ロクでなし魔術師たちの奇妙な冒険   作:焼き餃子・改

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第十三話 「図書室の『魔物』に場所取り騒動」

 二組の種目選択が終わった翌日の放課後。ジョレンは一人、図書室で呪文詠唱についての本がどこかにないかと探している最中だった。

 探しながら、ジョレンはグレンが昨日言っていたことを思い出す。

 

『はぁ……とにかく、お前が必要な練習を挙げるなら、それは詠唱省略以外にはない。戦闘に関するアドバイスは要らんと思うが、何としても、攻性呪文(アサルト・スペル)対抗呪文(カウンター・スペル)を一つずつだけでもいいから、一節詠唱出来るまでにしておけ。『バトルロワイアル』なんて、多対一の競技で詠唱遅れたらシャレにならんからな。お前は当面それだけでいい。いいな?』

 

 システィーナによって、かなりのやる気を削がれた後とはいえ、ちゃんとしたアドバイスを貰った以上、それは実践せねばならない。何といっても、いつもはアドバイスすらめんどくさがるような人なのだ。ジョレンとしては割と貴重な経験とも思っていた。

 

「さて、どれがいいかな……」

 

 図書室の中には、様々なジャンルの本がごまんとある。魔術学院という名の通り、魔術に関する書物は特にだ。そのため、必然的に呪文詠唱について書かれた本だけでも十数種類ほどある。

 そのジャンルが集められた本棚を探し出し、並べられた本を指でなぞりながら、自分に合いそうな本を探していく―――

 

「……? なんだこれ?」

 

 見つけたのは、呪文詠唱のジャンルのすぐ横。そこに一つだけ題名が書いていない本が並べてある。別に古い本で、題名の部分が削れてしまっているというわけでもなく、かなり新品そうに見えるのに、題名が書いていないのだ。

 手に取って開いてみると、まるで使われていないノートみたいに白紙が続いている。というか最後まで白紙だった。

 流石にこれは、誰かの嫌がらせだろうか? と図書室の受付にいる司書の人に渡そうと、歩き出した時。

 

「ちょ、ちょっと待ってください」

「え?」

 

 どこかから、声が聞こえた。しかし、周りに自分を見ている人は誰もいない。

 

「ここです、ここ」

「え? ん、ん?」

 

 耳を澄ませれば、その声はジョレンが持っている本自体から聞こえてきていて―――

 

「んー、よっと……」

「は? は? ハァ!?」

 

 それを認識した瞬間、本がムニュムニュと動き、膨ら始め、バラバラの帯のようになり、それが集まって人の形になっていき―――

 

「ふぅ、危なかったですよ。そのまま司書さんに届けられるところでした」

「は、ハァ――――――ッ!?」

 

 もう完璧に人間になってしまっていた。しかも、アルザーノ帝国魔術学院の制服を着ている。

 薄い色の長髪に長身、彫りの深い容姿をしており、その表情は無表情で何を考えているのか全く分からない。というか、何をしたのかすら、全然分からなかった。

 と、そこに大声を出したジョレンを注意するために、今行こうとしていた司書の人がやってきた。

 

「ちょっと、静かにしてください」

「は、はい……すみませんでした……」

 

 ジョレンが謝罪すると、すっと戻っていく司書。

 それはそれとして、という風にジョレンが本だった青年に向き直る。

 

「お、お前は誰だ? 何者だ? というか、何をしていた? どうやって本になっていたんだ……?」

 

 魔術には変身する系統のものも当然ある。白魔【セルフ・ポリモルフ】と黒魔【セルフ・イリュージョン】の二種類だ。

 しかし、【セルフ・イリュージョン】の方は変身したように見える幻影を作り出す魔術。触ったりしたら分かるものだ。しかし、ジョレンが触った感じは完全に本だった。【セルフ・イリュージョン】を使っていたわけではない。

