ノヴァ王国のオウドウ都を中心に、この世の終わりを告げるかのように広がり続ける黒い瘴気。彼らが完全に世界を満たせば、今を生きる人間が生きていける世界ではなくなってしまう事だろう…………
それらを操るのは黒の世界より来たり復讐者ブラックフォース………
カードを幾度となく進化させる黒属性の力を前に、人々はなす術もない。
しかし、その絶対的な力に抗う者達もいる。
青年、トゥエンティもまた、その1人だ………
******
「先行はオレが貰う」
「ジジ……あぁいいよ。先行でも後攻でも、結局最後にはこのボク、ヘタマイトが勝つんだから」
恋人であるカナの身体を依代としているブラックフォースの紅一点にしてNo.2「ヘタマイト」…………
彼女との因縁の戦いが、トゥエンティの先行で幕を開けていく…………
[ターン01]トゥエンティ
「メインステップ、オレはオレ自身を仮面ライダージオウに変身させる!!」
………カメーーーンライダーーー!!
ジ、オーーーウ!!!
ー【変身!!仮面ライダージオウ】LV1
己の持つ最強のライダースピリット、仮面ライダージオウに変身するトゥエンティ。創界神特有の神託の効果でカードをトラッシュに置き、合計1個のコアを追加した。
「ターンエンド」
手札:4
場:【変身!!仮面ライダージオウ】LV1(1)
バースト:【無】
「ジジ……今の君はその抜け殻のジオウを除いた他のライダースピリットの力を扱えない。何ターン持ち堪えられるかな?」
「…………」
ヘタマイトが余裕を感じさせる不気味な笑みを浮かべながらそう告げた。
彼女の言う通り、トゥエンティはオブシディアンの憑依が解除された後、ジオウに宿っていた黒の力を全て取り除かれた。今まで集めて来たライダースピリットのカードこそ残ったものの、黒の力がなければ、複数のライダースピリットを操る事はできない…………
そして、その力無くして、本来の力を取り戻したブラックフォースのNo.2「ヘタマイト」に勝てるわけがない…………
[ターン02]ヘタマイト
「メインステップ………ボクはバーストをセット!!……ジジ、ターンエンドだよ」
手札:4
バースト:【有】
罠のカード、バーストを裏向きでセットし、そのターンを終える。驚異的な力を有するブラックフォースにしては大人しいターンであったが、逆に「嵐の前の静けさ」とも捉える事ができる。
[ターン03]トゥエンティ
「メインステップ……オレはコイツを召喚する………」
「ジジ、またジオウかな?」
Bパッドとカードを構えるトゥエンティ。その仕草からヘタマイトはいつものようにジオウのカードを呼び出すものかと勘繰るが…………
「いや、オレが召喚するのはコイツだ………来い、仮面ライダーWサイクロンジョーカー!!」
「………え?」
ー【仮面ライダーWサイクロンジョーカー】LV1(2)BP2000
疾風の風と紫電の稲妻が駆け巡り、仮面ライダーWサイクロンジョーカーが出現する。
「召喚時効果でリザーブにコアブースト、変身したオレに神託」
「…………なんで?」
「何がだ」
「なんでジオウ以外のスピリットを召喚できるの?」
確かにトゥエンティのジオウは黒の力を失ったはず。黒の力が無ければ2種以上のライダースピリットは扱えない。
今となっては他のブラックフォースにでも力を与えられない限り先ず不可能だ……………
「………まさかオニキスに黒の力を分けてもらった感じ?」
「オニキス?……誰だそれは」
「………」
トゥエンティはオニキスも知らない様子。
こうなって来ると本当に何故、どこで黒の力を得たのかが検討もつかなくなる。
「………御託はもういいか?……バーストをセットし、Wヒートメタルのチェンジを発揮。サイクロンジョーカーと入れ替える」
ー【仮面ライダーWヒートメタル】LV1(2)BP3000
鋼鉄の棒を握り、サイクロンジョーカーは赤と白の戦士、ヒートメタルへとチェンジする。
「アタックステップ……ヒートメタルでアタック、その効果で1コアを追加し、LVアップ」
「………ライフで受けるよ」
〈ライフ5➡︎4〉ヘタマイト
ヒートメタルは炎を鋼鉄の棒に注ぎ、それでヘタマイトのライフバリアを1つ砕く。だが、それはヘタマイトの伏せているバーストの発動条件でもあって…………
「ジジ……まぁいいや。力を取り戻しても、キミがボクに負けるのは変わらないもんね!!……ライフ減少によりバースト発動、黄色のマジック、イマジナリーゲート!!」
「!」
「効果で、手札にある黄色のスピリットをノーコストで召喚できる………次元の狭間の魔王よ!…今こそ愚かなる者達に鉄槌を下せ!…ディアボロモン!!」
ー【ディアボロモン】LV2(3)BP16000
ヘタマイトの場に現れる光輝く天門。しかしそこより現れ出るのは天使ではなく、究極体のデジタルスピリット、ディアボロモンと言う名の禍々しい悪魔………
邪悪な雄叫びと共にそれは地へと姿を現した。
「………出たなディアボロモン。オレはこれで、ターンエンドだ」
