バンドリ 無口なギタリスト Re:Try   作:NoMuSoN34

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10話

後日、俺達は事務所に向かった。

 

着くやいなや応接間に通されて、説明を受けた。覚悟を決めていた俺達だが、説明を聞くと改めて緊張が走った。

 

本当に音楽で食べていくんだと。

 

「それでは、これから宜しくお願い致します!」

 

そして、正式にプロとしてのスタートを切ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後はひとまず解散となった。レコーディングはしていたので、シングルで様子見する手筈をとる。

 

俺の予想通りなら、何かしらの反応がこのシングルで帰ってくるはずだ。

 

俺達のスタートに相応しいあの曲で。

 

 

 

 

 

とまぁ、直ぐには帰ってくるはずもなく。俺はギターを背負ってとあるライブハウスを訪れた。

 

GALAXY

 

ここは俺が中学からお世話になっている場所の1つで、理由は……入ればわかるだろう。

 

「あっ!野村君。ますきちゃん呼んでくるね!」

 

そう言ったのは店長さん。そこそこ長い付き合いがあるのでさっきのように直ぐに俺の用を察してくれるいい人だ。

 

「うぃ〜す」

 

どうやら来たみたいだな。俺が今日来たのはこの子……佐藤ますきに会いに来たのだ。

 

一見ヤンキーにしか見えないが、中身は可愛いものが好きでケーキを作るのが得意な女の子だ。

 

「今日はセッションしに来た……だけじゃ無さそうだな」

 

以外にも鋭い反応をした俺は素直に首を縦に振る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「すげぇじゃん!流石大規さんだ。」

 

そう、プロになったことを報告しに来た。

 

彼女も付き合いが長い、中学の時にもう1人の女の子と3人で一時期バンドを組んでいて、一時はSNSで、人気になるほどーだった。

 

訳ありで解散して、彼女はまだフラフラしているようなので時たまにこうやってセッションの相手をしている。

 

「あたしもバンドやりてーな。」

 

じゃあやればいいだろう? と、普通は言うのだが、彼女はちょっと悪い癖がある。

 

それは、即興で音数を増やしてしまう癖だ。

それのせいで彼女は周りにバンドメンバーとして加入するのを良しとしないのだ。

 

俺から言わせれば、それはとても素晴らしい事だと思う。

悪く言えば、原曲通り演奏しない。

しかし、よく言えばアドリブは最高レベルだからな。

 

周りがそれに合わせられるほどのレベルなら、それこそ俺たちのようにプロになれるぐらいだからな。

 

「まぁ、今はセッション楽しようぜ!先輩」

 

彼女の前向きな言葉に、俺は微笑みながら頷く。

彼女にも、きっと素晴らしいメンバーが集まることを信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ますきとセッションを楽しんだあと、俺はその足で楽器屋に向かった。

 

実は、次にレコーディングする予定の曲を演奏するように新しいギターを探しにきたのだ。

 

内容は皆がよく聞くようなロック調なんだが、サウンド的に今所有しているギターでは出せない内容なので、今回新たに調達することにした。

 

のだが……

 

「あら、野村さん。」

 

そこに居たのは、氷川紗夜さんと。

 

「大規君!」

 

氷川日菜さんだった。

 

この2人の組み合わせは久しぶりに見た。

 

「確かに中々この3人で会うことは無いわね。」

 

「えー?私はしょっちゅうあってると思うけどなぁ?」

 

日菜、君の感覚でいくと後々ややこしくなるから…、2人もギター見てるのかな?

 

「えぇ、2人でギターを見るのもこれが初めてだけれどね」

 

「じゃあ大規君もギター見に来たの?」

 

ふっふっふ、俺は、買いに来たのだよ。決して、見るだけでは終わらない。

 

「えー!良いなぁ」

 

「どのギターを買うの?」

 

俺は、一応目当てのギターが置いてあるブースを目で見る。

 

「るんって来た!着いて行っていいよね!」

 

「日菜、野村さんは仕事関連でしょ?大丈夫なの?」

 

紗夜の言う通り、レコーディングで使うギターだから一応仕事?だけど、特に問題は無い。この業界、仕事と趣味が混同することが多いからな。

 

「なら、言いけれど。」

 

紗夜さんも渋々了承してくれた。

 

さてと、そろそろご対面しようか。

 

 

 

 

 

 

「野村さん?ここは……」

 

うん、言いたいことは分かるよ。

 

俺が連れてきたのは俺がライブで使うお馴染みのギターのブースだ。

 

日菜はともかく、紗夜のような一般の高校生には手に余るような金額のギターばかりなのである。

 

「全部色綺麗だね!宝石みたい」

 

このメーカーさんは元々宝石商だったからね、その名残りだってさ。

 

「だから高いのですか、私が買えそうなのでせいぜいこのモデルくらいですよ?」

 

仕方ない……あれ?話少し変わるけど紗夜はesp使ってたよな?このモデル相当のやつ……。

 

「あれは……詮索しないでください!」

 

「私は渡されたギター弾いてるから高いか分からない!」

 

貴方もお高いギター使ってるよね、俺もそのモデル欲しかったよ

 

「今度かそうか?大規君なら何時でもいいよ!」

 

サンキュー、じゃあレコーディングで使おうかな。

 

「大規さん、良ければ私のギターもお貸ししますよ?」

 

2人の好意が今はとにかく嬉しい。

 

2人のギターは今回のレコーディングでかなり戦力になるからな。ジャンルの相性も良いし。

 

なら特別に、俺のギターを暫く貸すよ。

 

「良いの!?やったー!」

 

「あのメーカー、ですよね?ぶつけたりしたら…」

 

大丈夫、怒らないよ……直せるから。

 

「でしたら、お願い致します。」

 

 

 

 

 

 

その後、なんやかんやでギターを購入して、話が膨らんで2人が家に泊まりに来ることになった。

 

 

普通は女の子を家に泊めるのは宜しくないのだが、本人達も了承しているのでここは受け入れることにした。今夜は寝ずにセッションするか。

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