とある管理外世界。俺は初仕事として来ていた。
昨日のことだ。俺とシーニーはリンディ提督から呼び出された。
「久しぶり、翔悟君、シーニーさん」
「お久しぶりです。今日は何で呼び出されたんでしょう?」
「それはね、貴方達に仕事をしてもらいたいからよ」
嘱託魔導師の試験については合格したという報告は前に受けた。模擬戦の他にも筆記試験などもあって、フェイト達にも勉強の手伝いをしてもらった。しかも模擬戦をもう一回やった。シーニーなんて、
「よし!これで数多の強者達と闘えます!」
なんて言っていた。なんか勘違いしているんじゃなかろうか?
俺達は、初心者と言ってもいいので―シーニーはよくわからないが―仕事はまだ無いだろうと思っていた。
「大丈夫なんですか?俺なんてはっきり言って弱いですよ?」
雑魚と言おうとしたが、とりあえずは言葉を選んだ。
「大丈夫。シーニーさんもいるし、貴方を十分強いわよ?それに・・・」
パシュッ
扉の開く音に後ろを向けば、そこにはフェイトとシグナムの姿。
「翔悟もシーニーも久しぶり」
「久しぶりだな」
「この子達にもついていってもらうわ。それなら大丈夫でしょう?」
「なんでこの2人なんですか?」
「翔悟君はフェイトさんと、シーニーさんはシグナムさんと模擬戦をやったから、お互いの技については知っているでしょう?だから、連携がしやすいと思ったのよ」
「それはいい考えですね」
さっきから一向に喋らないシーニーは、ずっとシグナムを見ていた。この2人の模擬戦はシグナムが勝ったため悔しいのだろう。
「仕事の内容は、管理外世界にあるロストロギアの違法所持の疑いのある魔導師のアジトの調査、可能なら拘束です。規模も小さいですし、大丈夫でしょう」
「判りました。いつ行けば?」
「明日です」
「つーか、このメンバー男俺だけかよ 」
管理外世界の空を飛びながら1人愚痴る。とても気まずい。他の3人は何も感じていないようだが。
(ユーノは無限書庫、クロノは執務官の仕事。多忙なんだろうなぁ・・・あ、ザフィーラ忘れてた)
「翔悟」
(しかし、いたとしても女子率が高いことには変わりはないし)
「翔悟」
(ていうか、魔法少女だから女子が多いのは当然だが、 これは・・・)
「翔悟!」
「うわ!なに!?」
目の前にはフェイトの顔。何故か少し怒っている。
「さっきから呼んでるのに返事しないから」
「どうかされましたか?ロード翔悟」
「いや、何でもないよ」
「ぼーっとしていれば怪我をするぞ?橘」
「わかってるよ、シグナム」
「それじゃぁ話を戻すけど、これから行くのはロストロギアの違法所持の疑いのある魔導師のアジト。ほとんど確定がしているんだけど」
「言っておくが、犯罪者の連中は魔法に非殺傷設定なんて生易しいものはせん。怪我には気を付けろ。最悪の場合は死ぬ。油断はするな。特にシーニー」
「なんですか?シグナム」
「お前は突撃しすぎだ。もう少し回りを見ろ」
「そんなことわかってます!」
「わかってねぇから、言われんだろ」
「ロード翔悟まで!?」
「とりあえずだ。まずは私とテスタロッサで行く。その後にお前らは来い」
「了解」
「大丈夫だから、翔悟。緊張しないで」
「そんなこと言われても。初仕事が結構ハードじゃね?」
「皆これくらいはやってるよ。今回は相手の人数は少ないし。でも」
「油断はするな、だろ?」
「うん。じゃあ行くよ!」
どうやら、アジトについてはもう見つけているらしい。さすがは将来、執務官になりたいと言っていたフェイトだ。
アジトに近づくと、
「な、なんだお前ら!?」
「時空管理局だ。お前らにはロストロギアの違法所持の容疑がかかっている。大人しく投降しろ!」
「くそ!お前ら逃げるぞ!!」
アジトから出てくる容疑者×4。攻撃して抵抗する人もいるようで
ヒュンッ!
俺の横を魔力弾が通っていった。わりと沢山の。
「あぶねぇ!なんだこれ!」
「ロード翔悟、行きますよ!」
「怖いけど、おう!」
「煌竜!」
ドガァァァァァァンッ!!!!!