手札:3
場:【仮面ライダーWヒートメタル】LV2
【変身!!仮面ライダージオウ】LV1(2)
バースト:【有】
ヘタマイトだけでなく、ディアボロモンにも改めてリベンジを心から違うトゥエンティ。再び複数のライダースピリットを操れるようになった事をヘタマイトに見せつけたこのターンをエンドとする。
[ターン04]ヘタマイト
アレ…………
ライフが回復しない。
「メインステップ………」
このターンの始めに、ヘタマイトは己のライフが回復しない事に気がついた。ブラックフォースとして本来の力を取り戻した彼女は、バトルにおいてもほぼ無敵で、同じ総量の黒の力を持つ者の攻撃でないと、そのライフは砕いても直ぐに回復してしまうのだ…………
だがこれはどう言う事か。少なくとも、今のトゥエンティはブラックフォースNo.2であるヘタマイトと同等程度の黒の力を所有している事になる。
「………まぁ、こっちの方が楽しいからいいか」
「遅延か?」
「ジジジ……煽るスタイル嫌いじゃないよ?……アタックステップ、やっちゃえディアボロモン!!」
ヘタマイトのエースカード『ディアボロモン』が行く。狙うは当然トゥエンティのライフであるが、この瞬間に使える様々な効果がそれにはあって…………
「ディアボロモンのアタック時、先ずはヒートメタルからコアを2つリザーブに置き、2枚ドロー」
「!」
ー【仮面ライダーWヒートメタル】(3➡︎1)LV2➡︎1
ヒートメタルのLVがダウン。さらにヘタマイトはカードをドローと隙が無いが、まだこれで終わりではない。
「さらにもう1つのアタック時効果で、手札から2枚目のディアボロモンをノーコスト召喚」
「くっ………!」
ー【ディアボロモン】LV2(3S)BP16000
刹那、ディアボロモンは自身と全く同じ姿をしたコピーを作り出し、その数は合計2体となる。
「さぁさぁさぁトゥエンティ!!……この攻撃はどう受けてくれるのかな?」
「……ライフで受ける…………ぐっあ……!!」
〈ライフ5➡︎4〉トゥエンティ
1体目のディアボロモンの長い腕による鞭のようなしなる攻撃がトゥエンティのライフバリアを撃破する。
黒属性により造られたディアボロモンによる一撃はそれ相応のモノであり、トゥエンティに多大な痛みを与え…………
「ジジ、やっぱり病み上がりはしんどい感じ?……さっきまでの威勢はどうしたのかな?」
「威勢は消えてないさ…………オレもライフの減少によりバースト発動!!」
「!」
痛みに耐え、トゥエンティは伏せていたバーストを勢い良くオープンする。
そしてそのカードは…………
「行くぞオロチ………仮面ライダー王蛇をLV2で召喚!」
「!?」
ー【仮面ライダー王蛇】LV2(3)BP8000
様々な鏡像が重なり合い、紫属性のライダースピリット………しかもその中でも特異なスピリットに数えられるミラーライダーの一種「仮面ライダー王蛇」がその姿を現す。
このスピリットはあのオロチのライダースピリット…………
それを見るなり、ヘタマイトはある事に気がついて…………
「………そのスピリット、確かシャーマンが前に取り憑いてた奴の…………あぁ、成る程、そう言う事か。黒の力の元はソレか」
「多分な」
かつて、オロチにはブラックフォースのシャーマンが取り憑いていた。
彼がアスラやエールと対峙した時にその中にいたシャーマンが覚醒、王蛇に黒の力が宿った。
その後、オロチはアスラに敗れ、シャーマンはフリソデの中へと移行した。結果、今の王蛇にはシャーマンの黒の力の残滓が残されていた…………
そして、その王蛇のカードがトゥエンティの手へと渡り、ジオウと共にデッキへと入った事でトゥエンティのデッキに黒属性が復活したのだ。
「序列が3番目のシャーマンの黒の力で、この僕のライフを完全に破壊できたのは、流石ジオウと言ったところかな?……にしてもシャーマンの奴しくじったね、まぁ、アイツは僕らの中でも1番頭スカスカだったけど」
「何をブツブツと言っている……王蛇の召喚時効果だ!」
「!!」
「疲労状態のスピリット、ディアボロモンを破壊し、そのLVの数分、コアをボイドに置く。ディアボロモンのLVは2、よって2つのコアをボイドに」
「む、コアの完全除去………厄介な」
王蛇が手に持つ杖を地面に突くと、アタックしたディアボロモンの足下に冥界への道が形成、その中へと引きづり込まれる。
しかもヘタマイトの使用可能なコア2つが完全に消滅。いくら黒属性の力を持つ彼女と言えど、コアまでは戻せない。
「………ジジ、でもこっちの方が楽しいからいっか♡………2体目のディアボロモンでアタック!……効果でヒートメタルを消滅させて2枚ドロー」
「!」
だがそれでも一切怯まず向かって来る。ブラックフォースならではの異質なオーラがその場を飲み込む。
フィールドではヒートメタルが効果によって消滅。2体目のディアボロモンがトゥエンティのライフを目掛けて走り出した。
