バトルスピリッツ コラボストーリーズ   作:バナナ 

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73コア「スーミ村のアスラ」

大昔の怪物ブラックフォース。黒属性のオリジンにしてそのモノと呼べる彼の力の前に窮地に立たされるアスラとオニキス。

 

やがてオニキスは吸収され、アスラもまた、ブラックフォースの中へと誘われて……………

 

だが、アスラはブラックフォースにとって汚物だったか、彼が中へと入った事で機能を停止した機械のように動かなくなって……………

 

 

「アスラはまだあの中で戦っている」

「あぁ、デッキのカード達を通して伝わってくる」

「アスラ………負けるんじゃないわよ。絶対帰って来なさい」

 

 

ロン、トゥエンティ、エールの3人がそう言葉を落とす。そのそばにいるゾンもまた、アスラの帰還と勝利を心より願っている。

 

そして、今のアスラは…………

 

 

 

******

 

 

 

「ッ………こ、ここは………!?」

 

 

気がつけば、アスラは光1つない闇の中にいた。いつの間にかセイバーへの変身も解けている。

 

 

「そ、そうかオレ……ブラックフォースに吸い込まれて………じゃあここはアイツの中??……待てよじゃあオニキスもウィルもこの中にいるんじゃ」

 

 

自分が今、どう言う状況下に置かれているかをある程度把握するアスラ。取り敢えず、この黒い闇のゾーンを抜け出して、同じく吸収されてしまったオニキスとウィルに合わなければならない。

 

 

「……にしたってどうやって探せばいいんだ、こんな右も左もわからん状況で……」

 

 

どの方角に、どの道筋にオニキス達がいるかはブラックフォースのみぞ知る。きっと無象に進めば長い長い道のりになるに違いない…………

 

 

「だァァァァ!!!……もう何でもいい、何時間でも何日でも何週間でも何ヶ月でも何年でも探し回ってやらァァァァー!!!」

 

 

いつもの諦めないスピリッツで躍起になるアスラ。大層立派だが、何の解決策にもなっていない。

 

 

「!!」

 

 

しかしそんな時だ。一粒の光球がアスラの目の前に出現したのは………

 

やがてそれは人の、女性の形へと姿を変える。背丈はアスラと同じくらい、結構美人で、年齢は多分上。灰色のショートヘアで、顔つきからして元気いっぱいの女性なのがわかる…………

 

 

「よっ!」

「………え、ど、どちら様ですか……!?」

 

 

いきなり挨拶された。こんな状況だが、急に挨拶されて、アスラはちょっと戸惑う。

 

 

「オレの名前はキョー………キョー………」

「………キョー??」

「『キョーはカレーライス』だ。よろしく」

「なんて名前だァァァァー!!?!」

 

 

多分今作った名前なんだろうが、ネーミングセンスのなさにドン引きするアスラ。

 

 

「え、ウソだよな?……本当の名前じゃないよな?」

「当然。オマエ、今困ってるだろ?……オニキスの所に行きたいか?」

「ッ……オニキスを知ってるんすか!?」

「もち。オレとオニキスは親友よ」

「マジか!!……アイツ基本的に人間嫌いとか言ってましたけど!!」

「マジマジ。途中まで連れて行ってやるよ」

 

 

何故かは知らないが、怪しいことは沢山言ってるのに、アスラは不思議と嘘には聞こえなかった。

 

取り敢えず行く当てもない、アスラはこのやけに男っ気の強い女性についていく事を決める。

 

 

「………正直、お姉さんを信用していいかわかんねぇ。でもオレには当てがない。オニキスにもう一度会うために、お願いできますか……」

「ハッハッハ!!!……固!!……真面目か!!……最初っから連れて行ってやるって言ってんだろ?」

「えぇぇ!?……なんで笑ってんすか!?!」

 

 

何故かめちゃくちゃ笑われた。どうやら笑いの壺が凄く浅いらしい。

 

 

「はぁ可笑しい可笑しい……そっか。アンタは、思った事を正直に言うタイプなんだね」

「??」

「良い男に育ったね。身長はクソチビだけど」

「クソチビ言うな!!」

 

 

その後、アスラと女性は黒い闇の中を歩み始める。

 

アスラはわかっていないようだが、彼女こそ彼の本当の母親『キョーラ・ギア』である。何故だか2人は皮肉にもブラックフォースの体内で再開してしまっていて……………

 

 

ー………

 

 

「………1つ、聞いて良いか?」

「お、なんすか?」

 

 

道中、キョーラがアスラに質問を投げ掛ける。それは16年間、アスラを思い続けて来た彼女からの、本当に本心からの、素朴な疑問であって…………

 

 

「ソウルコア、使えなかったろ。生まれた時から」

「ッ………そんな事も知ってんのか、スゲェなアンタ!!……そうなんだよ〜〜オレ生まれた時からソウルコア使えなくてさ〜〜……」

「………辛く、なかったか……!?」

 

 

やけに険しい顔で聞いて来た。

 

無理もない。

 

黒の世界出身のキョーラとて、表の世界の者達が皆当たり前のようにソウルコアを使っているのは知っていた。そこに突如ソウルコアが使えない人間が現れたら、その人間がどんな扱いを受けてしまうか、想像は容易だ………

 

アスラにソウルコアがないのは、ギアの一族の末裔である自分の遺伝だ。きっと大きな責任を感じているに違いない。

 