 かと言って【セルフ・ポリモルフ】である可能性も考えずらい。そもそも、【セルフ・ポリモルフ】は別の生き物に変身する魔術だ。それに変身するものによって術式をわざわざ変えないし、そもそもの話、任意で元に戻るためには、そのための呪文を詠唱しないといけない。だというのに、喋れなくなる本に変身するとか(そもそも変身することが出来るのかは、今のジョレンには分からないが)ただの馬鹿でしかない。だというのに、変身解除の詠唱もなく戻っただけでなく、この青年は本の状態で喋っていた。もう何もかもが普通と違うのだ。

 そういう意図で問いかけると、青年は少しだけ考えたような仕草をして。

 

「まず、誰だ。という問いですが……わたしの名は『ラ・ミクリニ・グシ』。対外的には『ミクリ=ハザード』を名乗っています」

「今、対外的にって言った? 言ったよな?」

「わたしはマゼラン星雲にある星から、この星が住みやすい所か……? 人々は親切かどうか? 調べに来たのです。言葉は空で待っている宇宙船の中で学習して来ました」

「う、うん?」

「年齢は215歳。職業は宇宙船の整備士。趣味は動物を飼うことです。カバンの中にハムスターを飼っているのですが、今ここにはありません」

「お、おい! ちょっと待て!?」

 

 突拍子もなさすぎることをペラペラと間髪入れずに喋っているミクリを泡食って止めるジョレン。

 

「そ、それは何か? つまりあんたは、自分が宇宙人だとでも言うつもりか……!?」

「宇宙人……そう、その単語使えばよかったですね?『わたしは宇宙人です』」

「おいおい……」

 

 そんな馬鹿なことあるわけない……しかし、ジョレンはそれを完全には否定しきれないでいた。

 さっき、本に変身したこと。あれが十中八九魔術ではない以上、宇宙人ではない、と断定が出来ない。そして、もう一つの疑惑として……

 

「さっき、本に変身してたのは……?」

「わたしはなんにでもなれる能力を持っています。本だけじゃなくて、靴だとか、机だとかにも。宇宙人ですからね……わたしには皆さんのように帰る家がないので、ここで本に変身することで、寝泊まりしているんです」

「ここに住んでるってことか……」

 

 ジョレンはミクリの話を整理しながら、頭に残り続けている疑問について、どう確認しようか迷っていた。

 それはズバリ、ミクリが『スタンド使い』か否かということである。

 まだ、スタンドというものの性質を把握出来てはいないが、魔術ではない不可思議な力として、ミクリの変身能力もまたスタンドである可能性が否定できないのだ。

 だが、本人がスタンドと言わない限りは、自分では確認する術がない。それに、ジョレンについていた謎の生物のようなものも、ミクリの周りにはいなかったため、余計に判別が難しいのだった。

 

「ちなみに、クラスは二年次生の五組で、確か……今回、開催される魔術競技祭というのにも出る予定です」

「え、それマジ? それはそれで、ここで休憩していていいのか……?」

「今のところ、中庭は二組……?の人たちが使っていたので、今日は遠慮しようかと」

「あぁー……そうなのか……なんか悪いな」

 

 二組が四十一人全員で出るというのは、他のクラスの間でも、もう既に有名な話になっている。そのことに対し、他のクラスでは、ぶっちぎりで最下位になるだろうとして、ライバル扱いは最早、勝負前からされていないのだが。

 

「? 何故貴方が謝るのですか?」

「だって、俺二組だし……」

「あぁ、そうだったのですね。ということは、貴方も競技祭に出るわけですね? お互い、頑張っていきましょう」

「……あぁ、ありがとう。うん、お互い、頑張ろう」

 

 そんな今の二組の噂事情を知っている故に、見下されたりするんだろうか、とちょっと身構えていたジョレンだったが、ミクリの素直な応援に、毒気を抜かれたように、言葉を返していた。

