主人公に勝てなくても幸せにはなったオリ主 作:ヅダはISなんぞに劣る筈がない!!
秋十が白式に新しくビームライフルとラウラのISからアイディアを得たというどう見てもザフトのゲイツなワイヤーブレードを搭載してくれたのでそれの習熟の為に射撃兵装何でも来いなシャルを相手に射撃戦の特訓をしていたとき、あいつは来た……。
「よう兄貴、俺も混ぜてくれよ。」
「秋十…。」
「あ、ダーリン♡さっきぶり!」
秋十はいつものようにまた違う黒と灰色の迷彩色のISを見に纏い俺達の前に降りてきた、いつかの無人機を思わせる脚部に鈴のIS「甲龍」の両腕、4枚に増えたラファールの羽根、腰の辺りに八角形のミツバチの巣のようなミサイルポッドのフロート・ユニットを浮かせ、両腕には外付け式のマシンガン(グフカスタムっぽいなアレ…。)を装備している…秋十が乗るISにしては武装が少ないな…。
「へへ!こいつは『シュバルツァ・クリーガー』。シュバルツァ・レーゲンの格闘戦特化型だったのをジャンクパーツで近中距離戦闘仕様に改造したISだ!実はラウラさんの乗るレーゲンの完成を優先して急いだあまり未完成のまま破棄予定になっちゃったコイツをドイツから貰って俺が完成させたのさ!どうだ!凄いだろ?」
「すごいよダーリン!ほぼ週一で一夏の白式の新装備か改造ISのどっちかを完成させちゃうなんて……いや本当に凄いけどドロンボーじゃあるまいしそんなメカをどうやったら短時間で作れるの?」
「あ、それ俺も気になってたんだよな。」
シャルってヤッターマンとか知ってるんd…あぁ、ロボット好きの秋十の影響か。あいつフルスクラッチでドロンボーメカ全種類作ってたなぁ…その後フルスクラッチ1/144ビグ・ザム持ってきた束さんとロボ魂のカンタムロボ持ち込んだ弾を相手に自作の1/100バイク戦艦のラジコンを持ち出した秋十がブンドドして遊んで棚ごと倒して全部ぶっ壊してたけど。
「そ、それは…そういう野暮な事聞くんじゃない!こいつはAICを普通のパイロットでも使えるように改造したAIC・E(easy)を両腕に2つに分けて搭載して両腕を構えることで正面からの実体系の攻撃を全て左右に逸らす事が可能なんだよ!即ち、兄貴の必殺の剣はコイツには当たらないってわけだなぁ…へへっ、射撃素人の兄貴がビームライフル持った所でそうそう当たらねえし、もう俺には勝てないって事だ!」
「「お前(ダーリン)もバカスカ撃たないと当たらないじゃん。」」
「ちゃ、ちゃんと狙撃系の武装は当ててたんですけぉ!使い分け…してたんですけぉおお!!」
そう言って秋十は拳を振り上げ………コンソールにそっと人差し指を当てた。
『織斑秋十 が 模擬戦 を申し込みました。』
とりあえず俺は『はい』を選んだ。
「そんな……嘘……。」
「ぐ……秋十…強くなったな、いや勝ててないだけで元々秋十強いけど…。」
「はははは!鈍い!鈍いぜ兄貴ぃ!まるで止まってるみたいだ……なぁ!!」