そんなアスラは口角を少し上げて笑うと、目の前にいるのが血の繋がった、本当の母親だとも知らずに、その質問に答える。

 

 

「そりゃ、辛かったよ。何でオレだけってずっと思ってた」

「…………」

「でもシイナが、育ての親が言ったんだ。『バトルは強いカード、ましてやソウルコアでやるモノじゃない。諦めない心でやるモノだ』って……それからその人は史上最強のカードバトラーになって、オレ達の目標になった。そして、その目標のために旅をしていくうちに、こんなソウルコアも使えない底辺ヤロウも認めてくれる、優しい仲間達ができたんだ。なんかそいつらといたら、ソウルコアが使えないからなんだよって思って来てさ。今ではそんなに気にしてないんだ」

「………そっか。良い人達と出会えたんだな」

 

 

鼻の下を擦りながら、やや自慢気に己の半生を語るアスラ。趣のある彼の言葉に、キョーラは首を軽く縦に振り、感動する。その目には薄らと涙を浮かべていた。

 

 

「………やっぱオマエは、オレ以上の器の持ち主だよ」

 

 

アスラにも聞こえない程、小さくそう呟いたキョーラ。これは自分が死ぬ間際にアスラに対して思った事だ。

 

 

「後そうだな。じゃあ好きな女の子とかいる?」

「え、好きな女の子??……あーー最近気づいたんだけど、一応いるよ」

「え、マジ!?」

「マジ」

 

 

親としてはどうしても聞いておきたかった質問その2を出題するキョーラ。まさかの好きな女の子がいる発言に少し驚く。

 

 

「………その子が誰かは知らないけど、どうせ選ぶならオレみたいな美人で逞しい系の女にしろよ。騙して来たり、裏がありそうなヒステリック系とかはNGだからな?」

「大丈夫大丈夫、偶にオレの事殴って来るけど、そいつスゲェ逞しいんだぜ………つか、なんか質問の内容が母ちゃんみたいだな」

「ふふ」

 

 

この16年間で、すっかり大人になったんだな。そうキョーラは思い、満族気な表情を浮かべる。

 

そしてその途端に、彼女の体が薄く光り輝き、少しずつ肉体が粒子となって行って…………

 

 

「え、どうしたんだお姉さん!?」

「………悪い、時間みたいだ。もう少し先を歩けばオニキスの所に辿り着ける」

「そんな、お別れって事か!?」

 

 

アスラにそう言われ、キョーラは薄く笑顔を浮かべながら、無言で首を縦に振る。

 

 

「なんでかよくわかんねぇけど、オレお姉さんともっと沢山話していたかった」

「あぁ、オレもだ。もっともっとアスラとこうしてお話がしたかった。呆れるくらい長くて、バカみたいにどうでもいい話をしていたかった…………まるで、親子のように」

 

 

ただ、満足はした。アスラが自分の代わりに表の世界で楽しくやっていた事が知れたのだ。

 

それだけでもう、大満足。

 

 

「じゃあなアスラ。オニキスに会ったらよろしく言っといてくれ………アイツは本当にオレのマジダチだから」

「おう!!……お姉さんも、元気でな!!」

「………おう!!」

 

 

最後に満面の笑みを見せながら、キョーラは完全に粒子となり、やがてこの場から完全に消え去ってしまった。

 

この時、アスラは彼女のその笑った顔が自分によく似ていると思った。その考え方が彼の脳の全域に染み渡っていった直後、何故だかよくわからないが、涙が頬を伝って来て…………

 

 

「…………なんで泣いてんだ、オレ?」

 

 

アスラは涙の意味もわからぬまま、それを拭い、言われた通りの道筋を辿って、どこかにいるであろうオニキスを探し続けた。

 

 

「そう言えば、お姉さんの名前、聞いてなかったな。聞いとけばよかった」

 

 

 

******

 

 

 

「………見つけた。オニキス………!!」

 

 

少し時間が経ち、アスラは広々とした空間に出た。そこには黒いカプセルが1つ存在し、その中には吸収されたオニキスの姿が確認できる。

 

所謂仮死状態なのか、目も開けず、その体をピクリとも動かさない。

 

 

「よし、早くオニキスを助けよう。でもってこんな所さっさと抜け出して………」

「君もここに来たのかアスラ」

「ッ………!」

 

 

オニキスの元へ駆け寄ろうとした直後、アスラに細々と声を掛けたのは、他でもない、ブラックフォースに利用され続けて来た男性「ウィル」…………

 

その痩せこけた様子から、蓄えて来た黒の力は全て抜き取られた後みたいで…………

 

 

「ウィル!!……そうかやっぱオマエも………無事でよかったぜ。オニキスを助けて、一緒にここを出………」

「出られないよ」

「!!」

「どうやってもここから出る事なんて不可能なんだ」

 

 

やけに後ろ向きな思考と雰囲気を感じさせるウィル。どうやら彼は既にこの状況から絶望を見出し、諦めているようだ。

 

 

「そんなのやってみねぇとわかんねぇだろ!?」

「仮に出れたとして、あのブラックフォースに勝つ事なんてできない。奴はおそらく究極の生命体………出れても犬死にするだけだ」

「でもオレ達が出ねぇと他のみんなが殺されちまう!!……それだけは絶対にあっちゃいけねぇ事だろ!!」

「死ぬのはしょうがない事なんだ。世界はもうブラックフォースが掌握していると言っても過言じゃないんだから…………」

 

 

ふざけんな!!!!