「さらにもう1つの効果で手札から3枚のディアボロモンを召喚!!……不足コストはアタック中のディアボロモンのLVを1に下げて確保」
「ッ………またこの展開か」
ー【ディアボロモン】LV1(1S)BP12000
ー【ディアボロモン】LV1(1)BP12000
ー【ディアボロモン】LV1(1)BP12000
次々と分裂を繰り返すディアボロモン。その数は合計で4体となる。
「ジジ、その程度のコア除去はディアボロモンには意味を成さない!!…1個でBP12000もあるんだからね!!」
「くっ………ライフで受ける………ぐぁっ!?」
〈ライフ4➡︎3〉トゥエンティ
再びディアボロモンがトゥエンティのライフバリアを砕く。ヘタマイトにはまだ3体のディアボロモンの攻撃が残されているが、そう何度も受けていられない。トゥエンティは手札にあるカードをこのタイミングでBパッドに叩きつける…………
「………手札にあるマジックカード、絶甲氷盾の効果発揮!」
「!」
「ライフが減った時、手札からフラッシュ効果を発揮できる。それにより、貴様のこのターンのアタックステップを強制的に終了させる」
放たれたのは白のマジックカード『絶甲氷盾〈R〉』…………
いくらディアボロモンが黒の力を宿しているヘタマイトのスピリットとは言え、これ以上のアタックは行えなくなる。
「………へぇ、いいの持ってんじゃん。ボクはこれでターンエンド………あは、少し楽しみになっちゃった♡……さぁ、もっとボクを楽しませてよトゥエンティ!!」
手札:4
場:【ディアボロモン】LV1
【ディアボロモン】LV1
【ディアボロモン】LV1
【ディアボロモン】LV1
バースト:【無】
トゥエンティが自分に見合う実力にあると自覚し、ブラックフォース内で最も戦闘に対しての欲求が強い彼女は、イカレた眼差しをトゥエンティに向ける。
[ターン05]トゥエンティ
「メインステップ………チェンジで手札に戻ったサイクロンジョーカーを再召喚する。効果でコアブースト」
ー【仮面ライダーWサイクロンジョーカー】LV1(1)BP2000
緑と黒の姿をしたW、サイクロンジョーカーが再びトゥエンティの場で姿を見せる。
「行くぞヘタマイト………このカードで、オレはオマエを討つ!!」
「ジジ………いよいよだね」
ここからが真の戦いだ。そう言わんばかりに、トゥエンティは己の持つ最強カードをBパッドに叩きつける………
「王蛇を対象に煌臨発揮!!……現れよ、ライダーを束ねし王……グランドジオウ!!」
グ・ラ・ン・ド!!!
ジ、オーーーウ!!!
ー【仮面ライダーグランドジオウ】LV2(3)BP12000
王蛇が黄金の光の中で姿形を変え、仮面ライダージオウの強化形態、グランドジオウへと進化を遂げる。
「さらにマジック、フォースブライトドロー!!……効果でデッキから4枚になるようドローする。今のオレの手札は0、よって4枚のカードをドロー!!」
グランドジオウ煌臨直後に使ったのは赤のドローマジック。これによりトゥエンティの手札は一気に4枚まで回復する。
「バーストをセット………アタックステップ、行くぞグランドジオウ!!」
ヘタマイトも待ち侘びていた、このターンのトゥエンティのアタックステップ。彼はグランドジオウでアタック宣言を行い、その効果を遺憾なく発揮させていく…………
「アタック時効果、手札にあるライダースピリット『キバドガバッキフォーム』のアタック時効果をコピー………相手のスピリットからコア2つをリザーブに置く」
「!」
「回復している3体のディアボロモンの内2体からコアを1つずつリザーブへ、よって消滅!!」
ー【ディアボロモン】(1➡︎0)消滅
ー【ディアボロモン】(1➡︎0)消滅
他のライダースピリットの効果を模倣したグランドジオウの効果。それによりディアボロモン2体からコアが飛び、消滅する。
これで残り2体だ。
「フラッシュ……グランドジオウの更なる効果。1コストを支払い、煌臨元の王蛇を再召喚!……貴様に1点のダメージを与える」
「!」
ー【仮面ライダー王蛇】LV1(1)BP5000
〈ライフ4➡︎3〉ヘタマイト
グランドジオウの横にオロチのエーススピリット、王蛇が並び立つ。そのついでのようにヘタマイトのライフバリアが瓦解、残り3つとなる。
しかも、召喚された王蛇の効果は無効にならなくて…………
「王蛇の召喚時効果、疲労しているディアボロモンを破壊し、そのLVの数だけ乗っていたコアをボイドに置く」
「む……」
「ソイツのLVは1、よってコア1つはボイドだ」
王蛇が杖を地面に突き、再びディアボロモンを冥界へと誘う。ディアボロモンが残り1となっただけでなく、ヘタマイトのコアは前のターンと合わせて3つボイド送り。
トゥエンティがかなり優勢となってきているのは先ず間違いないだろう………
「………これがオレ達、ライダーハンターズの力だ」
「ジジ、いいね〜………それでこそ殺し甲斐がある。久し振りに本気出しちゃおっかな!!」
「!!」
しかし、相手はブラックフォースNo.2の称号を持つヘタマイト。
