少し未来のシンフォギア   作:竹流ハチ

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「Be the One」

 

目の前で何が起きたのか理解出来なかった。

 

間違いなくティナは優勢だった。

 

誰よりも努力を積み重ねてきたティナだからこそシンフォギアはアニエルを倒せるだけの力を、律を取り戻せるだけの力を与えてくれていた。

 

これまでのティナの努力は確かに報われる筈だった。

 

「世界中で電磁波に異常発生!航空機に壊滅的な被害が出ています!」

「財団から通達!宇宙全体の速度が低下、このままでは宇宙の活動が停止するとの事!」

「世界各地で電子ノイズが発生!暁さん達とオートスコアラーだけじゃ対処し切れません!」

「アニエルは気にするな!とにかく多くの命を救うんだ!」

 

なのに、ティナは空を飛ぶアニエルが開いたパンドラの零に吸い込まれて消えてしまった。

 

吸い込まれる前にティナがパージした私達のシンフォギアは高度な修復が必要な程に破壊されてしまい、戦えなくなった私達なんて眼中に無かったのかアニエルが飛び立っていった。

暫くしてから武装した司令官達が助けに来てくれたけど、司令室に戻ってきて待ち受けていた惨状に私達は呆然とモニターを眺めるしかなかった。

 

私達は頼るだけでティナを、受け入れてくれた世界を守れなかった。

 

「……お前達が気に病む事はない。お前達は精一杯頑張った、それは私も見ていた。後は私達に任せるんだ」

「どうするんですか……」

「私と立花で止める。暁達がノイズ達を相手にしている以上私達が出るしかない、だからS.O.N.Gの防衛はお前達に任せる」

「任せるって……シンフォギアも無いのに…」

 

最早なす術もなくて座り込んでいる私達の様子を見て風鳴司令が声を掛けてくれたが、私達の所為ではないと言われてもこの状況をどうにかできるとは思えず、私達の口から既に弱音しか出てこなかった。

 

いつもなら大声で叱責してくる筈だったけれど、風鳴司令はそんな私達を見て少しだけ可笑しそうに笑い、座り込んでいる私達の前にしゃがむと普段では見た事がない少しだけ弱気な表情を見せていた。

 

「私だって怖いさ。でも、怖いからと言って何もしなければ怖いままだ。私は怖いままでいる方が怖いと思う」

「でも……」

「私の恩人の言葉を借りるが、『生きるのを諦めるな』。今は弱くたって構わない、だが自分にだけは負けるんじゃないぞ」

 

そう言って風鳴司令は私達の頭を優しく撫で、また世界中で起き続けている二次災害を食い止めつつ、アニエルの動向を監視している。

 

私も風鳴司令の様に強くいられたら、そう思っても弱い自分が情けなくて、またアニエルの前に立っても何も出来ないと思うと怖くてただ手を握り締める事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

何も無い暗い空間に私は居る。

 

居るという言葉も正しいか分からない、この場所では音が響く事もなければ何処かに落ちていくような感覚も上っていくような感覚も無い。ただ此処に存在する、そういう感覚だ。

 

ペンダントを触ってみると無理をさせたガングニールのペンダントは砕け散っていて、聖詠すら湧いてこないから恐らく修復が必要な程に破損してしまっているんだろう。

 

残された仲間達は無事なのか、アニエルを誰かが止めてくれているのだろうか、そんな考えすらも無駄であるとこの空間は残酷に突き付けてきて、無駄な思考はするだけ無駄だから私は空間に身を投げ出した。

 

「お腹、空いたなぁ」

 

私のシンフォギアは身体を激しく動かすから消費カロリーも相応で、任務前は出来るだけ沢山食事を多く摂るようにしているのだけど、こんな空間で食べ物なんて望めないから死ぬなら餓死が一番現実的だろう。

どうせなら戦いの中で死んでいき、英雄として語り継がれたかったけど、アニエルの相手をするなら響さんだろうから私の死はその功績の陰に消えていくんだろう。

 

悔しい、死ぬほど悔しいけど私には初めから無理だったんだ。どうせ誰にも愛されっこない。私はいつだって独りで居なきゃいけないんだ。

 

「私が諦めるなんてヤキが回ったものね」

 

諦めるなんて言葉、私の中にあるとは思ってなかったけどまさかこんな場所で見つける事になるなんて。

 

ホント、私の人生はロクでもな『ぬぁぁぁぁぁぁッ!?どこまで行くのォォォ!?』ッァ!?

