころかBP30000を誇るオーマジオウがブロッカーとして復活し、さらに追い込まれてしまう…………

 

しかし、その反撃と言う名の火種が消されても尚、テンドウの燃え盛る闘志が消える事はなくて…………

 

 

「これで終わるかよ!!…第一のカブトライダーフォームとブレイヴ、カブトクナイガンを召喚!…そのまま合体させる!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】LV2(3S)BP9000

 

 

本日2枚目となるカブトライダーフォームとカブトクナイガン。

 

テンドウはこの己の戦術の原点回帰とも呼べる古参のやり方でオブシディアンを討つべくアタックステップを開始させる。

 

 

「アタックステップ!!…ネクサス、カブトエクステンダーの効果でトラッシュの2コアをライダーフォームに!!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】(3S➡︎5S)BP9000

 

 

「でもってアタックだ、決めて来いライダーフォーム!!…カブトクナイガンの効果でダブルシンボルになり、トラッシュのコア2つを追加!!…さらに自身の効果【クロックアップ】でソウルコアをリザーブに置く事でオーマジオウのブロックを封じる!!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム+カブトクナイガン】(5S➡︎7S➡︎6S)

 

 

ダブルシンボル化に加えてブロックの無効。オブシディアンの残りライフは2であるため、この一撃で勝負を決める事ができる…………

 

しかし、セオリー通りに終わるわけがなく…………

 

 

「ザザザ……フラッシュマジック、双光気弾!!……合体したブレイヴ、カブトクナイガンを破壊する!!」

「!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム】

 

 

吹き荒れ輝きを放つ2つの炎。それがクロックアップ中のカブトの手に持つクナイ型の武器、カブトクナイガンを奪い去り、焼き尽くしていく。

 

これで、カブトライダーフォームはダブルシンボルのスピリットではなくなってしまい…………

 

 

「今のライダーフォームがダブルシンボルなのはカブトクナイガンがあってこそ!!…それをなくした今、私のライフをゼロにはできない!!……次のターンで……」

「次のターンなんかもうやらねぇよ!!…フラッシュマジック、ライダーキック!!」

「!?」

「効果でリザーブのソウルコアをライダーフォームに置き、このバトル中ダブルシンボルにする!!」

 

 

ー【仮面ライダーカブトライダーフォーム】(6S➡︎7S)

 

 

まるでここまでの展開を全て見越していたかのように………

 

初めからこうなる事がわかっていたかのように………

 

手札から1枚のマジックカード、『ライダーキック(仮面ライダーカブト)』を切り、Bパッドに叩きつける三王テンドウ・ヒロミ。その行動は伝説のブラックフォースであり、尚且つジオウの所持者、オブシディアンでさえも予測できないモノであって…………

 

 

「………ば、バカな………何故だ、何故貴様はここまで前を向いて走っていられる!?……この私が絶望の淵まで叩きつけてやっていると言うのに!!」

「何また意味のわからねぇことボヤイてんだこの真っ黒ボヤッキー………オレは仮にも三王だ。三王ってのはな、他の誰よりも強くないと務まらねぇんだよ………あの小僧共が挑んで来る前に、どこの馬の骨とも知らないヤツに負けてのたれ死ぬわけにはいかねぇ!!」

「ッ………!!」

 

 

オブシディアンは生まれて初めて何かに恐怖を覚えた。震え上がった………

 

目の前に存在するのはただの人間。触れれば脆い塵芥。ゴミも同然………

 

しかしただただ確かに圧倒された。この人間の底知れない力に、雄叫びに、気迫に………

 

 

自分にできる事はもうこの後ライフで受けて敗北する事だけ…………

 

しかしオブシディアンは黒の力よりも優れた者が存在する事が受け入れられなくて…………

 

 

「ま、つー事でだ。とっとと帰ってきやがれ、クソ弟子!!……いつまでも自分の女待たせんなよ!」

「……カブトは……いやこの男はまさか単体で黒の力を超えるとでも言うのか………そんな人間が、そんな人間がこの世にいてなるものかァァァァー!!!」

 

 

〈ライフ2➡︎0〉オブシディアン

 

 

テンドウがトゥエンティに対して叫ぶと、仮面ライダーカブトライダーフォームが渾身のライダーキック、ならぬ回し蹴りをオブシディアンに向けて放つ。

 

走りゆく衝撃にオブシディアンのライフバリアは耐えられず、堪らず爆散して散っていく…………

 

 

「ぐっ……ぎゃ、ぎゃぁぁぁあ!!?!」

 

 

これにより勝者は三王テンドウ・ヒロミ。見事に未知の生物であるブラックフォースの1人を倒してみせた。

 

溢れんばかりのダメージに耐えられなかったのか、トゥエンティの中にいたオブシディアン、もとい黒い靄は激しい断末魔を上げながら彼の身体から飛び出していき、消滅していく………