トゥエンティの筋書き通りにバトルが進むわけがなくて…………
「ライフが減って3以下になった時、手札からシックスブレイズの効果を発揮、ノーコストで効果を使用。BP12000まで好きなだけスピリットを破壊する」
「なに?」
「ジジ、王蛇とサイクロンジョーカーを破壊!」
ヘタマイトの背後より放たれた6つの火の玉がそれぞれ3つずつ王蛇とサイクロンジョーカーに命中。2体とも堪らず焼却。
これでトゥエンティの場のスピリットはアタック中のグランドジオウのみとなる。
「そしてまだ終わらないよ!!……フラッシュ、手札にある『アーマゲモン』の効果発揮!!」
「ッ……新手のスピリット!?」
「この効果で、自身を召喚する。この時、トラッシュにあるディアボロモンを4枚まで手札に戻す事で、コストを戻した数×3マイナスする……ボクはキミが破壊してくれた4枚のディアボロモンを手札に戻す事で、コストをマイナス12にし、コスト0でこのアーマゲモンを召喚する!!」
「!!」
ヘタマイトのカード効果発揮と共に、ディアボロモン4体が一気に出現したデジタルゲートを潜り抜け、復活する。
そして…………
魔界の龍神よ、
今こそ世界のコトワリをぶち壊しちゃえ!!!!
アーマゲモン!!
ー【アーマゲモン】LV3(3)BP16000
4体のディアボロモンは混ざり合い、融合し、より巨大な姿へと変貌していく。その大きさはそこら辺の倒壊物を遥かに凌ぐ。
蜘蛛のような手足、竜のような頭部、そして純黒の体色、瞳のない目玉をギラつかせて史上最悪の超究極体のデジタルスピリット、アーマゲモンが誕生した。
アーマゲモンは登場してくるなり、大きな奇声をあげる。耳の鼓膜が割れるかと思ってしまうその音量は、まるでこの世の終わりを告げられているかのよう。
「な、なんだコイツは………!?」
「ジジ………これがボクの真のエースカード、今注ぎ込めるだけの黒の力を全て注ぎ込んで作り上げた最高傑作!!!……楽しみだ、あぁ楽しみだなぁ、これを使ってキミと命を賭けた血みどろの戦いができるんだから」
「………貴様」
ヘタマイトの言葉に共鳴するかのように、アーマゲモンが再び爆音のような咆哮を張り上げる。
彼女もまたその咆哮でアーマゲモンのやる気を感じ取ったのち、それに指示を送る…………
「じゃあアーマゲモン、手始めにグランドジオウをぶっ殺して♡」
「!」
「漆黒の豪雨……ブラックレイン!!」
刹那、アーマゲモンは背中から黒き雨と言える程の数のミサイルを発射。
「くっ……フラッシュ、グランドジオウの効果、煌臨元からキバドガバッキを1コストで召喚し、貴様に1ダメージ」
「ッ……!」
ー【仮面ライダーキバ ドガバッキフォーム】LV1(1)BP4000
〈ライフ3➡︎2〉ヘタマイト
グランドジオウでは先ず間違いなくあの究極の怪物、アーマゲモンには勝てない。そう見込んだトゥエンティは咄嗟にグランドジオウの効果を使い、キバドガバッキフォームを召喚。ヘタマイトに更なるダメージを与えた。
だが、グランドジオウが破壊されなくなったわけではない。ミサイルはほぼ全弾が被弾してしまい、グランドジオウは耐えられず爆散してしまった。
グランドジオウの爆散を見届けたアーマゲモンは勝利の雄叫びを上げる。
「いったた……でもこれでキミのエースが消えたね」
「くっ………ターンエンドだ」
手札:2
場:【仮面ライダーキバ ドガバッキフォーム】LV1
【変身!!仮面ライダージオウ】LV2(4)
バースト:【有】
ただ1体のライダースピリットを場に残し、トゥエンティはそのターンをエンドとする。
「あぁ素敵だな素敵だな〜!!……こうやって命を賭けて全力で死闘を繰り広げるのって最高だよね!!」
「…………」
「でも結局、なんだかんだ勝つのはこのボク、ブラックフォースの紅一点、ヘタマイト。キミは恋人の身体を奪ったこのボクに殺されるんだよ」
「…………カナ」
病気になったカナのためだ。そう思いウィルに唆されライダーハンターズと言う嘘偽りで固められた組織の仲間入りをした。
だが、カナの病気から何から何までが全てウィルの手で作り上げられていたものだった。結果、カナをさらに苦しめてしまっただけでなく、他の人達まで巻き添えにしてしまった…………
自分には、償い切れない程の罪がある。
「………殺されるだと?……オレは死なない。いや、死ねないんだ………自分がやって来たことに対して、そっぽ向きながら死ねるわけがない。これから1つずつ償って行かなければならないんだ、オレが背負って来た罪を…………このバトルはその第一歩、絶対に勝ち、カナを取り戻す!!」
「ジジジ、いいないいな〜……さぁ、ボクのターンだ!!」
カナを必ず助け出すと気合を入れ直すトゥエンティ。
そしてアーマゲモンとディアボロモンを場に残しているヘタマイトのターンが幕を開けようとしたその直後だった。
トゥエンティにとって聴き慣れた声が聞こえて来たのは…………
「言うようになったじゃねぇか、トゥエンティ」
ー!!!