 

 

「!!」

「何マイナス思考働かせてんだ、このネガティブちょび髭ヤロウ!!」

 

 

頭に血の上ったアスラは、ウィルの胸ぐらを掴み、叫ぶ。

 

 

「そうやって後ろ向きな考え方してる方が楽だよな。そうやって逃げとく方が楽だよな!?」

「!!」

「オマエにもこうなった責任があるんだろ!?……落とし前を付ける義務があるはずだろ!?……やらねぇと行けない事から、逃げ出すんじゃねぇ!!」

 

 

わかっている、ブラックフォースを倒さないと行けないのも、自業自得なのも、その自業自得に、他の者達を巻き込んでは行けないのも、本能レベルで把握している。

 

だが無理なんだ。もう疲れたんだ。休ませてくれ。

 

ただただ、ウィルはそう思っていた。

 

 

「もういい、オレ1人でオニキスを助ける。オマエは引っ込んだろ」

 

 

そういい、アスラはウィルを離すと、再びオニキスの方へと体を向け、走り出した…………

 

そして、もう一歩、オニキスの入ったカプセルに手が届く。

 

その瞬間…………

 

 

「ぐへッ……!?!」

 

 

誰かに顔面を殴られ、体ごと吹き飛ばされた。アスラは痛む頬をさすりながら自分を故意に殴り飛ばしたであろう人物を視認する…………

 

 

「オマエらは………」

「ジジジ………」

「ズズズ………」

「ヘタマイトとシャーマン………!!」

 

 

そこにいたのはヘタマイトとシャーマン。おそらくさっきアスラを殴ったのはシャーマンの方だろう。アスラをオニキスの所に行かすまいと飛び出して来たのだ。

 

ブラックフォースの体内だからか、2人は黒い肉体に尻尾、翼など、ブラックフォースと似た、悪魔らしい姿に戻っている。

 

 

「邪魔すんじゃねぇ!!……オレをオニキスの所にいかせろ」

「ジジジ……アスラくん。久し振りの再会を喜びたい所だけど、それは無理♡」

「ズズズ……今奴は余計なモノを消去されている所だからな」

「余計なモノ……??」

 

 

アスラの疑問に、シャーマンが答える。

 

 

「記憶だよ。貴様ら愚かな人間共のな」

「!!」

「奴は人間を愛し過ぎた。それはブラックフォースの一部として相応しくない。だから消されるんだよ」

 

 

オニキスのみ、カプセルの中で眠り続けている理由は、記憶の排斥。もちろん彼が進んで望んだわけではない。

 

ブラックフォースの本能が、そうさせたのだ。

 

 

「………オマエ達2人も、ブラックフォースに、オブシディアンに騙されてたんだろ!?……アイツの分裂体だって知らなかったんだろ!?……それなのになんでアイツの側に付くんだよ!?」

「ジジジ………そんなの、最高だからに決まってるじゃん!!」

「!?」

「最高なの。この一体感。ボク達の力がオブシディアンに集約されていくこの感じ、堪らなく良い!!……ボク達こそ、最強の生命体なんだ!!」

「オブシディアン、いやブラックフォースが人間を根絶やしにしてくれるならオレ様が分裂体でも何でも良い!!……それがオレ様の望みだ」

 

 

ヘタマイトもシャーマンも、それぞれがそれぞれの理由でブラックフォースに付いていた。

 

仮に反抗していたとしても吸収は免れなかったと思うが、こうして彼らがブラックフォース側にいるのは、オブシディアンへの篤い信頼とも取れる。

 

 

「………そうかよ。ならしょうがねぇ、力づくでもそこをどいてもらうぜ………!!」

 

 

アスラが再びオニキス目掛けて走り出す。それを近づけてはならないと本能レベルでわかっているヘタマイトとシャーマンはその道を阻む。

 

 

「うぉぉお!!……どきやがれェェェ!!!」

 

 

道を阻むシャーマンとヘタマイトに拳を握るアスラ。強烈なパンチを繰り出すが、2人は一瞬でそれを見切り、避けて…………

 

 

「ジジジ」

「ズズズ」

「ぐあっ……!?」

 

 

息の合ったコンビネーションでアスラを蹴り飛ばした。そして地面に転がる彼を見てニタニタと笑う。

 

 

「く、クソ!!」

 

 

アスラもまだ負けてはいない。すぐさま立ち上がると、またヘタマイトとシャーマンに戦いを挑みにいく。

 

しかし………

 

 

「ぐっ……ぬわぁっ!?」

 

 

また吹き飛ばされる。

 

 

「なんのこれしき!!………ぐぁっ!?」

 

 

立ち上がっては吹き飛ばされ、立ち上がっては吹き飛ばされを繰り返してしまうアスラ。絶対にオニキスを取り戻してみせると言う強い意志が、彼を何度も立ち上がらせていた…………

 

 

「しぶてぇなコイツ……」

「ジジジ……いいよいいよ、しぶといの大歓迎!!……絶対最後に殺すのはボクだからね!!」

「ゼェ………ゼェ………うぉぉ!!……まだまだァァァー!!!」

 

 

吹き飛ばされ、立ち上がるたびにボロボロになっていくアスラ。身体を鍛えている彼だが、流石にブラックフォースと人間とでの肉弾戦では歯が立たない……………

 

 

「なんで、そこまで………」

 

 

その光景をずっと見続けて来たウィル。アスラの決して諦めないと言う熱い思いに、次第に心が動かされていく……………

 

 

「ぐぁぁぁぁあ!?!」

 

 

これで何十回目だろうか。顔はコブやアザだらけ。皮膚や服もボロボロ。それでも尚、アスラは立ち上がって見せる…………

 

戦いが大好きな戦闘狂、ヘタマイトでさえもその諦めの悪さに飽きを覚えて来ていて…………

 

 

「ねぇアスラくん。いい加減諦めない??……無理でしょ人間1人でブラックフォース2人に勝とうだなんて」

「まだ………まだだ。オレは、誓ったんだ。もう誰も殺させやしない、絶対にオレが守るって、そのために頂点王になるって!!」

 

 

誓ったんだァァァー!!!!