 

英雄になる為に諦めず努力をしてきた私が遂に諦めてしまったその時、正面から突然少女の声が聞こえてくるとほぼ同時に私と女の子は派手に激突し、完全な不意打ちを鳩尾を喰らった私の身体は思わずくの字に曲がってしまった。

 

「っぅ……大丈夫ですか?」

「あたた……って、ここってパンドラの中?」

「パンドラを知っているの?」

「何か柔らかい物にぶつかった気がするけど、何だったんだろ?」

 

暗闇の中で私にぶつかってきた少女に声を掛けると、その口からパンドラの名前が出てきたから何を知っているのか訊ねたが、正面から聞こえてくる少女の声はまるで私の声が聞こえていないかの様に独り言を話し始めた。

 

試しに声のする方に手を伸ばしてみると指先が何やら表面が滑らかで柔らかい物に触れ、少女の『ひゃっ!?』と驚き身を引く動作を感じたから恐らく認知できているのは私からだけなのかもしれない。

 

次元も時空も歪んだこの空間、もしかしたらこの少女は別の時間からこの空間に入ったのかしら?だとすればこの子は過去か未来、何方かから来たのかもしれない。

 

「だ、誰か居るの?」

「この状況、どうしようかしら?」

「……居ないなら、私は行くね」

「ッ!?」

 

一応コミュニケーションを取る方法を探そうと考えを巡らせていると少女は当然のようにこの中から出ると言い出し、咄嗟に手を伸ばすと今度は小さいけれど力強い手を握る事ができた。

 

少女も何処かに行こうとする足を止め、掴んだ手からは振り返る様な仕草を感じた。

 

「この感じ……もしかして君も」

「どうすれば此処から出られるの!?あぁ、このまま伝わらないんだったわね、でもどうすれば…!?」

「良かった、私が信じられる人が見つかって」

 

声を伝える方法がなく焦る私とは違って少女の声は落ち着いていて、安堵した様なため息を聞こえてくると少女は私の手を両手で包み込んできた。

 

その温かさに包まれると私の焦燥感も少しずつ収まっていったけど、その代わりに努力をする事で誤魔化してきた自分自身の弱い心が浮き彫りとなっていた。

 

努力をすれば私の存在が認められる、努力をすれば私だって英雄になれる、努力をすれば誰にも殺されたりなんてしない。装者になるという意味は誰かの悪意によって殺される可能性もあるという事は分かっていた。

死ぬのなんて嫌だ、私はまだ生きていたい。もっとやってみたい事も、行ってみたい場所もあるのに道半ばで終わるなんて嫌だ。

 

でも私だけの力ではもうどうしようもない、ただ涙を流す事しか出来ない私は一体どうすればいいの。

 

「私はどうしたらいいの……もうガングニールも応えてくれない………何の力も無いのに…」

「………」

「お願い……私を助けて…」

 

天才だからとこれまで何度も持て囃されてきた。

 

天才だから何でもできるって。

天才だから教えなくてもできるって。

天才だから一人でも大丈夫だって。

 

そうじゃないのに、教えて貰えないから努力をしてきたのに、ただ誰かに褒めて欲しいから頑張っていたのに、ただ誰かと一緒に居たかっただけなのに、それが才能の一言で残酷にも片付けられてしまう。

 

だから才能だけでは生きていけない世界に、シンフォギア装者という誰かに必要とされる世界に、誰かに愛される存在になりたかったのに。

 

「分かるよ。君の気持ちも」

「聞こえてるの……?」

「シンフォギアを使えるって事は凄く優秀な人なんだと思うし、そういう人以外が纏う世界にするつもりもない。でもそれだけで強くなれるかって言われてもそんな訳ないもんね」

 

声は聞こえてない、けどこの人は私と繋いでいる手から感じた私の弱い心を読み取ったんだ。

 

何度も何度も皆と繋いできたこの手で。

 

「私もこの力に目覚めた時はやっと誰かに必要とされるんだって思ったよ。人助けをしてればもう誰にも嫌われないって。でも物事はそんなに簡単じゃなかった、結果的にこんな場所に閉じ込められちゃったしね」

 

経歴は知っていた、だから私はこの人が羨ましかった。私だって聖遺物と融合していたらもっと誰かの役に立てたのにと何度も思った、私ならもっと上手くやれると何度も考えた。

 

でも、この人も私と同じだったんだ。

 

「怖かったよ。私が信じた正義は何度も否定されたし、私自身も何度も死にかけた。でも、私の大切な友達が背中を押してくれた。『勝たなくてもいい、でも負けないで』って。私達は言葉だけじゃ足りないから歌を歌う、歌って自分達の心を曝け出すことで少しでも相手との心の距離を近付けるんだよ」

 

特に考えた事がなかった私達が歌う意味。シンフォギアを使う為だけじゃない、この人は自分の心を曝け出す為に、心の内を歌う事で相手との距離を縮めようとしていたんだ。

敵うわけがない、私とは心持ちが違う。

 

英雄になろうとしなかったこの人だから英雄になれたんだ。

 

此処から出る為の答えが分かってしまった以上、この人を此処に引き止めない為に私は手を離し、その人から後ろに遠ざかった。

世界を救う為に私が出来る最後の選択をして闇の中に消え去ろうとしたその瞬間、私が見えてるかのように私の腕を強く掴まれると思いっきり引っ張られ、勢いに負けて前のめりになっていると今度は強く正面から抱き締められた。