「へっ……流石はこのオレの弟子だな」
「………て、テンドウ……さん……!?」
「この感じ、オブシディアンじゃない?」
現れたのはこの国の三王、テンドウ・ヒロミだった。トゥエンティ達の記憶では彼はブラックフォース最強のオブシディアンに身体を奪われていた。
しかし、特にその様子はなく、片手で徐にタバコを吸う、いつものテンドウであった。
「ほ、本当にテンドウさんなのか!?」
「あぁ?…何寝ぼけてんだ、そうに決まってんだろバカ弟子。アスラだよ、アイツにデケェ借りを作っちまった。返すのがめんどくさそうだ」
「アスラ……!」
そう。テンドウはアスラとオニキスの活躍によって復活を遂げた。見事オブシディアンの呪縛を振り解き、トゥエンティの元まで辿り着いて見せていた。
「へ〜〜なにそれ、まさかアスラ君がオブシディアンにバトルで勝ったって事?………へぇ、そうなんだそうなんだ♡」
「オマエはオレの妹の顔で遊びすぎだろ。何つー顔してんだ」
アスラの名前と活躍を耳にすると、不気味すぎる表情を浮かべるヘタマイト。
差し詰、このバトルが終わったら次はアスラにバトルを挑もうと思っているのだろう。
「ジジ、ジジジジ!!……残念だったねトゥエンティ!!……ボクキミとのバトルより、やっぱりアスラ君とバトルした方が楽しいかも!!……だからこのバトル、さっさと終わらせるね!!」
「アスラ……やはり復活したか。オマエが別の所で頑張ったんだ………オマエのライバルであるこのオレがもっと頑張らないわけにはいかないよな」
アスラの影響で、トゥエンティとヘタマイトはそれぞれ別の理由でバトルのモチベーションを高める…………
そして今度こそ、ヘタマイトのターンが幕を開ける…………
[ターン06]ヘタマイト
「メインステップ!!……ディアボロモンのLVを2に上昇するよ」
ー【ディアボロモン】(1➡︎3)LV1➡︎2
王蛇により減らされている、ヘタマイトのコアの総数。それでも1体のディアボロモンのLVアップには十分な数がある。
「アタックステップ!!……またディアボロモンでアタック!!…その効果で2枚ドローし、キバを消滅」
「!」
ー【仮面ライダーキバ ドガバッキフォーム】(1➡︎0)消滅
トゥエンティの場に唯一残っていたキバドガバッキが消滅。しかもこれだけではディアボロモンの効果は終わらない。
「さらにもう1つのアタック時効果で、手札から3体のディアボロモンを召喚!!」
「くっ……またディアボロモンが」
「ジジ、不足コストはアタック中のディアボロモンをLV1に下げて確保するよ」
ー【ディアボロモン】LV1(1)BP12000
ー【ディアボロモン】LV1(1)BP12000
ー【ディアボロモン】LV1(1)BP12000
再び次々と己の分身を作り出すディアボロモン。その数は合計で4体となる。さらにそれらを超越したアーマゲモンの存在から、トゥエンティとの戦力差は見るに明らか………
「ブロッカーはいない!!……大人しく死んでもらおうか!!」
「ッ……ライフだ………ぐっぐぉぉぉぉお!!?!」
〈ライフ3➡︎2〉トゥエンティ
ディアボロモンの攻撃がトゥエンティのライフバリアを破壊。またしても苦痛という名の苦しみが彼を襲う…………
だが負けられない。この程度の痛みで倒れるわけにはいかない。今、本当に苦しんでいるのは自分ではなく、目の前にいるカナなのだから…………
「……手札から絶甲氷盾の効果を発揮!!」
「なに!?……2枚目」
「この効果により、このバトルの終了が、貴様のアタックステップの終わりだ」
苦しみの中、手札よりはなったのは、引き込んでいた2枚目の防御マジック。それによりこのターンのヘタマイトの攻撃も食い止める。
さらにそれだけに終わらず、彼は伏せていたバーストカードを反転させて…………
「さらにライフ減少によりバースト発動、ドラグーンシュート!」