 

 

その守る対象に、当然ながらオニキスも含まれている。だから戦うんだ。仲間のために…………

 

アスラはどこまでも走り、叫び、戦い抜く…………

 

 

「ジジジ……もうめんどくさいから殺そうかシャーマン」

「ズズズ………そうだなヘタマイト。こんな大馬鹿モノはさっさと殺そう…………」

 

 

今度こそ本気だ。2人は武器にもなる鋭い爪を、走って来るアスラへと向ける……………

 

そしてそれで、アスラの肉体を串刺しに…………

 

できるかと思われた。ウィルがその2人の両手を押さえ込んで、アスラを守るまでは……………

 

 

「なに!?」

「ウィル!!」

「アスラ………君は本当に愚かでバカで………優しい奴なんだな。今まで見下していて悪かった。だから………救ってくれ、世界を……オニキスと共に!!」

「おう!!!」

 

 

ウィルがブラックフォースの2人を抑えたその瞬間。アスラは再び駆け出した。その目指す先は当然相棒であるオニキスだ。

 

 

「オニキス、オレだ、アスラだ!!!!………絶対オレの事忘れたとか言うんじゃねぇぞコノヤロー!!!!」

 

 

アスラの叫び。それに呼応するかの如く、オニキスがカプセルの中でその目をゆっくりと開眼させ、目醒める……………

 

 

「ゼゼゼ………テメェみたいな喧しい奴、忘れられるわけねぇだろうがバカヤロウ…………!!」

 

 

アスラの接近に目醒め、カプセルから飛び出すオニキス。アスラの元まで飛翔し、その手を掴む。

 

 

「こんな所まで追っかけて来やがって………負けてねぇだろうなアスラ!!」

「おう、まだ負けてねぇぞ!!」

「なら勝つぞ………ガラじゃねぇが、世界でも何でも救ってやろうじゃねぇか!!」

「っしゃぁ!!………行くぞ、オニキス!!!」

 

 

アスラとオニキス。2人が再び揃ったその瞬間、黒い光が当たり一体を包み込んだ…………

 

そしてその光は、希望と言う名の奇跡を呼び込んだ……………

 

 

******

 

 

舞台は再び戻って決戦の地。不本意でアスラを吸収してしまって、機能を停止していたブラックフォースに変化が訪れる。

 

 

「なんだ、奴から光が………」

 

 

真っ先にその異変に気が付いたのはトゥエンティだった。それに合わせて周囲の皆もそこへと目をやる。

 

 

「ザ、ジ、ズ、ゼ、ゾ………ふ、ふざけるなよオニキスゥゥゥァァァ!!!!」

 

 

ー!!!

 

 

ブラックフォースの体内から飛び出して来たのは2つの光球。内1つはウィルだった。彼は地に足をつけられた事を喜び、その拳を握り締める。

 

そして、もう1つは当然…………

 

 

「……アスラ!!」

 

 

エールが喜びに満ちた声を荒げると、その光球からアスラが再び地に足を付ける。色々あったが、こうして復活を果たす事ができた。

 

だが、その姿はいつもとはだいぶ異なっていて…………

 

 

「き、貴様ら……その姿は………」

 

 

黒いオーラでできた片翼、角、尾…………

 

今のアスラは、まさしくオニキスと融合したと言える姿だった。その悍ましくも神秘的な容姿は、この戦いに終止符を打つのに最も相応しい…………

 

 

『ゼゼゼ、アスラの絆の力と』

「オニキスの黒の力」

『「掛け合わさった2つの力で、今度こそオマエを討つ!!」』

「小癪な………このオレの力の一部をギアの一族の力なんかと混ぜ合わせやがって………」

 

 

絶望的な状況の中で一体化したアスラとオニキス。2人は妥当ブラックフォースを目指す。

 

 

「アスラとオニキスが合体したのか」

「何というか、悍ましいな………だが」

「うん。アレは紛う事なき、いつものアスラよ」

 

 

ロン、トゥエンティ、エールの順でそう話し合った。目の前の存在はほぼブラックフォースに近い存在と言っても差し違えない。

 

だが、言動や立ち振舞いから、アレがいつものアスラで間違いと確信して…………

 

 

「ギアの一族と黒の力の融合………そうだな『ブラックアスラ』とでも名づけておこうかな。本当に凄い男だよ、君は」

 

 

ゾンが勝手に今のアスラの形態を命名する。そしてその直後、遂にバトルが再開する…………

 

 

『「オレ達のアタックステップは続いている。暗黒の魔剣がアタックしたバトルの終了時、転醒ネクサス、赤の世界の効果を発揮!!……オマエに1点のダメージを与える!!」』

「ぐっ……!!」

 

 

〈ライフ2➡︎1〉ブラックフォース

 

 

