バンドリ 無口なギタリスト Re:Try 作:NoMuSoN34
こんにちは、サークルで1人練習している野村です。
俺は月に1回こうして1人で練習しに来ている。
しかも、まりなさんに頼み込んでその1時間は誰一人として近づかないようにしてもらっている。
ここまでしてもらってまで俺がする事は1つ
「♪♪♪♪」
そう、ボーカルの練習をしている。
そりゃ俺だって声を出したい時もある。
緊急の時だって会話出来ないとまずいからな。
こうやって練習していないと言葉すら話すことが出来なくなるのだ。
「♪♪♪♪♪♪〜」
今更だが、俺は歌が得意ではない。
ハモリも練習をかなりしないと安定しないほどにな。
ラップとか、ボイパは何故か安定するのだがな。
そんな事を1人ブツブツと心の中で喋っていると、複数人の気配が近づいてきた。
あれおかしいな?近寄らないようにしてもらったはずだが。
俺は声を潜め咄嗟に電気を消した。
その勢いでアンプの後ろに隠れてスマホを確認する。
なんで焦っているか?知人だとめちゃくちゃ追求されるからな。
見てみるとまりなさんから謝罪文が来ていた。
「ごめん、日程の調整間違えてRoseliaが来ちゃった!後でなんか奢るからやり過ごして!!」
まりなさん、今度から気をつけてくれよ…
そんな事を思いつつ、やり過ごそうとした矢先
ガチャ
!!!?
「友希那〜そこじゃなくて隣の部屋だよ?」
「ごめんなさい、人の気配がしたのよ。」
「えぇ!?」
「アンプの電源が入ったままですね、全く誰ですかね?」
俺だよ!!
と言いたいところだが、俺はさらに息を潜め気配を最小限消す。
「とりあえず、行きましょう。時間も有限たから。」
そう言って3人はドアを閉める。さて、そろそろ出るか
そう思ってアンプの裏から立ち上がると。
「………」
「………」
「………」
「………」
3人が俺を見ていた。
あれだな、某スニーキングミッションとかで命懸けでやっている人が敵に見つかった時もこんな感じなのだろうか?
とりあえず………何も無かったように外へ出る。
「大規さん。どこへ行くのですか?」
氷川さんが俺の肩をがっちり掴んだ。痛い。
「何してたのかな〜?」
「詳しく聞きたいわ」
2人も俺に詰め寄ってくる。
こうなったらもう………
ち〜ん
俺はRoseliaの面々に連れられて外のカフェで尋問される羽目になった。
まりなさんがコーヒーとパフェを苦笑いしながら持ってきた。
(ごめん、野村君……これ奢りだから食べてね?)
まりなさん、ありがとう。
「さて、何をしていたんですか?」
氷川さんが詰め寄ってくる。
そうか俺の心読めるの彼女だけなのか。
何もしていない。無罪だ。
「嘘をついてはダメですよ?罪が重くなるだけです。」
氷川さんが俺を尋問している最中、俺はパフェに手をつける、溶けたら不味いからな。
俺は何もしていない。
「ではなんで暗闇でアンプをつけたまま隠れていたのか教えてください。」
「吐かないとこそばしの刑だそ〜?」
ふっ、今井さんよ、俺にそんな技は通じない。俺が今までどれだけの拷問を受けてきたと思っている。
「今井さん、もっときつくても良いらしいです。」
この鬼!!氷川さんのS!!