「!」
「この効果により、トラッシュに眠る赤か紫のコスト6以下のスピリット1体をノーコストで復活させる」
「ッ……また王蛇か?」
「いや、オレが呼び出すのはコイツだ。来い、仮面ライダージオウ!!」
ー【仮面ライダージオウ】LV2(3)BP7000
スピリットを復活させる効果を持つ紫のバーストマジック『ドラグーンシュート』………
この効果でトゥエンティは、変身した自身と全く同じ姿をしたライダースピリット『仮面ライダージオウ』を召喚して見せる…………
「ここで通常のジオウ?……成る程、変身カードの神託でトラッシュに落としていたのか。だけど、オーマジオウの抜け殻如きでこのボクの場を突破する事はできない!!……ジジ、ターンエンドだ!!」
手札:7
場:【アーマゲモン】LV2
【ディアボロモン】LV1
【ディアボロモン】LV1
【ディアボロモン】LV1
【ディアボロモン】LV1
バースト:【無】
余裕のある笑みを浮かべ、ヘタマイトはそのターンをエンドとする。
「………トゥエンティ、オマエの力はこんなもんじゃないだろ?」
「……はい、テンドウさん」
「へっ……だったらこのターンでケリつけてみろ。オマエもアスラに借りを返すんだろ?」
「あぁ………行くぞ、ジオウ!!」
この時、トゥエンティとフィールドにいるジオウの身体が赤々と光り輝く。バトル中にバトラーやデッキのカード達が光り輝くこの現象は間違いなく『進化』だ…………
「ッ………進化している!?……あの抜け殻のジオウが!?」
「オマエ達はこのジオウをずっとそう呼んでいるな。確かに、このカードはオーマジオウと言うカードが復活した瞬間に価値を無くしたのかもしれない。だが、オレにとって、最早コイツはなくてはならない存在、相棒だ。オレはこれからの人生、これからもコイツと共に生き抜いていく……!!」
トゥエンティの持っているジオウのカードは、元はオブシディアンの持っている『オーマジオウ』なカード。
彼らが黒の世界からこの世界にやってくる時に『オーマジオウ』のカードが力を消費して誕生したのが、今のトゥエンティのジオウ。
そして、トゥエンティが20枚のライダースピリットでオブシディアンのオーマジオウが復活を果たし、結果的に『2枚のジオウ』が生まれた事になる。
復活を遂げたオブシディアンのオーマジオウはまさに最強のライダースピリットだ、他を圧倒する絶対的な力を持っている。だが、今トゥエンティが持つジオウのカードもまた、長きに渡って彼と共にバトルをし、共に絆を深めていったが故に………
強くなっていた。それをブラックフォース達は予測していなくて………
「オレのターン!!」
悪に利用され続けて来た青年トゥエンティ………
彼の逆襲が今、幕を開ける…………
[ターン07]トゥエンティ
「メインステップ………チェンジ発揮、対象は仮面ライダージオウ!!」
「!」
トゥエンティは光り輝くデッキからカードをドローし、それをすぐさま使用する。
「先ずはチェンジ効果。トラッシュからコスト8以上のライダースピリットをノーコストで復活させる」
「!」
「トラッシュの底より蘇れ、グランドジオウ!!」
ー【仮面ライダーグランドジオウ】LV2(3S)BP12000
多くのライダー達をその身に纏うジオウの強化形態の1つ、グランドジオウが復活を果たす。
そして、この後に発揮されるのは、チェンジの効果らしく、場のスピリットとの入れ替えだ…………
「その後、対象のスピリットと入れ替える!!」
刹那、彼の相棒であるジオウが、今度は黄金色に光り輝く。その光景は『チェンジ』と言うよりかは『究極進化』を表しているようで………
「祝え!!……新たなる王の凱旋を……来い、仮面ライダージオウ オーマフォーム!!」
……キングタイム!!!
仮面ライダージ、オーーーウ!!オーマー!!