ブラックアスラが手をかざすと、赤の世界の効果が機動。龍の形をした山脈から次々と隕石が落ち、ブラックフォースのライフバリアを1つ破壊した。

 

 

『「オレ達はこれで、ターンエンド!!」』

手札:6

場:【暗黒の魔剣ダーク・ブレードX】LV1

【赤の世界】LV1

【変身!!仮面ライダーセイバー】LV1

バースト:【有】

 

 

そのターンをエンドとするブラックアスラ。

 

次はようやくブラックフォースのターン、疲労により片膝をついていた三大スピリットをも超える強力なスピリット、エヴァンゲリオンが再び鳴動する…………

 

 

[ターン12]ブラックフォース

 

 

「このターンの開始時、黒の力により、オレのライフは回復する」

 

 

〈ライフ1➡︎3〉ブラックフォース

 

 

もう何度この光景を迎えただろうか、ブラックフォースのライフは又しても回復し、3となった。

 

 

「メインステップ………オレは手札からもう1枚のロンギヌスの槍を召喚し、エヴァンゲリオン13号機と合体!!」

「!!」

「このスピリットはロンギヌスの槍2つとの合体が可能!!……唸れ、叫べ、ダブルブレイヴスピリット」

 

 

ー【エヴァンゲリオン13号機+ロンギヌスの槍+ロンギヌスの槍】LV3(5)BP27000

 

 

突如出現したのは黒い靄。その中より出し2本目のロンギヌスの槍。エヴァンゲリオン13号機は4本の腕のうち、余った2本の腕でそれを握り、前人未到のダブルブレイヴスピリットとなる。

 

 

「さらにネクサス、時止まりの氷原を配置」

 

 

ー【時止まりの氷原】LV1

 

 

「そして、リザーブの全てのコアをエヴァンゲリオン13号機に追加する」

 

 

ブラックフォースの背後に広がるのは白く凍てつく氷原。その後、ブラックフォースはリザーブのコアを全て使い切り、20近くのコアをエヴァンゲリオン13号機に追加した。

 

 

「アタックステップ!!……エヴァンゲリオン13号機でダブルブレイヴアタック!!……その効果で貴様らの手札を2枚破棄」

「!!」

「さらに暗黒の魔剣からコアを取り除き消滅させる」

 

 

遂に攻撃を仕掛けるブラックフォース。その直後にアスラの手札が2枚黒炭となって消滅。

 

さらにエヴァンゲリオン13号機はロンギヌスの槍2本を振い、暗黒の斬撃を発生。アスラの場の暗黒の魔剣を斬り裂き、爆散させた。

 

 

「今のエヴァンゲリオン13号機はクアドラプルシンボル、一撃で4つのライフを破壊できる。貴様らのライフは残り2つ………塵芥となるがいい!!」

 

 

場を荒らし、手札を減らし、勝利を確信するブラックフォース。だが、「そんなわけねぇだろ」と言わんばかりに、ブラックアスラは減った手札から1枚のカードを引き抜いて…………

 

 

『「フラッシュマジック、デルタバリア」』

「ッ………!!」

「効果により、このターンの間、コスト4以上のスピリットのアタック、効果ではオレ達のライフを0にできない」

『ゼゼ、アタックは当然ライフで受けてやるよ』

 

 

〈ライフ2➡︎1〉ブラックアスラ

 

 

前方に展開された稲妻迸る三角形のバリアがアスラの最後のライフを守護する。

 

如何にブラックフォースが無敵の生命体でも、如何に強力なスピリットを生み出そうとも関係ない。このターンは何をした所で、彼にそれを砕く事はできない。

 

 

「こ、この攻撃も凌ぐだと!?……貴様らのどこにそんな力が眠っている!?」

「そんなモン、ここに決まってんだろ!!……ライフ減少によりバースト発動、妖華吸血爪。デッキから2枚ドローする」

 

 

胸に拳を当て、己の伏せていたバーストカードを発動させるアスラ。これで減った手札の数も帳消しとなる。

 

 

「………ターンエンド」

手札:5

場:【エヴァンゲリオン第13号機+ロンギヌスの槍+ロンギヌスの槍】LV3

【時止まりの氷原】LV1

バースト:【無】

 

 

3つのライフ、多量の手札を残し、そのターンをエンドとするブラックフォース。アスラとオニキスが復活してからと言うもの、全くもって余裕を感じられない状況が続いている。

 

そして次はそんなアスラとオニキスのターン。

 

2人の、いや、今までアスラを中心に築き上げて来たみんなの絆が、未来を切り拓く……………

 

 

[ターン13]ブラックアスラ

 

 

『ゼゼ、このターンのドローで全てが決まる。オレの全力を注いでやるから、気を抜くんじゃねぇぞ……アスラ!!』

「おう!!……ドローステップ!!」

 

 

ブラックアスラとなったアスラの眼光が赤黒く輝き出す。その勢いのまま、アスラは全力でBパッドのデッキからカードをドロー…………

 

オニキスの黒の力、自分の絆の力が織り混ぜられたその右手からドローしたカードは、まさしくこの状況にピッタリの最強カード。

 

 

「ッ……オマエが来てくれたか」

『コイツは良いのを引いたな』

 

 

どうやらその最強カードは、彼らも良く知っているカードらしい。

 

アスラは直後にそのドローカードを手札に加え、颯爽とメインステップへと移行する。

 

 

「メインステップ………先ずはダークウィングを召喚!」

 

 

ー【ダークウィング】LV1(1)BP3000

 

 