「鬼ではありません!早く吐きなさい!」
紗夜の剣幕に少し驚いたが…、ここで口を割るくらいなら……。
「!?何をしているのです!」
俺は湊さんにの肩に手をかけながら後ろに隠れる。
「大規?」
湊さん、彼女は危険だ。俺は君を盾にするよ。
「そう…」
「友希那?さっきと今とで変わってない?」
「湊さん、彼を渡してください。」
「紗夜、あまり追い詰めると今後、AXELLとの関係が崩れるわ。ここまでにしましょう。」
「紗夜さん、練習の時間が無くなりますよ?」
「ぐぬぬぬ!」
どうやら氷川さんも諦めてくれたようだ。
俺は席に戻り優雅にまたパフェを食べ始める。
「野村君は面白いな〜」
まぁ、わちゃわちゃしてるのは嫌いではない。口と顔はこうだが行動は普通の学生と変わらないと思う。
「そろそろ行くわ。大規、また後で」
友希那が別れの挨拶をしてきた。
俺は手を振りながら背中を見つめる。
あの対バン以来、俺への態度が柔らかくなったよな。
Roseliaは今後とも贔屓にしたいバンドである。
あの世界観やサウンドは俺の中で五本の指に入る程好きな音楽だ。
さてと、俺はギターを調達に行こうかな。
「お!来たね。」
俺はある楽器屋を訪れている。
ここはあるひとつのメーカーを専門に取り扱う店で俺の使うギターは殆どここから調達してきているのだ。
「今日は何をさがしてるんだい?」
ちなみにここの店長も俺の心が分かる。
俺はpsをお願いしたいと伝えた。
「ps!? 大きくなったね……」
まぁ、プロになった事で楽器も出来るだけ手の込んだものを使いたい思いはあった。既存の楽器ではなく究極までこだわった楽器が俺も欲しいからね。
「了解!ちなみに……勿論1本だけダヨネ?」
なんか店長が震えているのが笑える。
2本。
「まじかよぉぉ!!」
この後、俺はこだわりを余すことなく店長に伝えて注文は成立した。
金額は………秘密だ。
俺は帰ってきた後、暇つぶしでnfoにログインした。
最初期から俺はやっているのでレベルはトップクラスで、職業は王道の剣士。近接攻撃が最も強い。
なんか久しぶりのログインしたら大陸のど真ん中にいた。
やべぇ、最果ての村に移動しよう。
さっきは死ぬかと思った。ど真ん中でログアウトしたのを忘れてたよ。
にしても、ここはやっぱり平和で、ビギナーも多いな。
ちょっとウロウロするか。
今現在、招待イベントが開催中のようだな。
報酬のアイテムは超レアだ。しかし、俺は持っているから必要ない。
「りんりん!みんな居たよ!」
なんか、聞いた事ある声だな。
りんりん……?
俺はふと声のする方に目を向ける。
そこには見知った…昼間にあった5人がいた。
何やってるんだ?
じゃあ!手紙を鉱山まで持っていこう!」
あぁ、リンダさんに手紙を届けるやつね。
すると、あこの奴…鎌が欲しいのだろう。
なんかゲームの中でも会うとか、縁とは怖いものよ。
「そういえばさっきフレンド一覧見たら大規さんもログインしてたよ!!」
「!!」
俺は盛大に噎せた。そうだった。フレンドがログインしているか分かるんだった。
しかもだ、俺はあこと何度も遊んだことがある。つまり、フレンドなのだ。
「へぇ!野村君もゲームやるんだ!」
「うん!!しかもすごく強いんだよ!!」
よし、ここはあこが俺の自慢している間に……
「あの…」
……落ち着け、別の誰かかもしれない。そう淡い期待と共に振り向くと。
「NoMuSoNさんですよね?」
名前の所にはRINRINと書かれていた。
誰ですかね?としらを切る。たとえ相手が白金さんだろうとな。
「あこちゃんから聞いてます。見た目とレベルが一致するので話しかけたんですけど…」
俺は即座に白金さんにどうか隠密にと頼もうとした時…
「りんりーん!どうしたの……ってああ!!)
時すでに遅かった。
「ノムさんだ!!」
「え?」
「野村君?」
俺は諦めて、みんなに挨拶をした。
その後、成行きで皆と同行することになった。
「それじゃあ!洞窟に行きましょう!」
白金さんはメッセージだと饒舌になるんだな。
多分そんな感じでは会ったんだけど。
にしても湊さんはパソコンも怪しいのは笑ったけど。
普段作曲どうやってんだよって突っ込んだら
「譜面を書いて皆で考えてるわ」
あれだな、Roseliaすげぇわ。
その後無事にあこは鎌を手にしてRoseliaの団結力はさらに強固なものとなった。
俺は喜んでいる間にログアウトして、曲の手直しをまた始める。
負けてられないよな。
俺は、Roseliaの団結力を見てやる気が出てきたのだった。