 

「ちょっ!?」

「《Gatrandis babel ziggurat edenal》」

 

そして私を抱き締めたまま絶唱を歌い始めるとその胸の奥から感じた事がない程のフォニックゲインとこの人の温かさが私にも流れ込んできて、それが心地良くて私も突き放すのを忘れて歌を聞き入っていた。

 

自分の命を捧げる歌の筈なのにこの人はそれを歌いこなしている、きっと私も知らない場所でも何度も歌ってきたんだろう。望まない戦いでも何度もこの温かい手で手を取り合って、何度もこの温かい歌で平和を望んだんだろう。

 

私が目指した英雄がこの人で本当に良かった。今も昔も変わらないこの人と出会えた事に感謝していると、歌い終えたこの人が私の涙を拭ってくれるとその指先で私の胸を押さえてきた。

 

「貴方の胸の中にある歌を信じてあげて。その歌はきっと君の力になってくれる」

「胸の歌……」

「生きるのを諦めないでね、『後輩』ちゃん!」

「……はいッ!」

 

私の事をずっと前から知っていた私の英雄は私から手を離し、もう二度と会えない若かりし英雄が去っていくのは寂しかったけれど私も自分で此処から抜け出さなきゃいけないんだ。

 

私も進むべき道を見つけようとすると、遠くから歌が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「………魔弾なら届くと思いますか?」

 

戦う事以外碌に知らないから何の役にも立てない空達がずっと司令室でうずくまっていると、突然静香がボソリとそんな事を言い出した。

 

「無理よ……アレは座標が分からないと撃ち込めないし」

「ですよね……」

「……じゃあ何でティナは入れたの〜?」

「そりゃ、アニエルがあの穴に入れたからでしょ」

「ならあの穴が出口になるんじゃないの〜?」

「そんなの分かっても……」

 

海未が指差したアニエルの背後にある球体状の虚空の座標が出口だとして、それが内側から感知出来ているのなら今頃アリアは出てきている。

 

思い付きではどうにもならない、静香はまた顔を俯かせて腕の中に顔を埋めた。けれど出口という単語が引っかかり思考を回し始めると、空も翼達がパンドラへの対応に無駄が無い事に気づいた。

 

「風鳴司令、前回パンドラが開いたときはどうやって閉めたんですか?」

「以前は立花本部長が閉じ込められたが、本部長が出てくる同時に破壊したがどうかしたか?」

「立花本部長はどうやって出てきたんですか?」

『あの空間は神や呪いといった形を持たないモノを封じ込める匣よ。本来生物が認知できる空間じゃないから人間にはその出口を見つける事は出来ない。だから私は一時的にガングニールと再融合して完全聖遺物となって、歌の聞こえる方から脱出したわ』

「歌……?」

『みんなが歌ってくれたから私は出られたわ。たとえ前が見えなくても仲間の歌が聞こえればそこに向かって走り続ければいいもの。当然でしょ?』

 

暗闇の中でも歌を頼りに走り続けた、シンフォギアが破壊されて無力になったと打ち拉がれていた装者候補生達に響が掛けたその言葉は三人に再び火を灯すには十分だった。

 

アニエルと直接戦う事はできなくてもまだ歌う事はできる、装者として基本であり命を繋ぐ歌ならパンドラの中に居るアリアまで届く力になるんだ。

まだ戦えると立ち上がった三人はすぐさま司令室から駆けていき、その様子を見た翼もホッと息をついた。

 

「良かったのか?ペンダントの破損具合から一回でも攻撃を受ければ一ヶ月は使えないぞ」

『どの道この局面を乗り切れなければ意味が無いし、此処で必ず終わらせるから問題無いわ』

「アリアが出て来られると確信があるのか?」

『私だって馬鹿じゃない、勝算もなく突っ込ませたりしない。アリアは必ずパンドラから抜け出すわ』

 

シンフォギアの破損状態から考えてもあと一撃でも受ければ聖遺物を包む最後の外装も壊れ、エルフナインが直すまでの期間をどうするのかと翼が訊ねても響は一切躊躇うことなく決着を付けると断言した。

 

人類を救い続けてきた英雄の力強い言葉に司令室の雰囲気も明るくなり、『それとまた敬語が抜けてるわよ』と茶化すように言葉を続けると翼達の間には笑みすら浮かんでいた。

絶望の中でも煌めく響の心の強さが大人達にも伝わっていき、今尚広がり続ける災厄を前にしても諦めるという考えは誰一人として過ぎらなかった。

 

『アニエルはあの子達が対応する、私達は少しでも多くの命を救うわ。それが大人の役目よ』

「勿論、分かっているさ」

『よろしい、貴女がS.O.N.Gの司令官で良かったわ風鳴司令』

「私もだ、立花本部長」

「アタシも混ぜろよなセンパイ!」

『そうデスよ!』

『私達だって頑張ってる』

 

