どれだけの時間が経過しただろう。
数日なようにも感じられるし、数ヶ月経ったようにも感じられる。
まあ、どうでもいいことか。
もう予定なんてないんだから。
その現実がオレの心に重く突き刺さる。
予定がない。
この言葉はこう言い換えられる。
目的がない。
生きる目的が──理由がない。
いっそのこと、死んでしまいたい。
守りたいと望んだモノは、皆消えていく。
大切な人が死んだ。
恩人が死んだ。
彼女に勝手に、一方的に立てた誓いを果たせなかった。つまり、約束を
人も約束も守りたいモノは消えていく。
オレのせいで。
「ひぐっ······ひっ······うっ···」
涙が、流れた。
年甲斐もなく、或いは年相応に泣き崩れる。
部屋の隅で蹲って、膝を抱いて、嗚咽を洩らしながら、泣き続ける。
「死にたい···」
けど、死ぬのはダメだ。論外だ。
死が──自殺が贖罪になんて、決して成り得ない。成っていいはずがない。
単なる逃避が、逃亡が、逃奔が。
向き合いもせず逃げただけの"死"に、何の意味がある。
それが償いになるのか。
そんなことない。そんな筈ない。
自分を"罰して"いるんじゃない。自分を"救って"いるだけだ。
オレが"死"に求めるモノが"救い"であっていいわけがない。
救われる価値なんて、オレにはない。求める権利すら、ありはしない。
何度も。
何度も何度も、数え切れないくらいに多くの人の希望を潰して、潰して、潰して。
絶望を、恐怖を、狂気を、振りまき続けて。
そんなオレに。
報いを受ける覚悟はあった。
望んでいたくらいだ。
けど、なんで、
「こんなかたちなんだよぉ······」
分かってる。
これが報いなんだったら、最も効果的な手を使われているだけなんだと。
そういう風に育てられたオレには、それが当たり前の生活環境だったオレには、オレ自身に何かが起こる以上に、大切なモノ達が傷ついて、消えていく方が辛いって、分かってる。
けど、皆オレなんかとは違ったのに。
オレなんかとは違うのに。
あんな目に遭っていいような人達じゃないのに。
なのに、オレはまだ、
渇望する。熱望する。切望する。
死を恐れ、生に執着するほどの
そしてオレなんかでは太刀打ちできない強者を。
生きたいと、そう望んで、けれども殺されたい。
死にたいと望んで死ぬのは逃げているだけだ。
死にたいと望んで殺されるのは救われているだけだ。
ただ、殺してもらいたい。
相手の意思を持って、殺されたい。