バンドリ 無口なギタリスト Re:Try 作:NoMuSoN34
こんにちは、現在circleで練習中のAXELL一行です。
なぜcircleで練習しているかというと、茜ちゃんの機材がまだ届いてないからだ。
故にcircleで機材を借りて練習している。
ついでに他のバントやまりなさんとの交流も兼ねていて現在練習という名のプチライブ状態である。
「いやー、やっぱ茜ちゃんが入ってくれて良かったね!前より世界観がはっきりした!」
「だな!前は良い意味で無骨な感じだったけど今回はThe AXELLって感じだ。」
「茜ちゃん、大丈夫か?息上がってるけど。」
「だっ、大丈夫…です!」
やはり管楽器は肺活量がないと困難な一面があるな。
練習はいいが、本番の事を考えると3曲が限界だな。
「すみません、私運動が苦手で…」
「仕方ないよ。人それぞれだし、逆に蒼二みたくアスリート馬鹿だったらビビる」
「うんうん!茜ちゃんはそのままでいいんだよ!」
そうだ。脳筋なったら終いだぞ?
「うるせ!脳筋で何が悪い!?」
そうやって調子に乗るところだよ。
そう思ったがグッと抑えた。
ケンカなんかしてる暇はアイツらにはないからな。
次のライブは……2週間後、circleで行われる。
機材が届くのが1週間後である。
茜ちゃんが新しい機材に早く慣れるのを祈るばかりである。
「野村君!ちょっと良いかな?」
唐突にまりなさんが俺に声を掛けてきた。
ちょうど練習も終わったところなので各々解散ということで散ってもらった。
で、用とはなんだろうか?
「えっと、来週の水曜と木曜にちょっと出勤して欲しいんだけど……ダメかな?」
珍しい、俺に出勤要請が出るということは……
機材の搬入かメンテナンスですか?
「えっと……両方、かな?」
疑問形じゃなくてもいいんだが……
彼女なりに気を使ったのだろう。
了解しましたと伝えると詳しい予定はチャットで送られてくるそうなのでそのまま俺は帰宅する事にした。
俺は帰ってきて、次のライブで使う機材のメンテナンスをしている。
セトリの内容的にジャンルがバラバラなので1曲に1本変えるという忙しい内容になりそうだ。
それにしても……これは1度機材整理をしないと面倒だな。
ギターだけでも100はあるし、アンプも50ちかくある。
そうだ。印税で倉庫を建てて専属の管理人を雇おう。
それがいい使い道だと思った俺は、その勢いでマネージャーに連絡して、近くの土地と良さそうな倉庫を探してくれと頼んだ。
流石のマネージャーも驚きを隠せなかったようだが、知り合いにその界隈の人が居るらしく連絡してくれるそうだ。
いやー、楽しくなりそうだな。
あっ、まりなさんから連絡きた。
えーっと、機材搬入はマーシャルのJVM……と
修理はJCを3台か。
この2台の名前を聞くとthe スタジオって感じだな。
報酬は5万……日払いで5万てやばいな。
とりあえず修理する為の工具箱を用意しておけばいいか。
後は必要に応じて召使い(脳筋)をこき使うからな。
さてと、来週は鬼忙しいな。
とりあえず、寝溜めとくかな。
それに合わせて今週の予定を変えて、俺は就寝することにした。
そして、無事に機材が届いた。
開封の儀を行い。出てきたのは丁寧に包装された機材達。
茜ちゃんは目がキラキラしていた。