流れは完全に秋十の物となっていた。白式の放つビームライフルを秋十は機体全身の各所に配置されたスラスターを巧みに操りまるで短距離の瞬間移動を繰り返すように避けていき、すれ違い様に両腕のマシンガンを浴びせていく、俺が少しでも動きを止めようものならバズーカを展開して数発放つ、1発は直撃コース…比較的弾速の遅いそれはISのハイパーセンサーと白式の少ない強みであるスピードで避ける事はできる、だが流石は兄弟といった所なのか秋十は必ず初撃以外は俺が避ける方向を予測して撃ってくる、なんとか反対の手に持った雪片で切り落とすか運良く避けてはいるが回数を重ねる後に追撃の射撃精度が上がっていく…。さらにこちらが追いかければミサイルをばら撒くように発射しては俺から1番近いミサイルをマシンガンで撃ち抜く事で爆風を当ててくる、オマケにその爆風に当てられ他のミサイルも連鎖的に誘爆しては直撃を諦め確実にダメージだけを喰らわせてくる。
…何かがおかしい、別に秋十は弱くなんかない。多分だけど同じ機体を乗り続ければラウラとシャルに追いつける程の勝利を重ねるくらいはできると思ってる……まぁそれを絶対にしないから勝ててないんだけど、それを踏まえても俺の行動を先読みして予測射撃、必要最低限の動きで攻撃を回避、バラバラに放ったミサイルをどのタイミングで爆破すれば俺に高いダメージを与えられるのかを瞬時に計算……普段の秋十に比べて、正確すぎる、この感じ……まるであの無人機を相手に戦ったような感覚を思い出す。思考に気を取られた俺は相手のミサイルとマシンガンの波状攻撃に飲まれた。
結果から言えば秋十は逮捕された。
秋十のIS、シュバルツァ・クリーガーには「AIがISコアの演算能力を利用し勝利に必要な行動を予測、コアネットワークを通してパイロットの脳へ最も成功率の高い選択肢を命令してISを操作させる。」…パイロットをコントローラーにしてAIが動かすという機能が備わっていたのだ。これが「モンド・グロッソの戦闘方法をデータ化し、そのまま再現・実行する」というVTシステムの一種では無いかと疑われて秋十は千冬姉率いる教員部隊に拘束されたのだ。
VTシステムでは無いことは証明されたそうだがどのみちパイロットを消耗品扱いするようなAIが組み込まれた機体は悪用されたら洒落にならないので束さん立ち会いの元でISコアを抜き取った後で機体は溶鉱炉に溶かされたらしい。
職員室で生徒会長と千冬姉の前で泣き土下座して許しを乞う秋十とIS委員会の偉い人がいたから多分秋十は2,3日したら戻ってくるんだろうな。
「まさか逮捕されるとは……ただVTシステムのメカニズムを調べて自分なりにオリジナルHADESシステム作っただけなのに…。」
「寧ろなんでそんなもの作って許されると思ってたのダーリン…あ、着いたよ。」
私は今ダーリンと一緒にIS学園から最寄りのショッピングモールに来てる。林間学校は海のすぐ側で海水浴ができるらしいから水着を買いに行く…ってダーリンが言ってた。
彼は織斑秋十、私の恋人で世界初のISの男性操縦者の片割れでもある。ダーリンはパイロットとしても中々の実力を持っていてしかも廃棄するIS部品から使えるパーツを抜き取ってはそれを組み立てて新品同然のISを作っちゃう凄腕メカニックでもある、1人でそんな芸当できるわけないと思ってたけどkogekkoっていう丸いボールに腕が三本等間隔に生えたロボットを組み立て分解作業員として働かせているのを見たから多分何体か構想を思い浮かんではそれをロボットの数に任せた人海戦術で同時に作って少しずつ小出ししてるんじゃないかな。
ちなみにダーリンは男の人の格好をした女の人が好きみたいで二人っきりの時にちょくちょく私にシャルルの格好をさせてくるんだよね…理由を聞いたら『俺の性癖が歪んだのはどう考えてもハニーのせいだよ』って力説されたけど、私、なにかしたかな……?