お互いに部下を持つようになり、役目を果たす為の立場があり衝突する事も少なくないが、世界を救ってきた先代装者達は変わらない確かな絆で結ばれている。

 

今回は後輩達が初めて脅威に立ち向かうように先代装者達も今回が初の試みばかり。何処まで接すればいいのか、何処まで守ってあげればいいのか、分からない事ばかりだったけれど装者候補生達もそれに応えてくれた。

 

装者候補生なら必ずやり遂げる、次は自分達がそれを支える番なのだと理解していた。

 

 

 

 

燃えていく。我々が愛していた世界が、我々が愛していた筈の人類が燃えていく。

 

私の眼下に広がる人間達の世界はパンドラが開かれただけでその殆どが機能を麻痺し、火が上がり悲鳴が聞こえる様は地獄のようだが、それを望んだのは人間自身だ。

 

幾度と無く警告してきたのに都合の良い時だけ神を頼り、都合が悪くなれば神を貶めてきた人類に多くの天使が呆れ果て、その役目を放棄して姿を消した。

父と呼べる神から何を言われる訳でもなく、ただ神が愛した子等を守る為だけに存在する同士である天使達はこれ以上の屈辱に耐えられなかったのだ。

 

それでも私だけは耐えた、神が人類を愛すのには必ず意味があると。私という存在が役に立つ日がいつか来ると。ずっとずっと待ち続けた。

 

なのに人間は何も応えてくれなかった、ならば神が私に与えた役目とは人間を守る事ではなかったという事だ。この世界をやり直してまた皆が手を取り、愛し合う世界を取り戻す事だったのだ。

 

『有象無象が、まだその玩具を纏うか』

 

パンドラによる世界線の消失。

 

以前のように匣が完全であれば容易かったけれど、憎き神殺しがパンドラを一度破壊してしまったから予想以上に時間が掛かり、世界線を吸い込み切れる容量に拡がるまで待っていると眼下のビルの屋上に再び愚者が集まっていた。

 

効かぬと分かっている攻撃、耐えられぬと分かっている耐久性を理解せずに聖遺物を酷使して玩具を纏うとは。益々持って度し難い。

 

「お前なんかに興味ないもんね〜!」

「んでアタシまで……」

「ここで消えれば全部終わりですよ?」

「……チッ、駄目だったらアレごと本部長に消させるわよ」

「ティナに任せておけば大丈夫だって〜」

 

二度と這い上がれぬようもう一度吹き飛ばそうと翼を拡げたけれど、愚者達の会話通りなら愚者を消せば神殺しが現れる。今パンドラが破壊されれば今度こそ開く事が出来なくなるから今は時を待つ事に徹しよう。

 

遊びに付き合うつもりはないから意識を再び周辺の警戒に向けると、足元からは装者達の命の歌が聞こえてきた。絶唱、確かそんな名だったか。

私には歌なぞ届かぬというのに愚者達は声を合わせ、心を共鳴させてその歌を私に向けて歌っていた。

 

昔ならば私もその歌に耳を傾けたかもしれない、だが我々の期待を裏切ってきたのは人間達だ。今更そんな歌を聞かされたところで天使も神も聞き届けたりしない。

 

「《Emustolronzen fine el baral zizzl》」

「《Gatrandis babel ziggurat edenal》」

「《Emustolronzen fine el zizzl》」

 

今更神への愛を歌った所で、私は聞き入れない。

 

愚者達が歌い上げた絶唱は自らの力に耐え切れず玩具の装甲を砕き、力の全てを失った愚者達はその場に座り込んでいた。

 

やはり私が相手をするまでもなく自滅した。何も変わらない、人類の発展の為に窯を与えてやったあの頃から何も進歩していない。手塩にかけて育てた人間の愚かさには哀れみすら覚え、最早何の期待もせぬよう別の位相で時が来るのを待とう。

 

別の位相に移り音すら届かぬ高みから哀れんでいると、反動で喀血し息も絶え絶えの愚者達が私を見上げると何故か笑みをこぼしていた。

まるで何かしらの勝機を掴んだかのように。

 

「イチイバル、行って!」

「シュルシャガナもゴ〜!」

「力を貸して、イガリマ!」

「絶対返しなさいよ!アガートラーム!」

 

何を見詰めているのか眺めていると愚者達の視線は私ではなく背後のパンドラに向いている事に気付き振り返ると、パンドラは未だに巨大になりつつあったがその一点から光が溢れていた。

 

その光からは私に限りなく近い力を感じ、装者達が己を包んでいた最後の装束さえも力に変えてパンドラの中に打ち込むとその光と力が更に輝きを増し、パンドラが溢れかえらんばかりの光を抑える為に現界してパンドラを一度閉じる事に専念した。