ー【仮面ライダージオウ オーマフォーム】LV2(3)BP15000
黄金の輝きを解き放ち、その新たな姿を披露する。
『ジオウⅡ』『グランドジオウ』など、度重なる進化を遂げて来たトゥエンティのジオウが行き着いた最終形態『オーマフォーム』がたった今、この瞬間に誕生した。
「ジジ……オブシディアンのオーマジオウに限りなく近い姿まで進化したのか……やっぱり良い。やっぱりいいよトゥエンティィィィィィィ!!!」
「貴様の狂言はもう聞き飽きた………行くぞ、オーマフォーム、グランドジオウ!!……アタックステップ!!」
これで準備は整った。
トゥエンティはそう言わんばかりにディアボロモン4体、それらを超越した存在、アーマゲモンのいるヘタマイトへと攻撃を仕掛けていく。
先ずはグランドジオウだ。
「グランドジオウでアタック!!…その効果で手札にあるライダースピリットカードを煌臨元に入れ、そのアタック時効果をコピーする。対象はさっきオーマフォームのチェンジで手札に戻した『仮面ライダージオウ』………その効果は、デッキから1枚ドローする!!」
グランドジオウの効果を発揮させ、デッキから新たなカードをドローする。
「さらにフラッシュ!!…1コスト支払い、煌臨元となっているジオウを召喚、貴様に再び1点のダメージを与える!!」
「ッ……!!」
ー【仮面ライダージオウ】LV2(2)BP7000
〈ライフ2➡︎1〉ヘタマイト
グランドジオウは額にあるジオウの仏像をタッチ。異次元より黄金の扉が出現し、そこから飛び出して来た通常の姿のジオウが拳でヘタマイトのライフを砕く。
これで彼女のライフは遂に残り1つ。後1つでカナを解放できる。
「そしてグランドジオウの効果。コスト8以上のライダースピリット全ては赤のシンボル1つを得る」
「ジジ、残りライフ1つならその効果は全く意味がないね………グランドジオウはアーマゲモンがブロック!!」
再びアーマゲモンがグランドジオウの行手を阻む。先手必勝だと言わんばかりにグランドジオウが駆け抜け、アーマゲモンの巨大な額を殴りつける。
それにより若干怯むアーマゲモンだが、あくまで若干。直ぐに体制を立て直して…………
「BPはこちらの方が圧倒的に上!!……トドメだアーマゲモン、アルティメットフレア!!」
「!」
ヘタマイトの指示を受け、口内から原爆を思わせるような強烈な破壊弾を発射するアーマゲモン。グランドジオウはそれに直撃してしまい、堪らず爆散。
「ジジ……他愛もないね」
「いや、まだだ。次はジオウ、オマエだ!!…アタック時効果で1枚ドロー」
次はヘタマイト達が「抜け殻」と称する通常のジオウの出番だ。トゥエンティは効果でドローし、確認。その内容に思わずその口元が緩む。
「フラッシュ煌臨を発揮!!」
「!!」
「対象はアタック中の仮面ライダージオウ!!」
ジオウのベルトのバックル部にさらにもう一つ別のライドウォッチが装着され、ジオウはそれをバックルごと回転させ………
……ジオウ!!ジオウ!!ジオウ!!
Ⅱーー!!
「………煌臨、仮面ライダージオウⅡ……!!」
ハイテンションな音声が流れると共に、仮面ライダージオウはその姿をさらに一段階強化した姿『ジオウⅡ』へと昇華する。
ー【仮面ライダージオウⅡ】LV2(2)BP10000
「……煌臨時効果。手札かトラッシュにあるライダースピリットカードを20枚までデッキの下に戻し、戻した数2枚につきBP15000以下の相手スピリットを破壊する」
「!!」
「オレはトラッシュから5枚、手札から1枚のライダースピリットをデッキの下に戻し、回復状態の3体のディアボロモンを破壊する!!」
「ジ……ブロッカーを!?」
ジオウⅡは通常のジオウの顔を摸して作られた剣、ジカンギレードを取り出し、そこにエネルギーを蓄積。
やがてそのエネルギーを全解放し、3体のディアボロモンに向かって横一線。一気に薙ぎ払って見せる。
これでヘタマイトの場は疲労状態のディアボロモンとアーマゲモンが1体ずつ。このジオウⅡのアタックさえ通ればトゥエンティの勝利に終わるが………
「決めろ、ジオウⅡ!!」
………そう簡単に終わるわけがなくて。
「ジジ、決めさせない!!……フラッシュマジック、光翼之太刀!!」
「!」
「アーマゲモンを指定。よってこのターン、アーマゲモンのBPは3000上がって、尚且つ疲労状態のままブロックができる!!……ジオウⅡも潰しちゃえ!!……黒き豪雨ブラックレイン!!」
ー【アーマゲモン】BP16000➡︎19000
マジックにより再び活躍を可能にしたアーマゲモン。今一度黒き豪雨ブラックレインを放つ。ジオウⅡはそれを避けられるわけもなく被弾し、爆散してしまう。
これでトゥエンティの場に残ったスピリットはオーマフォームだけとなる。
「諦めない!!……オレはそれをアスラから教わった、ソウルコアが使えない、アイツから!!………オーマフォーム!!」
「アーマゲモンは破壊されない限り、このターン常にブロックできる!!……受けて立つよこの勝負!!」
最初は敵として戦ったアスラの事を脳裏に浮かべ、前へと進み続けるトゥエンティ。それを絶対的な力で押し返そうとするヘタマイト。
進化したジオウ、オーマフォームのBPは15000。
対するアーマゲモンのBPはマジック効果を含めて19000。
このままいけばトゥエンティは勝利できないが、当然ここで対抗札を切って見せる。
「フラッシュマジック、ソウルドロー!!」
「!」
