主人公に勝てなくても幸せにはなったオリ主 作:ヅダはISなんぞに劣る筈がない!!
「楽しかったな秋十兄さん。」
「あぁ、今日の兄貴の誕生日パーティは大成功だったな。」
私の今の名前は居村望…ちょっと前まで亡国企業というテロリストのメンバーだったがIS委員会に潜り込んでいた元メンバーのスコールと兄のコネでIS委員会の特殊事務官…という名の篠ノ之博士の私兵兼秋十兄さんの専属パイロットに再就職して社会復帰を目指している若干だいたい16歳だ…誰がなんと言おうが私は16歳なんだ。
兄のIS開発に協力する為、そして姉である千冬に「さすがに学歴中卒以下なのはちょっとアレだと思う」との事でIS学園に秘密裏に転入し保健室登校して学生として最低限のラインまで勉強して来年留年という形で正式に学園生となる予定だ。
元テロリストを入学させる国際教育機関とかセキュリティガバガバじゃないか?…いや元からセキュリティはおざなりな気がするから問題ないな。
「最初は女子の皆が兄貴にサプライズパーティやるとか言ってたけど……暗い部屋で兄貴を捕まえて椅子に拘束とか下手したら兄貴がIS展開して反撃するかもしれないから普通に『誕生日パーティやるよー』って手紙渡す事にしたのは我ながら英断だったかな。」
「皆が誕生日祝ってくれるって分かってたからか終始ワクワク顔でエンジョイしてましたね、一夏兄さん。」
「篠ノ之さんがお茶入れて、オルコットさんがビリヤード、凰さんが古典舞踊を披露して、簪さんが遠藤正○の歌をメドレーで歌って……ボーデヴィッヒさんがオペラ歌い出したんだよな。」
「あぁ…男性声のテノールで高らかに歌い上げたインパクトが強すぎてその後の秋十兄さんとシャル義理姉さんの漫才が滑ってましたね。」
「………滑ってたのは元からな気がするけど…まぁインパクトといえば、最後の最後で姉ちゃんとマドカが2人でメイド服で登場したのが1番インパクトあったんじゃないか?兄貴が文字通りひっくり返ってたし。」
「そりゃ存在の知らない妹がメイド服で現れたらビックリしますよ。」
「しかし、その後の立食パーティーに姉ちゃんがメイド服のまま山田先生と何処か行って帰ってこなくなっちゃったけど…大丈夫かな…。」
「ゲボ…ごほっ…ぉぇ……風邪引いた……真耶の奴…治ったら覚えてろ……もうやめてと言っても絶対やめてやらんからな…げほっ…。」
一夏と秋十の誕生日パーティーをした翌日……粘膜から直に風邪を伝染された。
山田くんがやけに火照っていたがアレ風邪引いていたのか…私の弟の為に無理して誕生日パーティーの準備やら司会やらしてくれたのは嬉しいが風邪なら風邪で普通に安静にしていて欲しかった、生徒に伝染ったらどうする。
しかし、静かだな。弟達が風邪を引く事があっても私自身はそんな経験1度も無かったからな……少し新鮮な気持ち半分、寂しくないと言ったら嘘になるな…。
一夏は私の心配をして授業が上の空になってないだろうか、秋十はまたバカをやってないだろうか、山田くんは私の代わりに上手く授業を進めてくれているだろうか……生徒達に私と山田くんの関係がバレていないだろうか。
「やっぱり風邪は他人に伝染すと治るんですね。やっぱりアワビからですか?」
「どうでしょうか?先輩はいつもする時はぺにp……って何を言わせるんですか織秋くん!」
「いや完全に山田先生が口を滑らせてましたよね?」
『やっぱり織斑先生と山ちゃん……』
『ほらー、私の言った通りでしょー?』
『そうだけど…でも本音、山田先生が水龍敬ランドみたいな格好して織斑先生の部屋に入る所を見たなんて普通信じられないって。』
『でもこの前セシリアさんが体育館倉庫で千冬様が体操服ブルマで学ラン着た山田先生とイメージプレイしてたって言ってたよね?』
『あぁ^〜たまらねぇぜ。』
「はぁ……静かだな……。」
ただベッドで横になって天井を見つめるか目を閉じて瞼の裏を見つめるか…話し相手が欲しい……もしくはスマホの充電器が欲しい……風邪引いて暇だからってスマホ弄り過ぎた、充電しようにも寝ながら片手で差し込もうとして充電器の端子をへし折ってしまった。
暇すぎる……というか誰か見舞いに来てくれたりとかしないのか……しないよな、今授業中だろうからな。
『…!………!』
「……ん?」
なんか外から聴こえてくるな…隣の人のイヤホンの音漏れみたいなくぐもった音が…なんだ?清掃員が音楽流しながら作業しているのか?
