主人公に勝てなくても幸せにはなったオリ主 作:ヅダはISなんぞに劣る筈がない!!
「はぁ……暇だ……ドイツまで来たってのに何でホテルで缶詰めしなきゃならないんだよ。」
「しょうがないだろ秋十、俺達はあくまで千冬姉の応援に来てるんだから…それにさっきSPの人が話してたじゃないか、千冬姉のモンド・グロッソ2連覇を妨害しようとしている人達がいるってさ。」
「大事を取って安全なホテルでSPさんに警備してもらって……まぁ分からなくはないけどよぉ…。」
そう文句言わないでくれよ秋十、俺だって退屈でしょうがないんだから…。
俺達2人は千冬姉が出場する第二回モンド・グロッソの応援にドイツまで来ている…去年は秋十が風邪を引いて看病で行けなかったんだよな…。千冬姉はこの大会で優勝したら選手として引退するって言うから来ることができて良かったぜ。
「まぁ殿堂入りのDは出入り禁止のDだからね。」
「やめろよ秋十…確かにテレビで見る限り千冬姉は圧倒的だったけど、でも今回は違うかもしれないだろ?」
「あー…そういえばあのテンペスタ乗りが1番姉ちゃんに食らいついてたよなぁ…まぁ…今年も姉ちゃんが優勝だろ…。」
こいつ…ドイツ観光できないと分かった途端に凄いやる気無くしてやがる…折角束さんがチケットも護衛のSPの人も泊まるホテルまで用意してくれたってのに…。
「ん………あ、兄貴…俺ちょっとユニットバスのトイレ使うわ。」
「おう、もうすぐ会場に行く為の迎えの人が来るから早めに出せよ。」
「りょーかーい。」
「まぁ俺の手にかかれば窓から出るくらい訳無いんだよな…へへっ食べ歩きと洒落こんでやるぜ。」
………
「おい、お前らわかってんだろうな?」
「は、はい!オータムさん。織斑一夏が出てきたら拉致って例の場所まで連れていけばいいんですよね?」
「そうだ、スコールがいないからって情けない所は見せられねえ、しくじったら…わかるよな?」
「はっ!はひ!必ずやり遂げて見せます!!」
「さてと…あと20分もすりゃ織斑兄弟が会場に向かう…で、私らは迎えのフリをしてあのホテルの前に車を付けて織斑一夏の方だけ拉致る、簡単な話だろ?」
「あれ?兄弟2人出てくるなら何で片方しか連れていかないんですかい?」
「考えりゃわかんだろ馬鹿、どっちか片方に『家族が攫われた』って目撃証言してもらわなきゃ下手したらイタズラ電話だと思われて相手されないかもしれないだろうが。」
「あ、確かに…でも相手は見た目も声もクリソツな双子っすよね?見分け着くんですかい?」
「あぁ、スコールから織斑兄弟はグラサンを付けてる方が弟、付けてない方が兄だってちゃんと聞いてあるからな。」
「了解です!!」
「さてと…まだちょっと時間あるしそこの喫茶店でコーヒーでも飲むか。このオータム様がお前らに奢ってやるよ。」
「「あざぁーっす!!」」
…………
「あれ?秋十の奴、トレードマークのグラサン置き忘れてる…恥ずかしくて言えなかったけど、俺もちょっとグラサンとか…こういう男のファッションってのしてみたかったんだよなぁ…ちょっと付けてみよ。」
…………
「あれ?オータムさん!織斑一夏がホテルでてますよ!?」
「はぁ!?試合の時間はまだ…あいつ旅行パンフレット持ってやがる!!姉の晴れ舞台すっぽかして何処行くつもりだよ!?」
「いや、ひょっとしたら近場の観光スポットで食べ歩きするのかも…。」
「おい行くぞ!」
「まだ注文したコーヒーが来てません!」
「泥水でも啜ってろや!!さっさと来い!!」
…………
「はぁ?一夏が誘拐された?」
「はい、ですがイタズラ電話だと思いますよ?先程SPに確認を取らせましたが…。」
『え?織斑一夏くんが誘拐された?』
(ガチャッ)
『……ど、どうかしましたか?(あっぶねぇ…秋十がトイレから出てきたかと思ってグラサンぶん投げちゃった…。)』
『えっと…秋十くんは?』
『トイレ行ってますよ?』
『そうですか、失礼しました。』
「と、まぁ2人ともホテルの部屋にいるみたいで…。」
「………成程。」
まぁ前回のモンド・グロッソでも似たようなイタズラ電話はあったからな…それに一夏の携帯と秋十のグラサンには束お手製の発信機がついている、何かあったら真っ先に束から私へ連絡が来るはずだ。
………でも万が一、秋十がSPの目を誤魔化して街へ出ていた場合…。
「すいませんが秋十がちゃんと部屋に居るか見てもらってもいいでしょうか?」
「わかりました。」
…………
「よかった…どこも壊れてないな…というか秋十のやつトイレ長いな…だからトイレはこまめに行けっていつも言ってるのに…。」
「………(スチャッ)……俺は秋十だぜ!好きな物はシチューで嫌いな物はキノコ料理だぜっ!小学校の頃は一夏をお兄ちゃん千冬姉をちー姉って呼んでたのは内緒なんだぜ!…………グラサンとノースリーブ着ただけだけど…思ったよりも秋十って感じだな。まぁ秋十のコスプレしてるなんて知られた日には恥ずかしくっt」
(ガチャッ)
「あっ」
「えっと……一夏くん?」
「………………あ、秋十です。」
…………
「秋十くんもホテルの部屋に居るそうです。」
「じゃぁイタズラ電話だな。」
…………
「オータムさん!全然信用して貰えないどころかブリュンヒルデ本人に『くだらないイタズラするな』って怒鳴られました!!