 

此処で破壊されれば全ての計画が泡沫に消える、私が授かった叡智さえ投げ売った私の闘いの意味が無くなってしまう。許されるものか、誰にも邪魔をさせてなるものか。

 

私の持てる力を全てパンドラの収束に向けているというのに、パンドラの中から溢れ出る光は私の力なぞ物ともせず輝き続け、限界を超えたパンドラは次第に亀裂が入りこのままでは砕け散ってしまう。そんな力が奴には残されていなかった筈なのに。

 

『ふざけるな……貴様の何処にこんな力が残っていた!?神殺しは砕いた、だというのに何故こんな力がお前から溢れ出す!?貴様は一体何を纏ったというのだ!』

 

 

最早パンドラは耐えきれない、決して満たされる事がない時空の穴であるパンドラさえも埋め尽くす程の光に剣先を向け、私に残された感情の全てを込めて叫んだ。

 

パンドラ内部から閉じ込めた筈の愚者の雄叫びが聞こえ、虹色の極光がパンドラを斬り裂くと私が手に持っていた時空神殿のカケラは砂に変わり、あまりの眩さに目が眩んだけれど私は決して目を逸らさなかった。

 

 

 

 

『シ・ン・フォ・ギィィッ――ヴウゥワアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!』

 

 

 

 

パンドラの中央から現れたソレは己が力を見せつけるように『六対の翼』を広げ、パンドラが引き寄せていた黒雲を極彩色の輝きで掻き消すと、天からは祝福を受けているかのように光が差していた。

 

その翼は今はもう見る事が出来ない熾天使のように美しく、その光の暖かさは懐かしくも感じる。

 

だがソレを背負う人間の歌が聞こえてくると天使にとって踏み込む事すら禁忌である彼の方をあろう事か模造した事実を思い出し、これまでに感じた事がない底知れぬ怒りが湧き上がってきた。

 

『まだ身の程を弁えぬか愚か者が……!』

「《響け 生命の絶唱》」

 

偽物の六対の翼を背負った程度で私を見下ろす愚者に怒りの丈を全て込めた聖剣で斬り掛かり、愚者が槍を構えたけれど、勝利の哲学は私の怒りを受けてか聖槍であろうとその輝きで断ち斬った。

 

愚者のアームドギアが何であろうが知った事か、この愚か者が地に堕ちるまでその全てを断ち斬ってその存在を否定してやる!

 

『貴様の歌も、命も、人生も、貴様が積み重ねた物は私が全て否定する!貴様一人の人生が私の一生に敵うと思うなッ!』

「《彼方 羽ばたいて》」

『貴様の歌は、聞き飽きたッ!』

 

槍も、剣も、弓も、鋸も、鎌も、盾も、愚者が持ち得る武器の悉くを砕いて聖剣の間合いに入り、私が背負っている全ての天使の想いを剣に乗せると聖剣は我が願いを聞き届けて極光を放った。

 

勝利の因果が聖剣に収束し、たとえ何が起きようとこの一太刀で私が勝利を勝ち取るとこは必然となった。人類が巻き戻しを拒むというのなら私が全てを破壊して零にするまでだ!

 

『エクスカリバァァァァッ!』

 

聖剣の名を天に示しその神威を発揮すると次元が歪み、愚者のありとあらゆる行動が世界によって否定され、死への道のみを残した。

 

極光が愚者に振り下ろされ哲学が煌めいた瞬間、愚者の腕が空間を超えてその先から握り取った物で聖剣の一撃を防ごうとしたがもう遅い。貴様の敗北は覆らない。

 

聖剣の煌めきがその手に握られた石のような剣に触れると石剣はあろう事か聖剣を受け止め、石剣に入った亀裂から放たれる煌めきに極光が掻き消されると私は目の前の出来事を疑わずにいられなかった。

 

「その剣も、見飽きたわッ!」

 

愚者が手にしている石剣の表面が剥がれ、その下から新たな『エクスカリバー』がその姿を現し驚愕していると、愚者の剣撃に私の勝利の哲学を弾き返されて鍔迫り合いになってしまった。

 

私が手にしていた聖剣と愚者が手にしていた聖剣、完全に同格であるお互いの勝利の哲学が反発し合い、お互いの哲学が折れると対消滅と共に強烈な爆発が起き、目紛しい視界の反転と姿勢制御が効かない私の身体は幾つもの建造物を突き抜けながら地表へと叩き付けられた。

 

全身を襲う痛みは凄まじく、自分の手に握られていた柄も砂となってこの世から消え去ってしまぅた。これで私に残された駒はこの身体と電子ノイズのみ。せめてもの情けで痛みを伴わないやり方を選んでやっていたというのに。

 

『そんなに苦痛を味わいたいか愚か者がァァァァッ!』

 