 その折に、図書室の外―――中庭の方から、何か言い合いのような声が聞こえてくる。何かあったのだろうかと、二人が図書室の窓から見てみると、そこでは生徒同士が何やら、言い争っているのが見えた。そして、その片方は二組の生徒である。

 

「ちょっと何かあったみたいだ。んじゃ……えっと……」

「ミクリでいいですよ。こっちは貴方のお名前を聞いていいですか?」

「ん、俺はジョレン=ジョースター。それじゃミクリ、今日の所は失礼するな」

「はい、ジョレンさん。お気をつけて」

 

 ゆったりと手を振るミクリを背に、ジョレンは中庭へと駆けて行った。

 

***

 

「さっきから勝手なことばかり……いい加減にしろよ、お前ら!」

 

 ジョレンが中庭までやってくると、隅の方で複数人の生徒たちが、激しい怒声をぶつけ合っているところだった。

 片方は二組の生徒たち、そしてもう片方は今回の魔術競技祭において、優勝候補と言われる、一組の生徒だった。

 

「お、おい、何かあったのか?」

 

 その場の剣呑とした雰囲気にちょっと引きつつ、状況を探るために近づいていくと、雰囲気がより鮮明に伝わってくる。最早、誰もが相手に掴みかかっていきそうであった。

 

「あ、ジョレン! 聞いてくれ、一組の奴ら、あとから中庭に来た癖に、中庭から出ていけって言うんだよ」

「は、はぁ……なるほど」

 

 ジョレンのことを視認するや否や、言い争いの中で、二組の先頭だったカッシュが興奮気味にまくしたててきて、若干、その勢いに呑まれていた。

 

「うるさい! お前ら二組の連中、大勢でごちゃごちゃと邪魔なんだよ! 今から、俺たち一組が練習するんだから、どっかに行け!」

「いや、そこまで言わなくても……」

 

 一組の生徒たちもかなりの興奮状態で、頑として譲らない構えのようだった。図らずも両者の間に入り込んでしまったジョレンが、仲裁するのに、一瞬で困り果てていると。

 

「はいはい、ストップ~っと」

 

 いつの間にかグレンが来ていたらしく、ジョレンの後ろからひょこっと出てきて、取っ組み合いを始める寸前だったカッシュと一組の生徒の首根っこを引っ掴んで、引き離していた。

 

「うげっ……く、首が……」

「あがが……い、息が……」

「ったく、くだらねーことで喧嘩してんじゃねぇよ、沸点低いんだよ、お前ら」

 

 二人が暴れる気配が無くなったのを確認してから、グレンが手を離す。

 首を開放された二人がむせながら、地面に倒れ伏す。

 

「すみません、グレン先生。助かりました」

「お前はさっき来たばっかだろ、謝るのはお前じゃねーさ。ちょっと話つけとくから、お前は離れてな」

「は、はい」

 

 ジョレンが、すっと二歩ほど後ろに下がってから、グレンが仲裁すると、すんなりと上手くいった。カッシュも一組の生徒の方もかなりガタイがいいのに、グレンに腕力だけであっさり制され、委縮していたというのもあるだろうが、折衷案として、二組が端の方に寄ることで手打ちになりそうな時―――

 

「クライス! さっさと場所をとっておけと言っただろう! まだ場所は空かないのか!?」

 

 怒鳴り声と共に二十代半ばといった眼鏡をかけた男がずかずかと近づいてくる。彼が着ているそのローブに入っている(ふくろう)の紋章は学院の講師職の証だ。彼の名は『ハーレイ=アストレイ』。喧嘩していた方の片割れ、一組の担当講師だった。

 

「あ、ユーレイ先輩、ちーっす」

「ハーレイだ! ユーレイでもハーレムでもない! ハーレイ=アストレイだ、いい加減覚えろっていうか覚える気ないだろ、グレン=レーダス!」

 

 どうやら、グレンとハーレイの間では、このやり取りは何回もあったようだった。

 気楽に挨拶したグレンに、ハーレイが物凄い形相で詰め寄っていって。

 