空っぽのアスラの場に出現したのは、ロンのライダースピリット、そのナイトの操る黒き翼、ダークウィング。

 

 

「ロンの次はトゥエンティだ!!……手札から仮面ライダージオウ オーマフォームのチェンジの効果を発揮」

「!?」

『ゼゼ、カード効果により、トラッシュからコスト8以上のライダースピリットをノーコストで召喚する』

「オレは、トラッシュにいる仮面ライダージオウ グランドフォームを召喚する!!」

 

 

ー【仮面ライダーグランドジオウ】LV1(1)BP8000

 

 

「オーマフォームは入れ替えずにトラッシュへと破棄する」

 

 

続けてアスラの場に現れたのは、20体のライダースピリットの黄金の仏像を身に纏う、トゥエンティのジオウ、その進化系、グランドジオウ。

 

これでロンとトゥエンティのカードが場に出揃い、最後はアスラだ。

 

 

「そしてこれが、このターンのドローステップでドローした、オマエに勝つための切札だ!!!」

 

 

烈火纏いて現れよ………

 

仮面ライダー龍騎サバイブ!!!

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ】LV2(3)BP11000

 

 

様々な鏡像が重なり合い、爆誕したのは、深紅の装甲を身に纏う、烈火の如く熱きライダースピリット、仮面ライダー龍騎サバイブ。

 

そしてこのカードは、アスラが以前所持していた物。第一の龍騎と同様、オニキスの黒の力で堂々復活を果たしてみせた。

 

 

「そして、ロンのダークウィングに、オレの龍騎サバイブを合体」

「!!」

 

 

 

赫炎の疾風が世界の全てを包み込む!!

 

来い、龍騎サバイブレイダー!!!

 

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ダークウィング】LV3(4)BP16000

 

 

前のウィル戦とは逆のパターンだ。今度はアスラの龍騎サバイブに、ロンのダークウィングが合体。

 

黒いマント、青い盾、勇者の聖剣を携えた仮面ライダー龍騎の新たな形態、仮面ライダー龍騎サバイブレイダーがここに爆誕した。

 

 

『「最後にバーストをセットしてアタックステップ!!……龍騎サバイブレイダーでアタック!!」』

「合体したダークウィングの効果、トラッシュからソードベントのカードを手札に戻し、エヴァンゲリオン第13号機からコア2つをトラッシュに置く」

「くっ………」

 

 

いよいよ始まるアタックステップ。

 

アスラがトラッシュから『ソードベント』のカードを手札に戻すと、龍騎サバイブレイダーは聖剣を振い、赤き竜巻を発生させる。

 

エヴァンゲリオン第13号機はそれに飲み込まれるも、多量のコアからか、LVも下がらず、平然とした様子でそこに留まり、やがて己の気迫だけでそれを吹き飛ばして見せた。

 

 

「龍騎サバイブレイダーは、アタックステップ中、ライダースピリットのバトル終了時、そのシンボル分だけ相手にダメージを与える。ライフ3なんてあっという間に消し飛ばしてやるぜ!!」

 

 

龍騎サバイブレイダーがマントを広げ、勇者の聖剣を構え、走り出す。目指す先は当然ブラックフォース。

 

この一撃が通ればアスラ達の勝利となるが…………

 

史上最強の生命体、ブラックフォースがそう易々とそれを許すわけがなくて…………

 

 

「ザ、ジ、ズ、ゼ、ゾ………オマエ達の快進撃もここまでだ。フラッシュマジック、シシャノショドリーム」

「!!」

「このターンの間、オレのライフはコスト4以上のスピリットのアタック、効果では1以下にならない………その攻撃はライフだ!!」

 

 

〈ライフ3➡︎2〉ブラックフォース

 

 

ブラックフォースの前方に出現する本の形をしたバリア。それが龍騎サバイブレイダーの一振りを阻み、ライフバリアを2つも残して見せた。

 

 

「………」

「オマエ達如きが、このオレに勝てると思っていたのか!!……勇者気取ってんじゃねぇぞクソ雑魚共が!!!」

 

 

このターンさえ凌ぐ事ができれば自分の勝利になる事を感覚的に理解していたブラックフォース。シシャノショドリームでそれを実行できた今、再び心に余裕が生まれている様子。

 

 

『「シシャノショドリームはライフを守る効果、アタックステップそのモノを終了させる効果じゃない」』

「あぁ?……だったらなんだ」

『「続け、グランドジオウ!!……アタック時効果を発揮だ」』

「!!」

 

 

身も心も一体化しているアスラとオニキスは、互いの声を重ね合わせ、グランドジオウでアタック宣言。

 

しかし………

 

 

「馬鹿め。シシャノショドリームの効果はまだ続いている、ライフは減らない!!」

 

 

〈ライフ➡︎2➡︎2〉ブラックフォース

 

 

グランドジオウがブラックフォースに拳を突き付けるが、またしてもシシャノショドリームがそれを防ぐ。

 

ブラックフォースのライフバリアは砕けず、その数は2を維持している。

 

 

「愚か、滑稽なり、ギアの一族、オニキス。さぁ早くターンを終了しろ!!」

『「オレ達はこれでターンエンド」』

手札:4

場:【仮面ライダー龍騎サバイブ+ダークウィング】LV3

【仮面ライダーグランドジオウ】LV1

【赤の世界】LV1

【変身!!仮面ライダーセイバー】LV1

バースト:【有】

 

 