『♪…!…♪~…!』
「いや…これは……この部屋に近づいて来ている?」
なんだ…なんか妙にノリノリな音楽が………そうか!束か!
なんだアイツ、来るなら来ると言えばいいのに…ふふっ仕方ない奴だ。まぁ親友の交だ、大人しく看病されてやろうかな…ふふふ。
『デッデデ↑デッデッ↓デッ↑デデデッデデ↓デッ↑デデン↓デッデデデデッ↑』
「おいこれ棺桶ダンスだろうが!?弔うな弔うな!!!」
風邪引いた奴に贈るものが棺桶ダンスって嫌がらせか!?
これがホントのおくりBEATってか!?
「おぃゴラァっ!!……え?」
「あ、織斑先生!」
「結構元気そうで良かったです。」
「いや私たちが棺桶ダンスなんかしてたから出てきただけじゃない?」
「織斑先生起きてるの?」「千冬様元気そう?」「ちょっと見えないんだけどー。」「私も私も。」「これが…若さか…。」「ちょっと押さないでよー。」「誰か私のお尻触ったでしょ!」「俺は触ってないからな!」「一夏!こんな状況で痴漢プレイとは…!」「恥を痴れ!俗物!」「織斑くんは触ってないって。」「セシリア、何故一夏に尻を向けているんだ?」「触れないであげて、ボーデヴィッヒさん。」「そういう織秋くんはさっきからデュノアさんのおっぱい触ってない?」「腕組むフリしてナニしてんのこのスケベグラサン…。」「いや、別に僕はダーリンとナニもしてないからね、あはは」「デュノアさん…右手を織秋くんのズボンから離したら?」「本当にナニしてんのこのバカップル…。」「あぁ、その健やかなるときも、病めるときも、これを愛し、これを慰めってそういう……。」「結婚の誓いをちんちん亭的に解釈するのはNG。」「山田先生は?」「風邪ぶり返したから医務室に置いてきたよ。」
「お…お前達…なんでここに?」
私のクラスの生徒達が…全員集まっているだと…?
「あ!千冬姉!!」
「い、一夏…一夏か?ぎゅうぎゅうに密集し過ぎて手首しか見えんが。」
「俺だよ!俺が千冬姉の様子を見に行くって言ったら…他の皆も千冬姉にお見舞いしたいって言って…。」
「お前達授業は……そうか、もう昼休みなのか。」
寮長室を覗き込み時計を確認する私へ生徒達が口々に言葉を続ける。
「はい!千冬様に少しでも元気になってもらいたくって…。」
「先生!風邪なんかに負けないでください!」
「私達みんなでお粥作ってきたんです!織斑くん監修で栄養満点ですよ!」
「そのでっかい箱って給食バットだったの!?」
「というかそのお粥入れてた容器、さっきバカップルとボーデヴィッヒさんとのほほんさんで棺桶ダンスに使ってたよね…?」
「お前達……全く…馬鹿みたいにゾロゾロ全員で教師の見舞いに来るとは………。」
…込み上げるものに耐えられず私は顔を床へと俯かせる。
「あ、あれ…織斑先生?」
「やっぱり全員で来るのは不味かったんじゃ…。」
「な、何よ?あんただって『厳しくても理解できるまで付きっきりで教えてくれる千冬様に恩返ししたい』って言ってたじゃないっ。」
「そ、そーゆーあなただって『イグニッションブーストの練習のコツを教えてくれた先生に何かしてあげたい』って…。」
「本当に………バカな連中で………。」
…胸に溜まるモノに声が震えてしまう……。
「あ、兄貴…。」「あぁ、お兄ちゃんも同じ考えだ…。」
「自慢の生徒達d…ってどうした!?」
顔を上げ笑顔を向けようとした私の前には、土下座する生徒達の姿が広がっていた…水戸黄門で観たなこんな光景。
「あれ?千冬姉怒ってない?」
「見舞いに来て貰って怒るわけないだろう?寧ろ…嬉しく思ってるよ。」
「え?姉ちゃん怒ってな…うぇ!?泣いてんの姉ちゃん!?」
教師となって…いつも悩んでいた…本来、正規の教員免許を持たない私がIS関連限定とは言え教鞭を取る資格があるのか…代表候補生をやめてすぐ教師を目指し勉学に励んでいた山田くんを差し置いてブリュンヒルデのネームバリューを利用したいIS委員会の意向で役職を与えられただけの私が担任教師等務まるのか………私は、良き教師になれるのか…。
「え?千冬様嬉し泣き?」「マジで!?」「マジだこれ!!」「織斑先生も涙出るんだ…。」「坊やだからさ。」「織斑教官…泣けるんだ。」「今のうちに写メっとこ。」「あ、後でそれ送って!」
「全くお前達……昼休みが終わったら、授業に戻るんだぞ?」
そうか…これがきっと…答えなんだろう…。
「それじゃぁ…お前達の作ってくれたお粥を貰おうか。」
「千冬姉……あぁ!みんな!!」
「「「「「「「「「「はい!!織斑先生!!」」」」」」」」」」
教師になって…良かった!!