「で? えーと、ハー……なんとか先輩も競技祭の練習ですか?」

「そんなに覚えたくないのか……まぁいい。競技祭の練習と言ったな? 当然だ。今回の競技祭に優勝するのは私のクラス、一組であり、女王陛下から勲章を賜る、その栄誉に相応しいのは私だ!」

「わー、すごーい、頑張ってください、先輩ー」

 

 傍目から見ても、完全にあしらう気満々なグレンの態度に、ハーレイは忌々しげな顔をするしかない。

 

「まぁいい、さっさと練習場所を空けろ」

「あー、はいはい、あの木の辺りまで空ければ大丈夫ですかね?」

 

 そう言って、グレンが指さして、大体の場所割りを提案するが―――

 

「何を言っている。お前ら二組はさっさとこの中庭から出ていけと言っているんだ」

「は?」

「え?」

 

 そんなハーレイの一方的かつ横暴な言葉に、その場にいる全員が凍り付いた。

 流石に、黙ってられなかったらしく、グレンが渋面で抗議する。

 

「ちょっと先輩……そりゃいくらなんでも横暴ってやつですよ」

「何が横暴なものか。貴様らがちゃんとやる気ならば、練習のために場所を公平に分けてやってもいいだろう。しかし、全然やる気などないではないか。そんな成績下位者を使い、勝負を最初から捨てている輩にはな!」

「―――ッ!?」

「勝つ気のないクラスが、使えない雑魚同士で群れ集って練習場所を占有するなど迷惑千万……分かったなら、さっさと失せろ!」

「……ハーレイ先生、あんた―――」

 

 その酷い物言いに、二組の生徒のほとんどは肩を落として、俯いてしまう。

 ジョレンも、流石にカッとなって、無意識に鉄球に手を伸ばし―――

 

「あぁ……ったくもう、どうしてこう次から次へと思い出したくない事ばかり……あー、やだやだ」

 

 その時、突如意味不明な事を呟いたグレンが、ジョレンよりも先に、ビシッと伸ばした人差し指をハーレイの鼻先に突きつけていて。

 

「お言葉ですがね。うちのクラスはこれで最強の布陣なんですよ。そんな風に油断していてウチに寝首をかかれないことっすね」

 

 そう、不敵な笑みを浮かべ、堂々と勝負宣言をするグレンに、ハーレイが一瞬怯み―――

 

「……く、口ではなんとでも言え―――」

「三か月分だ」

「は? なんだと……?」

「そんなに言うなら、三か月分だ。俺は、俺のクラスが勝つのに、給料三か月分を賭ける!」

「な、何ィ!?」

 

 グレンの宣言に、ハーレイだけでなく、周囲にいた人全員がどよめいた。

 ジョレンも流石に、グレンがここまでするとは読めずに、ポカンと口を開けてしまっている。

 

「き、貴様、まさか本当に……!?」

「さて、どうしますかね、先輩。三か月分は結構大きいですよ……? これで負けちまったら、先輩の魔術研究は大分滞っちまいますねぇ?」

「ッチィ……!?」

 

 そう、講師職は、高給取りに見えて、研究のための費用が少額しか下りないために、魔術研究のために自分の給料から研究費を出さなくてはいけないため、実際にはもっとカツカツの生活を強いられている。

 そのため、給料三か月分が完全になくなってしまうのは、かなりの痛手なのだ。

 苦し紛れの表情で、ハーレイが一組の生徒をチラッと見る。どうやら、生徒の前で、この賭けから逃げるわけにはいかないらしい。

 

「い、いいだろうッ! 私も、私のクラスが勝つのに、給料三か月分だ!」

 

 ハーレイもグレンのように、堂々と宣言し、それをグレンがニヤニヤと、まるで勝利を確信したかのような自信満々の反応をしている。

 