モチベーションが上がった茜ちゃんの勢いを活かしそのまま練習を始めた感想なんだが。やはり最新の機材は出来ることの幅が広く今回俺の奏でたい演奏が完璧に仕上がった。
ここまで出来が良いと、もう感極まるな。
「大規、確か明後日と明明後日はバイトだよな?俺らで練習した方がいいか?」
蒼二が真面目な顔で聞いてきた。
それでも良いのだが、皆かなり仕上がっているので個人練習にしようと俺は思っている。その方がプライベートの予定も立てやすいだろうからな。
「分かった、それで行こう。」
「じゃあ練習続けようぜ!」
そして、バイト当日。
時刻は朝8時。俺は必要な荷物を確認、その後戸締りをして家を出た。
今日は力仕事も多いだろうから3日程前から体を動かし調整をしていたので差程苦労もしないだろう。
恐らくだが受付もするはずなので作業者と普段着の2着持って来た。
無口な俺が受付?…と思った方も居るだろう。
安心してください。
circleに今日来る予定のバンドはRoseliaとafterglowだけ。この2組は俺と念話出来るし顔見知りなので全く問題ない。
午後からは機材搬入の為半日休業だ。
「おはよう野村君!」
おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。
「早速だけど、受付お願いできるかな?afterglowを待たせちゃうから!」
あらあら、それは不味いな。
俺は受付に向かい。レジの確認と備品の確認をして。afterglowを呼んだ。
「今日は大規さん出勤なんだ。」
「珍しいですね〜」
まぁ、ここ入るの3ヶ月ぶりだしな。そう思われてもおかしくないか。
「そうだ、後で演奏聴いてよ。プロの評価が聞きたい。」
別にいいけど、お前らはかなり完成されてるから言えることほぼないぞ。
「そんな事ない。まだまだ成長してみせるから。」
「私達蚊帳の外なんだけど!私も大規さんとお話したい!」
「ごめん、あたし達に言えることなんて無いと言われたからさ。」
「大規さんにそこまで言って貰えるのは素直に嬉しいことだよ!」
とりあえず俺はひまりを宥めるつもりで頭を撫でた。
4人からの視線が怖いけどな。
「ふぇぇ!」
ひまり、それは松原のアイデンティティが失われるからやめなさい。
「だってさひまり。」
「むー、大規さん!声を聞かせて下さい!」
ひまりが急に我儘を言い始めた。
しかし、俺は首を横に振る。この声はもう安売りは出来ないんだ。
このキャラクターを貫くことが今のAXELLを繋げていると言っても過言ではない。
「蘭!どうやったらテレパシー使えるの!?」
「なんでムキになってるのさ、やっぱり長く一緒にいることが1番の近道かな。自然と出来るようになったし。」
「まぁまぁひまり。そう言わずに練習するぞ!」
さすが巴、ナイスフォローだ。
「とりあえずスタジオ入ろうよ。大規さんにも早く聴いて欲しいし。」
と言いながら5人はスタジオへ入っていった。
予定ではあと20分後にRoseliaが来るはずだ。
俺の勝手な予想だが、紗夜さんが10分前に到着するな。
「あら?今日は野村さんが受付なの?」
臨時のバイトだから今日だけだよ〜。
「そうなの。あっ、ちょうど聞きたい事があったんです。」
紗夜さんが思い出したように俺に質問を投げてきた。なんだろ?