「おはよう!山田くん!」
「おはようございます、風邪治ったんですね。」
「ああ、山田くんも治ったようで何よりだ。」
「先輩…なんか嬉しそうですね?常時にこやかな顔の先生なんて初めて見ました。」
「失礼な奴だ、私だって機嫌が良ければにこやかにもなるさ。……それに、教師としての自信がついてきたからな。」
「逆に今まで不安だったんですか…?」
「あぁ、だからつい表情が強ばってな…。」
「(あの仏頂面は緊張してただけだったんだ……。)」
「まぁなんだ…。」
「今日も1日…頑張ろう!いち教師として!」
「はい!織斑先生!」
『一学年生徒の9割が風邪を発症した為、学年閉鎖とします。byIS学園理事会及び生徒会より。』
「わ、私の風邪で生徒がクラスター感染してる……。」
「げ、元気出してください!ほ、ほーら真耶ママが千冬ちゃんを慰めてあげまちゅよ〜?千冬ちゃんママにバブバブするの好きでちゅよね〜?………な、泣かないでください先輩!!そんな甲子園のサイレンみたいな男泣きしちゃダメですよ!?」
「手洗い、うがいは世の常ってはっきり分かんだね。」
「私が新型の起動試験してる間にそんなことが…。」
「どうだった?マドカ。」
「はっきり言って……凄いの一言ですね。」
秋十兄さんの開発したIS用操縦補助システム…。
その名を『Trans・Automata・System』、通称『TAシステム』。
いつぞや兄さんが作ったAIが人間を媒体にISを無人操作するコンピュータを強化回収し人間の脳の命令に従いコンピュータが最適な行動を計算し弾き出した答えを脳に受信させることによって無意識に身体が動くようにイメージ・インターフェースのみでISの操縦を可能にする。
従来のISの操作には脳でイメージしそれをISに反映させるイメージ・インターフェースだけでなく腕部マニピュレーター内に収まっている操縦桿による直接操作も必要だった…だがこのシステムさえあればロボットの操作に置ける『思考から実行』このタイムラグを無くして文字通り手足の様に動かす事ができる……脳さえ無事ならばISを十全に操る事ができる。
言うなれば常に脳内で学校に来たテロリストを倒すイキったイメージトレーニングがそのまま実現可能と言うわけだ…。
「問題はパイロットが無茶な操作による負荷に耐えられるかという所でしょうか…。」
「あと『思いついただけで即実行』しちまうから、誤操作による事故が怖いな……そこら辺はどうだマドカ?」
「そうですね……試験中は特n」
「やっほー!束さんだよー!!マドちゃん大丈夫?学年閉鎖起きたって聞いて風邪引いた箒ちゃんのお見舞いついでに様子を見に来てあげたよ!えっへん!」
……びっくりした、明らかに出入口の無いはずの物陰から篠ノ之博士が飛び出してきたぞ……。
「篠ノ之博士…お久しぶりです。」
「いやいやぁ硬い、硬いよー?もっと束さんにはフレンドリーでいいんだよー?」
「束さーん?俺の心配はしてくれないんですか?」
「バカは風邪引かないし、あっくんはいいかなぁって。」
なんか兄さんには微妙に態度が辛辣っぽいのは気の所為だろうか…。
「いやいや、ほらこのお手製マスクと頭の冷えピタが見えないんすか?」
シャークペイントのマスク……それファッションじゃなかったんですね、風邪引いたなら大人しく寝てください。
「はっはっはっ、あっくんはウルトラスーパーデラックス癌細胞でも死ななそうだし。」
「束さんが風邪引いたらケツにネギ刺してやるからな。」
「天災は風邪引かないよーだ。」
そんな子供みたいな口喧嘩を…しかし尻に葱を生やした篠ノ之博士。
……面白そうだからちょっと見てみたいかm
「『TA・システム作動』」
「…え?」
「ん?今ペッパーくんの声が聞こえた気がするんだけど…?」
「お、おいマドカ?お前こっちに…束さんに近づいて何を…。」
「あ、あれ?す、すいません!ISが…勝手に…!!」
(「あと『思いついただけで即実行』しちまうから…」)
「…………篠ノ之博士!!今すぐ逃げてください!!あぁ!やめろ!脱がすんじゃない!!そんな汚ねえモンをおっ拡げてんじゃねぇ!!??おい!それはネギじゃなくて私の大切な1/5サイズフィギュアの初音ミk」
「兄さん……私は…そんなつもりじゃ…。」
「束さん…強く生きて……。」
「…生きるの諦めたい……。」