「流石、先輩。いい度胸っすね、いやぁ、ごっつぁんです、せ ん ぱ い」

「ちぃ……ッ! この私に楯突いたこと、必ず後悔させてやるッ!」

「ふっ……そりゃ、こっちのセリフですよ。コテンパンにしてやります、ここにいるジョレン=ジョースターがなァッ!」

「はあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァ――――――ッ!?」

 

 突如、135度ほど曲がって飛んできた、言葉の魔球カーブにジョレンが今日一番の叫び声を出した。

 流石に耐えきれず、ガッとグレンの襟首をつかんで、ハーレイから離れたところまで引きずり、二人でコソコソと話し始める。

 

「ちょ、ちょっとなんで、あそこで俺の名前が出てくるんですか!?」

「だ、だって、ちょっと勢いで喧嘩吹っかけちまって、気が動転してて……」

「あんな自信満々だったのに、内心後悔ばっかだったんですか……」

「とりあえず、お前がリーダーだ、特攻してこいッ!」

「先生の自業自得じゃないっすか、巻き込まないでくださいよ!? っていうか、もうそこまで嫌なら恥も外聞も捨てて謝ったらどうですか!?」

「そ、それだッ! いいだろう、俺の固有魔術(オリジナル)【ムーンサルトジャンピング土下座】を見せて―――」

 

 グレンの動転ぶりが、ジョレンに伝達して、わちゃわちゃした論争がどんどんヒートアップしていく中―――

 

「そこまでです、ハーレイ先生」

 

 凛と涼やかに通る声が、そんな二人の耳に入った。

 

「それ以上、グレン先生を愚弄するなら、私は許しませんから」

「「あ」」

 

 その声の主は、いつの間にか駆けつけていたシスティーナだった。そして、ジョレンもグレンも、その登場に、もう何かを察していた。

 

「き、貴様、システィーナ=フィーベル!? 魔術の名門、フィーベル家の……ッ!」

 

 ハーレイは、システィーナの突然の介入に明らかな狼狽を見せている。しかし、ジョレンから見たら、それ以上に狼狽しているのは、ほかならぬグレンの方だった。

 

「そもそも、貴方の練習場所に対する主張は正当性がありません。グレン先生に対する侮辱も不当です。これ以上続けるなら、講師として人格的に相応しい人物がいることを学院上層部で問題にしますが、よろしいですか?」

「ぐぅ……ッ!? こ、この親の七光りが……ッ!」

「それに、今ここでそんな争いをせずとも、グレン先生は逃げも隠れもしません。ジョレンも同じです。先生のために、一生懸命戦うことでしょう……そうですよね、二人とも!?」

「お、おう……」

「え? あ、はい……」

 

 そして、どこか嬉しそうな、期待に満ちた表情でシスティーナに、グレンもジョレンも、もう否定することが出来ないでいた。

 

「くそ、覚えていろよ、グレン=レーダス! 集団競技になったら、まずお前のクラスから率先して潰してやるからな! そして、ジョレン=ジョースター! 貴様もだ、首を洗って待っていろッ!」

(なんでこんなにハードル上がっていくの? 誰か助けて……)

(えっ、俺も!? なに、グレン先生の苦し紛れの巻き込みにノってるんですか、ハーレイ先生!?)

 

 二人とも、心の中で、焦ったり声なき声を上げていたが―――

 

「おととい来やがれ」

「返り討ちにしてやりますよ」

 

 この世の中の抗えない流れに巻き込まれ、二人ともメンチを切って、喧嘩言葉を吐くしかなかった。

 

「ふふ、任せてください先生! 先生がここまで私たちを信じてくれているんだもの、私たちは絶対に負けないんだから! ね、そうでしょ、皆!」

 

 システィーナのあおりに、クラスの生徒たち皆が力強く頷いていた。

 その様子を見て、ジョレンは、内心落ち込みまくっているグレンの肩をポンと叩くことしか出来ない。

 

「や、やっぱり、噛み合っていないような……」

 

 そんな三人の様子を、ルミアは苦笑いで眺めていた。

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