身体に纏わり付く邪魔な瓦礫を翼で吹き飛ばし、撹乱の為に用意していた電子ノイズ発生装置を全て最大稼働させてその目的を殺戮へ変え、この街にも千を超える電子ノイズが発生させた。

 

もうやめだ、何もかも壊すべきだった。やり直しなんて神は求めていない、神が愛したモノは神の尖兵である私が全てを壊すべきだったんだ。

空を見上げると愚者はその翼を他の愚者達に分け与えて紛い物の天使が増えたがノイズの方に向かい、あくまでも私に刃向かうのは一人というわけか。

 

「《「だから笑って」》」

 

愚者は歌い出すと同時に翼を羽ばたかせ距離を詰め、それを羽根を撃ち出して叩き落とそうとしたが、翼は確かに減っている筈なのに愚者はその悉くを避け、その勢いのまま蹴りを放ってきたから回避したが足のバンカーが打ち込むと勢いを殺さずに詰め寄ってきた。

 

突風を起こしても愚者の装甲は砕ける事がなく、愚者の蹴りを避けながら光弾を叩き付けているというのにその勢いはまるで衰えない。

 

『何故貴様はそうも立ち上がるのだ!?何度も砕いているというのに、何度も挫いているというのに何故立ち上がれる!?』

「私は、正義を吼え叫ぶこの歌が私のアームドギアだッ!何も変えようとしなかった貴女に私は負けられないのよッ!」

『変わろうとしなかったのは貴様達人間だろうがッ!私が何度手を差し伸べたかも知らぬ愚者が知った口を利くなッ!』

 

一対の翼しかない愚者の蹴戟には神殺しが発現しておらず、多少打ち込まれようとも私がずっと握り締めてきた拳をその顔に叩き込んだ。

 

『乳臭いその口で綺麗事をほざこうが貴様にはそれを全うする力はない!所詮は理想を語るだけの偽善者と何も変わらない!』

「ええ無いわよ!だから何よッ!」

『グッ!?』

「私一人の力なんて貴女に比べれば大した事ないわ!それでも皆と力を合わせれば世界を救える、私はそれが可能だって事は知ってる!」

 

たとえ戦いに優れていないといえ神の尖兵である私の拳を顔で受け止めるばかりか、その眼光は益々鋭さを増して拳を押し返してくる。

 

「絶対負けない、諦めた貴女だけには負けられない!」

『このっ、馬鹿力がァ…!』

「私は馬鹿じゃない、クソ真面目よッ!」

「しまっ、ヅゥ!?」

 

力は拮抗しているというのに愚者の気迫は凄まじく、一瞬の隙に身を退かれ私の力が空回りするとその場で縦回転する踵落としをモロに受けて地上に落ちてしまった。

 

すぐに立ち上がって体勢を立て直したものの愚者の追撃はこの身体を持ってしても捌き切れず、地上での戦いに慣れている愚者を相手するのは分が悪い。

それは分かっているけれど、此奴から逃げるような無様な姿を晒す事は天使としての誇りが許さなかった。

 

これ以上の負傷は避ける為、自分を巻き込む覚悟で羽根を舞い飛ばし旋風を巻き起こすと、無差別に斬り裂く羽根は私の肌も裂いたが愚者の攻撃の手も止み、愚者が髪を纏めていた髪飾りも地面に落ちた。

 

長く纏められていた髪が解け、腰の丈はある長く宝石のような金髪と琥珀色の瞳。その姿をしている巫女を当然私は知っていた。

 

『また貴様か、フィーネェェェッ!』

 

奴の魂は感じないが見間違う訳がない、恐れ多くも神に恋い焦がれバベルの塔を建てようとしていた先時代の巫女がこんな形で私の前に姿を現したのだ。

 

羽根を一枚もぎ取り、それを剣のように引き伸ばして斬り掛かるとフィーネは腕の装甲で受け止めたけれど、私達天使の運命を変えたこの女だけは此処で始末しなければならない。

 

『貴様の身勝手な行いが我々を殺したのだ!貴様だけは絶対に殺す、同士の仇は私が討ってやる!』

「っ、勝手にフィーネ扱いされるなんてこっちもまっぴらごめんよ……!」

『ならば貴様は誰だと言うのだ!フィーネではないというのなら、誰が再び神域を犯そうというのだ!』

「私の名前はアリア・カヴァルティーナ、16歳!9月11日生まれのAB型!身長168cm、BWHは89-59-82!体重は……今日はかなり動いてるから希望的観測で2kgは減ってる筈!趣味は特にないし、好きな物も特に無い!それから、交際歴は無いけどナンパならされた事あるわ!」

 

何を言い出すのかと思えばこの女は戦いながら自分の個人情報をベラベラと喋り出し、何かの陽動かと疑ったけれどこの女は顔色一つ変えずに攻撃を繰り返していて、本気で私に自分の事を伝えている気なのだろう。

 