ゆっくりとその瞳を閉じ、ターンを終了するアスラとオニキス。その様子を見届けたブラックフォースは大きく口角を上げて喜ぶ。

 

 

「オレのターン………このターンで貴様達に更なる絶望を与えてやる!!」

 

 

そう意気込み、ブラックフォースはターンを進めて行こうとするが…………

 

ある異変に気がついて…………

 

 

「………な、何だ。ライフが回復できない………それどころかターンを開始できないだと……!?」

 

 

ライフも回復せず、ターンを開始できない事に気がついた。

 

何か裏がある。

 

そう思い、再びアスラとオニキスの方へと首を向ける。

 

 

「貴様ら、何をした!!」

『ゼゼ、やっと気がついたか』

「ブラックフォース、残念だけどオマエにもう次のターンは回って来ない。オレ達はグランドジオウのアタック時効果で、テンドウさんの第二の仮面ライダーカブト ハイパーフォームの効果を使った…………」

 

 

 

これにより、もう一度オレ達のターンが巡って来る!!

 

 

 

「か、カブトだと!?……何故そのカードが貴様らのデッキに」

 

 

ここに来てまさかの仮面ライダーカブトのエクストラターンの力を発揮するアスラ。予想外過ぎる一手に流石のブラックフォースも戸惑いが隠せない。

 

 

「テンドウさん、アンタのカード。アスラの役に立ちましたよ………まさかこの展開を見越してたんじゃないでしょうね」

 

 

テンドウの弟子であるトゥエンティ。

 

彼がここに来る前にテンドウから手渡されていたカード。それが第二のカブト ハイパーフォームだったのだ。彼がこの展開を見越していたのかは定かではないが、どちらにせよ、アスラ達に再びチャンスが巡って来た事に変わりはなくて…………

 

 

「ふ、ふざけるなよ………貴様らァァァァァァー!!!!」

『「行くぞブラックフォース、再びオレ達のターン!!」』

 

 

怒り心頭し、叫ぶブラックフォース。対してアスラとオニキスはそれを無視し、テンドウのお陰で再び回って来たターンを開始していく。

 

そして、これが本当のラストターン………

 

 

[ターン14]ブラックアスラ

 

 

「アタックステップ!!……グランドジオウ、もう一度頼む」

 

 

ターン開始早々にアタックステップへと移行するアスラ。グランドジオウでもう一度アタックを仕掛ける。

 

龍騎サバイブの効果と併せ、これでフィニッシュできるが………

 

 

「フラッシュマジック、光翼之太刀!!」

「!!」

「このターンの間、エヴァンゲリオン第13号機のBPを3000アップし、このターンの間は疲労状態でのブロックが可能となる………奴の攻撃を阻め!!……さらに時止まりの氷原の効果でBPを3000アップ。その合計BPは33000となる!!」

 

 

ー【エヴァンゲリオン第13号機+ロンギヌスの槍+ロンギヌスの槍】BP27000➡︎30000➡︎33000

 

 

まだまだ足掻けないわけがない。ブラックフォースは渾身のフラッシュマジックでエヴァンゲリオン第13号機を再び鳴動させ、グランドジオウのアタックをブロックする。

 

 

「負けぬ。負ける訳がないのだ………この最強の生命体、ブラックフォース様が!!」

 

 

フィールドではグランドジオウの行手をエヴァンゲリオン第13号機が阻む。

 

体格差を活かし、エヴァンゲリオン第13号機がロンギヌスの槍でグランドジオウを貫こうとする。グランドジオウはそれを紙一重で回避し、ロンギヌスの槍を足場にエヴァンゲリオン第13号機本体まで駆けあがろうとするが、もう一本のロンギヌスの槍に身体を貫かれ、忽ち爆散してしまう……………

 

これで、アスラとオニキスの場には龍騎サバイブレイダーのみ。そのBPは16000、エヴァンゲリオン第13号機の33000には遠く及ばない…………

 

だが、それでも決して諦めたりはしない………

 

どんなに力の差があろうとも、絶望的な状況であろうとも、絶対にバトルを諦めない。

 

それがアスラのバトルスピリッツだ。

 

 

「龍騎サバイブレイダーでアタック!!……合体したダークウィングの効果で再びトラッシュからソードベントのカードを手札に戻し、エヴァンゲリオンからコア2つをトラッシュに!!」

「いくつコアを置いたと思っている、その程度でLVダウンなどせんわ!!!」

 

 

前のターンと同じく、アスラは『ソードベント』のカードをトラッシュから回収しつつ、龍騎サバイブレイダーの聖剣から発生させる赤い竜巻でエヴァンゲリオン第13号機からコア2つを取り除くが、それでもまだ10個以上のコアが置かれている。

 

LVダウンなどあり得ない。

 

エヴァンゲリオン第13号機はその赤い竜巻を弾き飛ばしながら、効かないぞと言わんばかりに咆哮を張り上げる。

 

 

「ブロックだエヴァンゲリオン!!……黒属性の力を携え、三大スピリットをも超えたその力を奴らに指し示せ!!!」

 

 

ブラックフォースの指示を聞くなり、龍騎サバイブレイダーへと襲い掛かるエヴァンゲリオン第13号機。その圧倒的なパワーで2本のロンギヌスの槍を振い、龍騎サバイブレイダーを追い詰めていく………

 

 

「フラッシュマジック、ソードベント!!……これを2枚使って、龍騎サバイブレイダーのBPを10000プラスして、エヴァンゲリオンのコア4つをリザーブに!!」

「!!」

『「サバイブセイバーツヴァイ!!!」』

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ+ダークウィング】BP16000➡︎21000➡︎26000