 

 

「……やっと終わりやがった。全く、しつこい黒カビヤロウだったぜ」

 

 

テンドウはそれを見届けると確かな勝利を実感する。ポケットから取り出したタバコを咥えながら倒れるトゥエンティの元へとゆっくりと歩み寄る。

 

 

「よお、元気?」

「……テンドウ……なんでオレなんか助けた!?……こんな、こんな愚かなオレなんか………」

「勘違いすんなよ。オレは三王としてヤバいヤツをぶっ殺しただけだ」

 

 

意識は取り戻しているトゥエンティ。しかし、どこか自暴自棄気味。

 

無理もない。自分は恋人であるカナのためであるとは言え、師であるテンドウの信頼を裏切り、ウィルの言われるがままライダースピリットを狩っていたのだから……

 

 

「まぁ、それはそれ、これはこれだ。いい加減阿保みたいな事してないで戻って来い。身内サービスで少しくらい罪は軽くしてやるぜ」

「は?……何言って………アンタ、オレの事許すって言うのかよ!?」

 

 

話に一区切り付け、トゥエンティの事を許すかのような発言をするテンドウ。その言葉にトゥエンティは信じられないような表情を見せるが………

 

 

「許すも何も、時偶にぶっ殺したくなるけどオマエ一応オレの弟子だし。それに、カナもあの元気小僧もオマエに会いたがっていたしな、今度顔くらい合わせてやれ」

「……だが、オレの罪は重過ぎる、今のカナに合わせる顔など……」

「奪ったカードならさっさと返して来い。オマエに拒否権はないぞ、行かなかったら殺す」

 

 

タバコを吸いながら堂々した様子で物申すテンドウ。その後も彼の口は止まらない。

 

今度はトゥエンティにとっての最大の朗報を声に出して…………

 

 

「あ、そうそう。カナの病気なんだけどよ………治るんだってさ」

「…………は、はぁぁぁ!?」

 

 

今世紀最大に驚愕するトゥエンティ。顎が外れるかと思われるくらい口を大きく開けてしまう。

 

そう。テンドウはこれが伝えたくてトゥエンティに会いたかった。

 

恋人、カナの病気は治るのだ。ライダースピリットのカードを20枚集めなくとも、普通に医学の力で………

 

 

「う、ウソだ!!…だってカナの病気は不治の病であると医者が」

「いやそれが最近の医療だと治るんだと、凄いよな〜……手術費用クソ高かったからどうしようかと迷ったけど」

「て、テンドウ……アンタ、カナの事を諦めてたんじゃ……」

「誰が諦めるっつってたよ。実兄としてはどうにかしようとするでしょ。三王だから金はあるし」

 

 

トゥエンティはテンドウの事が嫌いになっていた。

 

カナが病気になった際に彼がそれに対して「まぁそう言う事もあるよな」と発言した際にすれ違いが生まれ、結果トゥエンティはライダーハンターズになった。

 

ひょっとしたらテンドウもそれを知っていたからこそ責任を感じ、トゥエンティを追いかけていたのかもしれない。

 

 

「クソ妹に合わせる顔がないなら、作れクソ弟子。と言うかちゃんと向き合え。これも拒否権はない」

「テンドウ……オレは……」

「謝る必要もねぇ、取り敢えず今は一緒にあの詐欺師シルクハットをぶっ殺しに行くぞ」

「ッ………あぁ!」

 

 

長きに渡ったテンドウとトゥエンティの師弟による仲違い………

 

それはどうやら今回の一件で一先ずは取り戻せたようだ。

 

 

「さぁてと。やる気のあるような発言しちゃったけど一番強いと思ってた真っ黒黒介はオレがぶっ殺してやったし、ちょび髭ヤロウは正直小僧共だけで十分だし………うーん、タバコも切れそうだしやっぱ帰ろうかな」

「アスラも来ているのか!?」

「あぁ、どうするトゥエンティ?…オマエだけ行く?」

「いや、来るならアンタも来いよ………全くアンタはいつもいつも面倒くさがりで………」

 

 

元の師弟の関係に戻り、温かな会話を繰り広げていくテンドウとトゥエンティ。テンドウは帰ろうと言っているが、それは冗談。本当はこの愛弟子であるトゥエンティと共に加勢する気でいる………

 

 

 

そのはずであったのだ……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザザザ………話は済んだか?