「ねえダーリン、時間少しあるし水着買う前に…デート、楽しみたいな?」
「もちろんだよハニー!今日は初デート記念日だね♡」
「うん!それじゃぁまずは服を見に行きたいな♪」
「わかった!女性向けの服は……。」
「見に行くのはダーリン用の服だよ?」
「えっ……。」
ごめんねダーリン、でもグラサンノースリーブは無いと思うんだ。
「これはどうかな?」
「名ばかりフリーダムで全然自由な人生送れてない赤髪の女性にトラウマありそうな服だね…そんなベルトいっぱい着いた服何処で見つけたの?」
「これならどうだ!」
「ジャスティス名乗ってる割にはコロコロと裏切って出戻りしてるような服だね…あとそのグラサンいつものよりダサいと思う。」
「ハニー辛辣……。」
「これは……。」
「……………。」
「シャルロット・デュノアは何も答えてくれない……。」
だって16歳になってタンクトップに短パンはコメントすら出ないよ…。
「これならダーリンもオシャレボーイだよ!」
「おお、なんか凄いオシャレボーイな服だ!さすがハニー!いよ!愛の国フランス!」
「えへへ、褒めてもちゅーしかしないよダーリン♪」
「くっ…人類の半分が死滅しそうなイチャつきをして…!」
「落ち着くのよ鈴、あれはただイチャついてるだけ。なんか腹立つからってISを展開して壁を殴るのは1番しちゃいけない行為よ…。」
「私はクラリッサの勧めでげぇむせんたぁに行こうとしてただけなのに何で君達と共にスネークごっこしなくてはならないんだ…。」
「やはり相手に気づいてもらうまで待つより自分から素直に言う方が…だが、一夏に言ってもどうせ遊びに行く約束と思われるだけだ…。」
「ぐぬぬ…私なんであの時否定しちゃったのよ…認めていれば今頃一夏と…。」
「お!ラウラ、こんな所で何してるんだ?」
「あぁ一夏、何か彼女達に捕まっちゃってな。」
「あれ、箒に鈴にセシリア…3人とも壁に隠れながら何を覗いてるんだ?」
「……(IS学園の)有名人が彼女連れてデートしてるらしいぞ。」
「へぇー…あの3人も芸能人の追っかけとかするんだな…。」
「邪魔しては悪いから…どうだ一夏、ジュース奢りを賭けてげぇむせんたぁで一勝負しないか?まぁ私は初心者だが。」
「いいなそれ、なら秋十が最近ハマってる戦場の絆?ってゲームやろうぜ!それなら俺も初心者だし。」
「うむ、今は私も同じ学園生、手加減はしないからな?」
「おう!望むところだ!」
「あれ?ラウラは…?」
「ん?そう言えば見かけないな…ってセシリア、何を指さして固まっ…あぁ!一夏!?ぬ、抜け駆けだと…!?」
「ラウラの場合は友達と遊ぶ感覚だろう。」
「そうだった、ラウラは特に一夏とそんな関係でも…って千冬さn織斑先生!?」
「カップルの尻を追いかけるほど暇なんだろ?私と水着でも買いに行こうじゃないか…なぁに生徒と教師のスキンシップってやつだ。」
「あぁ!ちょ…ま…い、一夏が!あぁ!力強っ…。」
「あぁ!いけません織斑先生!いけません!んぉぉお!逝く!逝くっ!!鳳 鈴音!!16歳!大衆の前で鬼教官にネックハングキメられながら気絶するわよ!?見てなさいよ!!フッフッフッ!!(過呼吸)」
さっきからチラチラ見てるのに気づいてたけどなんかハチャメチャしてるなぁ……。
あとなんで見てもらう必要があるんだろう。
「いやぁ、まさか山田先生がいたなんて…。今日は千冬ねe織斑先生と一緒じゃないんですね。」
「なんか用事があったみたいで…。」
「へぇ…千冬姉が買い物誘って来たからてっきり山田先生も誘ってるかと…。」
「そうなんですか?あれ?じゃあ織斑くん先輩と一緒なんじゃ…。」
「いや、今日は男友達と遊ぶ約束してて…あはは……あ、ラウラは偶然…。」
「弾くん!そんな動きでは私のダンス☆レボリューションは止められんぞ!!」
「この幼女ダンレボめちゃくちゃ上手ぇ!!さっきのメガネ巨乳先生といい一夏の知り合いはみんなゲーム達人過ぎだろ!?」
その日の夜。
「秋十にVTシステムのデータを送ったらしいな……今日は機嫌が悪いから人間ペットボトルロケットの刑にしてやる。」
「ちょっと待って!?高圧洗浄機は死んじゃうから!?」