「なんでだよ!?」
「あの、俺…帰っていいかな?そろそろ試合始まっちゃうよ。」
「うるせぇ!というかお前は誘拐されてんのに家族に全く心配されてないこの状況を何とも思わねえのかよ!!」
「だってこっそり抜け出してきたから多分イタズラ電話扱いされてるの俺のせいだって予想つくし。」
「護衛されてる身で脱走噛ましてんじゃねぇよ!!周りの迷惑とか考えろ!!」
……………
「もひねすもひねすー、どったのちーちゃん?へ?いっくんとあっくん?発信機の反応はちゃんとホテルの部屋に映ってるよ?…監視カメラをハッキングして様子を見て欲しい?………あっくんがなんかノリノリで踊ってるけど?あ、喉乾いたのかな…玄関のキッチンへ行っちゃった………街の監視カメラじゃ死角で見えないや……あ、いっくんがカップ麺片手に入れ違いで出てきたよ。」
………………
「イタズラ電話の相手から『もう一度確認してみろ』とか言われたから確認させたが……やはり2人ともホテルに居るみたいだな。」
「イタズラ電話ですね、着信拒否しておきます。」
…………
「あいつら本当に着信拒否しやがった!?畜生!!」
「ざまぁw」
結論から言うと秋十は救出された、結局トイレの鍵が閉まってないことに気づいた俺が慌ててSPの人に伝えてから30分くらいで千冬姉が秋十を見つけて助け出したんだ。ちなみに誘拐した組織は束さんが国連と協力して壊滅させたらしい、なんでも世界的なテロリストだったから天災が目をつけたのを丁度いいからって理由で束さんが見つけた所を片っ端から一斉検挙と逮捕したそうな。
でも当時俺がグラサンノースリーブのままだったから世間的には『織斑一夏が誘拐された。』ということになった……。解せぬ。
助け出された直後に秋十は千冬姉の説教と金的のダブルパンチを喰らって失神した、帰国まで目覚めなかった秋十をホテルに置き去りにしての千冬姉と2人でのドイツ観光は凄く楽しかったなぁ…。
そういえばなんで災害救助用のパワードスーツであるISがガンダムファイトもどきしてるのかといえば…。
昔の話……
「ただいま帰りました。」
「おじゃましまーす!へぇ、箒の家って神社なんだ…。」
「あぁ、と言っても別にこれといって何かあったりはしないが…寛いでくれ。」
「あ、箒ちゃんおかえりー…と、その子は?」
「姉さん、こちらは鳳 鈴音。少し前に転校してきた私の友達です。鈴、この人が篠ノ之束、私の姉でつい最近ニュースにちょっと出てきたISの開発者だ。」
「この人が…あの………ごめん、私そのニュース見てないと思う。」
「そっか…あはは…だよねぇ……はぁ……。」
「あ!ご、ごめんなさい!!」
「気にしないで…うふふ……。」
「………姉さん、なんであんな凄いISが世間にあまり知られていないのですか?」
「純粋に……テレビがニュースで取り上げてくれなかったんだよ。ほら、ISって軍事利用したら大変な事になるし…そんなもの開発してるなんて大々的に広めて国際問題とか日本的には洒落にならないだろうし……そこら辺が絡んでるんじゃないかな…。まぁ束さんも最終的に宇宙を飛べればISはできれば兵器以外の使い道で世界に知って欲しいから文句は言わないけど……。」
「姉さん滅茶苦茶元気無いな……。」
「ついでに軍事兵器になりかねないもんに予算は出せないとか言われてさ………。はぁ……めんどくさいなぁ政治って…。」
「……まずい、姉さんは結構自己顕示欲が強いからこのままISが世の中に広まらなければ下手したら強引な手段でISを世界に認めさせようとしてくるぞ……。」
「強引な手段?」
「例えば世界中の核ミサイルを日本に発射してそれを撃ち落としてISの力を見せつけるとか…。」
「まさか、ISを兵器として使って欲しくないとか言ってたんだからそんな馬鹿なマッチポンプするわけないでしょ?」
「それもそうかもしれんが…。」
「なんとか世の中にISを…子供が笑顔になる方向で広める手段は無いものか………。」
「(私、箒に一夏に惚れた者同士仲良くしようみたいな感じで家に誘われたのよね……なんで小学生がこんな相談してるのかしら…。)」
「………鈴は何かアイディアとか無いだろうか?」