「実はこのフレーズを少し手を加えたいのだけれどアイデアが浮かばないのよ、何かいい案はないかしら?」
紗夜さんが見せてきたのは演奏中あまりギターが目立つところでは無いフレーズだった。この楽曲、キーボードがリードしてギターはバッキングメインの内容になっている。
参考程度にどういう感じにしたいのか聞くと。
「リズムを取りつつ、少し目立つ感じにしたいの。」
成程、だったらブリッジミュートしつつリフを取り入れたフレーズにしたら面白いかもな。
俺は受付の脇にあったギターを取り、チューニングをサッと合わせてアイデアをそのまま演奏した。
「それは考えてなかったわ、5人にも言ってみますね。」
紗夜はにこやかになり、俺もついにやけてしまった。
彼女の笑っているところはつい前までは滅多に見られなかったからな。
「紗夜、早いわね。…あら?」
友希那も来たみたいだな。
「今日はバイト?」
俺は頷き、ほかの3人の事を聞いた。
「外にいるわ先に受付を済ませに来たの。」
成程、じゃあRoseliaは1番のスタジオに入ってもらうことにしよう。
「あー!ノムさんだ!」
「大規?珍しいね。」
どうやら3人も来たようだ。
「早速使わせてもらうわね。」
そう言ってそそくさとスタジオへ入っていった。
相変わらずストイックな事で。
とりあえず、この後は2時間暇だから今のうちにサッと1台治しておくかね。
どうやらイコライザーのポットの調子が悪いみたいだな。かなり使い古されてるから1度新品に交換したら調子は良くなった。
あと2台はジャックの線がちぎれ掛けてただけなので直ぐに戻った。
まさか2時間以内に終わるとは思わなかったよ。
まりなさんにも報告して、残るは最大の難関アンプの移動か。
これまたキャビネットはキャスターがあるから楽だがアンプがやたらと重いんだよな。
まっ、その前に2バンドの受付を終わらせようと向かうと。
「……」
「……」
いつもの2人が睨み合っていた。
あれー?時間調整してかち合わないようにしたはずだけどな。
「練習がおもいのほかすすんだのです早めに撤収して自主練になったのよ。」
成程。
「湊さん、その言い方はないんじゃないですか?」
「私は正しいと思ったことを言ったまでよ。」
「蘭やめろって!」
「友希那も!」
巴とリサが割って入ろうとしているが中々止まらないらしい。
はあ…、問題児は手がかかるな。
俺は無理やり2人の中に割って入った。
「大規さん、どいてください。」
「そうよ、貴方は下がっていて。」
下がるのはお前らの方だ。決闘ならライブでしろ。と訴える。
「けど!」
蘭は食い下がる。ほんとこの子は…。
内容は知らないがお互いのやり方に共感できないのが原因だろうな。
しかし、どっちも間違いではない。
いつも通りの練習も、頂点へ行くためのハードな練習も、どちらも必要な事だと思うしな。
AXELLはこのどちらもやっている。
だから、どっちも悪くない。
「……分かった。」
「……そうね、失言だったわ。ごめんなさい美竹さん。」
「いえ、私も言いすぎました。」
「すご、2人を止めちゃった。」
「どちらの気持ちが分かる大規さんにしか出来ないからな。」
俺は、Roseliaもafterglowも凄いバンドだと思うよ。
「そう、ですか。」
さてと、止めた所で俺は店前に1台のワゴン車が駐車いるのが見えた。恐らく機材を載せた車だろうな。
俺は倉庫から台車を取り出し、車へと向かう。正直マーシャルを載せるのは心もとないが慎重に移動すれば問題ないはずだ。
その後、無事に設置を完了して、俺は報酬をもらいお役御免となった。
今は贔屓にしている静かなカフェでコーヒーを嗜んでいる。
ライブは目前なのに呑気にしていていいのかって思われるかもしれない。しかしライブ前だからこそこうやって落ち着いていたいのだ。
思えば、茜ちゃんは初ライブだったな。
俺は茜が緊張しているのが少し心配だったのでちょっと呼んでみることにした。
「こんばんは!」
ちびちびコーヒーを飲んでいると、茜ちゃんが話しかけてきた。
いつの間にか挙動も安定して、俺の心の声も聞こえるようになった。
この子は要領が良いのは練習している時に分かってはいたが、いやはや原石だったな。
緊張してる?
「はい…、ライブは初めてなんです。」
俺はコーヒ牛乳を差し出し、こう言った。
俺も、初めてライブした時は今の茜ちゃんと同じくらい緊張してたと思う。でもそれも1曲やったら楽しくなるから、肩の力抜いてゆったり構えてたらいいよ。
「そう、ですかね?」
大丈夫、俺が保証する。俺達が背中支えてやるから、ライブを楽しもうぜ。
「…はい!」
茜ちゃんはニッコリ笑ってそう答えた。
この子は、きっとAXELLの一番星になる。
そう思った。
その後俺は支払いを済ませて茜ちゃんを家まで送った。
そして、ライブ当日
俺達は新たな歴史を刻むためライブハウスへと足を向けた。