 

 

 

 

「ッ………!?」

「オブシディアン!?」

 

 

突如…………

 

一瞬の出来事だった。テンドウのすぐ横、地面の底から黒い靄が声を発しながら現れたのだ…………

 

そしてそれは間違いなく先程倒したはずの最強のブラックフォース、オブシディアン…………

 

オブシディアンは直後に今度はトゥエンティではなくテンドウの身体の中へと潜り込んでいく、テンドウはその痛み、苦痛にもがき、苦しむ。

 

 

「ぐ、ぐぉぉぉお!?」

「ザザザ!!!……ウィルを叱らねばならんな。こんな近くにここまでの適正の高い器が存在していたのだから!!……もらうぞ、カブトだけではない!!その逞しい肉体ごと!!」

「クソ、オレとした事が……油断した……ッ」

「オブシディアン、貴様さっきのバトルで消滅したんじゃなかったのか……!?」

「馬鹿め!!……どんなにバトルスピリッツで圧倒しても、我らブラックフォースは黒の力以外では死なん!!……何度でも甦り続ける!!」

 

 

黒の力以外では消して消えない不死身の体を持つオブシディアン。

 

どうやらあれだけ苦労して彼のライフを破壊し切ったテンドウの渾身のバトルも全て徒労に終わっていたようで…………

 

 

 

 

黒の力………

 

絶体絶命の状況に陥ったテンドウはその言葉を聞くなり真っ先に脳裏に浮かんで来たのはアスラの顔………

 

察した。この一連の事件を収束できるのはブラックフォースのオニキスを宿したアスラしかいないと…………

 

 

「あちゃーー……やっちまったか。聞いてないぜそんなチート能力。こりゃ本格的にヤバイな………トゥエンティ、オマエに小僧、スーミ村のアスラを任せるぞ」

「ッ……アスラを!?」

「あぁ。それと最後に1つ………ウチのバアさんが言ってた………」

 

 

二兎追う者はなんだかんだどっちも取れる……

 

 

「肝に銘じておけ。テンドウさん最後の格言だ。次はカナだけじゃねぇ、オマエが望むモノ、どっちも取れるよう……精進しやがれクソ弟子」

「何が最後だ……何で弱気になってんだ!!……そんなヤツ、アンタならどうにか出来るんだろ!?……テンドウ……テンドウさァァァーん!!」

「へっ……クソ弟子に「さん」付けで呼ばれるのは……久し振りだ………な」

 

 

いつものように笑って、ふざけて、トゥエンティを励まそうとしたのか、最後に意味深な事を呟き、その目を閉じるテンドウ…………

 

そしてその目が再び開眼すると、その白眼部は黒く染まり、顔つきや目つきがブラックフォースのオブシディアンのモノになっていて………

 

乗っ取られたのだ。最強カードバトラーの一角、三王であるテンドウ・ヒロミが………

 

 

「て、テンドウさん……ウソだ……だってアンタは……」

「ザザザ………最高に良い気分だ」

「!!」

 

 

少しでもテンドウのままであると信じていたトゥエンティ。「ザザザ」と言う奇妙な笑い声と共にその淡い希望は消し飛んでいく………

 

今目の前に存在しているのは紛う事なきあのオブシディアンだ。

 

 

「最後までふざけた人間だった。二兎追う者はなんだかんだどっちも取れる?……ザザザ、そんなモノただの妄言、戯言!!………宣言しようトゥエンティ!!……汝は二兎を追ってもどちらも取れない!!……それがもうすぐわかるだろう」

「………黙れ……黙れ黙れ黙れぇぇぇえ!!……テンドウさんを、オレの師匠を返しやがれぇ!!」

「ザザザ……だから今言っただろう……二兎とも取れない……そもそもオーマジオウさえ手に入れば汝は用済み、これからだ。これからが楽しみだ!!……ザザザ」

 

 

ザザザ…………

 

ザザザ………

 

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!!!!

 

 

いくらトゥエンティが怒ろうがもう取り戻すことはできない。

オブシディアンは最後、高笑いを繰り返しながら、黒い靄へと姿を変え、この場から、トゥエンティの目の前から消えていく…………

 

せっかく恋人であるカナが救う道が得られたと言うのに、今度は大事な師匠が自分の目の前から消え去ったのだ…………

 

 

「テンドウさん…………テンドウさァァァーん!!!」

 

 

悲しき戦士、トゥエンティの咆哮が巨大な城内にこだました。その手に残されたのはオーマジオウの残滓、己と今まで戦って来たジオウのカードのみ………

 

そして、悲しみの連鎖は続いていく…………

 

それをまだトゥエンティはもちろんの事、アスラ達もまだ知らない…………

 

 

 

 

 

 








最後までお読みいただき、ありがとうございました!

鬱展開書くのが苦手な上にメンタルにキツイですが、頑張って乗り越えます!


******


最近「オメガワールド」「オーバーエヴォリューションズ」の正当な続編「バトルスピリッツ 王者の鉄華」も連載をスタートしました!

主人公「鉄華オーカミ」と相棒のバルバトスの活躍にご期待ください!
現在3話まで更新!!
下記のリンクから飛べるので、感想等よろしくお願いします!

https://syosetu.org/novel/250009/
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