「え?あぁ、そうね………そうだ!こういった事ならアイツとか力になるんじゃない?」
「ん………あぁ!あいつか!」
…………
「それで、このアニメは本当に神アニメなんだよ。キャラクターはそれぞれ違いあってタダのモブで収まらないし、子供向けなのに大人も楽しめる良さがあってさ……。」
「ふぅん……この前ロボットアニメの劇場3部作を俺に見せた時も似たような事言ってなかったか?」
「いいからいいから…ん?電話…誰だよこんな時に……。」
『あ、もしもし秋十?私鈴だけど…ちょっといいかな?』
「今兄貴と録画したアニメ見てるから後に出来ない?」
『録画してんなら別に後で見ればいいでしょ!女の子が困ってるんだから話だけでも聞きなさいよね!』
「えー……どうせ兄貴が唐変木が困るとかしょーもない話でしょ?篠ノ之さん鳳さんも一々俺にそんな話題振らないでよ…。」
『違うわよ!いや違くはないけど今回は違うの!!』
「えー…どーしよっかなぁ〜。」
『今度美味しい酢豚食べさせてあげるから!(一夏に食べさようと作った残り物だけど。)』
「………兄貴ぃ!」
「おぉ、これゲームにいないアニメオリジナルキャラなんだな…ん?どうした秋十?」
「今中華なら何食べたい?」
「中華?酢豚食べ飽きたから青椒肉絲食べたいかな。」
「OK……回鍋肉定食と青椒肉絲定食、大至急ね。」
『あんた覚えてなさいよ!!箒ぃ!ちょっと台所貸して!!』
〜〜〜〜
「そう、ISを世の中に広めて、好意的に認められたい…ねぇ……なんで篠ノ之さんじゃなくて鳳さんが俺に相談してんの?」
「箒は今落ち込んでる束さんを慰めてるのよ。」
「そう………まぁ簡単だよ、ISでアニメ作ればいいんだよ。」
「アニメ?」
「そう、ISを題材にしたロボットアニメで知名度を上げて、『実はこのISは実在するロボットなんです!』って発表すれば玩具とかプラモデル作りたい会社とかが宣伝してくれるんじゃない?知らんけど。」
「なるほど…」
「で、ゆくゆくは世界的有名コンテンツになったISを実際に作るプロジェクトとか発表すれば世界中の企業とか宣伝効果を狙ってお金を寄付してくれるよ…で、完成品はお台場に…。」
「なんか別のロボットアニメで聞いた事あるんだけど…。でもISでアニメってどんな内容にすればいいのよ?」
「簡単だよ、戦わせればいい。」
「戦わせる?」
「そうそう、物語がつまらなくなるとすぐシリアス入ったり敵が現れて戦うじゃないか。」
「要は喧嘩の見物が楽しいのと同じね。でもISに戦わせるってそれこそ軍事利用を助長しないかしら?」
「レスキューファイアーみたいに悪い連中が人為的に起こした災害から人々を守る内容にすれば大丈夫だよ、どうせ誰も覚えてないから。」
「誰も覚えてないって…そんなことないわよ!オープニングとか結構好きだし…。まぁありがとう!早速箒に伝えてくるわね!あ、お皿は後で取りに戻るから!!」
「あれ?鈴もう帰っちゃったのか…?」
「お、兄貴…アニメ面白かった?」
「ああ!最初は子供っぽいと思ってたけど見てる内にのめり込んじゃったよ!……ところで秋十の言ってた事がさっき見てたアニメで聞いたような…。」
「まぁ1部受け売りだからね……しかし、やっぱり星のカービィは2期も作るべきだな。」
結果からいえばISアニメ化計画は大成功した、1作目は特撮ヒーロー監督が手がけたISが悪の組織が巻き起こす災害から人々を守るアニメ『インフィニット・ストラトス〜レスキューフォース〜』、そして2作目は……~~『機動武闘伝インフィニット・ストラトス』、内容は察して欲しい。
………1作目放送終了後に束さんと秋十が『ISとガンダムどっちか最強か』とかめっちゃ議論してて秋十が『姉ちゃんと白騎士が相手でも東方不敗は最強だから!はい論破ぁ!』とか言ってたのは関係無いと思う。
「束さん……話のオチが弱いからって身体張らなくても…。」
「違うよ!誰かが束さんの自転車からサドル盗んで行ったんだよ!!ご丁寧にプラスドライバーを差し込みやがって!!……ちーちゃんの腕力でも抜けないとかどういうことだよ!?」
「はい…はい……束が…そうです……すいません、病院まで付き添ってから学校行きます…。」