クソ真面目、そんなふざけた座右の銘なだけはある。

 

「私は響さんほど優しくない、貴女を地に堕とす!」

『ほざくかクソ真面目!パンドラが無くとも、聖剣が無くとも、電子ノイズが無くとも私にはまだこの翼がある!貴様一人搔き消せずして天使を名乗るつもりなぞ毛頭無い!』

 

最後の天使として、最後の神の代行者として目の前に立つ女が翼を持つ事を否定する為にもう一度旋風を巻き起こして距離を置いた。

 

自分の神格の全てを天使の証である翼に集約して全開放する《奇跡》でこの列島を全て吹き飛ばす。私もただで済まないがたとえ神殺しといえど私を貫かなければ意味など無い。

 

私の身体を翼で覆い神格を集中させると人の身に入っていても私の翼は本来の蒼の輝きを取り戻し、次第に巨大になっていくと女も空に跳び上がるとその翼を広げてエネルギーをその足の装甲に集中させて私の翼ごと貫くつもりなのだろう。

 

一瞬の静寂が私達の中を流れ、私の羽根が抜け落ちて地面で結晶のように砕けた音を皮切りに私達は同時に動いた。

 

「《誰よりも熱く 誰より強く 抱き締めるよ》!」

『力天使アニエルが天に在わす神に告げる!我が奇跡よ、此処に神威を示せ!』

 

力の全てを放つ為翼を開こうとすると女はそれを妨げるように歌と共に私の翼を蹴り抑えた。

 

だが所詮女が背負うのは偽物の翼、私に敵うはずがない。

 

『アリアさん、私の翼も受け取って!』

『もっかいやっちゃえ〜!』

『私達の分まで貫いて!』

『アンタが負けたら承知しないわよ!』

 

私が更に力を込めて押し切ろうとしたその時、電子ノイズを相手していた筈の愚者達の翼が再び女の背に集い、六対の翼を背負うとその出力は爆発的に増加した。

 

『念話』を私にまで流すだと……道理でフィーネらしくない。フィーネが求めた力を貴様達は……いや、アリアは手に入れていたというのか。

 

私の叡智すらも打ち破った装者達に背中を押されたアリアの蹴りは次第に私の翼をヒビを入れていき、私も引くわけにはいかないから咆哮を上げた。

 

『私の 正義()は、絶対に負けないッ!』

 

《Be The One》

 

アリアの六対の翼が更なる輝きを放ち、足のブースターからは極彩色のエネルギーを噴き出しながら私の翼を蹴り砕き、その神々しいまでの輝きにかつての同士の姿が重なった。

最後の一人になってしまったけれど、最後に懐かしい物を見れただけ少しはやり甲斐がある使命だったのかもしれない。

 

その圧倒的な光に包まれながら、私の意識は途絶えていった。

 

 

 

 

 

 

詳細な報告を挙げればキリのないアニエルとの決戦、その被害は世界各地にも及び被害者も大勢居るがその甲斐もあってかパンドラは完全に破壊され、封印の間にあった時空神殿の瓦礫も全て砂と化していたらしい。

 

私自身、あの時は無我夢中で変な事を口走ってしまっていたけどアレが私にとって心の距離を縮める為に必要だった行為なのかもしれない。そういう事にしておく。

 

何はともあれ、無事に全員生きて帰って来れた訳だけど、

 

『ティナ、クビよ』

 

私は国連所属の装者候補生をクビとなった。

 

クビと言ってもS.O.N.G所属に戻るだけなのだけど、響さんの悪戯心によって私のメンタルが一瞬ズタボロになったのは忘れていない。

 

ガングニール及び他の四人のシンフォギアは完全な修復まで時間が必要だから修復に合わせて私も一旦S.O.N.Gに戻るというのが上の判断らしい。天羽々斬だけは唯一壊れずに済んでいて、私が使えない事もないという事が新たな検査で判明したけど、天羽々斬は私が持つべき剣ではない。

 

『何故私は生きている……』

『神殺しは使わなかった、それだけよ』

 

律の身体に入っていたアニエルも三日経ってからようやく目を開き、何故生きているのかと疑問に思っているようだけど私はアニエルを殺したくて戦っていた訳じゃない。

 

パンドラ、エクスカリバー、電子ノイズ発生装置を全て破壊してアニエルの翼も砕いたのだから殺す理由が無くなった。それだけの事だったけどアニエルはそれに随分と不服そうな表情をしていた。

 

『生き恥を晒せというのか……』

『そうよ。貴女には罪を償わせる、簡単に死なれたら困るわ』

『…………』

 

アニエルを殺すことは出来た、けどそれではアニエルとやっている事が変わらない。最も忌むべきは可能性を否定して虐げる事、アニエルだって最初から人類の滅亡を願っていた訳じゃないのだからチャンスは与えるべきだ。

 