「うわっ!、なにあれ」
シグナムが放った攻撃は容疑者の1人を吹き飛ばした。
「シーニー、あんなんくらってよく生きてたな」
フェイトのほうは、善戦している。容疑者とのレベルの違いがよくわかる。シーニーはというと、
「そんな攻撃では当たりませんよ?」
「このクソガキッ!」
手から光の剣のようなものを出して戦っていた。
「俺もやんないと!」
俺の相手は最初に攻撃してきたヤツ。
「待て!」
「ちっ!ガキが!!」
嘱託魔導師の試験の前に沢山の模擬戦をしていたおかげか、相手の攻撃がよく見える。
「シュートっ!」
「そんな攻撃、あいつらのに比べたら!」
パァァァァァンッ!
「効かないんだよね!」
「くそっ!」
接近戦をしようとしてくる相手。
「フェイトより遅いっ!」
ザシュッ!
「ぐぁ!」
「結べ、悲嘆の怠惰!」
「がぁぁぁぁぁっ!」
相手は気絶。とりあえずは終了だ。
「ロストロギアも見つけたし、帰ろっか」
幸いにも、俺達が見つけたロストロギアは危険度が低いものだった。
容疑者達は先ほど来た、本局の人達に連れていかれた。
「橘の戦闘は良いものだったと思うぞ。今度はお前とも闘ってみたいものだ」
「考えておくよ・・・」
はっきり言って、シグナムとの模擬戦は遠慮したい。さっき見た攻撃もそうだが、シーニーが勝てなかった相手とは闘いたくない。ちなみにシーニーは俺より強い。
「そうですね、私の仇をとってもらえないでしょうか?ロード翔悟」
「お前も煽るな」
「でも、私は良かったと思うよ」
「まぁ、嘱託魔導師試験の練習してればな。それでも皆よりは弱いけど」
「これから強くなっていけばいいだろう」
「そうですね、シグナムの言う通りです。ロード翔悟。これからも頑張りましょう!」
「以外と仲良いよな。シグナムとシーニー」
「一度は剣で語り合ったからですかね?」
「ふっ、そうだな」
やっぱり、この2人は似た者同士だ。
で、
「なんで、皆俺の家にいんの?」
「私が呼んだからですよ」
いるのは、なのは・フェイト・すずか・アリサ・はやて・ヴォルケンリッターの皆さん。たいして広くない居間がとても狭く感じる。
「知り合ったからには何かの縁。親睦を深めるために夕飯を皆さんと食べよう、と思いまして」
「シーニーさんとは前から計画してたんだ」
「お前も一枚噛んでいるのか、なのは」
2人ともとてもニコニコしている。
「まぁ、いいじゃない?翔悟」
「でもな、アリサ。出来れば相談はしてほしかった。片付けとかしないといけないし」
散らかってはいないが、綺麗とも言えない。客を迎える以上掃除くらいはしたかった。
「大丈夫、きれいだよ」
「慰めをありがとう。すずか」
「それじゃ、料理運ぶから皆手伝ってな」
料理担当は、はやてとシーニー。はやての料理は食べたことはないが、ヴィータが言うに『ギガうま』らしい。すごく楽しみだ。
人数が多いので種類も量も多くなるのだが、食べきれるだろうか?
「それじゃ、いただきます」
「「「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」」」
「おおっ!やっぱり、ギガうまだな!」
確かにはやての料理がギガうまだというのは、頷ける。とてもうまい。
「まだ、たくさんありますから」
シーニーがメイド服を着て、料理を配っていた。前に通販で買っていたものだ。形からはいるのが好きらしい。
「おいしいねー」
「ねー」
前世のころには考えられなかった光景だ。こんなに知り合いがたくさんできて、話して、ご飯を食べている。
(ほんと、なにがあってこうなったのか)
前世で友達と呼べそうなのは5、6人。話す人はいても友達という関係まではいかなかった。
(疎外感っていうか、周りにとけこめないというか)
多分、この人達の性格というか雰囲気なんだろう。知らないうちに友達になっていた、的な。
「翔悟、食べないとなくなっちゃうよ?」
「ん、あぁ。フェイト、それ取ってくれない?」
「どうしたの、翔悟?今日ぼーっとしてばっかりだけど」
「考え事だよ。色々あるんだ」
「悩み事があるんだったらわたし達に相談してね?1人で抱え込むのは良くないよ?」
「考えとく」
とりあえず、今できている仲間という関係は大切にしていこう。
次はGOD編です