6話 出会えた喜び/底の無い憎悪
鬱蒼と木々が生い茂るワース樹海。
闇の三大勢力と称される闇ギルドの多くを傘下に従える三つのギルドからなる、バラム同盟の一角、
奴らがニルヴァーナを手に入れるのを阻止し、危険因子を排するために集まった···のだったか。
やれやれ、とても残念だね。
今回俺は手出しを許されてはいない。
六魔は元より、連合軍の方にもだ。
噂に名高い
まあ今回は我慢するとしよう。
俺が此処に来たのはこの四年でどれだけアイツが成長したかを見に来たんだ。
それに、あの男はもっと我慢しているんだ。
§§§
ブレイン···。
アイツの顔には見覚えがある。
誰だ?
イヤ違う。
そんなモノじゃない。
確実に。
「うっ···っ···」
ああ、クソ。
さっきから頭が痛い。
割れるみたいにクソ
今日は厄日か?
決して手出し出来ない怨敵二人が直ぐ側にいる、こんな胸糞悪い事この上ない出来事で機嫌が悪いってのに、こんな頭痛まできてさ。
ストレスには強い方だけど、だからって不快なことには不快なんだ。どういう嫌がらせだよ、不愉快極まりない。
視線を右に向ける。
その先には趣味の悪い、髑髏の付いた杖を持つ白髪褐色の巨漢。
ブレインがいる。
やっぱりオレはアイツを知っている。
誰なんだ?
息が苦しくなる。
胸がざわつく。
思考が乱れる。
感情がいうことを聞かない。
何故なんだ。
ここまでオレの意識が釘付けになるのは。
分からない。
何かあと一つ、ピースが──
「何をしている」
一度だけ、心臓の音が一際大きく響いた。
ドクン、と。
胸の内ではなく、頭の──脳の奥底で鳴ったかの様に。
同時に、頭に鈍器で殴られたような衝撃が走る。
「ぁっ···」
蹴り飛ばされた。そうそう、それこそこんな感じな衝撃だ。
この衝撃を数倍にして、不快さを数十倍にしたような、そんな感じだ。
けど、不思議と心は充足している。
全ての感情が、不快で忌まわし
だって。
思い出したんだから。
いや、思い出したというより、繋がった。合点がいった。
そうか。
そうかそうかそうか。
「お前か···」
この一言を呟いて、オレの意識は途絶えた。
今この時。
漸く出会えた喜びと。
コイツへの底の無い憎悪が。
オレの全てを包み込んだ。