 

 

2ターン連続で手札に戻し続けたソードベントのカードをここで消費。龍騎サバイブレイダーの勇者の聖剣は炎を帯び、身の丈をも遥かに超えるサイズへと変貌…………

 

龍騎サバイブレイダーはそれを猛々しく、全身全霊で振い、エヴァンゲリオン第13号機をロンギヌスの槍諸共上空へと高く飛ばしてみせる。

 

だが………

 

 

「だが、まだエヴァンゲリオン第13号機のLVは下がらない!!……BPもまだ僅かに届いていない!!………終わりだギアの一族、オニキス!!!」

『「…………」』

 

 

そう。この行為は一時凌ぎにしかならない。エヴァンゲリオン第13号機は上空ですぐさま体勢を整え、ロンギヌスの槍2本を構える。地上にいる龍騎サバイブレイダーにそれを投擲するつもりなのだ…………

 

龍騎サバイブレイダーもまたソードベント2枚分で作り上げた巨大な炎の剣を投擲しようと構える。しけし力の差は歴然、このまま行けば間違いなく敗北を喫するのは龍騎サバイブレイダーの方であろう…………

 

 

 

 

頂点王になるんでしょ………

 

 

アスラァァァァァァァァァ!!!!!

 

 

 

 

「!!」

 

 

この局面でエールがアスラに向けて叫んだ。その言葉は背中を押すように、アスラに1枚のカードを手札から引かせた………

 

 

「フラッシュマジック、シーズグローリー!!」

「!?」

『「このターンの間、相手スピリット1体のBPをマイナス7000………よって、エヴァンゲリオンのBPは、今の龍騎サバイブレイダーと同じ、26000となる!!」』

 

 

ー【エヴァンゲリオン第13号機+ロンギヌスの槍+ロンギヌスの槍】BP33000➡︎26000

 

 

刹那。稲妻纏いし槍がエヴァンゲリオン第13号機の右胸部を貫いて見せる………

 

喘ぎ声を上げるエヴァンゲリオン第13号機。しかしそれでも執念でロンギヌスの槍2本を龍騎サバイブレイダーに向けて放つ。龍騎サバイブレイダーもまた炎纏った巨大な聖剣をエヴァンゲリオン第13号機のいる上空へと投げる…………

 

そしてそれは互いに命中。

 

2体は耐えられず、忽ち爆散して行った。ブラックフォースの場にはロンギヌスの槍2本が、アスラ達の場にはダークウィングがそれぞれ疲労状態で場に残った…………

 

 

「エヴァンゲリオンがライダースピリットと相打ちだと!?………だがこれでもう貴様らの場にアタックできるスピリットはいない!!……ザ、ジ、ズ、ゼ、ゾ………このオレの、ブラックフォースの勝利だ……!!」

 

 

両者の爆発による爆煙の中、ブラックフォースが自分の勝利を確信する。

 

だが、その爆煙が晴れる頃、彼の目先には信じられない光景が飛び交う…………

 

 

ー【仮面ライダー龍騎サバイブ】LV3(4)BP13000

 

 

「な、何……何故そいつが、龍騎サバイブが場に残っている!?!」

 

 

そう。破壊されたはずの龍騎サバイブが何故か場に残っていたのだ。それもアタックが可能となる回復状態で…………

 

ブラックフォースは何度もその目を疑った。しかしそれは紛う事なき本物。覆しようがない事実であって…………

 

 

『「スピリット破壊後のバースト、トリックベント。この効果で破壊された龍騎サバイブをトラッシュから復活させた」』

「ッ……何だと!?」

 

 

爆煙の中、アスラが最後に使用したカードは、バーストカードのトリックベント。この効果により、龍騎サバイブは奇跡の復活を果たしていたのだ。

 

 

『決めるぞアスラ、これが正真正銘、最後の一撃だ………!!』

 

 

オニキスの言葉がアスラの背中を押す。ロンやエール、他の仲間達も「行っけぇぇ!!」と彼に強く声援を送る。

 

そして、アスラは最後の宣言を行う…………

 

 

 

行け龍騎サバイブ!!

 

オレ達の想いを繋ぎ、未来を照らせ!!

 

 

 

アスラの指示の声の大きさに呼応するように、龍騎サバイブは今までとは比べ物にならない程の巨大な火球を銃より放つ…………

 

まるで太陽のようなその炎の弾丸は忽ちロンギヌスの槍とブラックフォースを飲み込んでいき……………

 

 

「何故だ。完全にオレの勝ちだった筈だ………何故ここまでしてギアの一族に、人間に勝てない………何故だオニキス、オニキスゥゥゥァァァ!!!」

 

 

〈ライフ2➡︎0〉ブラックフォース

 

 

又してもギアの一族に、人間に敗れる事になったブラックフォース。その最後のライフバリアが、彼の叫びと共に大きな音を立てながら砕け散って行った…………

 

 

 

 

これは、この一瞬は…………

 

『アスラ』と言うソウルコアが使えないコモンの落ちこぼれが、努力を重ね、仲間と共に成長し、勇者となり、英雄とまで呼ばれるようになった、奇跡の瞬間である…………

 

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございました!!

次回で最終回です!!

因みにトゥエンティがテンドウからカードを渡されるシーンは69コア「マーシフルモード」にて描かれております( ̄∀ ̄)
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