「効果により、このターンの間オーマフォームのBPを4000上昇!!……合計BPはアーマゲモンと同じ19000となる!!」
「ジジ………マジ?」
ー【仮面ライダージオウ オーマフォーム】BP15000➡︎19000
ここに来てBP増強マジック。オーマフォームのBPがアーマゲモンと同等の数値となる。
「うおぉぉお!!……オーマフォーム、奴を、アーマゲモンを、砕けぇぇぇぇえ!!!」
昂るトゥエンティの感情を表すかのように、オーマフォームは黄金の輝きをその身に纏い、アーマゲモンの口内へと突撃。アーマゲモンはそれを飲み込むが、オーマフォームがその体内で誘爆し、諸共爆散していく………
そして爆発による爆煙の中、ヘタマイトが顔を覗かせる。真のエースとまで呼んでいたアーマゲモンを破壊されたと言うのにも関わらず、その表情はかなり余裕です…………
「ジジ……ジジジ、アーマゲモン対消滅、やるね。でも結果は変わらない!!…これでキミの場のスピリットは0、これ以上の攻撃はできない。対する僕の場には疲労しているディアボロモンが1体……次のターンでこのボクの勝ちだ!!」
そう叫ぶヘタマイト。己の持つ黒の力が強いからではなく、バトルの状況で自身の勝利を確信する。
だが…………
それを否定したのはトゥエンティにとっての師、ライダースピリットを司る三王、テンドウ・ヒロミ。
「ウチの婆さんが言ってたぜ」
「!?」
「そう言う事言う奴は大体負ける。フラグって言葉知ってる?」
「…………なに?」
彼がそこまで言い切ると、トゥエンティが効果の発揮を宣言する。いや、正確には「していた」と言うべきか。
「最後のフラッシュ、オレはこの効果を使っていた。変身ジオウの【転神】!!」
「!?!」
「これにより、このターン、オレはBP3000、シンボル1つのスピリットとしてアタックができる」
「………おぉ」
ー【変身!!仮面ライダージオウ】(6➡︎3)BP3000
創界神ネクサスをスピリットとして扱い、アタックを可能とする効果【転神】…………
トゥエンティはこの効果により、このターンでのアタック権利を獲得していた。これにより、ヘタマイトに最後の攻撃を仕掛けることができる………
「行け、トゥエンティ」
「あぁ、これで最後だヘタマイト!!」
「ジジ………あぁ、キミって最高だよトゥエンティ」
トゥエンティはヘタマイトにそう告げると、ベルトのバックルを回転させ、力を溜め込む…………
………タイムブレーク!!
ベルトの音声が鳴り響くと、トゥエンティは跳び上がり、強烈なライダーキックをヘタマイトに向かって放った。
そして………
「ジジ、あぁまだやり足りない。やり足りないよ!!……くっ…ぐっ…ぐぁぁぁぁあ!?!」
〈ライフ1➡︎0〉ヘタマイト
変身したトゥエンティの渾身の一撃。それによりヘタマイトの最後のライフバリアを撃破。遂にトゥエンティはカナの肉体を蝕んでいたヘタマイトに勝利して見せる…………
「………カナ」
「…………」
ライダーキックを直撃させ、勝負を決めた直後、トゥエンティがそう呟いた。カナの事が心配なのだろう…………
ヘタマイトの黒の力と言う呪いはこれで消えたはずだが………
「………ジ…ジジ」
「!!」
「ジジジ、い、今の一撃最高だったァァァー!!!!……ま、まだできる!!……もう一度、もう一度ボクとバトルしようよ、しようよねぇ、トゥエンティ!!!」
「アイツ、まだ意識があるのか!?……トゥエンティ!!」
ヘタマイトにはまだ意識があった。しかし、身体中から黒の力が溢れ出ているその様子から、もう既に限界であるのには違いないようで、とてもではないがもう一度バトルできる体力があるようには見えない。
それでも執念だけでトゥエンティに歩み寄って来る。そんなヘタマイトに彼は……………
「………ごめん!!」
「!?」
彼女を強く抱きしめた。
「は、離してよトゥエンティ……ボ、ボクがキミとしたいのはこんな事じゃない。バトルだバトル。バトルをしようよ」
「ごめんカナ!!……オレが、オレが全部間違っていた、愚かだった。今更許してくれとは言わない!!……でも、またできるのならば、できるのならば…………また一緒に旅をしよう!!……今度は絶対にキミを離さない!!」
「!!」
トゥエンティの誓いの言葉。その強き意思が奇跡を起こす。
ヘタマイトのいや、カナの体内から黒の力が全て抜け落ち、やがて完全に塵となり消滅していって……………
「…………言ったからね、トゥエンティ………」
「!」
ヘタマイトの黒の力は完全に消滅した。今ここよりこの肉体で話しているのは正真正銘、テンドウ・ヒロミの妹『テンドウ・カナ』…………
その優しい声色がトゥエンティの荒んだ心に突き刺さり、涙が零れ落ちる。今まで、どれだけ彼がこの時を待ち侘びていた事だろう………
こんなに嬉しい事はない。
「絶対、今度こそもう絶対……どこにも行かないで……!!」
「あぁ、行かない。もう絶対オレはキミの元から離れない………誓うよ」
様々な障害が邪魔をし、ようやく久方ぶりに巡り会えたトゥエンティとカナ。互いに涙ぐみながら篤き抱擁を交わしたのだった……………
その様子を見ながらテンドウは「よくやった、トゥエンティ」と口にし、弟子の成長を見届ける。
二兎追う者は二兎とも取った。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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