私の真意が届いたのか否か、アニエルは再び目を閉じると律の髪の色は黒へと戻っていき、律の意識が戻って以来アニエルが表に出てきた事はない。

 

「それにしても急に帰ってくるからビックリしたわ」

「先方の学校が被害を受けたので、卒業まではまた此方でお世話になります」

「そんなに堅苦しく言わなくてもいいのよ。この学校は貴女の母校なんだから」

「……そうですね」

 

S.O.N.Gとしての役割は勿論だけど学生の本分は勉強だ。

 

5教科は特に問題は無いけど私は人付き合いが苦手なのは分かっているし、学校とはそういった事を学ぶ場所でもある。だから2週間の休校が明けてから私もリディアンに編入させてもらう事にした。

 

担任の先生に案内されて教室に入ると殆ど一年振りになるクラスメイトとの再会は嬉しくもあり緊張してけど、見慣れた律が手を振ってくれているお陰で何とか固くならずに済みそうだ。

 

「それじゃあアリアさん、自己紹介からお願いね」

「はい。私の名前はアリア・カヴァルティーナ、留学を終えたので今日からはまたクラスメイトとしてよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

アリアの一時的な全てのシンフォギアとの適合、六枚の翼、特有の絶唱、そして無差別の念話。

 

それらは翼の頭を悩ませていて、響とエルフナインが直接会って話し合う場を設けたのはそれだけ事の重大さを示していた。

 

「アリアさんの絶唱は明らかに異質です。絶唱は本来シンフォギアのリミッターを解除するパスワード、歌詞を変えても何の効果は無い筈なのにアリアさんは無尽蔵のフォニックゲインを手にしました」

「立花が私達の力を一つに纏めた事は多々あるが、アリアのは六つのシンフォギアを同時にエクスドライブまで昇華させた。奇跡というには少し話が飛び過ぎているな」

「念話、ティナが意識して発現させた訳じゃないなら統一言語を意図せず手にした事になる。凄く危ないし、その力はフィーネさんでも一人では手に出来なかった力」

 

アニエルが口にしたフィーネの名がアリアを指しているにしても、フィーネの終わりを知っている三人はアリアがフィーネである可能性は否定出来ていた。

 

だからこそ、アリアが歌った世界最古の歌と称される『セイキロスの墓碑銘』の聖詠が問題となっていた。

 

「25年前、まだフォニックゲインという単語は桜井女史しか知らなかった頃、アメリカで展示されていた『セイキロスの墓碑銘』が強力なエネルギー反応を示した事はデータが残っていました。ですが、後の検査では何の異常も確認されませんでした」

「25年前ならアリアが生まれる数年前だ。アリアの行動記録が正しいのなら、生後もセイキロスの墓碑銘と接触した可能性は低い」

「ならその時居た筈だよ、ティナちゃんのお母さんが」

 

アリアが母親に捨てられた事は三人は知っていた、その理由もアリアの異様な才覚に親としての役目を果たす事が出来ないと思っての事。

 

親とて人である事は三人も理解していた。アリアがLiNKERと適合できた理由がそこにあるのなら、LiNKERはアリアの刺激すべきではない部分を刺激している事になる事も。

 

「正直、アリアさんの過去はあまり探るべきではないと思います。アリアさんの正義の心は確かに僕達を守る為に歌っている、けどその芯にあるのはアリアさんが幼い頃に失った愛への深い渇望。触れるべきではないアリアさんのトラウマでもあります」

「LiNKERの副作用が無いこととセイキロスが関係が無いとは到底思えない」

「ティナちゃんはシンフォギアと適合出来なかったんじゃない。『産まれた時から既に』適合した完全聖遺物を心の中に持ってたから反発し合ってた」

「………『歌』の形をした完全聖遺物。墓碑銘自体はセイキロスが妻に贈った歌とされてますが、その歌のメロディがフィーネの遺伝子を目覚めさせたというのなら」

「フィーネと同じ時代を生きた者がアリアの中にも居る可能性がある」

 

クリスが全力を尽くして撃ち放った攻撃を無意識の内にLiNKERを追加で投与して回避した事、まだ起き上がれる状態ではなかったのにアニエルの不意打ちを回避した事。

 

アリアが生死を彷徨った場面で悉く救ってきた存在がアリアの中に居る、害を成すつもりではないというのは察していたけれどソレがアリアにどう影響するかは未知数。

計り知れない愛への渇望、フィーネと同じ時代を生きた人物が遺した歌の完全聖遺物、そしてフィーネが求めた統一言語であり言葉を必要としない完全な念話。

 

それらが導き出す答えは新たな動乱の火種となる。

 

「ティナちゃんが第二のフィーネになる可能性は極めて高い。ティナちゃんを傷付けない為にも、皆で見守りましょう」

 

新たなフィーネが覚醒しないよう、三人は互いに協力することを誓った。

 




一部終わり

ようやく普通に話が進められる
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