コカビエルは漸く玉座から立ち、地に降り立った。既に『蛇』を服用し強化済みである。
フリードはエクスカリバ―ごと斬倒され、バルパーは元から戦力外、付き従ってきた数少ない堕天使達も既に居ない。
「・・・・・結局、誰も彼もこの俺について来られなかったか。…だがしかし、既に賽は投げられたのだ!今更引き下がれるものか!!俺は、俺一人になろうとも、戦争を再開する!!今度こそ、ハルマゲドンを成就させてやる!!」
鬼気迫る形相で戦争への渇仰を謳う。同時に、コカビエルの周囲にピンポン球サイズの光球が何十何百と形成されていく。
「その手始めが、貴様等だ!現魔王サーゼスク・ルシファーの妹!『紅髪の
全ての光球から一斉にレーザー光線が射出された。コカビエルの対悪魔全方位殲滅技が炸裂した。
しかしこの業、速さと範囲に重きを置きすぎた為、威力そのものは大したものでは無い。光を弱点とする悪魔には特攻ダメージが入るものの、天使や堕天使だと中級でも直撃を受けても耐えられるだろう。――それが1発だけならば。
幾百もの光線が全方位に一斉に放たれ、回避はおろか防御すら到底間に合わない。足りない威力は圧倒的数でカバーする。まさに必中不可避の奥義と言っても過言では無い。
無論、他の連中もただ見ているだけでは無い。ゼノヴィアはデュランダルを前に翳し、紫藤 イリナは身を屈め教会式と思われる防御術式を展開、木場 祐斗は
「甘いわ!!『蛇』の恩恵を受けた今の俺の最大連射数は1980だ!耐え凌ぎきれるものか!フハハハ「やかましいぞ!」グハッ!?」
羽衣狐の10尾が地面を掘り進んで、コカビエルの足下から飛び出したのだ。
「全方位と言ったが、足下はお留守だったの?」
他の面々も、千載一遇の好機とばかりに一斉に攻撃に掛かる。
赤龍帝の能力で最大まで威力の引き上げられた滅波と雷撃、デュランダルの斬撃と多数の聖魔剣の一斉射出、紫藤 イリナと白音の即興殺陣。木場 祐斗とゼノヴィアも即座に殺陣に加わるが、それでもなおコカビエルの演舞は途切れる事無く続く。
「「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧きあがり・否定し 痺れ・瞬き 眠りを妨げる 爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ――」」
「!!?」
至高の領域にまで練り上げられた霊圧に、流石のコカビエルを余裕を失い笑みを崩す。
「…は!
コカビエルにとっては時間を稼ぎ距離をとり態勢を整えるための苦肉の策。
しかし、教会の使徒である2人と、かつて教会に使えていた2名が少しの間停止した。
「「「「―――は?・・・・・なん・・・だって…?」
狼狽する4名のガキ、絶句する悪魔達、それらを嘲笑いながら隠匿されていた事実を明かすコカビエル。
だが、外様である妖怪達にとって、そんな事は些末事にすぎない。
「――縛道の六十三・鎖条鎖縛!!皆さん、一旦下がってください!!」
「くっ!舐めるな!!」
「「遅い!――破道の九十・黒棺!!」」
戦いは終わった。
首謀者コカビエル、瀕死の重傷なれど確保。殺戮狂神父フリード・セルゼン、聖剣偏愛老害バルパー・ガリレイ、何れも死亡。
駒王学園、半壊。リアス・グレモリー眷属及び教会の使徒、負傷者多数。安倍家一行、損耗無し。聖剣エクスカリバ―、何れも刀身は破砕したものの核は無傷で回収。
任務自体は一応達成したが、惨憺たる有様だ。
この件を切っ掛けに各勢力の状勢や均衡が大きく揺らぐ事だろう。必然、多大な混乱が生じる。先ず間違いなく『
それは・・・嗚呼、とても